上 下
45 / 83
第1章

45

しおりを挟む
(・・・ここは?真っ白部屋、いつの間にか寝てしまったのかな?不思議な夢を見たなぁ、翼が生えた人達が戦い・・ぅっ頭が痛いーーー・
確か、リードリッヒ様と話して・・・急に眠気が来たんだっけ、ここはどこだろ?あれ?人間になってる。?何でだろ?・・・)


モヤモヤした頭を覚まし、周りを見渡す。
少し行った所に黒い人影を見つけ、歩いて行く


(男の人?泣いてるの?)
近付くと男性がうずくまり泣いているのに気付いた。
何故だかほっとけなく、真奈美はそっと男性に触れた


『どうかしたんですか?』

「・・俺が・・・」

『えっ?』

「亡くなったんだ・・・俺が・・・・・っ!!ミナ!!」

『ぅわ!!?』



真奈美は悲しんでいる男性から目が離せないでいた。
男性はうずくまっていたが、不意に真奈美を見ると驚いた顔で涙を拭い真奈美に抱きついた。
急に抱きつかれ、訳も分からず恐怖で体を強張らせる真奈美。
『なっなっなんですか!?離してください!人違いです!!』

「ミナ!ミナ!!ずっと、探していたんだ!やっと見つけた。俺のミナ!もう離さない。俺はお前を2度と離さない」

『(ミナ?)だから!人違いです!私は真奈美って言います!よくみてください!』
「?ミナ?ミナじゃないだと?・・・その髪、金の瞳・・俺が間違うはずが無い。俺を忘れたのか?ここは、どこだ?」

『あなたなんか知りません。・・ここは、私も分かりません。気付いたらここにいたんで、、』

「俺は、何故ここにイル?ミナに会うタメ・・に、アイツと契約を・・・ウグゥッ頭が割れるように痛い・・ミナ・・・ミナァァォァァア!!!」

『!!!』

男性は急に苦しみ出し、真奈美の前から消えてしまった。
取り残された真奈美はこれからどうなるのか、恐怖が襲う。

(怖い・・アランさん)

その場にうずくまり、涙が頬を伝う。

(これは悪い夢よ。目が覚めたらアランさんが隣に居て、おはようって目覚めのキスをするのよ・・・これは、悪い夢)






*****






「まなみの状態はどうだ?」
「今の所問題ないです!魔力も順調に魔人へと注がれているので、明日には全て完了する予定です!」

「そうか、俺は視察でアンデルダーンに行ってくる。夕刻にならんと戻れんが何かあれば魔法伝法で知らせてくれ。
まなみ、頑張れ。魔力が満たされたら解放される。頑張れ、、」

「「分かりました!」」

リードリッヒはそう言うと、部屋を後にする。

バタン・・・・

魔人と呼ばれる男性は、ガラスで出来た筒状の中に入っていた。水の中にいる魔人は所々に管が付いている。
その横のベットに真奈美は寝かされている
頭にヘルメットの様な物を被させられ、管が筒状へと繋がっていた。


「・・しかし、リードリッヒ様もよく見つけたな?魔力は凄いし可愛いな」
「おい!やめろ!被験体に触れると・・!!」
バチィッ

「ッ!忘れていたぜ、リードリッヒ様が結界をやっていたんだっけな、ちっ!意識の無い女を何もせず黙って見てるのも嫌な役割だぜ」
「そういうな、元は猫だったじゃないか。ロイ様の催眠で、自分から人間になったが、、猫だぞ?」
「確かに猫だったな。ぁあ!こんな美人が俺の女だったらなー」
「はっ!お前に美人は似合わないぜ。あの食堂のおばちゃんがお似合いだろ?」

2人の会話は部屋に木霊する。
真奈美は意識なく横たわっていた。




「・・?おぃ?なんか魔人が動かなかったか?」
「いや?気のせいではないか?」

魔人が動いた様に思ったが、2人は調べなかった。





*****





「何か外が騒がしくないか?」「ん?・・ぁあ、何かあったのか?」

ドタァァアン!!

