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第一章
第17話 一仕事を終えて
しおりを挟むムスメの大好きなお友達の一人が
ちょっと人見知りするみたいで、
先生ともお友達とも話さないみたい。
「一緒に仲良くなれたらいいね」
という話をムスメと約束していました。
いろいろ話しかけたり、遊びに誘ったり、
ムスメはしてみているらしいのですが、
ついてきてくれたり、うなづいてくれるけど、
笑ってくれたり、話してくれたり、というのは
まだ、してもらえないみたいなんです。
「待つという魔法」を
かけつづけていたのですが、
その魔法のおかげか、ちょっぴり、
ムスメの願いが叶う出来事がありました。
「だいすきって
いってくれたんだよ」
そのお友達からの
お手紙が届いたのです。
キラキラしたシールがいっぱいの
かわいらしいお手紙に、
それに自分で書いたであろう
一生懸命な文字で。
ーーーーーーーーーーーー
だ
い
す
き
ーーーーーーーーーーーー
と書いてありました。
たった4文字のコトバ。
それによく目に耳にするコトバ、
にも関わらずムスメは
それはそれは喜んでいました。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誰から、何回もらっても、
プレゼントになる「だいすき」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ムスメはよろこんでて
それに返事を書いてたのですが、
ムスメ以上に、僕とオクさんの方が
涙ぐんじゃうくらい、嬉しかったです。
お返事がないままでも、
きっとお友達であることや
大好きなことは変わらないと思うけど、
気楽に、気長に、待ってみる、
というのは、もしかしたら、
待つ側にとっても、待たせてる?側にとっても、
ほどよく、きもちがいい、
魔法なのかもしれません。
待たせてるひとは誰ですか、
待っているひとは誰ですか。
ぼくたちは
たぶん数え切れないくらい
覚えていられないくらいの
待ち合わせをしながら
生きているのかもしれませんね。
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