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皇后陛下
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「番じゃなくても孕ませること出来るんだね。後世に残しておこう」
皇后陛下は異世界から来た女性と子供たちを見て微笑んでいた。可愛い子供たち。
異世界からきた男と言うことで馬鹿にされたが、当時の王太子が守って子供を作った。しかし元が男なので子供を多く作ることが出来なかった。
神に祈った。
異世界に来たら贅沢も寝る場所も与えるから元の世界から女性が来て欲しい。子供が作れる女がいい。元の世界に未練のない女性が欲しいと。祈りが通じたのか女性はやってきた。
王族の禍々しい環境にいたら子供なんて妊娠なんてできない。
連れてきても追い返せばいい。
こうして信頼が出来る上位貴族たちが妊娠させることに成功した。
しかし思っていた以上に子供を作る。国を乗っ取られたらどうしようと思ったが杞憂だったみたいだ。
「初美ね、来ても困るんだよね。どうしよう」
皇后陛下は自分が蒔いた種であるが初美の扱いに困っていた。他国で保護してきた、元国民。
ゴルダナが孕ませて一生監視すると思っていた時に、サーヤが来て色々と狂ってしまった。隣国はなくなっているので難民を預かっていることになっている。
皇后陛下は初美のことが嫌いな人間だ。
向こうの世界で裕福で世間知らずで生きてきたのだろう。行動が突拍子もない。無駄に行動力があって自分勝手だ。このまま手元に置くよりもどこか遠くにやった方がいい。
魔法の知識も他国に漏れたら面倒なことになる。処刑してもいいが、異世界人の血で呪でもかけたら厄介だ。
そんな時に西の大陸から商人が来た。異世界人が来なくて困っていると聞いたので、国王陛下と相談して西の大陸に引き渡すことにした。言語も分からない国で初美がどうやって生きていくのが楽しみだ。西の大陸は未開の地が多い。美咲がこの世界は100年前のヨーロッパ風で、文化は明治時代の日本みたいと言っていたが西の大陸はもっと進んでいない。
鑑定されて高値でやり取りをした後、本当に二度と国に入れないように西の大陸の王子の前で魔法を施した。
「今回は良い取引が出来ました」
「こちらも良かったです」
今後初美の血が入った人間は国に入ることが出来ない。それが10世代くらい薄くなった時でも入れないようにした。血に呪いをかけたのだ。
入ってきたら殺すと。死の呪をかけた。
一回目の追放の時にやっておけばよかったが、王族が口を必要以上に出してはいけない。異世界の女性が怖がるから。
初美は西の大陸の王子に見初められて、お嫁さんになりましたと話を広げるつもりだ。初美は見てくれだけはいいのだから有効活用してあげただけだ。本来なら木に括り付けて投石の刑でもいいくらいだ。
そのくらい馬鹿にされていたのだから生ぬるい方だ。
10番目くらいの側室で異世界から来たのだから、子供も多く産むことを期待されている。西の大陸の王子に、異世界から来た女性たちと子供たちを見せて魔法や文化の説明を聞いたら満足そうにしていた。
レイとエレーヌが海の精霊を見せた時なんて歓喜で声が出てなかった。レイが大きな真珠をあげたとき嫁に欲しいと強請ったくらいだ。エレーヌが必死に止めて、運命の番の事も説明した。
運命の番じゃない異世界から来た女性でも精霊が使えるのだから、初美も使えると信じている。
グーたらでニルスにおんぶされている美咲でも使えるのだからそうなるはずだ。
「そんな、皇后陛下。私は……この国にいたいです」
最後に初美に会った時に言われたけれど何も感じなかった。仕方がないよね。僕たち会話したことが数回しかないのだから。
「頭のいい初美は本を見て他国の文化も知っているから、大丈夫ですよ。きっとむこうの大陸に運命がいるかもしれない。いなくても君が望む世界だよ。向こうの国では子供を産んでも働いて男を養う。学歴を付けて働いて子供を産むなんて、君がいた世界にそっくりだね。僕が数10年かけて変えてきた文化を否定して逃げたのだから、この国に君が望むものはないよ。お幸せに」
この国でも学歴があって働いて子供を産んでいる人間がいる。しかし子供を安心して預けられることが出来るからだ。倒れた時のセーフティーネットがなくて、どうやって働くのだろうか。男が倒れた時もそうだ。
安心して子供を産めることは安心して倒れてもいいから産めるわけで、安心できなければ誰も産めない。
「選択肢を増やせた方がいいのにね。」
初美が王子の命令に逆らえない術をかけられてから、やっと本音を語ることが出来た。誰も僕の心のうちを知る者はいないだろう。異世界から来た女性が産んだ子供と自分の子供が結婚したらいいけれど、こればかりは分からない。
皇后陛下は王宮の中で今日も国王陛下に甘える。
国王陛下は国に口出しをあまりしない妻が愛おしくて仕方がない。
皇后陛下は異世界から来た女性と子供たちを見て微笑んでいた。可愛い子供たち。
異世界からきた男と言うことで馬鹿にされたが、当時の王太子が守って子供を作った。しかし元が男なので子供を多く作ることが出来なかった。
神に祈った。
異世界に来たら贅沢も寝る場所も与えるから元の世界から女性が来て欲しい。子供が作れる女がいい。元の世界に未練のない女性が欲しいと。祈りが通じたのか女性はやってきた。
王族の禍々しい環境にいたら子供なんて妊娠なんてできない。
連れてきても追い返せばいい。
こうして信頼が出来る上位貴族たちが妊娠させることに成功した。
しかし思っていた以上に子供を作る。国を乗っ取られたらどうしようと思ったが杞憂だったみたいだ。
「初美ね、来ても困るんだよね。どうしよう」
皇后陛下は自分が蒔いた種であるが初美の扱いに困っていた。他国で保護してきた、元国民。
ゴルダナが孕ませて一生監視すると思っていた時に、サーヤが来て色々と狂ってしまった。隣国はなくなっているので難民を預かっていることになっている。
皇后陛下は初美のことが嫌いな人間だ。
向こうの世界で裕福で世間知らずで生きてきたのだろう。行動が突拍子もない。無駄に行動力があって自分勝手だ。このまま手元に置くよりもどこか遠くにやった方がいい。
魔法の知識も他国に漏れたら面倒なことになる。処刑してもいいが、異世界人の血で呪でもかけたら厄介だ。
そんな時に西の大陸から商人が来た。異世界人が来なくて困っていると聞いたので、国王陛下と相談して西の大陸に引き渡すことにした。言語も分からない国で初美がどうやって生きていくのが楽しみだ。西の大陸は未開の地が多い。美咲がこの世界は100年前のヨーロッパ風で、文化は明治時代の日本みたいと言っていたが西の大陸はもっと進んでいない。
鑑定されて高値でやり取りをした後、本当に二度と国に入れないように西の大陸の王子の前で魔法を施した。
「今回は良い取引が出来ました」
「こちらも良かったです」
今後初美の血が入った人間は国に入ることが出来ない。それが10世代くらい薄くなった時でも入れないようにした。血に呪いをかけたのだ。
入ってきたら殺すと。死の呪をかけた。
一回目の追放の時にやっておけばよかったが、王族が口を必要以上に出してはいけない。異世界の女性が怖がるから。
初美は西の大陸の王子に見初められて、お嫁さんになりましたと話を広げるつもりだ。初美は見てくれだけはいいのだから有効活用してあげただけだ。本来なら木に括り付けて投石の刑でもいいくらいだ。
そのくらい馬鹿にされていたのだから生ぬるい方だ。
10番目くらいの側室で異世界から来たのだから、子供も多く産むことを期待されている。西の大陸の王子に、異世界から来た女性たちと子供たちを見せて魔法や文化の説明を聞いたら満足そうにしていた。
レイとエレーヌが海の精霊を見せた時なんて歓喜で声が出てなかった。レイが大きな真珠をあげたとき嫁に欲しいと強請ったくらいだ。エレーヌが必死に止めて、運命の番の事も説明した。
運命の番じゃない異世界から来た女性でも精霊が使えるのだから、初美も使えると信じている。
グーたらでニルスにおんぶされている美咲でも使えるのだからそうなるはずだ。
「そんな、皇后陛下。私は……この国にいたいです」
最後に初美に会った時に言われたけれど何も感じなかった。仕方がないよね。僕たち会話したことが数回しかないのだから。
「頭のいい初美は本を見て他国の文化も知っているから、大丈夫ですよ。きっとむこうの大陸に運命がいるかもしれない。いなくても君が望む世界だよ。向こうの国では子供を産んでも働いて男を養う。学歴を付けて働いて子供を産むなんて、君がいた世界にそっくりだね。僕が数10年かけて変えてきた文化を否定して逃げたのだから、この国に君が望むものはないよ。お幸せに」
この国でも学歴があって働いて子供を産んでいる人間がいる。しかし子供を安心して預けられることが出来るからだ。倒れた時のセーフティーネットがなくて、どうやって働くのだろうか。男が倒れた時もそうだ。
安心して子供を産めることは安心して倒れてもいいから産めるわけで、安心できなければ誰も産めない。
「選択肢を増やせた方がいいのにね。」
初美が王子の命令に逆らえない術をかけられてから、やっと本音を語ることが出来た。誰も僕の心のうちを知る者はいないだろう。異世界から来た女性が産んだ子供と自分の子供が結婚したらいいけれど、こればかりは分からない。
皇后陛下は王宮の中で今日も国王陛下に甘える。
国王陛下は国に口出しをあまりしない妻が愛おしくて仕方がない。
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