12 / 15
第1章
6
しおりを挟む
ビーフシチューに火をかけ、温める。
彩音のテントの周りにはふんわりと美味しい匂いが漂っている。
「こんにちは!うーん!いい匂い!!」
匂いに釣られてやってきた、お客さん第1号はミミニーちゃん。
「あら?いらっしゃい。来てくれたのね!ありがとう!!」
「はい!あやねさん!今日は、母と父も一緒です!」
そういうと、隣からひょっこりと顔を出したのは、パツパツの服を着たミミニーパパ。いわゆる町長さんだ。その隣にはスラッと背の高いミミニーママもいた。
「始めまして。彩音と申します。この度はミミニーちゃんに手助けして頂きまして、ありがとうございます。良かったら召し上がっていきますか?」
「うん!食べたい!!ん~この匂い…たまらない。ジュルリ」
そう言うと、ヨダレを拭きながらミミニーが身を乗り出す。
「こら、ミミニー!お行儀よくしなさい。」ミミニーパパに怒られながら、シュンとしてしまうが、鼻は匂いを堪能すべく、ヒクヒク動いている。
その姿に微笑ましく思いながら、彩音はテントの中に案内した。
休憩用に出した、簡易テーブルと椅子に3人を座らすと温めたビーフシチューとパンを3人分よそい並べる。
見た目が茶黒で、食べるのを躊躇する両親を尻目にミミニーはパンをちぎりスープに浸す。「クンクン、この匂い……どんな味なんだろ?あーーん」パクっと口に入れるとプルプル震えながら、バッと立ち上がり歓声をあげる。
「美味しい!!!!!」
周りの人も何事かと思い、テントを覗きこんできた。
そんな事も御構い無しにミミニーは興奮した様子でもう一口。と口に運ぶ。
「んんーーー!この味、この香り。私の想像と違って、ほんのり甘くて癖になる。パンに染み込んだスープが更に旨味を引き出していて、このお肉…ボアね。ボアってパサパサしてるのに、口に入れるとトロけるぐらい柔らかくなってるーーーパパもママま食べないの?じゃあ!私がたべてあげる!このお肉、もっと食べたい!!」
ひょいっとミミニーパパのを取ろうとしたら、ガシっと止められ「これは、パパの分だ。ーーーよし、ミミニーが言うなら・・・ほーーぅ!!うまいーーー!」
「あら、私も。!!!美味しい!何て上品な味わい、あやねさん。おかわり頂けるかしら?」
「あっ!ミミニーも!」
「おほん。わたしもよろしいかな?」
料理の評論家の如く、語ったミミニーのおかげか、3人共おかわりをしてきた。
「はい。ありがとうございます!」
新しくよそうと、3人はバクバク食べ始めた。
そんな様子を見ていた人達も、「試しに食べてみようかな?」「美味しそう、いい匂い」などと注文する人が出てきた。
1人が食べたら、また買いに来たり。そんな人が多く、午前中の内にあっという間にビーフシチューは完売してしまった。
明日の分の仕込みもある為、再販売はしなかったが予想以上に欲しい!売ってくれ!と言う人が多かった。
代わりにクッキーやスコーンの試食を進めるとそちらをまとめ買いして頂き。まずまずの1日が終わった。
飲み物も、試しに買ってく方がいてビーフシチューの次に売れ切れになってしまった。
小さい子は砂糖とミルクを入れたのが好評であった。
時計を見ると2時を指しており、まだお祭りは続いているので彩音は店じまいをして、他の店を回ることにした。
クロウにも、好きに見ていいよって言ったのに、一緒に回ることになってしまった。
弟が出来たみたいで彩音はきにしていなかった。
彩音のテントの周りにはふんわりと美味しい匂いが漂っている。
「こんにちは!うーん!いい匂い!!」
匂いに釣られてやってきた、お客さん第1号はミミニーちゃん。
「あら?いらっしゃい。来てくれたのね!ありがとう!!」
「はい!あやねさん!今日は、母と父も一緒です!」
そういうと、隣からひょっこりと顔を出したのは、パツパツの服を着たミミニーパパ。いわゆる町長さんだ。その隣にはスラッと背の高いミミニーママもいた。
「始めまして。彩音と申します。この度はミミニーちゃんに手助けして頂きまして、ありがとうございます。良かったら召し上がっていきますか?」
「うん!食べたい!!ん~この匂い…たまらない。ジュルリ」
そう言うと、ヨダレを拭きながらミミニーが身を乗り出す。
「こら、ミミニー!お行儀よくしなさい。」ミミニーパパに怒られながら、シュンとしてしまうが、鼻は匂いを堪能すべく、ヒクヒク動いている。
その姿に微笑ましく思いながら、彩音はテントの中に案内した。
休憩用に出した、簡易テーブルと椅子に3人を座らすと温めたビーフシチューとパンを3人分よそい並べる。
見た目が茶黒で、食べるのを躊躇する両親を尻目にミミニーはパンをちぎりスープに浸す。「クンクン、この匂い……どんな味なんだろ?あーーん」パクっと口に入れるとプルプル震えながら、バッと立ち上がり歓声をあげる。
