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第3話
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というわけで、舞踏会の中央を開けてお互いに向き合う私とイケメン従者さん。
彼の後ろでは、ルーゼルスお嬢様がドヤ顔で仁王立ちしていた。
「さて、お待たせいたしましたロモラッド嬢。お覚悟の程よろしいですかな?」
「ええ勿論。私もマンドリン奏者の端くれ、いっちょやったりますぜ!」
「……どのような楽器の使い手であろうと、この場合は関係無いのでは?」
確かにそうとも言うけど。
それはさておき、私たちはお互いに腰につけていたスモールソードを取り出す。
貴族の決闘と言ったら昔から剣と決まっている。スモールソードはそんな需要の中生まれた貴族のたしなみだ。今や老いも若きも男も女も、貴族ならばスモールソード。もはやスモールソードでなければ人間では無いと言わんばかりの勢いなのだ。
剣をお互いに向けて突き出す。
「では行きますよ。合図はこのコインが落ちたらということで」
「どうぞ」
ごく短いやり取りを追え私は手に持っていたコインを空中に投げる。
緊張感の走る中、ほんの数秒が長く感じるが……やがてコインが床にチリン。
瞬間、イケメンさんは片手に持った剣を真っすぐ突き出したまま、こちらにものすごい勢いで突進。
では私も行くぞ!!
「……あっち向いてぇホィイイイ!!!」
「………………ハ! しまった!?」
たとえどのような人間でも、あっち向いてホイとやられれば顔をいずれかの方向に向けなければ気が済まない。この絶対的人間の心理を私は利用した。
致命的な隙、もらったぜ!
「どっせい!!!」
手に持ってきたスモールソードを床にピョイして、イケメンさんの隙だらけの腕を取ってヒョイン。イケメンさんはそのまま勢いよく顔面から地面へシューッ!。
「ぶべば!!?」
奇声を上げながら、顔面を地面にドスン。その衝撃で脳がガツンして意識をバタンしてしまった。
哀れ。
「プ、プランセートッ!!?」
まさか負けると思ってなかったルーゼンスお嬢様は、自分の従者の名前を叫びながら倒れたイケメンさんの傍まで駆け寄る。そしてその肩を揺すりながら、泣きそうな声で呼びかけるが返事はない。
「あ、貴女!! これで勝ったと思わないことね、覚えてなさい!!!」
お嬢様はイケメンさんを魔法で宙に浮かせながら、会場をスタコラと出て行った。
ふぅ、勝負の後っていうのはいつも虚しいもんだぜ。
「というわけで私の劇的な勝利で終わりました!! みんなテンション上がってるゥ?!」
「「「イェエエエイ!!!」」」
今の勝負のおかげで会場のボルテージも絶好調。
我々清い学生一同は、例年通り朝まで騒ぎ立て……教師連中にお叱りを受けるのだった。
「お前らなぁ、学生のうちから羽目を外すことばっかりやってたら禄な大人にならんぞ!?」
「そうは言っても先生さ、私たちはもうすでにロクなもんじゃないのだから……」
「その開き直りをどうにかしろって言ってんだよ!」
正座で説教を受ける私達。
その裏でとある令息の思惑が動いていたなど、この時は知る由も無かったのだ。
彼の後ろでは、ルーゼルスお嬢様がドヤ顔で仁王立ちしていた。
「さて、お待たせいたしましたロモラッド嬢。お覚悟の程よろしいですかな?」
「ええ勿論。私もマンドリン奏者の端くれ、いっちょやったりますぜ!」
「……どのような楽器の使い手であろうと、この場合は関係無いのでは?」
確かにそうとも言うけど。
それはさておき、私たちはお互いに腰につけていたスモールソードを取り出す。
貴族の決闘と言ったら昔から剣と決まっている。スモールソードはそんな需要の中生まれた貴族のたしなみだ。今や老いも若きも男も女も、貴族ならばスモールソード。もはやスモールソードでなければ人間では無いと言わんばかりの勢いなのだ。
剣をお互いに向けて突き出す。
「では行きますよ。合図はこのコインが落ちたらということで」
「どうぞ」
ごく短いやり取りを追え私は手に持っていたコインを空中に投げる。
緊張感の走る中、ほんの数秒が長く感じるが……やがてコインが床にチリン。
瞬間、イケメンさんは片手に持った剣を真っすぐ突き出したまま、こちらにものすごい勢いで突進。
では私も行くぞ!!
「……あっち向いてぇホィイイイ!!!」
「………………ハ! しまった!?」
たとえどのような人間でも、あっち向いてホイとやられれば顔をいずれかの方向に向けなければ気が済まない。この絶対的人間の心理を私は利用した。
致命的な隙、もらったぜ!
「どっせい!!!」
手に持ってきたスモールソードを床にピョイして、イケメンさんの隙だらけの腕を取ってヒョイン。イケメンさんはそのまま勢いよく顔面から地面へシューッ!。
「ぶべば!!?」
奇声を上げながら、顔面を地面にドスン。その衝撃で脳がガツンして意識をバタンしてしまった。
哀れ。
「プ、プランセートッ!!?」
まさか負けると思ってなかったルーゼンスお嬢様は、自分の従者の名前を叫びながら倒れたイケメンさんの傍まで駆け寄る。そしてその肩を揺すりながら、泣きそうな声で呼びかけるが返事はない。
「あ、貴女!! これで勝ったと思わないことね、覚えてなさい!!!」
お嬢様はイケメンさんを魔法で宙に浮かせながら、会場をスタコラと出て行った。
ふぅ、勝負の後っていうのはいつも虚しいもんだぜ。
「というわけで私の劇的な勝利で終わりました!! みんなテンション上がってるゥ?!」
「「「イェエエエイ!!!」」」
今の勝負のおかげで会場のボルテージも絶好調。
我々清い学生一同は、例年通り朝まで騒ぎ立て……教師連中にお叱りを受けるのだった。
「お前らなぁ、学生のうちから羽目を外すことばっかりやってたら禄な大人にならんぞ!?」
「そうは言っても先生さ、私たちはもうすでにロクなもんじゃないのだから……」
「その開き直りをどうにかしろって言ってんだよ!」
正座で説教を受ける私達。
その裏でとある令息の思惑が動いていたなど、この時は知る由も無かったのだ。
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