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35年前、そして、10年前の約束
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今から35年ほど前。
ビオラ公爵家に美しい娘が産まれました。
スクスクと成長したその娘は将来有望な若者6人から同時に求婚を受けました。
娘も6人が嫌いではなかったのでその中の1人と結婚しようと思いましたが、皆優秀で仲が良かったため1人を選べません。
折悪く事故で両親が急死。娘は公爵家を守るために婿を取らなくてはなりませんでしたが6人もそれぞれ一人っ子の跡取り息子でしたし公爵家という後ろ盾は娘の為にも重要な為分家に家を明け渡し、娘をそこの養子として後ろ盾とすることにしました。しかし、それが大失敗。家を継いだ元公爵の従兄弟は強欲かつ残忍で公爵家の財産を僅か3年で食い潰し、国家反逆を目論み隣国に情報を売ったのです。従兄弟一家は処刑されましたが娘はその家でメイドのように働かされていたと使用人の告発があり罪自体がなくなりました。当然ビオラ公爵家は潰される予定でしたが元の爵位が高く娘もいた為息子たちに懇願される形で何とか男爵家として残る事が出来ました。娘は6人に自分は市井におちるので、何もしなくて良いと訴えたそうですが娘を溺愛していた6人はその願いを聞き入れず、当時非常に優秀だった騎士をビオラ男爵とし、娘をそこの養子としようとしました。しかし、前回の一件で懲りたのか娘は養子縁組はしても一緒に暮らすのは嫌だと訴えます。6人は森の中に家を建て娘に誰かを選ぶまでの間そこで暮らすよう言いました。娘は喜んで自ら籠の鳥となり、6人はその家に足繁く通ったのです。
6人はちょうど良い距離感で生活していました。
娘は自分の立場をわかっていたので慎ましやかに過ごしていましたし、早く答えを出さなくてはいけないと悩む一方で自分が元公爵家の為に何も出来ていない事を悔やんでいました。
ある日、新しいビオラ男爵が娘の顔を見に来ました。手には財政書類を持って。娘に領地がどれだけ持ち直したか、屋敷がどのようになっているかを細やかに説明して紳士的に立ち去ります。そんな事を繰り返すうちに娘は男爵に恋をしました。
もともとビオラ家は娘の為の家です。
娘は6人にビオラ男爵を選んだと伝えます。
6人は激怒し娘に鎖の足枷をつけ、6人全員で娘を堪能しました。
そんな中、ビオラ男爵がいつものように定期報告に来ます。
明らかに害されている娘を見てビオラ男爵は剣で鎖を断ち切り娘を攫って逃げました。そして、そのままの現状を王に報告したのです。王は外聞やこの国の将来のため自分の息子を含めた若人の罪を認めることはできませんでしたがビオラ男爵の気持ちもわかった為娘をビオラ男爵の妻とするよう命じました。6人の若人にはそれぞれ妻が決められ強制的に結婚となりました。
そして、次代が産まれました。
ここまでが聞いた話です。あまりにも有名な話でありながら誰も話題にしない。
きっとそのうち時代の中で忘れ去られていく話です。
・・・・・・・・・・・
そして、ここからが私の覚えている話。
あれは私が4.5歳の頃でした。
厳格な父に屋敷に誘われたのです。
普段全く構ってくれず偶に言葉を交わしても小言ばかり。
笑顔なんて勿論見たことない父が私を誘ったのですから戸惑いました。
母は反対していましたが権力者である父の意向に逆らえる筈もなく一睨みで言葉を噤んで顔を伏せました。
父と母の仲が良くないのはわかっていましたが目の当たりにするのは悲しいものです。私は良い子でいようと父の言う通り屋敷に行くことにしました。
そして、そこで信じられないものを見たのです。
母に優しい言葉の一つもかけたことのない父が、そこにいる女性に微笑み、甘い声で困ったことはないかと問うのです。
女性は何かを言って、それに周りの皆は黙って首を振りました。
「それ以外ならなんだって叶えてやる。娘の身の安全も保障しよう」
皆が口を揃えて言います。
それは、異様な光景でした。
薄い布を着た女性に父や他の男性が傅くのです。
女性は綺麗で、清潔で、良い匂いがしました。
ただ一つ、足に銀の鎖がついていました。
とても綺麗に太陽光を反射したその鎖が私の目から離れません。