「!?何だ!お前たちは!?」
「ヴォエヴィアン」

「「うっっ・・・」」

「まなみ!!どこだ!!・・・いた!まなみ!!!」


アラン達が部屋のドアを魔法で壊し、マニーが忘却魔法を掛けたのだ。2人は眠った様にその場に倒れた。
真奈美を見つけたアランは駆け寄り、抱き抱えようとしたが
結界に弾かれてしまった。
「くそっ!!結界か、これで破れるか・・・バチィィッ。よし、
まなみ、、やっと迎えに来れた」

マダム・イシュリーから何かあれば一度だけ使えるっと言われた石を預かったが、アランは結界が破れるとは知らなかった様だ。
真奈美を優しく抱き抱えると、痩せてしまった真奈美に気付き。知らない内に腕に力が入ってしまう。

真奈美は意識がないまま、アランの腕の中にいた。


しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

あなたが望んだ、ただそれだけ

cyaru
恋愛
いつものように王城に妃教育に行ったカーメリアは王太子が侯爵令嬢と茶会をしているのを目にする。日に日に大きくなる次の教育が始まらない事に対する焦り。 国王夫妻に呼ばれ両親と共に登城すると婚約の解消を言い渡される。 カーメリアの両親はそれまでの所業が腹に据えかねていた事もあり、領地も売り払い夫人の実家のある隣国へ移住を決めた。 王太子イデオットの悪意なき本音はカーメリアの心を粉々に打ち砕いてしまった。 失意から寝込みがちになったカーメリアに追い打ちをかけるように見舞いに来た王太子イデオットとエンヴィー侯爵令嬢は更に悪意のない本音をカーメリアに浴びせた。 公爵はイデオットの態度に激昂し、処刑を覚悟で2人を叩きだしてしまった。 逃げるように移り住んだリアーノ国で静かに静養をしていたが、そこに1人の男性が現れた。 ♡注意事項~この話を読む前に~♡ ※胸糞展開ありますが、クールダウンお願いします。  心拍数や血圧の上昇、高血糖、アドレナリンの過剰分泌に責任はおえません。 ※外道な作者の妄想で作られたガチなフィクションの上、ご都合主義です。 ※架空のお話です。現実世界の話ではありません。イラっとしたら現実に戻ってください。 ※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。 ※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります) ※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。

【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません  

たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。 何もしていないのに冤罪で…… 死んだと思ったら6歳に戻った。 さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。 絶対に許さない! 今更わたしに優しくしても遅い! 恨みしかない、父親と殿下! 絶対に復讐してやる! ★設定はかなりゆるめです ★あまりシリアスではありません ★よくある話を書いてみたかったんです!!

【完結】婚約者の義妹と恋に落ちたので婚約破棄した処、「妃教育の修了」を条件に結婚が許されたが結果が芳しくない。何故だ?同じ高位貴族だろう?

つくも茄子
恋愛
国王唯一の王子エドワード。 彼は婚約者の公爵令嬢であるキャサリンを公の場所で婚約破棄を宣言した。 次の婚約者は恋人であるアリス。 アリスはキャサリンの義妹。 愛するアリスと結婚するには「妃教育を修了させること」だった。 同じ高位貴族。 少し頑張ればアリスは直ぐに妃教育を終了させると踏んでいたが散々な結果で終わる。 八番目の教育係も辞めていく。 王妃腹でないエドワードは立太子が遠のく事に困ってしまう。 だが、エドワードは知らなかった事がある。 彼が事実を知るのは何時になるのか……それは誰も知らない。 他サイトにも公開中。

この度、仮面夫婦の妊婦妻になりまして。

天織 みお
恋愛
「おめでとうございます。奥様はご懐妊されています」 目が覚めたらいきなり知らない老人に言われた私。どうやら私、妊娠していたらしい。 「だが!彼女と子供が出来るような心当たりは一度しかないんだぞ!!」 そして、子供を作ったイケメン王太子様との仲はあまり良くないようで――? そこに私の元婚約者らしい隣国の王太子様とそのお妃様まで新婚旅行でやって来た! っていうか、私ただの女子高生なんですけど、いつの間に結婚していたの?!ファーストキスすらまだなんだけど!! っていうか、ここどこ?! ※完結まで毎日2話更新予定でしたが、3話に変更しました ※他サイトにも掲載中

私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?

新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。 ※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!

【完】あの、……どなたでしょうか?

桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー  爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」 見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は……… 「あの、……どなたのことでしょうか?」 まさかの意味不明発言!! 今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!! 結末やいかに!! ******************* 執筆終了済みです。

宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました

悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。 クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。 婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。 そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。 そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯ 王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。 シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯

処理中です...