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第二章
第33話 無事終了
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翌朝。
「オラッ! いつまで寝てんだエル! もう朝飯の時間だぜ!」
「ん~……あと五分だけ」
「ダメに決まってんだろ! とっとと起きろよ!」
「じゃあ……十五分」
「伸ばしてんじゃねぇッ!!」
「あ、そんな乱暴になさらなくても……」
ベッドから振り落とされたエレトレッダ。
「なんだよ一体? 眠いんだから仕方がないじゃないかよぉ」
窓から刺す朝日が強制的に覚醒させていく脳。それが周りを認識し始める。
そう、昨日屋敷の部屋を貸してもらった二人。ラゼクと同じ部屋に入って、片方のベッドにそのまま倒れながら眠ったエルだった。
隣のベットを目をやると、そこにはもうラゼクは居なかった。とっくに起床して今は部屋を出ていた。
エルを見下ろすユーミャオ。それにティターニもそこに居た。
二人、特にユーミャオはエレトレッダと違い朝に強い。だがエレトレッダの心情としてはそれに合わせるのがキツイのが正直なところだ。
「というわけで……」
「おい待て、なに寝そべり直してんだ!?」
「流石にもう起きましょうエレトレッダさん。…………この寝坊助なところは変わらないなほんと」
不満で目を細めるエレトレッダ。
ユーミャオはエレトレッダのリュックを本人に投げつけ、それが直撃。
すかさず抗議しようにも二人はもう部屋を出て行った後だった。
仕方なく、リュックから着替えを取り出して、あくびをしながら替えの服に袖を通す男。
「あぁダルぃなぁ~」
◇◇◇
ゼイルーグ様が用意してくれた朝食を食べ終え、町に帰るだけとなったその時。
「町に戻るなら、ついでにこれを郵便局まで届けてくれる?」
「え? そりゃあ別に構いませんけど。……手紙?」
彼女から渡されたのは一通の手紙だった。
宛て先は……、『ウォーラ・アンメル』。
「アンメル? どこかで聞いたような……」
「アンタそれ本気で言ってる? アタシ達の依頼主がどこだったか言ってみなさい」
「ドコって………………あ、アンメル商会だ。じゃあこのウォーラってのは?」
そう再び聞かれて、ため息をつく私。
周り見たらミャオもため息ついてるし、ティターニも心配そうな目で見てる。
疑問なのは本人だけね。
「あ、あのねぇ。商会の社長の名前でしょうが、なんで忘れてんのよ?」
「あ、あれ? そうだったけか? まあこれで学べ直せたと思えば良しじゃないの」
「もう……」
けど、これはこれで一つ疑問が浮かぶ。
社長相手に何故手紙を出そうなんて思ったのか。知り合い?
そんな私の考えが顔に出ていたんだろう、彼女は答えてくれた。
「ウォーラは私の父よ。荷物が届いた返事も併せて手紙を書いた、というわけ」
「お父さんさんだったのですか? ですが、失礼ながら苗字が……」
言葉を濁しながらも質問をしてしまう。
失礼かもだけどちょっと気になる、ゼイルーグなのに、父親はアンメルなんて。
「アンメルは父方の姓よ。村の開発が中止と決まった時、父と母は村を離れたの。私はわがままで祖父と一緒にこの村に残ったわ。祖父が亡くなった今、私がゼイルーグを名乗ってるのよ」
「そのようなことが……」
そう呟くと黙り込んでしまう。
これはもう、これ以上踏み込んではいけない話ね。
けど、なんとなく読めてきた。大きい会社の社長がお抱えの社員を使わずに、わざわざギルドに依頼を出した理由が。
なんて事は無い、身内のやり取りに会社を動かせないからだ。
でも私情で社員を使わない人だから、社長として成功したって事かな。
何のやり取りだったのかは……も流石に野暮ね。そんなプライベートなことに首なんか突っ込むもんじゃないわ。
「ではお預かりいたします。この手紙は私達が責任を持ってお届けしますわ」
丁寧にそして大事に受け取る。これは何かあってはいけない大切な物だ。
「よろしくお願いね」
「お任せください。では、私達はこれで失礼させていただきます」
その言葉を残して、私達はこの屋敷から出ていく。
(きっとラゼクの事だ、もしかしたら山の中で迷子になって最終的には俺の名前を叫びながら泣き出すかもしれない。悲しい事だが、あり得ない話じゃないだろう。素人には迷いやすい山の中だ、錆びついた看板だけが頼りなだけに俺の手助けが何より必要になるだろう。ふっ、全く仕方ねぇなぁ)
「何してんの? 早くしないと置いていくわよ、もう」
何ブツブツと言ってか知らないけど、どうせロクな事じゃないんでしょう。
何時までも玄関に居るエルの腕を引っ張って、再び屋敷を去る。
(えぇ、ここは俺が飛び出して先頭を行く場面じゃないのか?)
