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第1章

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「なんだと!!!」
ガッチャーンッ

飲んでいたコップを床に落とし、アランは声を荒げる。
真奈美より先に用事を済ませ帰って来たアランはティータイムをしていた。
そんなアランに慌てて、入って来たケイラより
真奈美をリードリッヒ様が連れ帰ったと聞き、気が気では無かった。

「申し訳ございません。夕刻の鐘が鳴っても姿が見えず、待っていた所に、リードリッヒ様の使い魔様が見えまして。」
「いや、ケイラは悪く無い。リードリッヒ様の事だ、まなみの魔力に気付いただろう。早く、連絡を取らなければ!・・・くそっ!妨害呪文がしてある、これでは探し出せない!まなみ、無事でいろよ、、」

トントン
「失礼します。アラン様、リードリッヒ様の使い魔様が見えております。」
「何!?直ぐに行く!」



(まなみが帰って来たのか?それとも・・まなみ!)



「待たせてしまい申し訳無い。・・・・・まなみはどこですか?」
客間には、使い魔のロウしか居ない。
最悪な事が脳裏に浮かぶ。私の思い違いであるように、、

「アラン・ハッシュバーグ殿。この度は貴殿の使い魔である‘まなみ’を我が主人、リードリッヒ様が御指名成された。
その為、アラン殿との使い魔契約を破棄して欲しい。
これは命令である。アラン殿に拒否権は無い。もし、逆らうようであれば、名誉の剥奪・及びに命令に背いた反逆罪の烙印を押されよう」
「!!」

「主人は穏便に済ませたい為、良い返事を願いたい。」

(くそったれ!!拒否権も何も無いだろうが!)
歯を食いしばり、握った手からは血が滲み出る。
真奈美と離れたく無いが、家族を犠牲に出来ない。
アランさんは苦渋の選択を迫られた。


「(家族を犠牲には出来ん、すまん。まなみ)・・・・契約・を・・破棄す・る」
「おぉ、ご協力感謝する。では、証の指輪を頂きたい。」

アランは怒りを抑え、使い魔の主人としての証。指輪を外し、ロイに渡す。
「確かに受け取った。では、失礼する」


ロイは指輪を受け取ると、窓から外の闇に消えて行った。
残されたアランはやり場の無い怒りを拳に込め、壁を殴りつけた。ドンッ!殴りつけられた壁よりも叩きつけた拳から血が流れ落ちる。

(まなみ、、まなみ。必ず迎えに行く。だから、少しの辛抱だ!待っていろよ!)
アランは、硬く胸に誓った。


一部始終見ていたケイラは、
(自分がしっかりしなかったばかりにまなみ様を失ってしまった。
アラン様に悲しい思いをさせてしまい、申し訳ございません。私が何とかしてみせます!)


罪悪感から1人、王宮に向かい真奈美を取り返すべく奮い立ったのである。

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