60 / 83
第2章
60
しおりを挟む
(真っ暗だ、また闇に戻ったのかーーはっ!ミナ!ミナはどこだ!グッ体が動かないーーミナ、ミナーーーー!!!)
『大丈夫?』
(はっ!夢だったのーーか?またあの悪夢を見たのか。ミナに会ったのも夢だったのかーー)
『あの、何か飲みますか?凄いうなされてましたけどーー』
「えっーーー!猫?!っっ何だ、これはーー?」
男性の身体はロープで縛られ、太い木に巻き付いていた。何故だか手足も痺れ、思うように動かない。
『あっ!また来られたら怖いので、縛りました。それでも心配だったので、麻痺魔法をかけました!半日は動けないので。ーーこんな危ない人は亜空間に閉じ込めて置くのが一番なんですがね。』
(・・・今、サラリと恐ろしい事をいったな)
『ーーそれで、あなたは誰ですか?』
「俺を忘れたのか?ーーぁあ、この見かけだからか。」
そう言うと、何やら呪文を唱え、見る見るうちに肌は白くなり、髪も黒くなった。そして、青い瞳も金色に変化したのだ。何より真奈美が驚いたのは背中に大きな翼が生えていたのだ。真っ黒で禍々しいオーラに包まれていた。ロープで縛ってある為、翼は苦しかったのか、「ぁあ、やっぱり翼は黒いままか」確認したら、閉まってしまった。外見が変わり、不信感が強くなった真奈美は
更に距離を取る。
「そぅ怖がるな、これが元の俺だよ?ロードだ。あの姿はーー長命になる為に魔族と契約したらあんな姿になったんだ。でも、今はミナがいる。姿を変える必要が無くなった」
『ーー魔族?って、もしかして魔人?』
「ん?ぁあ、人はそう呼ぶな。」
(!!って事は、この人は王宮にいた魔人?しかも、ミナさんの恋人?なのかな?)
『えっと、もしかして、王宮に捕まってました?』
「王宮?ぁあ、余りにも長い年月ミナを探していたから後半はあまり覚えていないんだが、アイツに裏切られどっかの城に囚われていたなーーーでも、お陰でミナに会えた」
真っ直ぐに見つめる情熱的な瞳に真奈美は視線を逸らした。
『そうーっだったんですね、それでーー何故、私はここにいるんでしょうか?』
「?何故って、危険信号を出しただろう?それで、俺がミナをひとが群がっている所から瞬間移動でこの森まで連れてきたんだ。ミナの魔力は極上だが、何かに隠蔽されて見つけられなかったが、危険信号を出した時に分かったんだ」
(危険信号?覚えてないけど、、あっ!ペンダントが無い!・・えっ?使い魔の首輪も無くなってる?)
ペタペタと首元を触りながら、顔面蒼白になる真奈美にロードは首を傾げながら「どうした?もしかして、ミナを縛り付けていた首輪か?あんな物、俺が壊した。ミナは俺だけのものだ」
サーーっと血の気が引いた。あの首輪は持ち主が亡くなると、青い玉となり使い魔養成所に戻るのだ。
『なんて事をしてくれたの!ーーどうしよう、アラン』
真奈美は気が動転し、愛おしい人の名前を口にしてしまっていた。それを聞いたロードは一気にトーンを落とし、鋭い口調で問いかける。
「ーー今、なんていったんだ?ーーー俺以外に、好きな奴が出来たのか?」
ビクゥッ!全身の毛が逆立ち、素直に答えたらアランが危ないと思い真奈美は話をすり替えた。
『えっ?なんて言いました?ーー私はミナさんでは無いと言ってるじゃないですか?』
「ーーーそんなの、信じない」
『ロードさんって言いました?ミナさんが亡くなってから、どれくらい経ってると思ってるんですか?私とミナさん、全然違うじゃないですか』
「・・・」
『それに!ミナさんはこんな可愛らしい猫になれましたか?』
(自分で可愛いとか言っちゃったよ!恥ずかしい!どんだけーー穴があったら隠れたいゎー)
ボフン。無意識に猫から人の姿へと戻ってしまった。
ドヤ顔で考えこむロードに追い討ちをかけるが、自分で恥ずかしい事を口走ったと気付き、赤面しながら悶えていた。
沈黙の中、ロードが静かに口を開いた。
「ーーミナでは、無いのか?俺を覚えていないーーでは無く、知らないんだな・・・確かに、ミナは変身魔法が下手でこんな完璧な猫になるなど、それこそ鳥が魚になるぐらい信じられないなーー君は、ミナでは無いんだね」
瞳から生気が消え、落胆していれのが見てわかる。
『(凄い言われよう・・)ーー分かって頂けました?あの、それで元の場所に帰してくれますか?』
「ーーそうだな、すまなかった。先程の所でいいのか?」
(鍛錬場はーーマズイかな?アランさんの屋敷がいい?ーーあっ、でもネックレスが無いから、、)
ロードを縛っていたロープを取りながら考えた。
『あの、マダム・イシュリーの所へお願いします。それと、麻痺は解毒しますね』呪文を唱え、ロードを自由にした。
「ありがとう、では。俺に捕まってくれ、行きたい場所を思い浮かべてくれるか?」
整った顔のイケメンが優しい口調でそっと、腰に手を回されドギマギしながら目を瞑り、意識を集中する。
(マダム・イシュリー。マダム・イシュリー。)
そんな真奈美を優しく抱擁しながら、ロードも意識を真奈美に合わせる。(こんなに、似ているのにーーミナでは無いんだな)
「まなみ!!」
聞きなれた愛おしい人の声に真奈美は目を開けた。マダムの所へ来ていたアランだ。
『!!』
目を開いた真奈美はアランの元へ駆け寄ろうとロードから手を離したら、ぐいっと引き寄せられてしまった。
「誰だ?お前は?」
「むっ、お前こそ誰だ!私の真奈美に気安く触りーー離してくれ」
バチバチと睨み合う2人に挟まれながら真奈美はオロオロする。
『あのっ!ケンカはーー』
ドォーーン
「はいはい。まなみちゃんが困ってるからやめなさいね」
マダム・イシュリーの雷をくらい、2人は地べたにめり込んだ。
気絶した2人をソファーに寝かし、見慣れない男性について聞かれた真奈美は、マダムに今までの経緯を話すのであった。
眉間にしわを寄せ、険しい表情のマダムにビクビクしながら、真奈美は話を続けていた。
アランとロードはまだ夢の中。
『大丈夫?』
(はっ!夢だったのーーか?またあの悪夢を見たのか。ミナに会ったのも夢だったのかーー)
『あの、何か飲みますか?凄いうなされてましたけどーー』
「えっーーー!猫?!っっ何だ、これはーー?」
男性の身体はロープで縛られ、太い木に巻き付いていた。何故だか手足も痺れ、思うように動かない。
『あっ!また来られたら怖いので、縛りました。それでも心配だったので、麻痺魔法をかけました!半日は動けないので。ーーこんな危ない人は亜空間に閉じ込めて置くのが一番なんですがね。』
(・・・今、サラリと恐ろしい事をいったな)
『ーーそれで、あなたは誰ですか?』
「俺を忘れたのか?ーーぁあ、この見かけだからか。」
そう言うと、何やら呪文を唱え、見る見るうちに肌は白くなり、髪も黒くなった。そして、青い瞳も金色に変化したのだ。何より真奈美が驚いたのは背中に大きな翼が生えていたのだ。真っ黒で禍々しいオーラに包まれていた。ロープで縛ってある為、翼は苦しかったのか、「ぁあ、やっぱり翼は黒いままか」確認したら、閉まってしまった。外見が変わり、不信感が強くなった真奈美は
更に距離を取る。
「そぅ怖がるな、これが元の俺だよ?ロードだ。あの姿はーー長命になる為に魔族と契約したらあんな姿になったんだ。でも、今はミナがいる。姿を変える必要が無くなった」
『ーー魔族?って、もしかして魔人?』
「ん?ぁあ、人はそう呼ぶな。」
(!!って事は、この人は王宮にいた魔人?しかも、ミナさんの恋人?なのかな?)
『えっと、もしかして、王宮に捕まってました?』
「王宮?ぁあ、余りにも長い年月ミナを探していたから後半はあまり覚えていないんだが、アイツに裏切られどっかの城に囚われていたなーーーでも、お陰でミナに会えた」
真っ直ぐに見つめる情熱的な瞳に真奈美は視線を逸らした。
『そうーっだったんですね、それでーー何故、私はここにいるんでしょうか?』
「?何故って、危険信号を出しただろう?それで、俺がミナをひとが群がっている所から瞬間移動でこの森まで連れてきたんだ。ミナの魔力は極上だが、何かに隠蔽されて見つけられなかったが、危険信号を出した時に分かったんだ」
(危険信号?覚えてないけど、、あっ!ペンダントが無い!・・えっ?使い魔の首輪も無くなってる?)
ペタペタと首元を触りながら、顔面蒼白になる真奈美にロードは首を傾げながら「どうした?もしかして、ミナを縛り付けていた首輪か?あんな物、俺が壊した。ミナは俺だけのものだ」
サーーっと血の気が引いた。あの首輪は持ち主が亡くなると、青い玉となり使い魔養成所に戻るのだ。
『なんて事をしてくれたの!ーーどうしよう、アラン』
真奈美は気が動転し、愛おしい人の名前を口にしてしまっていた。それを聞いたロードは一気にトーンを落とし、鋭い口調で問いかける。
「ーー今、なんていったんだ?ーーー俺以外に、好きな奴が出来たのか?」
ビクゥッ!全身の毛が逆立ち、素直に答えたらアランが危ないと思い真奈美は話をすり替えた。
『えっ?なんて言いました?ーー私はミナさんでは無いと言ってるじゃないですか?』
「ーーーそんなの、信じない」
『ロードさんって言いました?ミナさんが亡くなってから、どれくらい経ってると思ってるんですか?私とミナさん、全然違うじゃないですか』
「・・・」
『それに!ミナさんはこんな可愛らしい猫になれましたか?』
(自分で可愛いとか言っちゃったよ!恥ずかしい!どんだけーー穴があったら隠れたいゎー)
ボフン。無意識に猫から人の姿へと戻ってしまった。
ドヤ顔で考えこむロードに追い討ちをかけるが、自分で恥ずかしい事を口走ったと気付き、赤面しながら悶えていた。
沈黙の中、ロードが静かに口を開いた。
「ーーミナでは、無いのか?俺を覚えていないーーでは無く、知らないんだな・・・確かに、ミナは変身魔法が下手でこんな完璧な猫になるなど、それこそ鳥が魚になるぐらい信じられないなーー君は、ミナでは無いんだね」
瞳から生気が消え、落胆していれのが見てわかる。
『(凄い言われよう・・)ーー分かって頂けました?あの、それで元の場所に帰してくれますか?』
「ーーそうだな、すまなかった。先程の所でいいのか?」
(鍛錬場はーーマズイかな?アランさんの屋敷がいい?ーーあっ、でもネックレスが無いから、、)
ロードを縛っていたロープを取りながら考えた。
『あの、マダム・イシュリーの所へお願いします。それと、麻痺は解毒しますね』呪文を唱え、ロードを自由にした。
「ありがとう、では。俺に捕まってくれ、行きたい場所を思い浮かべてくれるか?」
整った顔のイケメンが優しい口調でそっと、腰に手を回されドギマギしながら目を瞑り、意識を集中する。
(マダム・イシュリー。マダム・イシュリー。)
そんな真奈美を優しく抱擁しながら、ロードも意識を真奈美に合わせる。(こんなに、似ているのにーーミナでは無いんだな)
「まなみ!!」
聞きなれた愛おしい人の声に真奈美は目を開けた。マダムの所へ来ていたアランだ。
『!!』
目を開いた真奈美はアランの元へ駆け寄ろうとロードから手を離したら、ぐいっと引き寄せられてしまった。
「誰だ?お前は?」
「むっ、お前こそ誰だ!私の真奈美に気安く触りーー離してくれ」
バチバチと睨み合う2人に挟まれながら真奈美はオロオロする。
『あのっ!ケンカはーー』
ドォーーン
「はいはい。まなみちゃんが困ってるからやめなさいね」
マダム・イシュリーの雷をくらい、2人は地べたにめり込んだ。
気絶した2人をソファーに寝かし、見慣れない男性について聞かれた真奈美は、マダムに今までの経緯を話すのであった。
眉間にしわを寄せ、険しい表情のマダムにビクビクしながら、真奈美は話を続けていた。
アランとロードはまだ夢の中。
0
お気に入りに追加
555
あなたにおすすめの小説
王太子の子を孕まされてました
杏仁豆腐
恋愛
遊び人の王太子に無理やり犯され『私の子を孕んでくれ』と言われ……。しかし王太子には既に婚約者が……侍女だった私がその後執拗な虐めを受けるので、仕返しをしたいと思っています。
※不定期更新予定です。一話完結型です。苛め、暴力表現、性描写の表現がありますのでR指定しました。宜しくお願い致します。ノリノリの場合は大量更新したいなと思っております。
妻のち愛人。
ひろか
恋愛
五つ下のエンリは、幼馴染から夫になった。
「ねーねー、ロナぁー」
甘えん坊なエンリは子供の頃から私の後をついてまわり、結婚してからも後をついてまわり、無いはずの尻尾をブンブン振るワンコのような夫。
そんな結婚生活が四ヶ月たった私の誕生日、目の前に突きつけられたのは離縁書だった。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【完結】烏公爵の後妻〜旦那様は亡き前妻を想い、一生喪に服すらしい〜
七瀬菜々
恋愛
------ウィンターソン公爵の元に嫁ぎなさい。
ある日突然、兄がそう言った。
魔力がなく魔術師にもなれなければ、女というだけで父と同じ医者にもなれないシャロンは『自分にできることは家のためになる結婚をすること』と、日々婚活を頑張っていた。
しかし、表情を作ることが苦手な彼女の婚活はそううまくいくはずも無く…。
そろそろ諦めて修道院にで入ろうかと思っていた矢先、突然にウィンターソン公爵との縁談が持ち上がる。
ウィンターソン公爵といえば、亡き妻エミリアのことが忘れられず、5年間ずっと喪に服したままで有名な男だ。
前妻を今でも愛している公爵は、シャロンに対して予め『自分に愛されないことを受け入れろ』という誓約書を書かせるほどに徹底していた。
これはそんなウィンターソン公爵の後妻シャロンの愛されないはずの結婚の物語である。
※基本的にちょっと残念な夫婦のお話です
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。
天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」
目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。
「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」
そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――?
そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た!
っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!!
っていうか、ここどこ?!
※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました
※他サイトにも掲載中
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる