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79 マミ・ファミリー 混沌軍と戦う (3)

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 ルミナが、苦笑しつつ、「…弱気になってる場合じゃないでしょ、
レイミナちゃあん。」と、竜族皇帝レイミナをたしなめ、
レイミナも苦笑しつつ、「…あなた程図々しくはなれませんよ、
ルミナさん。」と、魔法科学の頂点たる頂上教授にして
妖精魔術の頂点たる頂上導師を兼任するルミナに応じて、
「あー、ひどーい。」と、子供じみてもいる口調で、ルミナが。
 
 その傍らに、さらに2名の人影が。
 
 魔法科学アイテムを駆使した次元転移で、
人間族世界連合大統領ジェロニア・クランタイヌが、
自身の次元転移神聖魔術で、
ヴェリア神殿総大主教リィム・ロヴェリア・リクトランドが、
姿を現す。
 
ヴェリア総大主教リィムは、弱冠20歳の絶世の美女であり、
ヴァルテ総大主教プラムの双子の姉でもあり、
ふくらはぎの辺りまで延ばしたストレートの豊かな髪が
純白に淡く紫を刷いている事を除けば、
可愛らしい美貌も、要所要所が危うい程に豊満過ぎて
そのくせ全体としてのバランスが絶妙で優美過ぎる
マミも敵わないプロポーションも、プラムに酷似している。
リィムの纏っている、純白に淡く紫を刷いた
プラムの纏っている聖衣とデザインが酷似しているワンピースの
聖衣には、同様に、鎖骨の辺りから、胸の谷間、みぞおち、
この上なく美しい臍の周囲の腹部、そして股間より少し上の
下腹にかけての部分に、一続きの開口部が入れられていて、
開口部の優美な柔肌が露で、
要所要所の大胆な豊満さがラインとして描き出されていて、
聖衣の両袖は手首辺りで大きく広がっていて、
スカート部分の裾は足首辺りで大きく広がっている。
 
ちなみにリィムには、
混沌の洗脳波動による人間族と竜族の対立事件の際、
一早く事態が混沌の勢力の洗脳の影響によるものである事を察知したのだが、
その時にはすでにヴェリア神殿の枢機卿乃至司教の全員が
洗脳されてしまっており、彼等によって混沌が創造した影武者とすり替えられ
軟禁されてしまった彼女は、洗脳波動に自力で抵抗しつつ
単身彼等の洗脳を解くべく軟禁状況下で尽力したが力及ばず、
マミのカオスドラゴン撃破によって混沌波動の拠点が消滅した事により
ようやく枢機卿達や司教達の洗脳を解く事に成功して
自力で軟禁状態から自らを解放した、
という経緯がある。
 
 ルミナが苦笑気味に、「…エルクヴェリアのVIP一同
揃い踏みねえ…。」と。
人間族連合大統領ジェロニアが、「状況をこの眼で見届けて
おかない訳にはいきませんからな。」と、厳しい瞳で。
 
 「…しかし情けない…。」と、マクガイヤーコンツェルン総帥
ヴィクトルが、唇を噛み締めて、「…私ともあろうものが、
愛娘達に戦わせて自分はただ観ている事しか出来ないとは…。」
「…ヴィクトル君らしくないわよ、そんな弱音…。」と、ルミナが、
苦く微笑み、
「…虚勢を張るのは性に合いません。」と、ヴィクトルが。
 
「…戦力値1万越えのヴィクトルさんでもどうにもならないんじゃ、
戦力値やっと3千越えの私にはまるでどうしようもないじゃ
ないですか…。」と、レイミナが嘆く様に、苦く微笑みつつ。
ルミナが、「…この宇宙全体のみならず、
さらに4、5個の宇宙を巻き込んだ命運のかかった戦い、
文字通りの神界の戦いだもの…。」と。
 
ヴァルテ総大主教プラムが、胸元で手を合わせ瞳を閉じ頭を垂れて、
「…私達に出来るのは、祈りを捧げる事だけです……。」と、
全身に虹の七色の光粒子を纏い、
ヴェリア総大主教リィムも、「…神界の神々の御加護の
あらん事を……。」と、同様に祈りを捧げ、
全身に虹の七色の光粒子を纏い、
双子の総大主教の七色の光が融合し合い渦を巻いて天へと放たれ、
マミの展開した二重フィールドが輝きを増していく。
 
人間族大統領ジェロニアが、「…成程、出来る事はしなくては
なりませんな。」と、魔法科学の次元転移でモバイルタブレットを取り出し、
「…私だ。各省庁長官、各国首相、全てホットラインで連絡体制を
維持してくれ。状況は私自身の眼で観て随時伝える。混乱を最小限に
止めねばならん。現時点では戦況有利だ。エルクヴェリアはフィールドで
護られ、混沌軍はマミ・ファミリーの方々によって数を減らしつつある。
冷静に、一般民衆の様子に配慮し、必要な情報をリアルタイムで供給し、
民衆が恐慌状態に陥らぬ様に対応せねば。」と、
努めて冷静たろうとする口調で、秘書官に伝えていく。
 
「…弱音など吐いておれんか。マリンやマミ・ファミリーの方々に
顔向け出来ん。」と、ヴィクトルもモバイルタブレットを取り出し、
「…私だ。マクガイヤーグループ関連企業全体、全世界の財界全体の
即時相互連絡体制を維持、パニックを未然に防ぐ。
株価変動には特に注視してくれ。社会不安に便乗して
悪質な投機売買で私腹を肥やそうとする者も必ず現れる。
実体経済を経済マフィアに投機などで乱される訳にはいかん。
諜報部は第一級戦闘体勢だ。監視を緩めるな。」と、
抑えた鋭い口調で秘書と連絡を取り合う。
 
「…ぼけっとしてたら、
フレナに『皇帝クビ』とか言われちゃうわね…。」と、苦笑しつつ、
レイミナもモバイルタブレットを取り出し、「…私です。七大公王、
暗黒魔族行政府、妖精族行政府、獣人族行政府、亜人族行政府、
全てをホットラインで接続して即時相互連絡体制を密に。
人間族世界連合、マクガイヤーコンツェルン、ヴェリア神殿、
ヴァルテ神殿とは私自身が窓口となって相互連絡体制を維持します。
勇者様とマミ・ファミリーの方々が戦って下さっているのです。
我々が狼狽えてなどいられません。パニックなどに決して
ならぬ様に対応して。」と、冷静な口調で執政官アリテアに。
 
 ルミナが、苦笑しつつ、「…私もやれる事やらなきゃ。」と、
全身に、虹を帯びた水色の光粒子を纏う。
 
エルクヴェリア全土の各所に、エルクヴェリア全体の空中の各ポイントに、
無数に配置されている、虹を帯びた水色のクリスタル製の人工衛星が、
ルミナの超次元波動テレパシーと共鳴して、輝きを放つ。
 
二重フィールドの合間の空間で戦っているマミ・ファミリーの
5名の少女達に、ルミナの超次元波動テレパシーが届く。(『…みんな、
現時点では敵艦隊の全てがその空域に集中してるから、
戦力を集中して戦闘を継続して!。エルクヴェリアの他のエリアの状況は
私が監視して情報は即時伝達するから、みんなは気を散らさないで、
戦闘だけに集中して…!』)
 
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