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第1章
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しおりを挟む「どぅ?坊や。この魔法の防護力は凄いでしょ?」
「ぁあ最高の出来だ。これなら、まなみを取り返しに行ける」
チャラッとイシュリーは首からかけていたネックレスをアランに渡す。ネックレスには丸い緑色の石が付いていた。
イワンとマニーは状況が理解出来ずに顔を見合わせた
「・・説明してくれるか?アラン」
「イワン。お前に伝え忘れていた事があるんだ。だが、それを話す前に確かめなくてはいけない事があってだな、今それが分かった。」
「ん?意味が分からん。もっと分かりやすく言え!」
回りくどい言い回しにイラっとしながらも、イワンは聞く体制になる。
「サンドレス」
マダムが唱えるとアラン達の周りが青い球体に囲まれた。
「防音魔法よ。秘密は漏れないから話して大丈夫よ」
「助かる。まなみは・・・・まなみは、天上人の生まれ変わりだ。分からないが王族に近いかもしれん。
王族に近いほど莫大な魔力があり、あの純白の翼は紛れも無い天上人だった証。」
「・・・なっ?!何だって!!」
「驚いただろう?私もまなみを見つけた時に我が目を疑ったよ。見かけは愛らしい猫だったが、純白の翼は見覚えがあったから・・すぐに私の使い魔にしたのさ。なんたって、あの時リードリッヒ様も居たからな。」
「見覚えって、、天上人に会った事があるのか?お前から聞いた事が無いが」
「・・・会った事は・・ある。その時に翼を見たんだ。
あの翼は例えようがない程に美しく魅力される。あんなに美しい人・翼は見た事が無かった。まなみの翼は小振りだったが、キラキラと光り輝いて見えたんだ・・・勿論、翼だけでなくまなみ自体も可愛く一目見て、私は心奪われたがな。」
「・・・今や天上人は幻の存在だぞ?いるのかどうかも怪しいくらいだ。私も子供の頃に会えるのを夢見てたぐらいだ。
アランの話が本当なら・・戦争が起きるかもな。隣国のヴェネツィでは、各地で領土略奪があるだろ?
もし、我が国に莫大な魔力を持った天上人の生まれ変わりがいる。何て事が知れたら・・考えただけでも恐ろしい」
「うむ、ヴェネツィの兵士達が攻めて来るだろうな。それで、
イワンの使い魔がどんな状況でも、直ぐに主人を護れるか調べる為にマダムに協力して貰ったんだ。試してすまなかった。
それと、私はマダムに頼んで まなみの魔力を隠しながら防護魔法もあり、あと姿眩ましを依頼していたんだ。・・・一歩遅かったがな」
「そうだったのか・・・・・・・はっ!?もしや、リードリッヒ様は隣国の企みに気付いて、アランの使い魔を自分の物にしたのか?」
「リードリッヒ様はまなみが天上人だとは気付いていないはず。確かな情報に寄ると、領土奪還の為に魔人を使うみたいなんだ。魔人は深い眠りについているのか、生きているのか分からないらしい。魔人をリードリッヒ様は操る為に魔力が必要で・・・多分、まなみは それに関わっている筈だ。急がなくてはまなみが危ない!イワン!私に協力してくれ!」
「魔人・・だと・・?魔人・・・我が国に魔人がいたの・・か?」
アランはイワンの腕を掴み悲願した。イワンはしばらく無言で考え込む。マニーは心配そうにイワンの側へ寄り添った。
マダム・イシュリーは魔法で出したテーブル・椅子に座って、優雅にティータイムをしていた。素知らぬ顔をしているが、聞き耳はしっかり立てて。
どれくらい経っただろうか、イワンは静かに答えた
「・・・俺は忠誠を誓った王家に対し、裏切りは出来ない。だが、仲間が助けを求めているのに無視も出来ない。・・・・・リードリッヒ様は国の為を思っているんだろう?国の為に犠牲は付き物だ。
・・・・・・アラン、悪いが俺はお前に協力は出来ない。すまない」
イワンは無情にも、アランにはっきり断った。
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