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騎士が全裸に見える者
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「この人は採用を見送りましょう」
縁故採用という言葉は私の中にはない。優秀な騎士になりそうな人が全裸に見える私は、どちらかというと【全裸】採用の方がしっくりくる。お茶を出すときにチラッと見た服を着ている青年は、人畜無害で騎士になったら普通の人で終わってしまう。ある意味、この男性の人生を救済しているのだ。
「せっかく騎士科を卒業したのに勿体ないのぉ」
「日々治安が悪化している王都よりも辺境の地で身体を磨き上げた方がいいですよ。」
先ほど見た男性は、股の部分が透けて見えた。きっと彼は性欲が強く、北部の女性と結婚するに違いない。横にいるスケラ事務長は私の能力を知っている。
私、シャルロッテは平民で名字はない。前世日本人の記憶持ちの3歳児だ。異世界に転生した時、助けてくれた男性は全裸だった。そういうものかと思って納得していたのに何だかおかしい。幼い頃から一部の男性が全裸に見えていた。母に全裸の男の人がいることを話すと怒られたから、そういうものだと思って過ごしていた。
シャルロッテは優しい両親がいて、冒険者上がりの両親は毎晩ギシギシアンアンを繰り返す。毎回シャルロッテがいい所で泣き出すのだが、記憶を取り戻してから一人で眠るようになった。妹が出来たのはすぐの事だった。
5歳の時、国の砦を守った騎士たちの凱旋パレードが行われた。最年少エリオスが勇猛果敢に敵地に攻めていき、爵位や様々な贈り物を賜わっている事で未だに語り継がれる話だ。私の家の目の前を通るから2階の窓から見ていた時、ハッキリ分かった。優秀な騎士を全裸に見える能力があるんじゃないのかと。だって、素晴らしい軍服を着ているはずの騎士たちが私の目には全裸に見えたのだから。フルチンで軍馬に跨る騎士なんて目が痛くてしょうがない。
その後、平民街で物騒な事件が起こった時、見回りをしようと男たちで話していた。父に届け物をする時に部屋に入ると、全裸の人は大人しい人たちや戦ったことがない人たちだった。
一人、全裸で発光している人がいたからその人にトレーニングしてもらうようにお願いをした。だって、股間が光っているんだもの。素晴らしい人に違いない。
子供が言う言葉だったけれど、全員に指導してくれたおかげで事件の犯人を取り押さえることが出来た。全裸の人たちは手ごたえを感じたみたいで兵士になったり、騎士になるために入団試験を受けに行く人もいた。股間が光っていた人は最近やってきた元傭兵で、戦う姿に惚れた食事処のおかみさんに寝技をかけられて結婚した。
その後、治安維持兵は解散しそれぞれ国を守ることに貢献している。
そんな私も思春期になると全裸の人を見て胸がドキドキするようになった。たまに買い出しで騎士に会うことがあった。半透明の服の人がいると退職間際かなと思いながら買い物をする。
近くにいた女性が扇子越しにチラチラ見ているのでそこを見ると、全裸の美少年が経っていた。
「エリオス様美しいわ」
16歳のエリオス様は最近出来た婚約者と一緒に歩いていた。近くの貴婦人は私が知らない事を詳しく話していた。侯爵令嬢の護衛騎士になったエリオスは、婚約をのらりくらり避けていたが周囲に圧力をかけられて仕方なく婚約したみたいだ。彼の爵位は男爵で、婚約を機会に伯爵になっている。
美しい女性と隣り合っている姿は絵のように美しい。ただ、どうしてだろう。エリオス様の騎士服がたまに現れるのは。いや、全裸に見える時と服に見える時があり、変な感じだ。
たまにしか見れないエリオス様だ。下半身を目に焼き付けようとした時、視界がぼやけてしまった。視界がぼやける時は、騎士として決意が揺らいでいるとき。
あれほど素晴らしい騎士がどうして決意が揺らぐのだろう。
エリオスの下半身の毛が伸びているところを見て、遠征に行っていると聞いていたのにおかしいと思いながら仕事をした。もうすぐ騎士学校に入学して騎士を裏方からサポートする事を学ぶ。騎士は遠征に行く前は剃毛をする。虱対策や衛生面のためだ。
エリオスの薄紫色の髪の毛と同じ陰毛は仮性包茎を少し隠してエッチだ。貴族令息であれば割礼してずる剥けになるのが当たり前だ。彼は出生が不明で、貴族の子供として育っているが疑わしい所がある。
でも私はエリオスが仮性包茎の事を知っている。
彼は平民から産まれて育てられた子供だ。
下町で女漁りをする騎士を横目で見て、剃毛済みのずる剥けの下半身を見て怖くなって急いで帰った。エリオスの下半身は怖くないのになあ。
縁故採用という言葉は私の中にはない。優秀な騎士になりそうな人が全裸に見える私は、どちらかというと【全裸】採用の方がしっくりくる。お茶を出すときにチラッと見た服を着ている青年は、人畜無害で騎士になったら普通の人で終わってしまう。ある意味、この男性の人生を救済しているのだ。
「せっかく騎士科を卒業したのに勿体ないのぉ」
「日々治安が悪化している王都よりも辺境の地で身体を磨き上げた方がいいですよ。」
先ほど見た男性は、股の部分が透けて見えた。きっと彼は性欲が強く、北部の女性と結婚するに違いない。横にいるスケラ事務長は私の能力を知っている。
私、シャルロッテは平民で名字はない。前世日本人の記憶持ちの3歳児だ。異世界に転生した時、助けてくれた男性は全裸だった。そういうものかと思って納得していたのに何だかおかしい。幼い頃から一部の男性が全裸に見えていた。母に全裸の男の人がいることを話すと怒られたから、そういうものだと思って過ごしていた。
シャルロッテは優しい両親がいて、冒険者上がりの両親は毎晩ギシギシアンアンを繰り返す。毎回シャルロッテがいい所で泣き出すのだが、記憶を取り戻してから一人で眠るようになった。妹が出来たのはすぐの事だった。
5歳の時、国の砦を守った騎士たちの凱旋パレードが行われた。最年少エリオスが勇猛果敢に敵地に攻めていき、爵位や様々な贈り物を賜わっている事で未だに語り継がれる話だ。私の家の目の前を通るから2階の窓から見ていた時、ハッキリ分かった。優秀な騎士を全裸に見える能力があるんじゃないのかと。だって、素晴らしい軍服を着ているはずの騎士たちが私の目には全裸に見えたのだから。フルチンで軍馬に跨る騎士なんて目が痛くてしょうがない。
その後、平民街で物騒な事件が起こった時、見回りをしようと男たちで話していた。父に届け物をする時に部屋に入ると、全裸の人は大人しい人たちや戦ったことがない人たちだった。
一人、全裸で発光している人がいたからその人にトレーニングしてもらうようにお願いをした。だって、股間が光っているんだもの。素晴らしい人に違いない。
子供が言う言葉だったけれど、全員に指導してくれたおかげで事件の犯人を取り押さえることが出来た。全裸の人たちは手ごたえを感じたみたいで兵士になったり、騎士になるために入団試験を受けに行く人もいた。股間が光っていた人は最近やってきた元傭兵で、戦う姿に惚れた食事処のおかみさんに寝技をかけられて結婚した。
その後、治安維持兵は解散しそれぞれ国を守ることに貢献している。
そんな私も思春期になると全裸の人を見て胸がドキドキするようになった。たまに買い出しで騎士に会うことがあった。半透明の服の人がいると退職間際かなと思いながら買い物をする。
近くにいた女性が扇子越しにチラチラ見ているのでそこを見ると、全裸の美少年が経っていた。
「エリオス様美しいわ」
16歳のエリオス様は最近出来た婚約者と一緒に歩いていた。近くの貴婦人は私が知らない事を詳しく話していた。侯爵令嬢の護衛騎士になったエリオスは、婚約をのらりくらり避けていたが周囲に圧力をかけられて仕方なく婚約したみたいだ。彼の爵位は男爵で、婚約を機会に伯爵になっている。
美しい女性と隣り合っている姿は絵のように美しい。ただ、どうしてだろう。エリオス様の騎士服がたまに現れるのは。いや、全裸に見える時と服に見える時があり、変な感じだ。
たまにしか見れないエリオス様だ。下半身を目に焼き付けようとした時、視界がぼやけてしまった。視界がぼやける時は、騎士として決意が揺らいでいるとき。
あれほど素晴らしい騎士がどうして決意が揺らぐのだろう。
エリオスの下半身の毛が伸びているところを見て、遠征に行っていると聞いていたのにおかしいと思いながら仕事をした。もうすぐ騎士学校に入学して騎士を裏方からサポートする事を学ぶ。騎士は遠征に行く前は剃毛をする。虱対策や衛生面のためだ。
エリオスの薄紫色の髪の毛と同じ陰毛は仮性包茎を少し隠してエッチだ。貴族令息であれば割礼してずる剥けになるのが当たり前だ。彼は出生が不明で、貴族の子供として育っているが疑わしい所がある。
でも私はエリオスが仮性包茎の事を知っている。
彼は平民から産まれて育てられた子供だ。
下町で女漁りをする騎士を横目で見て、剃毛済みのずる剥けの下半身を見て怖くなって急いで帰った。エリオスの下半身は怖くないのになあ。
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