◇
「何やってんだあいつ? じゃあな姉ちゃん。オレ達ももう行くぜ」
「気をつけてね。お陰で久しぶりの賑やかさを楽しませてもらったわ、お礼を言うわね」
「いえ構いません。テデも元気でね」
「貴女、雰囲気戻ったわね? さっきの子達にばれると何か不味いのかしら」
「あ……はは、いやぁ。ははは」
「もっとうまい事取り繕えよ。あ、姉ちゃん」
「どうしたの、忘れ物でも?」
「いいやそういうんじゃなくって。……そのペンダント、戻ってきてよかったな。じゃっ!」
「あ、急に腕を引っ張らないでおくれよ!? それではボク達はこれで」
屋敷を飛び出すように出て行く二人を見送るゼイルーグの顔には笑み。その肩にはイタチのテデがあった。
最後にミャオが言ったペンダントとは、今ゼイルーグが首にかけているものである。
ゼイルーグ本人はこれについて言及した事は一度もないが、今日初めて身につけたことで何か気づいたのだろう。
そのペンダント……瑪瑙の宝石がついたそれは、若き日の彼女の父が妻にプレゼントしたものである。彼の妻はそれを肌身離さず身につけていた。ゼイルーグと泣く泣く別れることになったその日も。
それが今ここにあるということは、それこそが荷物の中身であったという事。
手のひら大のそれが、それなりの大きい箱に入っていたのは中身を特定されない為か。
しかし何よりも、それが送られて来た事が意味するのは。
彼女の母が、もう………………。
◇
夕暮れ時。
なんとか日が出ているうちに町まで降りてきた私達四人。
実は、弁当まで用意してくれていたゼイルーグ様には本当に頭が上がらないわ。
後腐れがないように弁当箱じゃなくて紙袋にサンドイッチを包んでくれているあたり、本当に気遣いのできる御人だ。私もあんな風になれるかなぁ。
……思わず視線をちょ~っと落とした。いや、まだ私も見込みはあるはず。
取り敢えず昼休憩にはそれを食べて降りてきた。
今はお腹は減って無いけど、それでも山道を歩いてきたからかやっぱり疲れたなあ。
今日のところは手紙を届けて、その後はバスと列車を乗り継いで帰るだけ。間違いなく帰り着くのは夜になるだろうけども。
「ミャオ、アナタはこの後はどうするの?」
「オレはおばちゃんに報告。猿もやっつけたし、これで安心できるだろ」
「そう……、じゃあ一旦お別れね。アタシ達も手紙を届けなきゃだし。…………あ。折角だから、互いの仕事の達成記念に甘いものでも食べましょ? ちょうどよくアイス売ってるし」
そう、タイミングもよく目線の先にはアイスの屋台があった。これは嬉しい。
ここに来た記念に食べて帰りましょ。疲れた体には甘い物よね。
というわけで四人、屋台の前まで。
「ほらほら三人とも、何食べたい? 記念に奢ってあげるから好きなの言いなさいな」
「ではお言葉に甘えて、私はシンプルにバニラを……」
「じゃあオレ、ヨーグルト味がいい」
「さつまいもソフト」
「え、あるかしら? ……意外、あったわね」
こういう場所にしてはラインナップが多いわね。
あれ? そういえば山へ向かった背の高い男性とは結局出会ってない。
例の人と会えるかもって思ってちょっと期待してたんだけどなぁ。
「オラッ! いつまで寝てんだエル! もう朝飯の時間だぜ!」
「ん~……あと五分だけ」
「ダメに決まってんだろ! とっとと起きろよ!」
「じゃあ……十五分」
「伸ばしてんじゃねぇッ!!」
「あ、そんな乱暴になさらなくても……」
ベッドから振り落とされたエレトレッダ。
「なんだよ一体? 眠いんだから仕方がないじゃないかよぉ」
窓から刺す朝日が強制的に覚醒させていく脳。それが周りを認識し始める。
そう、昨日屋敷の部屋を貸してもらった二人。ラゼクと同じ部屋に入って、片方のベッドにそのまま倒れながら眠ったエルだった。
