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運命じゃない番が来た

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 三ツ谷彩(みつやさあや)は疲れていた。大学3年生、奨学金で大学に通っていた。不況の煽りもあって両親に学費を頼めず何とかしている日々。その両親もつい最近交通事故で亡くなった。

 国公立で私立と比べて安いとはいえ高いモノは高い。就活しても内定が出ずにもがき苦しんでいた。それは誰もが同じだった。しかし100回目の不採用で心がぽっきり折れてしまった。

 自分に価値がないように感じてしまい、就活することが怖くなってしまった。
 いつになったら終わるんだろうか。いつになったら認められるんだろうか。履きなれないパンプスもリクルートスーツも見るのも着るのもうんざりした。

 髪の毛だって本当は金髪や茶髪に染めたかった。美容院にこまめに行き小奇麗にしたかった。お金がないのでカットモデルでタダでカットしてもらって、食事もお肉をたくさん食べたくても高いから値引きされた食材しか食べてない。

――甘やかされたい。抱っこされたい。自分だけ愛してほしい。寂しくて死にそうになる。誰でもいい、誰でもいいわけじゃないけれど、自分を求めて欲しい。もう就活したくない。大学だって学歴があれば就職先に困らないというだけでやりたいこともなかった。

 自室のベットで泣きながら寝ていると声が聞こえた。
 その声は優しく穏やかな女性の声だった。

「私を求めて欲しい、寂しくて仕方がない、私だけを愛してほしい、愛されていると思わせてくれるだけでもいい」

 就活で着ているリクルートスーツを着て、そのまま眠ってしまった。彩はとても疲れていた。

 ♢

「こんなことってあるのだろうか」

 目の前に異世界の少女がいる。黒い服を着た泣いている少女だ。
 ゴルダナは騎士の訓練を終わらせて、屋敷に戻り就寝する時だった。ベットの盛り上がりが気になり不審者かと思って剣を携えた。めくってみると少女がいた。先に突き刺していなくてよかったと本気で思った瞬間だった。

 寝返りをうって仰向けになると女性の顔が確認出来た。今まで見た異世界の少女たちよりも大人だ。出産したことがないのに胸が大きな事が分かった。

 ゴルダナは結婚していない。異世界の女性2人が子供を3人産んでくれたので子供はいる。異世界の少女初美は番だったが逃げて戻ってきたが、一緒にいるだけで結婚していない。

 泣いていたのでタオルを濡らして顔に優しく当てた。安心した顔をしたのをみてゴルダナは、ほっと肩を撫でおろした。

 初美の時にしたしくじりをしたくないため、ゴルダナはメイドに指示をして目が覚めるまで傍にいさせた。目が覚めた時知らない男性が傍にいたら警戒すると思ったからだ。

 ♢

 サーヤは異世界に来て満喫していた。自分の環境適応能力の高さが今発揮された瞬間だと思っている。
 豪華な食事を取り、綺麗にしてもらい、マッサージもしてもらえる。これ以上にない接待をしてもらっていたので、サーヤは感謝をしていた。

 生活に馴染んだ時にサーヤはゴルダナと会うことになった。
 ゴルダナとサーヤは初めて会った時、衝撃的な会話をすることになる。



「初めましてゴルダナと申します。こちらに来て生活に馴染みましたか?」
「はい、おかげさまで馴染みました。ゴルダナ様助けていただきありがとうございます。そろそろ出荷かと思って待ってました」
「………出荷…??」

 サーヤの部屋に向かうとベットにサーヤは仰向けになった。メイドがあらかじめ指示されていたのか短剣をゴルダナに渡してきた。

「異世界の食料が異世界から来た私なんですよね。死ぬ前に幸せな夢見させてもらいました。死ぬならひと思いで殺してください。手入れされているので、どの部位も美味しいはずです。肉付きも良くなっています。テーブルに塩コショウを置いているので、味が気になるなら食べてください」

 ゴルダナは生きてきて一番衝撃的な事を聞いている。サーヤは自分が食べられるために世話をされていると勘違いしているからだった。
 ゴルダナは今までの人生で人間を食べるということをしたことがない。他の人間も同様だ。
 何故サーヤが人間を食べると勘違いしているのか聞かないといけない。

 短剣をメイドに返して二人きりにしてもらった。聞きたいことは他にもたくさんある。ゴルダナは目の前にいるサーヤを見て心を乱していた。

(ベットに仰向けになって眠っているだけなんだが胸が大きいな)

 ゴルダナは胸が大きな女性が大好きだ。今まで出会った異世界の女性たちも大きかったが妊娠してから大きくなるものが多い。サーヤは眠っているときに調べてもらったのだが妊娠したことがない。処女なのに大きい。

 呼吸をするたびに胸が動いている。着ている物も脱がしやすいものになっている。上半身裸になって、サーヤの着ている服を一枚一枚脱がしていく。着せ替え人形で遊んでいる子供の気持ちが良くわかる。

 裸の人形にして遊ぶ。
 裸にした方が可愛いから脱がすのだ。

 胸の頂にキスをすると目をぎゅっと瞑っている。両手から零れそうな胸に触れると少し硬くなっている。生理前なんだろうか、柔らかくほぐすためにマッサージする。気持ちが良くて声が出ている。

 これが今から解体されて殺されると思っている女の身体なのか。

(いやらしくて可愛い子だ。)

「サーヤ、俺はお前を食べない。」
「食べないならどうするんですか?売るんですか?私お金がないし、特技もないです」
「そんなものなくてもいいんだ。可愛いサーヤを手放したりしない。」

 ゴルダナはサーヤを抱きしめた。逃げないくらいの強さで抱きしめると勃起したおちんちんに股が当たるが無視して抱きしめ続けた。
 子供が3人出来てもゴルダナは落ち着くことがなかった。戦場に立つ者として生存本能の部分が人よりも活発なのだろう。サーヤが柔らかく、出会ったときよりも綺麗になって自分の匂いを纏っている。

「履いているものがおろせませんね。どうすればいいですか?」

 カチャカチャ音がするので、返事をする前にベルトを外してスラックスを脱いだ。サーヤが顔にキスをしてきて、慣れない行為をしようとしている。

 自制心がない。

 ゴルダナは友人に言われた言葉を思い出しながら冷静さを保っていた。勃起したおちんちんや陰嚢を撫でられて止めはしないが先に進もうとしなかった。


 と本人は言っているが実際は違う。


「サーヤは誰の者にもさせない。孕んでくれ!俺の4番目の子供だ。」
「ゴルダナ様産ませてください、またなんかきちゃう!」

 サーヤはゴルダナに抱かれて沢山中出しされていた。失われていた自尊心を交尾によって少しずつ取り戻していた。勉強が好きなサーヤのためにゴルダナはたくさんの体制で性行為をした。
 異世界の女性はGスポットを擦ると蜜がたくさん出る。喜んで腰を振る。サーヤはキスをしがら中出しされるのが大好きで、正常位でするとぎゅっと中が絞まる。

「ゴルダナしゃま、しゅきい♡であえてよかった……」

 サーヤはゴルダナに座位で中出しされて胸にしがみついて愛を囁く。ゴルダナの庇護欲を掻き立てたサーヤを妻に迎えたいと思うのは当然の事だった。

 ♢

「就活か。二度としたくない」
「やめて、思い出したくない。あんなの悪夢よ!」
「色々あったけれど、ここ数年は特にひどいのよね」

 美咲とルナは就活に対して嫌な思いでしかないので、サーヤの就活100回失敗の話を聞いて暴れていた。レイも給料カットやボーナスカットをされて副業をしていたので他人事ではない。

「シューカツ、異世界では恐ろしいことをしているんだね」
「シューカツは人間じゃない。仕事を探すことが困難なことを言うんだ。こんなに可愛い子たちが困る状況なんて……」