「美味しい!!!!!」
周りの人も何事かと思い、テントを覗きこんできた。
そんな事も御構い無しにミミニーは興奮した様子でもう一口。と口に運ぶ。
「んんーーー!この味、この香り。私の想像と違って、ほんのり甘くて癖になる。パンに染み込んだスープが更に旨味を引き出していて、このお肉…ボアね。ボアってパサパサしてるのに、口に入れるとトロけるぐらい柔らかくなってるーーーパパもママま食べないの?じゃあ!私がたべてあげる!このお肉、もっと食べたい!!」
ひょいっとミミニーパパのを取ろうとしたら、ガシっと止められ「これは、パパの分だ。ーーーよし、ミミニーが言うなら・・・ほーーぅ!!うまいーーー!」
「あら、私も。!!!美味しい!何て上品な味わい、あやねさん。おかわり頂けるかしら?」
「あっ!ミミニーも!」
「おほん。わたしもよろしいかな?」
料理の評論家の如く、語ったミミニーのおかげか、3人共おかわりをしてきた。
「はい。ありがとうございます!」
新しくよそうと、3人はバクバク食べ始めた。
そんな様子を見ていた人達も、「試しに食べてみようかな?」「美味しそう、いい匂い」などと注文する人が出てきた。
1人が食べたら、また買いに来たり。そんな人が多く、午前中の内にあっという間にビーフシチューは完売してしまった。
明日の分の仕込みもある為、再販売はしなかったが予想以上に欲しい!売ってくれ!と言う人が多かった。
代わりにクッキーやスコーンの試食を進めるとそちらをまとめ買いして頂き。まずまずの1日が終わった。
飲み物も、試しに買ってく方がいてビーフシチューの次に売れ切れになってしまった。
小さい子は砂糖とミルクを入れたのが好評であった。
時計を見ると2時を指しており、まだお祭りは続いているので彩音は店じまいをして、他の店を回ることにした。
クロウにも、好きに見ていいよって言ったのに、一緒に回ることになってしまった。
弟が出来たみたいで彩音はきにしていなかった。
0
お気に入りに追加
76
あなたにおすすめの小説
錆びた剣(鈴木さん)と少年
へたまろ
ファンタジー
鈴木は気が付いたら剣だった。
誰にも気づかれず何十年……いや、何百年土の中に。
そこに、偶然通りかかった不運な少年ニコに拾われて、異世界で諸国漫遊の旅に。
剣になった鈴木が、気弱なニコに憑依してあれこれする話です。
そして、鈴木はなんと! 斬った相手の血からスキルを習得する魔剣だった。
チートキタコレ!
いや、錆びた鉄のような剣ですが
ちょっとアレな性格で、愉快な鈴木。
不幸な生い立ちで、対人恐怖症発症中のニコ。
凸凹コンビの珍道中。
お楽しみください。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
プリンセスサーチ
西崎 劉
ファンタジー
異世界に召喚された主人公が、自分の住む世界へと帰るために旅をする話。
わたしの家には、銀色のお喋り猫がいるんだよ。彼はね、『フェアリィ・ゲート(妖精の門)』を潜って、わたしと一緒に家に来たんだ。えっ?門のある場所?……わたしもつい最近、知った事なんだけど、わたしの部屋の出窓に鎮座してる黒松の盆栽があるでしょ、その上にね、飾りとして置いている、インキ壺サイズの置物がそう。ガラス細工のように向こうが透けていて、光を受けるとキラキラするアーチ型の……あれ。
くれたのは、妖精の王様の弟だけど、肝心のこのゲートの所有者である王様はわたしの留守中に家出したらしい。……しっかし、王が家出とは……まったく。ふうっ、そんな王様を持つ国民が可哀相で、ため息一つでも付きたくなるわ。
銀の猫はその王弟からゲートの付属として貰ったの。なんでか知らないけど返品不可だって。あっ、自己紹介がまだだった。わたしの名前は風間つるぎっていうの。よろしくね。 今から話す事は、かれこれ二ヵ月ほど前、このゲートと猫を貰う切っ掛けとなったわたしの冒険の話なの。あなただけに、こっそり教えちゃう。みんなには内緒、だよ。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
【草】限定の錬金術師は辺境の地で【薬屋】をしながらスローライフを楽しみたい!
黒猫
ファンタジー
旅行会社に勤める会社の山神 慎太郎。32歳。
登山に出かけて事故で死んでしまう。
転生した先でユニークな草を見つける。
手にした錬金術で生成できた物は……!?
夢の【草】ファンタジーが今、始まる!!
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる