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第2章 争乱編
第71話 新たなる訓練
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放課後、フェリクスたちはいつもの空間に来ていた。
「それで結局、フェリクス君は魔術コンテストに出ることになったんですね」
「あんなの納得が行くか」
「口だけでも嘘を言えば済むものを頑固者だな」
「嘘と言うは吐けば吐くだけ、信用を失うものだから、なるべく俺の家では嘘をつかないものだ」
「別にあの場面だけなら、ついてもいいだろうが」
アベルは呆れ顔で頑固なフェリクスの事を見た。
「まぁ、私としてはフェリクス君が出てくれるので頑張りがいがあります」
「それで、その横にいるのは誰ですか、アリサ姫?」
そう今回は、何故か、アリサの横に一人の女性が立っていた。
「彼は私に先生をしてくれているカレン先生です」
「どうもカレンです。アリサ姫に精霊使いについて教えています」
今、フェリクスが聞きたいのは彼女の名前でもなく、何でここにいるのか、だった。
「それで、何で、彼女がいるんですか?」
「私では教えられない事について教えて頂こうと思いまして、来ていただきました」
「アリサ姫ですら教えられない事などほとんどないと思いますが、何を教えて頂くのでしょうか?」
アベルはアリサ姫が一番の精霊使いだと思っているからの発言だった。
「今日は精霊武装について教えてもらいます」
「精霊武装ですか?それは何なんでしょうか?」
アベルは初めて聞く言葉なのか、首を傾げている。
「精霊たちに武器に変わってもらう、精霊使いの奥義のようなものです」
「そんなものがあるのですか?初耳です」
「はい、既にフェリクス君はこの技を使えるようですし、私たちも練習と言うことになりました」
「もうフェリクスは使えるのか、全く、お前って奴は才能ってものがあり過ぎるな」
「精霊たちの力のお陰だから、俺はあまり凄くないよ」
フェリクスは精霊武装が一人だけ出来るというのにそれにおごる事なく、ただ肩を竦めただけだった。
「確かに、フェリクス君の言う通り、精霊武装には精霊の協力が絶対条件です。大事なのは精霊との信頼関係です」
「信頼関係がどう関係してくのでしょうか、カレンさん」
「精霊が契約者を信頼して、身を任せる者と思わなければ、精霊武装になってはくれません。最初は精霊との信頼関係があるか、見せてもらいます」
カレンがアベルとアリサに精霊武装について教え始めたのだが、フェリクスはもうすでに精霊武装を使えるので手持ち無沙汰になってしまっていた。カレンはアベルとアリサに教える中、ふとフェリクスに指示を飛ばした。
「あ、フェリクス君は精霊武装を出して、長時間維持する訓練をしてください」
さらりとフェリクスはカレンにとんでもない事を言われてしまった。
「まじか・・・シルフ」
「はいはい、やるわけね」
「はい、お願いします」
フェリクスのお願いによりシルフは刀の精霊武装に変わった。精霊武装を維持するだけで莫大な神力がいる。フェリクスは前に挑戦した時は、30分が限界だった。しかし、そこでフェリクスに疑問が生まれた。前、シルフは生まれながらに神力の量は決まっていると言っていた。なら、普通に考えれば、カレンが言っている長時間維持する訓練と言うのは成立しないはずである。
つまり、そこから出される結論は何かしらの方法で精霊武装を維持する方法があると言うことになる。フェリクスはそこについて考え始めた。
(腕から吸い取られる神力を調整できるのか、それとも、どうにかして精霊武装の出力の調整が可能なのか)
考えながらもゴリゴリとフェリクスの神力は吸われて行っていた。諡号錯誤を繰り返すがあっという間に30分と言う時間は過ぎ去ってしまってフェリクスの精霊武装は解除された。
「はぁはぁ、流石に神力を使い切りそうになるのは、はぁはぁ、辛いな」
疲れ切ったフェリクスにカレンは声を掛けた。
「まだまだ、制御が出来ていませんね、最初はそんなものですから、頑張ってください」
「はい」
まだ、他の2人は、精霊武装すら出来ていないが、フェリクスの疲れる姿を見て軽く恐怖を覚えていた。
「ほらほら、2人ともこっちを見てないで、引き続き、武器のイメージを固めてください」
「はい、頑張ります」
「すみません、先生」