隣のベットを目をやると、そこにはもうラゼクは居なかった。とっくに起床して今は部屋を出ていた。
エルを見下ろすユーミャオ。それにティターニもそこに居た。
二人、特にユーミャオはエレトレッダと違い朝に強い。だがエレトレッダの心情としてはそれに合わせるのがキツイのが正直なところだ。
「というわけで……」
「おい待て、なに寝そべり直してんだ!?」
「流石にもう起きましょうエレトレッダさん。…………この寝坊助なところは変わらないなほんと」
不満で目を細めるエレトレッダ。
ユーミャオはエレトレッダのリュックを本人に投げつけ、それが直撃。
すかさず抗議しようにも二人はもう部屋を出て行った後だった。
仕方なく、リュックから着替えを取り出して、あくびをしながら替えの服に袖を通す男。
「あぁダルぃなぁ~」
◇◇◇
ゼイルーグ様が用意してくれた朝食を食べ終え、町に帰るだけとなったその時。
「町に戻るなら、ついでにこれを郵便局まで届けてくれる?」
「え? そりゃあ別に構いませんけど。……手紙?」
彼女から渡されたのは一通の手紙だった。
宛て先は……、『ウォーラ・アンメル』。
「アンメル? どこかで聞いたような……」
「アンタそれ本気で言ってる? アタシ達の依頼主がどこだったか言ってみなさい」
「ドコって………………あ、アンメル商会だ。じゃあこのウォーラってのは?」
そう再び聞かれて、ため息をつく私。
周り見たらミャオもため息ついてるし、ティターニも心配そうな目で見てる。
疑問なのは本人だけね。
「あ、あのねぇ。商会の社長の名前でしょうが、なんで忘れてんのよ?」
「あ、あれ? そうだったけか? まあこれで学べ直せたと思えば良しじゃないの」
「もう……」
けど、これはこれで一つ疑問が浮かぶ。
社長相手に何故手紙を出そうなんて思ったのか。知り合い?
そんな私の考えが顔に出ていたんだろう、彼女は答えてくれた。
「ウォーラは私の父よ。荷物が届いた返事も併せて手紙を書いた、というわけ」
「お父さんさんだったのですか? ですが、失礼ながら苗字が……」
言葉を濁しながらも質問をしてしまう。
失礼かもだけどちょっと気になる、ゼイルーグなのに、父親はアンメルなんて。
「アンメルは父方の姓よ。村の開発が中止と決まった時、父と母は村を離れたの。私はわがままで祖父と一緒にこの村に残ったわ。祖父が亡くなった今、私がゼイルーグを名乗ってるのよ」
「そのようなことが……」
そう呟くと黙り込んでしまう。
これはもう、これ以上踏み込んではいけない話ね。
けど、なんとなく読めてきた。大きい会社の社長がお抱えの社員を使わずに、わざわざギルドに依頼を出した理由が。
なんて事は無い、身内のやり取りに会社を動かせないからだ。
でも私情で社員を使わない人だから、社長として成功したって事かな。
何のやり取りだったのかは……も流石に野暮ね。そんなプライベートなことに首なんか突っ込むもんじゃないわ。
「ではお預かりいたします。この手紙は私達が責任を持ってお届けしますわ」
丁寧にそして大事に受け取る。これは何かあってはいけない大切な物だ。
「よろしくお願いね」
「お任せください。では、私達はこれで失礼させていただきます」
その言葉を残して、私達はこの屋敷から出ていく。
(きっとラゼクの事だ、もしかしたら山の中で迷子になって最終的には俺の名前を叫びながら泣き出すかもしれない。悲しい事だが、あり得ない話じゃないだろう。素人には迷いやすい山の中だ、錆びついた看板だけが頼りなだけに俺の手助けが何より必要になるだろう。ふっ、全く仕方ねぇなぁ)
「何してんの? 早くしないと置いていくわよ、もう」
何ブツブツと言ってか知らないけど、どうせロクな事じゃないんでしょう。
何時までも玄関に居るエルの腕を引っ張って、再び屋敷を去る。
(えぇ、ここは俺が飛び出して先頭を行く場面じゃないのか?)
◇
「何やってんだあいつ? じゃあな姉ちゃん。オレ達ももう行くぜ」
「気をつけてね。お陰で久しぶりの賑やかさを楽しませてもらったわ、お礼を言うわね」
「いえ構いません。テデも元気でね」
「貴女、雰囲気戻ったわね? さっきの子達にばれると何か不味いのかしら」
「あ……はは、いやぁ。ははは」
「もっとうまい事取り繕えよ。あ、姉ちゃん」
「どうしたの、忘れ物でも?」
「いいやそういうんじゃなくって。……そのペンダント、戻ってきてよかったな。じゃっ!」
「あ、急に腕を引っ張らないでおくれよ!? それではボク達はこれで」
屋敷を飛び出すように出て行く二人を見送るゼイルーグの顔には笑み。その肩にはイタチのテデがあった。
最後にミャオが言ったペンダントとは、今ゼイルーグが首にかけているものである。
ゼイルーグ本人はこれについて言及した事は一度もないが、今日初めて身につけたことで何か気づいたのだろう。
そのペンダント……瑪瑙の宝石がついたそれは、若き日の彼女の父が妻にプレゼントしたものである。彼の妻はそれを肌身離さず身につけていた。ゼイルーグと泣く泣く別れることになったその日も。
それが今ここにあるということは、それこそが荷物の中身であったという事。
手のひら大のそれが、それなりの大きい箱に入っていたのは中身を特定されない為か。
しかし何よりも、それが送られて来た事が意味するのは。
彼女の母が、もう………………。
◇
夕暮れ時。
なんとか日が出ているうちに町まで降りてきた私達四人。
実は、弁当まで用意してくれていたゼイルーグ様には本当に頭が上がらないわ。
後腐れがないように弁当箱じゃなくて紙袋にサンドイッチを包んでくれているあたり、本当に気遣いのできる御人だ。私もあんな風になれるかなぁ。
……思わず視線をちょ~っと落とした。いや、まだ私も見込みはあるはず。
取り敢えず昼休憩にはそれを食べて降りてきた。
今はお腹は減って無いけど、それでも山道を歩いてきたからかやっぱり疲れたなあ。
今日のところは手紙を届けて、その後はバスと列車を乗り継いで帰るだけ。間違いなく帰り着くのは夜になるだろうけども。
「ミャオ、アナタはこの後はどうするの?」
「オレはおばちゃんに報告。猿もやっつけたし、これで安心できるだろ」
「そう……、じゃあ一旦お別れね。アタシ達も手紙を届けなきゃだし。…………あ。折角だから、互いの仕事の達成記念に甘いものでも食べましょ? ちょうどよくアイス売ってるし」
そう、タイミングもよく目線の先にはアイスの屋台があった。これは嬉しい。
ここに来た記念に食べて帰りましょ。疲れた体には甘い物よね。
というわけで四人、屋台の前まで。
「ほらほら三人とも、何食べたい? 記念に奢ってあげるから好きなの言いなさいな」
「ではお言葉に甘えて、私はシンプルにバニラを……」
「じゃあオレ、ヨーグルト味がいい」
「さつまいもソフト」
「え、あるかしら? ……意外、あったわね」
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