暫く後、私たちはその部屋から出されました。
そして、おやつをあげようと言われて連れていかれた食堂で、フローライトに会ったのです。
私たちよりも小さいのにメイドの服を着せられおやつを運ばされています。
一緒に食べようと誘いましたが、丁寧な礼をされて拒否されました。
隣のバイオレットなどその小さなレディに見惚れています。
それからというもの、1週間に1度、私達はその屋敷で顔を合わせるようになりました。
少しづつ皆と話をしてくれるようになったフローライト。
喧嘩を見ると泣きそうになりながら頑張って止めるフローライト。転んで血が出た所を手際よく消毒し慰めてくれるフローライト。
皆がフローライトに恋をしました。
互いに牽制し合いながらお互いを高めていく私達はまるで父親の跡を辿っているかのようでしたが止められません。
そして、運命の日が訪れました。
いつも笑顔で私達を迎えてくれるフローライトが泣いているのです。どうしたのかと問うと、母親がおかしいと泣くのです。
皆で顔を見合わせこっそりとその部屋に行くと、そこには何を言ってもビオラ男爵の名前しか発しない女性。父達も困惑しています。
今思えば当たり前です。何年あの部屋に拘束したでしょう。夫がどうなっているかもわからずフローライトの姿もたまにしか見せてもらえなかったらしいです。気がおかしくなるのも当然でしょう。
「お願い、何でもするから母様を助けて!」
好きな子の願いに皆が了承します。
しかし、私達になにが出来るでしょう?
それに父達に再度連れ戻されてしまわないよう対策も必要です。
私達はその場をこっそり離れて皆で話します。
計画はバイオレットと私が立てました。混乱のための発煙筒はクルトが作りました。当時から少し体の大きかったウィルスが刀を持って来ます。私はビオラ男爵に手紙を書いて脱出の手立てを依頼。ルートは使用人の皆を味方につけ逃亡の助けを依頼。アルフが王太子妃には内緒で王妃に報告しました。
次の週に決行となった日、皆でフローライトに伝えます。
「フローライト、私達はあなたが好きです。学園を卒業したら私達のうち1人の妻になってください」
フローライトが目を見張ります。
「あの、私は男爵家の娘です。それは難しいと思います・・・」
「・・・約束してくれなければ助けることはしない」
クルトの言葉にフローライトの肩が震え、目に涙が溜まります。
「・・・だって、あいたい。それを我慢するから。ちゃんと覚えてて。」クルトが続けます。甘えたの彼らしい言葉です。
フローライトは困った顔をしています。
まぁ、外部に依頼もしてますし計画は潰れませんけどね。
「フローライトの母親にあんな事をしている父達の息子だから好きになれないか?」
バイオレットが聞きます。
フローライトがゆっくり首を振りました。
「じゃあ、これサインして。」
バイオレットが取り出したのは今で言う契約書です。
用意がいい事で。
フローライトがそこにサインをします。
バイオレットがそれに印をつけて6つに分けてそれぞれに渡します。
お互いが裏切ったらこの契約はなくなる。
そうゆう意味でしょう。
そして、小さな契約と共に計画が実行されました。
結果から言えば大成功です。
フローライトと母親は家に帰り、静養中。
私達は父親にかなり怒られましたが王と王妃により跡取りと確定しました。
計画性と実行力が評価されたそうです。
そして、何年も待ち続けた挙句取られかけた宝物がようやく戻って来ました。
眼前ではクルトとルートが端に追いやられアルフとウィルスがフローライトにのしかかっています。
全く、初めてでもないのだから少しまつ余裕は無いのでしょうか。
私は2人をフローライトから引き剥がし、フローライトに宣言します。
「1年後には学園に通います。卒業までに選んでくださいね。他の人を選んだり逃げたりしたら・・・ここから一生出られませんよ」
怯えた目で私達を見回し、後ずさるフローライトをアルフが抱きとめます。
「フローライト、心配するな。俺を選べばすぐに自由の身だ。」
ほぼ裸のフローライトがアルフの腕から逃げ出します
身体中花弁が散ったかの様な痕、痕、痕。
さぁ、今日からが勝負です。
私もフローライトの髪を掬って口付けました。
父達の気持ちが今ならわかります。
