貴族と使い魔 (旧:貴族は使い魔を溺愛する)

momo6

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第1章

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「まだ、目覚めないのか?」
「今、調合しているゎ。坊やは大人しく待ってなさい」
「くそっ!まなみをこんな目にして、許さない」
「落ち着け、アラン。マダム・イシュリーに任せておけば大丈夫だ・・・マニー、大丈夫か?」
「・・はい、イワン様・・・転移は魔力を消費するので・・うっ」
「!?マニー!・・・・・・戻ったのか?」
「・・その様です・ね、少し休みます。」


真奈美が目覚めないので、マダムが急いで気付け薬を調合している。アランはベットで横たわる真奈美の周りをウロウロしていた。
マニーは魔力を消費し過ぎで、人間の姿から元の姿に戻ったのだった。

皆は、真奈美奪還で疲労困憊気味だった。マダム・イシュリーが隠蔽魔法を施してくれた為、誰にも見つからない。
その為、しばらく休息する事にしたのだ。


(この子、魔力が半分以下になってる・・・もしかして、魔人に?だとしたら、危ないわね・・防護魔法もかけとかなくては)

調合が終わり、真奈美に少しずつ飲ましていく。が、
意識がない為口からこぼれ落ちてしまう。
その為、マダムは口移しで飲ませた。ゆっくりと、確実に。

アラン達は寝息を立てて、寝ている。

「ふー、これで時間が経てば目覚めるかしら?大事な大事な眠り姫様。王子様が待ってるわよ、早く目覚めなさいね。」
マダムは優しく真奈美の頭を撫でながら呼びかける
「ふぁ~ぁ。疲れたわー私も寝ようかしら」

意識の無いはずの指がピクリと動く。それに気付かないマダムは、欠伸をしながら自室へと戻っていく。




















ピチチッピピ
「ん・・朝か、、いつの間にか寝てしまった。・・・はっ!まなみ!?」
鳥の声で目覚めたアランは急いで真奈美の所へ駆け寄る

真奈美は起きていた。ベットから起き上がり、ぼーっとしながら窓の外を見ていたのだ。
「まなみ!目覚めたのか?!どこか痛い所は無いかっっバシッ!!」

触れた途端、アランは真奈美に手を叩かれた。
唖然としながらアランは真奈美を見る。キッと睨みながらベットの端に寄ってしまった真奈美。

「どうしたんだぃ?私が悪かった、怖かっただろう。まなみ、離れてしまってすまなかった」
『近付くな!!私をどうするつもりだ!売るのか?!性奴隷にでもするつもりか?はっ、私はお前になぞ屈しないぞ!!』

「ん?何を言っているんだ?まなみ、私だ。アランだよ?」
『来るなと言っているだろ!!人間め、私をこんな所に連れ去りおって、ロード・・ロードはどこにいる?!』

「ロード?誰だい?まなみ、私を忘れたのか?」
『お前なぞ知らん!それに私はまなみでは無い。まなみと言う女は、・・・眠っている。この体は私の物だ』


2人のやり取りに目を覚めたイワンとマニーが起きてきた。
会話を聞いていると、どうやら別の人格の様だ。
2人は顔を見合わせるとマニーはマダムを呼びに行った。
イワンはアランと真奈美では無いと言う誰かに近付く。

「落ち着け、2人とも。真奈美では無いといったな・・お前は誰だ?」

アランと真奈美の中の人格はおし黙る。
そこへ、マニーとマダムが部屋へ入ってきた。


『私か?私はミナ・マーリン』
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