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第2章

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(真っ暗だ、また闇に戻ったのかーーはっ!ミナ!ミナはどこだ!グッ体が動かないーーミナ、ミナーーーー!!!)


『大丈夫?』
(はっ!夢だったのーーか?またあの悪夢を見たのか。ミナに会ったのも夢だったのかーー)

『あの、何か飲みますか?凄いうなされてましたけどーー』
「えっーーー!猫?!っっ何だ、これはーー?」

男性の身体はロープで縛られ、太い木に巻き付いていた。何故だか手足も痺れ、思うように動かない。
『あっ!また来られたら怖いので、縛りました。それでも心配だったので、麻痺魔法をかけました!半日は動けないので。ーーこんな危ない人は亜空間に閉じ込めて置くのが一番なんですがね。』
(・・・今、サラリと恐ろしい事をいったな)
『ーーそれで、あなたは誰ですか?』
「俺を忘れたのか?ーーぁあ、この見かけだからか。」
そう言うと、何やら呪文を唱え、見る見るうちに肌は白くなり、髪も黒くなった。そして、青い瞳も金色に変化したのだ。何より真奈美が驚いたのは背中に大きな翼が生えていたのだ。真っ黒で禍々しいオーラに包まれていた。ロープで縛ってある為、翼は苦しかったのか、「ぁあ、やっぱり翼は黒いままか」確認したら、閉まってしまった。外見が変わり、不信感が強くなった真奈美は
更に距離を取る。

「そぅ怖がるな、これが元の俺だよ?ロードだ。あの姿はーー長命になる為に魔族と契約したらあんな姿になったんだ。でも、今はミナがいる。姿を変える必要が無くなった」
『ーー魔族?って、もしかして魔人?』
「ん?ぁあ、人はそう呼ぶな。」

(!!って事は、この人は王宮にいた魔人?しかも、ミナさんの恋人?なのかな?)
『えっと、もしかして、王宮に捕まってました?』
「王宮?ぁあ、余りにも長い年月ミナを探していたから後半はあまり覚えていないんだが、アイツに裏切られどっかの城に囚われていたなーーーでも、お陰でミナに会えた」

真っ直ぐに見つめる情熱的な瞳に真奈美は視線を逸らした。
『そうーっだったんですね、それでーー何故、私はここにいるんでしょうか?』
「?何故って、危険信号を出しただろう?それで、俺がミナをひとが群がっている所から瞬間移動でこの森まで連れてきたんだ。ミナの魔力は極上だが、何かに隠蔽されて見つけられなかったが、危険信号を出した時に分かったんだ」
(危険信号?覚えてないけど、、あっ!ペンダントが無い!・・えっ?使い魔の首輪も無くなってる?)
ペタペタと首元を触りながら、顔面蒼白になる真奈美にロードは首を傾げながら「どうした?もしかして、ミナを縛り付けていた首輪か?あんな物、俺が壊した。ミナは俺だけのものだ」
サーーっと血の気が引いた。あの首輪は持ち主が亡くなると、青い玉となり使い魔養成所に戻るのだ。

『なんて事をしてくれたの!ーーどうしよう、アラン』
真奈美は気が動転し、愛おしい人の名前を口にしてしまっていた。それを聞いたロードは一気にトーンを落とし、鋭い口調で問いかける。

「ーー今、なんていったんだ?ーーー俺以外に、好きな奴が出来たのか?」
ビクゥッ!全身の毛が逆立ち、素直に答えたらアランが危ないと思い真奈美は話をすり替えた。

『えっ?なんて言いました?ーー私はミナさんでは無いと言ってるじゃないですか?』
「ーーーそんなの、信じない」

『ロードさんって言いました?ミナさんが亡くなってから、どれくらい経ってると思ってるんですか?私とミナさん、全然違うじゃないですか』
「・・・」
『それに!ミナさんはこんな可愛らしい猫になれましたか?』
(自分で可愛いとか言っちゃったよ!恥ずかしい!どんだけーー穴があったら隠れたいゎー)
ボフン。無意識に猫から人の姿へと戻ってしまった。

ドヤ顔で考えこむロードに追い討ちをかけるが、自分で恥ずかしい事を口走ったと気付き、赤面しながら悶えていた。




沈黙の中、ロードが静かに口を開いた。
「ーーミナでは、無いのか?俺を覚えていないーーでは無く、知らないんだな・・・確かに、ミナは変身魔法が下手でこんな完璧な猫になるなど、それこそ鳥が魚になるぐらい信じられないなーー君は、ミナでは無いんだね」
瞳から生気が消え、落胆していれのが見てわかる。

『(凄い言われよう・・)ーー分かって頂けました?あの、それで元の場所に帰してくれますか?』
「ーーそうだな、すまなかった。先程の所でいいのか?」

(鍛錬場はーーマズイかな?アランさんの屋敷がいい?ーーあっ、でもネックレスが無いから、、)
ロードを縛っていたロープを取りながら考えた。


『あの、マダム・イシュリーの所へお願いします。それと、麻痺は解毒しますね』呪文を唱え、ロードを自由にした。
「ありがとう、では。俺に捕まってくれ、行きたい場所を思い浮かべてくれるか?」

整った顔のイケメンが優しい口調でそっと、腰に手を回されドギマギしながら目を瞑り、意識を集中する。
(マダム・イシュリー。マダム・イシュリー。)

そんな真奈美を優しく抱擁しながら、ロードも意識を真奈美に合わせる。(こんなに、似ているのにーーミナでは無いんだな)




「まなみ!!」
聞きなれた愛おしい人の声に真奈美は目を開けた。マダムの所へ来ていたアランだ。

『!!』
目を開いた真奈美はアランの元へ駆け寄ろうとロードから手を離したら、ぐいっと引き寄せられてしまった。
「誰だ?お前は?」

「むっ、お前こそ誰だ!私の真奈美に気安く触りーー離してくれ」

バチバチと睨み合う2人に挟まれながら真奈美はオロオロする。
『あのっ!ケンカはーー』

ドォーーン


「はいはい。まなみちゃんが困ってるからやめなさいね」
マダム・イシュリーの雷をくらい、2人は地べたにめり込んだ。
気絶した2人をソファーに寝かし、見慣れない男性について聞かれた真奈美は、マダムに今までの経緯を話すのであった。


眉間にしわを寄せ、険しい表情のマダムにビクビクしながら、真奈美は話を続けていた。

アランとロードはまだ夢の中。
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