65 / 83
第2章
65
しおりを挟む
「(なんだか身体が暖かくなってきた・・・な?)ぅわ!!手が毛だらけで、肉球が付いているぞ!!まなみ!見てくれ!?って、かっっっ」
「可愛いぃな!!!!」
アランが抱きつく前にロードが真奈美に飛び付いた、行き場の無い両腕をワナワナしながら、ロードを真奈美から引き離す。
「こら!私のまなみに抱きつくでない!!」
『ぅわぁ~~アラン…もふもふ~~!暖かい~、凄いね!アランはてっきり、同じ猫だと思ったけど。もふもふで暖かいから、こっちで良かったかもね!』
「・・・まなみと同じ猫ではないのか?」
すっと、自分の手を見るアラン。腕も脚も心なしかガッチリしているような?それにこの毛色・・・私の髪は金髪だが、黒?いや、少し金茶色なのか?」
ブツブツ話すアランに真奈美はもふもふ~っと、抱きついていた。
「そんなに、気に入ったのか?良かったな、アラン。俺のチョイスは間違ってなかったな。まなみは勿論ネコちゃんだ。愛らしい姿は想像以上だな、アランは立派な熊にした。どうだ?素晴らしいだろ?」
「・・・・・・・えっ?なんて言ったんだい?熊って聞こえたが、私は何の獣人になったんだい?」
『アランは立派な熊さんよ!もふもふが気持ちいい~』
「くっっ熊だとは、、、想像していなかったな」
ガーーンッッ
自分は真奈美とお揃いの猫だとばかり思っていた為、ショックを受け その場に倒れこむ。
グッジョブと親指を立てているロードが憎い。
「ん?ロードは薬を飲まないのか?まだ人間の姿だが?」
不思議に思い聞いてみると、逆に不思議な顔をされてしまった。
「俺か?」パチンッと指を鳴らすと耳は尖り、体毛が伸び。一瞬で姿が変わった。
「ほら、これで獣人になった。荷物を持ったら行くぞ、まなみ。体調で変わった事があったらすぐに言うんだよ?」
空いた口が塞がらないアランはパクパクさせながら抗議する。
「ぅおい!何故薬を飲まない!?一瞬で変えられるなら、薬の意味はどうした!!いや、まず、なぜ私は熊で、ロードは黒猫なんだ!おかしいだろ!!逆ではないか、私が猫でロードが熊だろ!!」
「えっ?何故かって?はっ、愚問だな。面白いからに決まってるだろ。それに、俺は猫ではない。黒豹だ」
ドヤ顔で決めるロードに苛立ちを露わにするが、真奈美に『私は熊でも何でも。アランはアランよ?』っと耳打ちされてしまった。
その照れた姿に悶えながら、すくっと立ち上がり簡単に荷物を入れた鞄を手に取る。
「まなみも可愛いよ。耳は白いが髪はそのままピンク色なんだね。寒くないかい?私は見ての通り暖かいよ。」
自虐気味に話すアランの腕にぎゅっと掴み、馬車を降りる。
外は一面、銀世界。右も左も雪が降り積もっている。
寒いはずだ。と納得するアランと真奈美。
「町に馬車は目立つから、ここからは歩きだ。今からだと、夕刻には着く。」
そういうと、馬車をしまい歩き出した。
2人はロードの後を離れないように付いて行く。
(もう少し、この町を過ぎれば・・・)
真奈美は不安な気持ちを2人に知られない様に心にしまう。
*****
「ゼェッゼェーーーまだ・・つかないのか?もう薄暗くなってきたーー」
「もう見えてるぜ。あれがビースタァだ。」
息を切らしながら、話すアランにケロッと答えるロード。
何故アランがこんなに息を切らしているのか、道中にアランだけ不幸があったのだ。
雪に埋もれたり、小動物が襲いかかってきたり、慣れない身体が重すぎて歩くのも辛い為 息も切れ切れになってしまう。
『アランーー大丈夫?』
心配する真奈美に、ニコッと笑顔で「大丈夫」と答えるが、内心身体は悲鳴をあげている。
「どうした?真奈美。疲れたのか?‘ 癒しよ’」
ロードは真奈美に回復魔法をかけてあげた。それを見たアランは「わたしにもーーお願い、出来るか?」
「ん?ぁあ。いいぜ ‘癒しよ’ もっと、早く言えばやったのに。」
イラァと頭に来たが、大人なアランは我慢する。
(ーーー全てお前が引き起こしたのが原因だろ!!こっちの道だと言うから進んだら、穴だらけの道だったし。あの動物は美味いとか言って、ちょっかいを出したら集団で襲いかかってきたし。ーーー本人は無自覚だから、始末が悪いな・・・はぁ)
そう、ロードの起こした事が発端でアランが被害に遭ったのだ。
この先大変だと思いながら町に入ると、流石にこの時間に外を出歩いている獣人は居ない。
「可愛いぃな!!!!」
アランが抱きつく前にロードが真奈美に飛び付いた、行き場の無い両腕をワナワナしながら、ロードを真奈美から引き離す。
「こら!私のまなみに抱きつくでない!!」
『ぅわぁ~~アラン…もふもふ~~!暖かい~、凄いね!アランはてっきり、同じ猫だと思ったけど。もふもふで暖かいから、こっちで良かったかもね!』
「・・・まなみと同じ猫ではないのか?」
すっと、自分の手を見るアラン。腕も脚も心なしかガッチリしているような?それにこの毛色・・・私の髪は金髪だが、黒?いや、少し金茶色なのか?」
ブツブツ話すアランに真奈美はもふもふ~っと、抱きついていた。