恋い焦がれて今にも張り裂けそうな胸の内をいつか理解してくださいね。フローライト。
ビオラ公爵家に美しい娘が産まれました。
スクスクと成長したその娘は将来有望な若者6人から同時に求婚を受けました。
娘も6人が嫌いではなかったのでその中の1人と結婚しようと思いましたが、皆優秀で仲が良かったため1人を選べません。
折悪く事故で両親が急死。娘は公爵家を守るために婿を取らなくてはなりませんでしたが6人もそれぞれ一人っ子の跡取り息子でしたし公爵家という後ろ盾は娘の為にも重要な為分家に家を明け渡し、娘をそこの養子として後ろ盾とすることにしました。しかし、それが大失敗。家を継いだ元公爵の従兄弟は強欲かつ残忍で公爵家の財産を僅か3年で食い潰し、国家反逆を目論み隣国に情報を売ったのです。従兄弟一家は処刑されましたが娘はその家でメイドのように働かされていたと使用人の告発があり罪自体がなくなりました。当然ビオラ公爵家は潰される予定でしたが元の爵位が高く娘もいた為息子たちに懇願される形で何とか男爵家として残る事が出来ました。娘は6人に自分は市井におちるので、何もしなくて良いと訴えたそうですが娘を溺愛していた6人はその願いを聞き入れず、当時非常に優秀だった騎士をビオラ男爵とし、娘をそこの養子としようとしました。しかし、前回の一件で懲りたのか娘は養子縁組はしても一緒に暮らすのは嫌だと訴えます。6人は森の中に家を建て娘に誰かを選ぶまでの間そこで暮らすよう言いました。娘は喜んで自ら籠の鳥となり、6人はその家に足繁く通ったのです。
6人はちょうど良い距離感で生活していました。
娘は自分の立場をわかっていたので慎ましやかに過ごしていましたし、早く答えを出さなくてはいけないと悩む一方で自分が元公爵家の為に何も出来ていない事を悔やんでいました。
ある日、新しいビオラ男爵が娘の顔を見に来ました。手には財政書類を持って。娘に領地がどれだけ持ち直したか、屋敷がどのようになっているかを細やかに説明して紳士的に立ち去ります。そんな事を繰り返すうちに娘は男爵に恋をしました。
もともとビオラ家は娘の為の家です。
娘は6人にビオラ男爵を選んだと伝えます。
6人は激怒し娘に鎖の足枷をつけ、6人全員で娘を堪能しました。
そんな中、ビオラ男爵がいつものように定期報告に来ます。
明らかに害されている娘を見てビオラ男爵は剣で鎖を断ち切り娘を攫って逃げました。そして、そのままの現状を王に報告したのです。王は外聞やこの国の将来のため自分の息子を含めた若人の罪を認めることはできませんでしたがビオラ男爵の気持ちもわかった為娘をビオラ男爵の妻とするよう命じました。6人の若人にはそれぞれ妻が決められ強制的に結婚となりました。
そして、次代が産まれました。
ここまでが聞いた話です。あまりにも有名な話でありながら誰も話題にしない。
きっとそのうち時代の中で忘れ去られていく話です。
・・・・・・・・・・・
そして、ここからが私の覚えている話。
あれは私が4.5歳の頃でした。
厳格な父に屋敷に誘われたのです。
普段全く構ってくれず偶に言葉を交わしても小言ばかり。
笑顔なんて勿論見たことない父が私を誘ったのですから戸惑いました。
母は反対していましたが権力者である父の意向に逆らえる筈もなく一睨みで言葉を噤んで顔を伏せました。
父と母の仲が良くないのはわかっていましたが目の当たりにするのは悲しいものです。私は良い子でいようと父の言う通り屋敷に行くことにしました。
そして、そこで信じられないものを見たのです。
母に優しい言葉の一つもかけたことのない父が、そこにいる女性に微笑み、甘い声で困ったことはないかと問うのです。
女性は何かを言って、それに周りの皆は黙って首を振りました。
「それ以外ならなんだって叶えてやる。娘の身の安全も保障しよう」
皆が口を揃えて言います。
それは、異様な光景でした。
薄い布を着た女性に父や他の男性が傅くのです。
女性は綺麗で、清潔で、良い匂いがしました。
ただ一つ、足に銀の鎖がついていました。
とても綺麗に太陽光を反射したその鎖が私の目から離れません。
暫く後、私たちはその部屋から出されました。
そして、おやつをあげようと言われて連れていかれた食堂で、フローライトに会ったのです。
私たちよりも小さいのにメイドの服を着せられおやつを運ばされています。
一緒に食べようと誘いましたが、丁寧な礼をされて拒否されました。
隣のバイオレットなどその小さなレディに見惚れています。
それからというもの、1週間に1度、私達はその屋敷で顔を合わせるようになりました。
少しづつ皆と話をしてくれるようになったフローライト。
喧嘩を見ると泣きそうになりながら頑張って止めるフローライト。転んで血が出た所を手際よく消毒し慰めてくれるフローライト。
皆がフローライトに恋をしました。
互いに牽制し合いながらお互いを高めていく私達はまるで父親の跡を辿っているかのようでしたが止められません。
そして、運命の日が訪れました。
いつも笑顔で私達を迎えてくれるフローライトが泣いているのです。どうしたのかと問うと、母親がおかしいと泣くのです。
皆で顔を見合わせこっそりとその部屋に行くと、そこには何を言ってもビオラ男爵の名前しか発しない女性。父達も困惑しています。
今思えば当たり前です。何年あの部屋に拘束したでしょう。夫がどうなっているかもわからずフローライトの姿もたまにしか見せてもらえなかったらしいです。気がおかしくなるのも当然でしょう。
「お願い、何でもするから母様を助けて!」
好きな子の願いに皆が了承します。
しかし、私達になにが出来るでしょう?
それに父達に再度連れ戻されてしまわないよう対策も必要です。
私達はその場をこっそり離れて皆で話します。
計画はバイオレットと私が立てました。混乱のための発煙筒はクルトが作りました。当時から少し体の大きかったウィルスが刀を持って来ます。私はビオラ男爵に手紙を書いて脱出の手立てを依頼。ルートは使用人の皆を味方につけ逃亡の助けを依頼。アルフが王太子妃には内緒で王妃に報告しました。
次の週に決行となった日、皆でフローライトに伝えます。
「フローライト、私達はあなたが好きです。学園を卒業したら私達のうち1人の妻になってください」
フローライトが目を見張ります。
「あの、私は男爵家の娘です。それは難しいと思います・・・」
「・・・約束してくれなければ助けることはしない」
クルトの言葉にフローライトの肩が震え、目に涙が溜まります。
「・・・だって、あいたい。それを我慢するから。ちゃんと覚えてて。」クルトが続けます。甘えたの彼らしい言葉です。
フローライトは困った顔をしています。
まぁ、外部に依頼もしてますし計画は潰れませんけどね。
「フローライトの母親にあんな事をしている父達の息子だから好きになれないか?」
バイオレットが聞きます。
フローライトがゆっくり首を振りました。
「じゃあ、これサインして。」
バイオレットが取り出したのは今で言う契約書です。
用意がいい事で。
フローライトがそこにサインをします。
バイオレットがそれに印をつけて6つに分けてそれぞれに渡します。
お互いが裏切ったらこの契約はなくなる。
そうゆう意味でしょう。
そして、小さな契約と共に計画が実行されました。
結果から言えば大成功です。
フローライトと母親は家に帰り、静養中。
私達は父親にかなり怒られましたが王と王妃により跡取りと確定しました。
計画性と実行力が評価されたそうです。
そして、何年も待ち続けた挙句取られかけた宝物がようやく戻って来ました。
眼前ではクルトとルートが端に追いやられアルフとウィルスがフローライトにのしかかっています。
全く、初めてでもないのだから少しまつ余裕は無いのでしょうか。
私は2人をフローライトから引き剥がし、フローライトに宣言します。
「1年後には学園に通います。卒業までに選んでくださいね。他の人を選んだり逃げたりしたら・・・ここから一生出られませんよ」
怯えた目で私達を見回し、後ずさるフローライトをアルフが抱きとめます。
「フローライト、心配するな。俺を選べばすぐに自由の身だ。」
ほぼ裸のフローライトがアルフの腕から逃げ出します
身体中花弁が散ったかの様な痕、痕、痕。
さぁ、今日からが勝負です。
私もフローライトの髪を掬って口付けました。
父達の気持ちが今ならわかります。
恋い焦がれて今にも張り裂けそうな胸の内をいつか理解してくださいね。フローライト。
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