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第1章

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目が覚めたら、真っ暗な所にいた
手を伸ばしてもコツンと何かにあたり、動けそうに無いーー・


耳を澄ませれば ガヤガヤと声は聴こえるから
1人で無いと思うけど・・・
何も見えない恐怖から自然と身体をぎゅっと抱きしめてしまう。

ふと、柔らかい感触にビクリとする。

(私の手が何かに触れた?)
瞬間的に手を離してしまったが今度はそっと触れてみると、それはフワフワしていて温かく不思議と安心してしまう。



(これは夢だ。私は今  夢を見ていているんだ。明日から社会人として頑張るのにーー・ふふ、遠足を楽しみにしてる小学生か私は、夢!ユメ!夢ならこのフワフワに包まれて寝てしまおう!)

そう思いながら目を瞑り、いつの間にか寝てしまっていた。





*****







しばらく寝ただろうか、
コツンコツン

何かを叩く音が聴こえる。

コツン・・コツンコツン

『はーい、今開けるので待ってください~~』
声をかけ、立ち上がりゴツンと何かに当たった。

『痛い!』
(また暗闇、、夢じゃない?嘘・・・どういうこと?)

眠る前と変わらない状況に気付き 顔面蒼白になる。

(ずっとこのまま 暗闇の中で1人?どうしようーー・・・誰か、誰か助けて・・・・)





コツン・・コツッ!バリ!!バリバリ!!



何かの音と共に一筋の光がみえる
光はドンドン大きくなり、眩しくてギュッと顔を伏せてしまう。



次に目を開いた時
言葉を失った、私の目にうつる景色はいつもの部屋ではなく、辺り一面に広がる卵。
それも大きな卵だ。

卵の近くには色々な姿・形をした生き物達

(ここはどこ?私はどうなったの?)

「やっと・産まれましたか、体は動きますか?」

後ろから声をかけられ、振り向き身体が凍りつく
全身の毛が逆立ち叫び逃げ出したいのに体が動かない
だって、それは、暗い緑色の肌をした・・・蛙だった、
(何故・蛙?しかも歩いてるし!話してるし!!まだ夢を見てるの!?)

この状況を理解出来ずアタフタしていたが蛙は御構い無しに大きな目を細め見つめている

「何度か叩いてみましたが、反応が無かったのは・・・そうですか、あなたはイレギュラーだったんですね」

ーーイレギュラー?えっ?私のことを言ってるの?


蛙の言葉に頭の中は??(クエスチョン)マークになる。
意識を戻すと蛙は籠に乗るように手を引くと、
掴まれた手はモフモフの毛で覆われ薄ピンクの肉球が見え隠れしている。



そこで気付いた








私は人間では無く動物になっていた。
此処は私の知ってる地球では無い
どこか知らない場所だと。

私、滝 真奈美(たき まなみ)は視界に広がる光景に唖然としながら空を見上げる。

生まれ育った空と変わらない青い空をーー・・・
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