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エリオス様を徹底的に調べる
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エリオス様は騎士団に所属しているが、王族付きの近衛騎士なので会う機会は少なかった。しかし、婚約破棄後は第3騎士団に移動になり遠征に参加することになった。左遷させられたという人もいたけれど、以前と比べて全裸になる機会が多いから違うだろう。
第3騎士団は魔獣討伐が主な仕事で、魔獣から採れる貴重な魔石や毛皮は国の収入にもなるのだが、人手が足りない。第3騎士団の副団長としてエリオスは補佐するはずが、何か事情があって騎士団長が倒れてしまって今は彼が騎士団長だ。
事務の窓口に来てくれるのは新人の子が多く、遠征帰りだとすぐに分かるくらい陰部が発光している。今日は窓口の対応がジョアンナがしていた。
「皆聞いて、クマのぬいぐるみ貰っちゃった」
ジョアンナが腕に抱えたクマのぬいぐるみは何故か発光していた。皆でデートの服をどうするか休憩の時に話している時、クマのぬいぐるみとお菓子が事務員全員に配られた。第3騎士団の人たちがくれたもので特定の人物に向けての物じゃない。貰ったぬいぐるみの中でもジョアンナのクマのぬいぐるみしか発光していない。
「このクマのぬいぐるみって光の魔法でもかかっているのかしら。発光しているのよね」
「光の加減じゃない?」
疑問に思いながら机に飾って仕事を再開させた。
騎士団の事務員の仕事は書類整理や経費の精算の仕事が主である。備品を定期的に購入するが、手を抜いて納められていないか確認も怠らない。
「ジョアンナ今日も休みだそうです」
クマのぬいぐるみを貰って以降ジョアンナは欠勤が続いていた。縁故採用で仕事をしないジョアンナはいてもいなくても関係がない。騎士団から書類を貰う時は争奪戦が起こるから、一人いなくなったら席が空くから皆心では喜んでいる。
私以外、貴族の子女だから婚活に必死だ。結婚適齢期の女性が多く、騎士と結婚したいがために事務員になった子も多い。結婚退職が当たり前だが、私はこの仕事を続けたいと思っている。
だから私はエリオス様のファンクラブに赴き、素性を隠して彼を調べることにした。今の平穏な騎士団の事務を守るために。未来の自分のために。
***
ファンクラブの人たちにうっかり騎士たちが全裸に見える事やエリオス様が皮を被っている事を話してしまった。罪悪感に苛まれるが言ってしまった事は仕方がない。それに皮が被っていても、トイレ帰りの時はキチンと剥けている。だから、恥ずかしくなんてない。
第3騎士団は魔獣討伐が主な仕事で、魔獣から採れる貴重な魔石や毛皮は国の収入にもなるのだが、人手が足りない。第3騎士団の副団長としてエリオスは補佐するはずが、何か事情があって騎士団長が倒れてしまって今は彼が騎士団長だ。
事務の窓口に来てくれるのは新人の子が多く、遠征帰りだとすぐに分かるくらい陰部が発光している。今日は窓口の対応がジョアンナがしていた。
「皆聞いて、クマのぬいぐるみ貰っちゃった」
ジョアンナが腕に抱えたクマのぬいぐるみは何故か発光していた。皆でデートの服をどうするか休憩の時に話している時、クマのぬいぐるみとお菓子が事務員全員に配られた。第3騎士団の人たちがくれたもので特定の人物に向けての物じゃない。貰ったぬいぐるみの中でもジョアンナのクマのぬいぐるみしか発光していない。
「このクマのぬいぐるみって光の魔法でもかかっているのかしら。発光しているのよね」
「光の加減じゃない?」
疑問に思いながら机に飾って仕事を再開させた。
騎士団の事務員の仕事は書類整理や経費の精算の仕事が主である。備品を定期的に購入するが、手を抜いて納められていないか確認も怠らない。
「ジョアンナ今日も休みだそうです」
クマのぬいぐるみを貰って以降ジョアンナは欠勤が続いていた。縁故採用で仕事をしないジョアンナはいてもいなくても関係がない。騎士団から書類を貰う時は争奪戦が起こるから、一人いなくなったら席が空くから皆心では喜んでいる。
私以外、貴族の子女だから婚活に必死だ。結婚適齢期の女性が多く、騎士と結婚したいがために事務員になった子も多い。結婚退職が当たり前だが、私はこの仕事を続けたいと思っている。
だから私はエリオス様のファンクラブに赴き、素性を隠して彼を調べることにした。今の平穏な騎士団の事務を守るために。未来の自分のために。
***
ファンクラブの人たちにうっかり騎士たちが全裸に見える事やエリオス様が皮を被っている事を話してしまった。罪悪感に苛まれるが言ってしまった事は仕方がない。それに皮が被っていても、トイレ帰りの時はキチンと剥けている。だから、恥ずかしくなんてない。
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