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第1章

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城に戻るとまなみが新しく入ったメイドの膝で寝ていたのだ。
まなみが心許す人間が出来たのか
このメイドが付き添うなら安心だな。
名前は・・確か、ケイラ?だったか?




*****





あれからまなみは、今までの事が嘘の様に元気になった。
やはり、心許す人が出来たのは大きいな。
俺では役不足だったんだと、実感した

食も戻って来たし、そろそろ話をしても大丈夫だろうか?
ロイも早く言えとしつこいしな・・・



「まなみ、話があるんだが・・・すまないが、まなみを借りるぞ」
「はい。まなみ様、私は外で控えておりますので。では、リードリッヒ様 失礼します」
会釈をして、ケイラは部屋を出て行く。ちらっとまなみを心配そうに見て。

『?お話って何ですか?』
コテンと首を傾げる真奈美は以前の様に瞳に生気が満ちている。
その瞳を見つめ、リードリッヒは胸を撫で下ろす。

「実は、隣国のヴェネツィでは領土の略奪や人身販売などの報告があるんだ。我が国にもヴェネツィの難民が流れて来て・・・早急に対応しないと、被害が大きくなってからでは遅い。それで、真奈美の魔力が必要なんだ。協力してくれるか?まなみの魔力があれば、多くの民を救うことが出来るんだ。」

『私の魔力?魔力で助かるって・・・どう言う意味ですか?』
怪訝な顔でリードリッヒを見ると、罰が悪そうに視線を逸らした。

「・・・魔人を復活させるんだ。」
『まっ魔人?復活って・・・魔人なんか復活させたら、隣国どころか、この国まで危うくなりません!?』
「それは・・「主人よ私が説明します」

「魔人といっても、自我を持たぬのだ。保護した時は既に心が無くもぬけの殻だった。最新技術で動かす為にも魔力が足らないのだ。何が何でも協力して貰うぞ。・・・眠れ」
ロイの言葉と凍てつくような瞳で真奈美は体が固まる。

(ロイの言葉を聞くと、力が抜ける・・・何も考えられなくなるゎ・・眠い・・・)


「主人よ、口煩い使い魔には眠って貰った。これで、心起きなく魔人を復活できよう」
「眠らせたのか?まなみの意志を尊重したかったが・・・」
「悠長な事を言っている場合ではないのでは?既に待ったではないか」

ロイに後押しされ、リードリッヒは眠った真奈美を抱き抱えた。
魔人のいる所まで連れて行く事にしたのだ。

外に待機していた、ケイラは腕の中にいる真奈美を見つけ、顔色が変わったが、リードリッヒから奪いかえす事もできず歯をくいしばる。

付いて行こうとしたが「まなみは私が見る」と言われ、引き去らざるを得なかった。
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