 ゴルダナはサーヤをペット登録した。妻になるかと聞いたところサーヤは拒否をした。もしかしたら、必要なくなった時に他の人の子供を産むかもしれないからと。

「ゴルダナ貴様、異世界の者が来たらすぐに届を出すように言ったよな」
「その時のサーヤは王宮に連れてこれないほど衰弱しておりましたので」

 しれっとゴルダナは嘘をついた。就活で疲れて目の下に隈があったが連れてこれた。

「ベットの上に異世界の女性が現れるなんて」
「ゴルダナは昔から運がいいんだよな~。2人の異世界の女性に子供を産ませているし将来は安泰だな。あれ、そういえばハツミは?まだ子供を産ませていないのか?」

「ハツミは手放すことにする。サーヤが知ったら自暴自棄になる。子供も妊娠していないし行為もしていない。番と言うだけで傍に置くように命令されただけだ。一度逃げて、戻ってきた。まだ子供も産んでいないから皇后陛下が引き取りたいそうだ。それで今回の事は治めれくれるとさ」

 ゴルダナも初美に情がある。しかし、半年間サーヤを見ていて番じゃなくても幸せになることを証明されている。

「栄養不足も改善されて、いつ妊娠しても問題ないみたいです。私も他の人たちと同じくたくさん貢献できればと思います」
「子供はサーヤが産みたい数を産みなさい。1人でも10人でも彼らは何も変わらないですよ」
「10人産んでも10歳若返る魔法があるから余裕だよ。」

 異世界の女性が産んだ子供の集まりがあった時、子供の特徴を見たサーヤが言った。

「目がこちらの世界の特徴を引き継ぐんですね。こげ茶の瞳や黒に近い色はないのですね」
「不思議なことにどの男性と妊娠しても目の色は引き継がないのよね。ま、可愛いからいいけれど」

 どの子供も魔法も勉強もできるらしい。それを自慢することはあまりない。

「子供が楽しんでくれることが何よりも嬉しい。私も勉強は好きだったけれど、学校名を聞かれて勉強出来てもあそこのレベルじゃ低いと言われて嫌だった」
「無意味な比較は自尊心を低くするから、やめた方がいいのよね」
「目標が成績がいいことに固執するから最終目標に届きにくくなるんですよね。頑張れる人間は頑張れるんですが。そこまで才能がある子供はいないですよ」

 サーヤは1年後妊娠した。性行為をしまくりだったので遅い方だったが本人は気にしない。比較対象がいないからだ。その子供が黒に近い色だったのでゴルダナは喜んだ。

 ♢

「元の世界に戻りたいと思う?」

 結構な頻度で異世界の女性はサーヤに聞かれていた。

「戻りたくないです。グーたら出来ませんから。ご飯も高いし働きたくない」
 美咲はニルスの子供4人目の子供を出産後に答えた。10人目の子供だった。

「ご主人様と離れて生きていくことが考えられないです」
 ルナは5人目の子供を見ながら答える。

「ノナがリックと離れたら、リック死んじゃうから戻りたくないです」
 ノナはリックの6人目の子供を妊娠して答える。

「元の世界に戻りたくないです。エレーヌ様以上の男性はおりませんもの。それに嫌よ、満員電車に残業。あんなの地獄よ」
 レイは3人目の子供を妊娠して答える。

 サーヤは皆戻りたくないと答えて安心した。この世界で子供を産んでも大丈夫だと安心したことも覚えている。

 ♢

「ゴルダナ様、何人子供産んでもいいのですか?その経済状況とか情勢とか分からないので……」
「!!産みたいなら何人でも産んでもいいんだ。もし俺が死んでも国が保護してくれる。上位貴族に声をかけているから守ってくれる。サーヤが一人で生きていけるお金も権力もあるから。」

 サーヤはゴルダナの真っすぐな瞳を見て、この人の子供なら何人でも産めそうだなと思って口にした。

「何人でも?」
「年子で産むことは期待できないかもしれないけれど、でもゴルダナ様の子供がどんな顔になるのか見て見たいですね。他の人が産んだ子供でも可愛いと思ってしまうくらい好きです」

 この後ゴルダナは10人の子供をサーヤに産ませている。他の女性も妊娠させてもいいと言われても、ゴルダナはサーヤを孕ませた。

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