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第2章
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(可愛い寝顔ーーーこんな小さな体で、あの寒い中・・・私が守ってあげる)
目が覚めて、腕の中で眠り続ける子供。
昨日は青白い顔をしており心配だったが、暖かい部屋で休み 体が温まり血色が良くなって来た様だ。
ホッと胸を撫で下ろし、起こさない様にベットから降りる。
窓の外を見ると朝日が昇る所だ。雪が残る中、ちらほらと獣人達が歩いているのが見える。
『ーー色んな獣人がいるのね・・「気になる?まなみは早起きだね」キャッ!!っつ』
足音を立てずに耳元で話しかけるロード驚いてしまった。
口を押さえられ「静かにしないと、子供が起きてしまうよ?」っと、言われてしまった。(あなたが驚かせたんでしょ)っと内心思っていても口には出せない。
「まだ2人は寝ているから、少し散歩に行こうか?」
『あの子が起きた時に側に居たいので、行かないです』
小声で話すロードにキッパリ断るも、ロードには見抜かれていたようで、パチンと指を鳴らす。
『?』
「大丈夫。安眠魔法を施したよ、これで散歩に行けるね」
『えっと、、あっアランも一緒にーーー』
「子供が1人部屋にいるのは心配だろ?まだ寝ているから、アランに任せようぜ。さぁ、行くよ」
言ってる事が理不尽な気もするが、アランが居れば安心だと思い
少しだけ外も見てみたい気持ちも有り、ロードと一緒に部屋を後にする。
色々な獣人とすれ違いながら進んで行くと、小高い丘に着いた。
ロードにここから見てみな。と言われ振り返って見る。
『寒いーーーけど、綺麗・・・』
「綺麗だな。この瞬間が1番綺麗なんだ。」
朝日に照らされ、雪が溶け出しその雫が陽の光に反射されて白銀の世界がキラキラと幻想的な景色となっている。
言葉で語らなくても、その美しさは伝わってくる。
無言で立ち尽くす真奈美にロードは静かに話しかけた。
「この町は、ミナと出会った場所なんだ。ーーーミナはこの瞬間が1番好きだと言っていた。だから、まなみにも見せてあげたかったんだーーー無理に付き合わせてすまなかったな、戻ろうか」
思いもよらない話に真奈美はキョトンとする。
(ミナさんは天上人よね?なんで獣人の町に??)哀しい眼で景色を見るロードの姿に質問なんて出来ず。コクリと頷き、宿に戻る。
店主の虎が出迎えてくれて、今から町の人に聞きに行くと言う。
朝食はまだ出来ていないが子供が目を覚ましたら食べさせてやってくれ。と、暖かいスープとパンを預かった。
部屋に戻ると仁王立ちしているアランが扉の前にいて、驚き仰け反ってしまう。熊の姿に見慣れていない為、驚くなという方が無理だ。悲鳴を上げなかっただけでも自分を褒めてあげたい。
『アランーーどうしたの?』
平然を装いながら、アランを見ると怒っているようだ。
「何故、何も言わないで出掛けたのだ?また連れ去られたのかと心配するではないか、探しに行こうにも子供を1人置いて行くなんて私には出来ない。無事で良かったーーー」
ギュッと抱きしめる手は微かに震えていた。真奈美と離れてしまう事がアランにはトラウマになってしまった様だ。
その手を握りしめ、自分の浅はかな行動を反省する。
『ごめんなさい。もう黙って離れないゎ』
「まなみは悪くないんだ、俺が連れ出してしまったからな。アランわるかったな」
素直に謝るロードに「戻ってきたんだ、もういい。だが、次は私も一緒にいくからな」と念を押す。
「ところで、いい匂いがするが。朝食かい?」
「あぁ、店主が子供にって頂いたんだ。起きるかな」
パチンと指を鳴らすと魔法が解けて、小さな瞳を静かに開けむくりと起きだした。
「・・・」
ゴシゴシと目を擦る仕草に胸を射抜かれる3人。
「・・・?」
辺りをキョロキョロ見回し、自分の状況が分からないようだ。
「目が覚めたかい?どこか痛い所はあるかい?」
優しく声をかけるアランにピクリと反応し今にも泣きそうな顔をしてしまった。どうやら厳つい熊は怖いようだ。
その反応にションボリするアラン。いじけてしまう姿にホッコリする真奈美。
『子供から見たら、大きい人は皆んな怖いのよ。ほら、大丈夫。このお兄さんも皆んな優しいわよ』
