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着ぐるみの効果
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仕事を終えて事務員の女性が化粧直しをしている中、下着姿になってコートを着ていた。着ぐるみを着ているだけであったかいから服は着る必要はなかった。服も買わなくていいから節約になる。
「ま、分かる。すぐに脱げて楽だからね」
「シャルロッテなんて頭がいいのかしら。最初はうわぁって引いていたけれど、そういう事だったのね!トイレに行ったわよね。チャック閉めるわよ」
ジジジっとチャックを上まであげると同僚は納得していたけれど私にだってはっきりわかる。ブラジャーも紐のパンツくらいしか着ているだけの状態は恋人同士ならすぐに犯してくださいとセックスアピールしているものだから。
でも相手は鈍感通り越して人間の感情を読むのが苦手なエリオス様ですよ。よく元婚約者に怒鳴られているところを見ていて、鈍感なのかなと思っていたから。着ぐるみを着てセックスしているところを妄想して、そんなことは有り得ないと首を振って来ないかもしれないエリオス様を待っていた。
騎士様に送られていく事務員の同僚を見ながら、今日のお迎えを待っていた。貰った紅茶を飲んでいた。
***
(ど、どうしようお股だジンジンする。おしっこしたくなってきちゃった)
お手洗いに行ってチャックを下げて用を足そうとした時、着ぐるみが邪魔になってしまったから下着姿になって用を足した。目を閉じていたけれど視線を感じた。こっちの世界は和式トイレが基本で、介護する時しか様式はない。掃除しやすいようにトイレの隙間が結構開いていて覗いていたらすぐに分かる。
適当な箱の上に乗せたから汚くない。スッキリしてドアを開けると氷の騎士団長エリオス様が着ぐるみコートを持っていた。エリオス様は全裸になっている。
効果はてきめんだ。流石金貨20枚のクマの着ぐるみ。
「どこまで……私を魅了すれば気が済むのですか……」
こちらを見ている視線は恐ろしいどす黒いオーラで、覇気が凄まじい。前世で体面接客のクレーム対応をしていた私じゃなかったら失神していたと思う。多分、彼が言っている魅了しているのは私ではなく着ぐるみと同じ布を使った下着だろう。
「申し訳ございません。寒いので返していただけますでしょうか?」
「寒い?そうですか温めてあげましょう」
急に抱きしめられて驚いて声が出なくなってしまった。爽やかなミントの香りが鼻腔を満たした。ミントの香りは冷静になれるのでアロマテラピーでよく使われている。目を閉じて、至高のリセットをしているとき唇に柔らかい感触が感じられた。首筋や耳まで触れられて、唇をこじ開けて舌を吸われた時女性の部分が疼いて目が覚めた。目の前に氷の騎士団長エリオス様が目を閉じていた。状況を把握するとそっと伏せていた目が開いてうっとりした顔をしていた。
「ふぁ、ふぁにっ!」
「シャルが可愛いから、つい……」
照れながら言われて、怒りで心がいっぱいだったのに消沈していった。イケメンのてへぺろはこんな感じなのかと初めて知った。
「はじめてのキスは結婚式の時にしたかったのに。変態!うわぁっ」
男の部分をパンチしようと思ったら腕を背中に回されて痛くて叫んだ。ジタバタ暴れていると面積の小さなブラジャーから胸が零れ落ちていた。顔をエリオス様に向けると興奮と狂気が入り交じった顔をしていた。
「下着はお尻に食い込んで尻尾が生えているみたいだ、胸もどうやって暴れたら零れ落ちるのですか?私にどれだけ神は試練を与えるつもりですか!」
下着を脱がされると思って抵抗をした。このままじゃ、初めてが事務所のトイレ近くになっちゃう。仕事のたびに騎士団内でセックスしたことを思い出してしまうと思って背筋が凍ってしまう。実際にやってはいけない事だ。
「ここで赤ちゃん作ったらいけません。エリオス様、どうか目を覚ましてください。」
エリオス様はハッとした表情になり、掴んでいた手を離してくれた。全く、5歳年上でも性欲はコントロールできないらしい。
「クマのぬいぐるみが好きだと分かりましたから襲わないでください。私は結婚相手とそういう行為はしません。次にやったら怒ります。本気で抵抗しますから」
これくらい言っておけば手を出されることはないだろう。氷の騎士団長エリオス様が替えのきく存在の私の事なんて、セックスしたらセフレ関係で終わってしまう。
それに私は結婚しないと決めている。一人で呑気に生きて、人と関わらない人生を過ごしたい。
「ごめんね、シャル」
「エッチな事をしたから、今度からシャルロッテと呼んでくださ、い……」
首に衝撃を感じて意識を失った。異世界に首チョップがあるとか聞いてない。
「ま、分かる。すぐに脱げて楽だからね」
「シャルロッテなんて頭がいいのかしら。最初はうわぁって引いていたけれど、そういう事だったのね!トイレに行ったわよね。チャック閉めるわよ」
ジジジっとチャックを上まであげると同僚は納得していたけれど私にだってはっきりわかる。ブラジャーも紐のパンツくらいしか着ているだけの状態は恋人同士ならすぐに犯してくださいとセックスアピールしているものだから。
でも相手は鈍感通り越して人間の感情を読むのが苦手なエリオス様ですよ。よく元婚約者に怒鳴られているところを見ていて、鈍感なのかなと思っていたから。着ぐるみを着てセックスしているところを妄想して、そんなことは有り得ないと首を振って来ないかもしれないエリオス様を待っていた。
騎士様に送られていく事務員の同僚を見ながら、今日のお迎えを待っていた。貰った紅茶を飲んでいた。
***
(ど、どうしようお股だジンジンする。おしっこしたくなってきちゃった)
お手洗いに行ってチャックを下げて用を足そうとした時、着ぐるみが邪魔になってしまったから下着姿になって用を足した。目を閉じていたけれど視線を感じた。こっちの世界は和式トイレが基本で、介護する時しか様式はない。掃除しやすいようにトイレの隙間が結構開いていて覗いていたらすぐに分かる。
適当な箱の上に乗せたから汚くない。スッキリしてドアを開けると氷の騎士団長エリオス様が着ぐるみコートを持っていた。エリオス様は全裸になっている。
効果はてきめんだ。流石金貨20枚のクマの着ぐるみ。
「どこまで……私を魅了すれば気が済むのですか……」
こちらを見ている視線は恐ろしいどす黒いオーラで、覇気が凄まじい。前世で体面接客のクレーム対応をしていた私じゃなかったら失神していたと思う。多分、彼が言っている魅了しているのは私ではなく着ぐるみと同じ布を使った下着だろう。
「申し訳ございません。寒いので返していただけますでしょうか?」
「寒い?そうですか温めてあげましょう」
急に抱きしめられて驚いて声が出なくなってしまった。爽やかなミントの香りが鼻腔を満たした。ミントの香りは冷静になれるのでアロマテラピーでよく使われている。目を閉じて、至高のリセットをしているとき唇に柔らかい感触が感じられた。首筋や耳まで触れられて、唇をこじ開けて舌を吸われた時女性の部分が疼いて目が覚めた。目の前に氷の騎士団長エリオス様が目を閉じていた。状況を把握するとそっと伏せていた目が開いてうっとりした顔をしていた。
「ふぁ、ふぁにっ!」
「シャルが可愛いから、つい……」
照れながら言われて、怒りで心がいっぱいだったのに消沈していった。イケメンのてへぺろはこんな感じなのかと初めて知った。
「はじめてのキスは結婚式の時にしたかったのに。変態!うわぁっ」
男の部分をパンチしようと思ったら腕を背中に回されて痛くて叫んだ。ジタバタ暴れていると面積の小さなブラジャーから胸が零れ落ちていた。顔をエリオス様に向けると興奮と狂気が入り交じった顔をしていた。
「下着はお尻に食い込んで尻尾が生えているみたいだ、胸もどうやって暴れたら零れ落ちるのですか?私にどれだけ神は試練を与えるつもりですか!」
下着を脱がされると思って抵抗をした。このままじゃ、初めてが事務所のトイレ近くになっちゃう。仕事のたびに騎士団内でセックスしたことを思い出してしまうと思って背筋が凍ってしまう。実際にやってはいけない事だ。
「ここで赤ちゃん作ったらいけません。エリオス様、どうか目を覚ましてください。」
エリオス様はハッとした表情になり、掴んでいた手を離してくれた。全く、5歳年上でも性欲はコントロールできないらしい。
「クマのぬいぐるみが好きだと分かりましたから襲わないでください。私は結婚相手とそういう行為はしません。次にやったら怒ります。本気で抵抗しますから」
これくらい言っておけば手を出されることはないだろう。氷の騎士団長エリオス様が替えのきく存在の私の事なんて、セックスしたらセフレ関係で終わってしまう。
それに私は結婚しないと決めている。一人で呑気に生きて、人と関わらない人生を過ごしたい。
「ごめんね、シャル」
「エッチな事をしたから、今度からシャルロッテと呼んでくださ、い……」
首に衝撃を感じて意識を失った。異世界に首チョップがあるとか聞いてない。
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