初回の練習は結局、2人は精霊武装が出来ずに終わり、フェリクスも疲労困憊で終わることとなった。
「それで結局、フェリクス君は魔術コンテストに出ることになったんですね」
「あんなの納得が行くか」
「口だけでも嘘を言えば済むものを頑固者だな」
「嘘と言うは吐けば吐くだけ、信用を失うものだから、なるべく俺の家では嘘をつかないものだ」
「別にあの場面だけなら、ついてもいいだろうが」
アベルは呆れ顔で頑固なフェリクスの事を見た。
「まぁ、私としてはフェリクス君が出てくれるので頑張りがいがあります」
「それで、その横にいるのは誰ですか、アリサ姫?」
そう今回は、何故か、アリサの横に一人の女性が立っていた。
「彼は私に先生をしてくれているカレン先生です」
「どうもカレンです。アリサ姫に精霊使いについて教えています」
今、フェリクスが聞きたいのは彼女の名前でもなく、何でここにいるのか、だった。
「それで、何で、彼女がいるんですか?」
「私では教えられない事について教えて頂こうと思いまして、来ていただきました」
「アリサ姫ですら教えられない事などほとんどないと思いますが、何を教えて頂くのでしょうか?」
アベルはアリサ姫が一番の精霊使いだと思っているからの発言だった。
「今日は精霊武装について教えてもらいます」
「精霊武装ですか?それは何なんでしょうか?」
アベルは初めて聞く言葉なのか、首を傾げている。
「精霊たちに武器に変わってもらう、精霊使いの奥義のようなものです」
「そんなものがあるのですか?初耳です」
「はい、既にフェリクス君はこの技を使えるようですし、私たちも練習と言うことになりました」
「もうフェリクスは使えるのか、全く、お前って奴は才能ってものがあり過ぎるな」
「精霊たちの力のお陰だから、俺はあまり凄くないよ」
フェリクスは精霊武装が一人だけ出来るというのにそれにおごる事なく、ただ肩を竦めただけだった。
「確かに、フェリクス君の言う通り、精霊武装には精霊の協力が絶対条件です。大事なのは精霊との信頼関係です」
「信頼関係がどう関係してくのでしょうか、カレンさん」
「精霊が契約者を信頼して、身を任せる者と思わなければ、精霊武装になってはくれません。最初は精霊との信頼関係があるか、見せてもらいます」
カレンがアベルとアリサに精霊武装について教え始めたのだが、フェリクスはもうすでに精霊武装を使えるので手持ち無沙汰になってしまっていた。カレンはアベルとアリサに教える中、ふとフェリクスに指示を飛ばした。
「あ、フェリクス君は精霊武装を出して、長時間維持する訓練をしてください」
さらりとフェリクスはカレンにとんでもない事を言われてしまった。
「まじか・・・シルフ」
「はいはい、やるわけね」
「はい、お願いします」
フェリクスのお願いによりシルフは刀の精霊武装に変わった。精霊武装を維持するだけで莫大な神力がいる。フェリクスは前に挑戦した時は、30分が限界だった。しかし、そこでフェリクスに疑問が生まれた。前、シルフは生まれながらに神力の量は決まっていると言っていた。なら、普通に考えれば、カレンが言っている長時間維持する訓練と言うのは成立しないはずである。
つまり、そこから出される結論は何かしらの方法で精霊武装を維持する方法があると言うことになる。フェリクスはそこについて考え始めた。
(腕から吸い取られる神力を調整できるのか、それとも、どうにかして精霊武装の出力の調整が可能なのか)
考えながらもゴリゴリとフェリクスの神力は吸われて行っていた。諡号錯誤を繰り返すがあっという間に30分と言う時間は過ぎ去ってしまってフェリクスの精霊武装は解除された。
「はぁはぁ、流石に神力を使い切りそうになるのは、はぁはぁ、辛いな」
疲れ切ったフェリクスにカレンは声を掛けた。
「まだまだ、制御が出来ていませんね、最初はそんなものですから、頑張ってください」
「はい」
まだ、他の2人は、精霊武装すら出来ていないが、フェリクスの疲れる姿を見て軽く恐怖を覚えていた。
「ほらほら、2人ともこっちを見てないで、引き続き、武器のイメージを固めてください」
「はい、頑張ります」
「すみません、先生」
初回の練習は結局、2人は精霊武装が出来ずに終わり、フェリクスも疲労困憊で終わることとなった。
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