アランにフォローしながら、子供に手を差し出すとオズオスと真奈美に近寄ってきた。
目が覚めて、腕の中で眠り続ける子供。
昨日は青白い顔をしており心配だったが、暖かい部屋で休み 体が温まり血色が良くなって来た様だ。
ホッと胸を撫で下ろし、起こさない様にベットから降りる。
窓の外を見ると朝日が昇る所だ。雪が残る中、ちらほらと獣人達が歩いているのが見える。
『ーー色んな獣人がいるのね・・「気になる?まなみは早起きだね」キャッ!!っつ』
足音を立てずに耳元で話しかけるロード驚いてしまった。
口を押さえられ「静かにしないと、子供が起きてしまうよ?」っと、言われてしまった。(あなたが驚かせたんでしょ)っと内心思っていても口には出せない。
「まだ2人は寝ているから、少し散歩に行こうか?」
『あの子が起きた時に側に居たいので、行かないです』
小声で話すロードにキッパリ断るも、ロードには見抜かれていたようで、パチンと指を鳴らす。
『?』
「大丈夫。安眠魔法を施したよ、これで散歩に行けるね」
『えっと、、あっアランも一緒にーーー』
「子供が1人部屋にいるのは心配だろ?まだ寝ているから、アランに任せようぜ。さぁ、行くよ」
言ってる事が理不尽な気もするが、アランが居れば安心だと思い
少しだけ外も見てみたい気持ちも有り、ロードと一緒に部屋を後にする。
色々な獣人とすれ違いながら進んで行くと、小高い丘に着いた。
ロードにここから見てみな。と言われ振り返って見る。
『寒いーーーけど、綺麗・・・』
「綺麗だな。この瞬間が1番綺麗なんだ。」
朝日に照らされ、雪が溶け出しその雫が陽の光に反射されて白銀の世界がキラキラと幻想的な景色となっている。
言葉で語らなくても、その美しさは伝わってくる。
無言で立ち尽くす真奈美にロードは静かに話しかけた。
「この町は、ミナと出会った場所なんだ。ーーーミナはこの瞬間が1番好きだと言っていた。だから、まなみにも見せてあげたかったんだーーー無理に付き合わせてすまなかったな、戻ろうか」
思いもよらない話に真奈美はキョトンとする。
(ミナさんは天上人よね?なんで獣人の町に??)哀しい眼で景色を見るロードの姿に質問なんて出来ず。コクリと頷き、宿に戻る。
店主の虎が出迎えてくれて、今から町の人に聞きに行くと言う。
朝食はまだ出来ていないが子供が目を覚ましたら食べさせてやってくれ。と、暖かいスープとパンを預かった。
部屋に戻ると仁王立ちしているアランが扉の前にいて、驚き仰け反ってしまう。熊の姿に見慣れていない為、驚くなという方が無理だ。悲鳴を上げなかっただけでも自分を褒めてあげたい。
『アランーーどうしたの?』
平然を装いながら、アランを見ると怒っているようだ。
「何故、何も言わないで出掛けたのだ?また連れ去られたのかと心配するではないか、探しに行こうにも子供を1人置いて行くなんて私には出来ない。無事で良かったーーー」
ギュッと抱きしめる手は微かに震えていた。真奈美と離れてしまう事がアランにはトラウマになってしまった様だ。
その手を握りしめ、自分の浅はかな行動を反省する。
『ごめんなさい。もう黙って離れないゎ』
「まなみは悪くないんだ、俺が連れ出してしまったからな。アランわるかったな」
素直に謝るロードに「戻ってきたんだ、もういい。だが、次は私も一緒にいくからな」と念を押す。
「ところで、いい匂いがするが。朝食かい?」
「あぁ、店主が子供にって頂いたんだ。起きるかな」
パチンと指を鳴らすと魔法が解けて、小さな瞳を静かに開けむくりと起きだした。
「・・・」
ゴシゴシと目を擦る仕草に胸を射抜かれる3人。
「・・・?」
辺りをキョロキョロ見回し、自分の状況が分からないようだ。
「目が覚めたかい?どこか痛い所はあるかい?」
優しく声をかけるアランにピクリと反応し今にも泣きそうな顔をしてしまった。どうやら厳つい熊は怖いようだ。
その反応にションボリするアラン。いじけてしまう姿にホッコリする真奈美。
『子供から見たら、大きい人は皆んな怖いのよ。ほら、大丈夫。このお兄さんも皆んな優しいわよ』
アランにフォローしながら、子供に手を差し出すとオズオスと真奈美に近寄ってきた。
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