「そんなに、気に入ったのか?良かったな、アラン。俺のチョイスは間違ってなかったな。まなみは勿論ネコちゃんだ。愛らしい姿は想像以上だな、アランは立派な熊にした。どうだ?素晴らしいだろ?」
「・・・・・・・えっ?なんて言ったんだい?熊って聞こえたが、私は何の獣人になったんだい?」
『アランは立派な熊さんよ!もふもふが気持ちいい~』
「くっっ熊だとは、、、想像していなかったな」
ガーーンッッ
自分は真奈美とお揃いの猫だとばかり思っていた為、ショックを受け その場に倒れこむ。
グッジョブと親指を立てているロードが憎い。
「ん?ロードは薬を飲まないのか?まだ人間の姿だが?」
不思議に思い聞いてみると、逆に不思議な顔をされてしまった。
「俺か?」パチンッと指を鳴らすと耳は尖り、体毛が伸び。一瞬で姿が変わった。
「ほら、これで獣人になった。荷物を持ったら行くぞ、まなみ。体調で変わった事があったらすぐに言うんだよ?」
空いた口が塞がらないアランはパクパクさせながら抗議する。
「ぅおい!何故薬を飲まない!?一瞬で変えられるなら、薬の意味はどうした!!いや、まず、なぜ私は熊で、ロードは黒猫なんだ!おかしいだろ!!逆ではないか、私が猫でロードが熊だろ!!」
「えっ?何故かって?はっ、愚問だな。面白いからに決まってるだろ。それに、俺は猫ではない。黒豹だ」
ドヤ顔で決めるロードに苛立ちを露わにするが、真奈美に『私は熊でも何でも。アランはアランよ?』っと耳打ちされてしまった。
その照れた姿に悶えながら、すくっと立ち上がり簡単に荷物を入れた鞄を手に取る。
「まなみも可愛いよ。耳は白いが髪はそのままピンク色なんだね。寒くないかい?私は見ての通り暖かいよ。」
自虐気味に話すアランの腕にぎゅっと掴み、馬車を降りる。
外は一面、銀世界。右も左も雪が降り積もっている。
寒いはずだ。と納得するアランと真奈美。
「町に馬車は目立つから、ここからは歩きだ。今からだと、夕刻には着く。」
そういうと、馬車をしまい歩き出した。
2人はロードの後を離れないように付いて行く。
(もう少し、この町を過ぎれば・・・)
真奈美は不安な気持ちを2人に知られない様に心にしまう。
*****
「ゼェッゼェーーーまだ・・つかないのか?もう薄暗くなってきたーー」
「もう見えてるぜ。あれがビースタァだ。」
息を切らしながら、話すアランにケロッと答えるロード。
何故アランがこんなに息を切らしているのか、道中にアランだけ不幸があったのだ。
雪に埋もれたり、小動物が襲いかかってきたり、慣れない身体が重すぎて歩くのも辛い為 息も切れ切れになってしまう。
『アランーー大丈夫?』
心配する真奈美に、ニコッと笑顔で「大丈夫」と答えるが、内心身体は悲鳴をあげている。
「どうした?真奈美。疲れたのか?‘ 癒しよ’」
ロードは真奈美に回復魔法をかけてあげた。それを見たアランは「わたしにもーーお願い、出来るか?」
「ん?ぁあ。いいぜ ‘癒しよ’ もっと、早く言えばやったのに。」
イラァと頭に来たが、大人なアランは我慢する。
(ーーー全てお前が引き起こしたのが原因だろ!!こっちの道だと言うから進んだら、穴だらけの道だったし。あの動物は美味いとか言って、ちょっかいを出したら集団で襲いかかってきたし。ーーー本人は無自覚だから、始末が悪いな・・・はぁ)
そう、ロードの起こした事が発端でアランが被害に遭ったのだ。
この先大変だと思いながら町に入ると、流石にこの時間に外を出歩いている獣人は居ない。
0
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】夫は私に精霊の泉に身を投げろと言った
冬馬亮
恋愛
クロイセフ王国の王ジョーセフは、妻である正妃アリアドネに「精霊の泉に身を投げろ」と言った。
「そこまで頑なに無実を主張するのなら、精霊王の裁きに身を委ね、己の無実を証明してみせよ」と。
※精霊の泉での罪の判定方法は、魔女狩りで行われていた水審『水に沈めて生きていたら魔女として処刑、死んだら普通の人間とみなす』という逸話をモチーフにしています。
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】誰にも相手にされない壁の華、イケメン騎士にお持ち帰りされる。
三園 七詩
恋愛
独身の貴族が集められる、今で言う婚活パーティーそこに地味で地位も下のソフィアも参加することに…しかし誰にも話しかけらない壁の華とかしたソフィア。
それなのに気がつけば裸でベッドに寝ていた…隣にはイケメン騎士でパーティーの花形の男性が隣にいる。
頭を抱えるソフィアはその前の出来事を思い出した。
短編恋愛になってます。
私が死んで満足ですか?
マチバリ
恋愛
王太子に婚約破棄を告げられた伯爵令嬢ロロナが死んだ。
ある者は面倒な婚約破棄の手続きをせずに済んだと安堵し、ある者はずっと欲しかった物が手に入ると喜んだ。
全てが上手くおさまると思っていた彼らだったが、ロロナの死が与えた影響はあまりに大きかった。
書籍化にともない本編を引き下げいたしました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる