7 / 11
第7話 友情のコンビネーションを、今!
しおりを挟む
「佐藤君、危ない!?!?」
「え?」
長谷山の声に反応し、俺の背中を切りつけようとしていた鎧野郎の攻撃を真横に飛んで回避してみせた。
背後でスパンと音がすると地面はえぐれており、斬撃の先のあった壁にも大きな亀裂が入っていた。
危ねぇ! でも、流石の俺は華麗に避けて見せたな。
と、思った矢先に、飛んだ先にあった岩に顔面からぶつかってしまった。
「うぐええ!?」
痛い!? 鼻がぁ~、血が出たもう!!
「佐藤君!?」
「!? く、くそぉ!!!」
痛がっている俺に向かって再び剣を振り下ろそうとする鎧野郎の攻撃を、寝ながら横にコロコロ転がる事で回避。
ああ、その辺の砂利が体に食い込むぅ!
だが、それもなんとかやり過ごして立ち上がる事が出来た。
こ、こりゃ不味いぜ! いつまでもこんな無様を晒してたら視聴者が逃げてしまう! どうにかしてアイツをカッコよく倒さないと……!!
「さ、佐藤君、大丈夫かい?」
長谷山の野郎があの爽やかなイケメン顔で心配そうに近づいて来た。
軽く気に食わないが今は協力関係なんだ。
顔にそういった考えを出さずに素直に感謝する事にした。
「いや大丈夫。だが長谷山よ、このモンスターは強い。俺だけじゃ駄目だ、でもお前一人でも勝てない。二人がキチンと息を合わせないと勝てる相手じゃない。そう! 俺達二人の友情に賭けて、抜群のコンビネーションを発揮するしか活路は無いぜ!」
我ながら熱い台詞を吐く。これだけ言えば長谷山の事だ、きっと感動でテンション上げてくれるだろう。
「……うん、そうだね。君が僕の事をそこまで想ってくれているなんて、僕は嬉しいよ。僕達の力があればきっと奴に勝つことが出来る! 行こう佐藤君!!」
「おうよ!!」
へっチョロい野郎だ。お前との友情ごっこなんてこの配信が大成功を納めるまでだぜ。その為には、散々利用させて貰う!
とはいえ素早く動いてかく乱する手が使えなくなった以上、俺に出来るのはコイツを盾変わりに焚きつけてその隙にチクチク攻撃する事か。
「あいつの相手をしてくれ、俺はその隙をついてお前の援護をする! 二人で掴もうぜ、勝利ってヤツをよぉ!!」
「分かった! 行くぞ!!」
長谷山が勢い良く飛び出した。よしよし、これで俺は安全だ。
後は長谷山が頑張ってくれればそれで良い。
「オラァッ!!!」
長谷山が雄たけびを上げ、ブラックナイトに切りかかった。
再び打ちあいになる両者。しかし、勝てないまでもあんな化け物相手に正面からやり合える長谷山の野郎も大概おかしいな。
「でも隙付くって言ったって、こんなバタフライナイフが効くか?」
手元のナイフと全身鎧のモンスターを見比べながら素直な感想を呟く。
そもそも、鎧着込んでる奴に対して有効な武器って何があるんだ?
今この場で最大の武器となると……。
ドローンの方を見る。どう考えてもこれしか方法が無いな。
「と、言う訳でですね視聴者の皆さま。俺達でイイ感じに隙を作りますんで、電撃で援護して欲しいなぁって。出来れば高威力出したいんで、投げ銭の程頑張ってくれると非常に助かるんですよねぇ。へへへ」
手をゴマすりしながらヘラヘラ笑ってドローンの向こうの視聴者にお願いしてみた。するとどうだろうか。
<仕方ないな。でも隙を伺うタイミングとかこっちじゃどうにもならないんだけど?>
「ああ、その辺はですね。このドローン、セミマニュアルモードに設定しますとですね、一時間以内で最も課金してくれた方が自由に動かす事が出来るんですよ。コントローラーとかはそちらで用意して貰う必要があるんですけどね。またですね、視聴者の方々の課金を一発に集中する事で電撃の威力をさらに高めるよう設定する事も出来まして……」
俺は自分の作戦を懇切丁寧に説明してみせた。
「え?」
長谷山の声に反応し、俺の背中を切りつけようとしていた鎧野郎の攻撃を真横に飛んで回避してみせた。
背後でスパンと音がすると地面はえぐれており、斬撃の先のあった壁にも大きな亀裂が入っていた。
危ねぇ! でも、流石の俺は華麗に避けて見せたな。
と、思った矢先に、飛んだ先にあった岩に顔面からぶつかってしまった。
「うぐええ!?」
痛い!? 鼻がぁ~、血が出たもう!!
「佐藤君!?」
「!? く、くそぉ!!!」
痛がっている俺に向かって再び剣を振り下ろそうとする鎧野郎の攻撃を、寝ながら横にコロコロ転がる事で回避。
ああ、その辺の砂利が体に食い込むぅ!
だが、それもなんとかやり過ごして立ち上がる事が出来た。
こ、こりゃ不味いぜ! いつまでもこんな無様を晒してたら視聴者が逃げてしまう! どうにかしてアイツをカッコよく倒さないと……!!
「さ、佐藤君、大丈夫かい?」
長谷山の野郎があの爽やかなイケメン顔で心配そうに近づいて来た。
軽く気に食わないが今は協力関係なんだ。
顔にそういった考えを出さずに素直に感謝する事にした。
「いや大丈夫。だが長谷山よ、このモンスターは強い。俺だけじゃ駄目だ、でもお前一人でも勝てない。二人がキチンと息を合わせないと勝てる相手じゃない。そう! 俺達二人の友情に賭けて、抜群のコンビネーションを発揮するしか活路は無いぜ!」
我ながら熱い台詞を吐く。これだけ言えば長谷山の事だ、きっと感動でテンション上げてくれるだろう。
「……うん、そうだね。君が僕の事をそこまで想ってくれているなんて、僕は嬉しいよ。僕達の力があればきっと奴に勝つことが出来る! 行こう佐藤君!!」
「おうよ!!」
へっチョロい野郎だ。お前との友情ごっこなんてこの配信が大成功を納めるまでだぜ。その為には、散々利用させて貰う!
とはいえ素早く動いてかく乱する手が使えなくなった以上、俺に出来るのはコイツを盾変わりに焚きつけてその隙にチクチク攻撃する事か。
「あいつの相手をしてくれ、俺はその隙をついてお前の援護をする! 二人で掴もうぜ、勝利ってヤツをよぉ!!」
「分かった! 行くぞ!!」
長谷山が勢い良く飛び出した。よしよし、これで俺は安全だ。
後は長谷山が頑張ってくれればそれで良い。
「オラァッ!!!」
長谷山が雄たけびを上げ、ブラックナイトに切りかかった。
再び打ちあいになる両者。しかし、勝てないまでもあんな化け物相手に正面からやり合える長谷山の野郎も大概おかしいな。
「でも隙付くって言ったって、こんなバタフライナイフが効くか?」
手元のナイフと全身鎧のモンスターを見比べながら素直な感想を呟く。
そもそも、鎧着込んでる奴に対して有効な武器って何があるんだ?
今この場で最大の武器となると……。
ドローンの方を見る。どう考えてもこれしか方法が無いな。
「と、言う訳でですね視聴者の皆さま。俺達でイイ感じに隙を作りますんで、電撃で援護して欲しいなぁって。出来れば高威力出したいんで、投げ銭の程頑張ってくれると非常に助かるんですよねぇ。へへへ」
手をゴマすりしながらヘラヘラ笑ってドローンの向こうの視聴者にお願いしてみた。するとどうだろうか。
<仕方ないな。でも隙を伺うタイミングとかこっちじゃどうにもならないんだけど?>
「ああ、その辺はですね。このドローン、セミマニュアルモードに設定しますとですね、一時間以内で最も課金してくれた方が自由に動かす事が出来るんですよ。コントローラーとかはそちらで用意して貰う必要があるんですけどね。またですね、視聴者の方々の課金を一発に集中する事で電撃の威力をさらに高めるよう設定する事も出来まして……」
俺は自分の作戦を懇切丁寧に説明してみせた。
0
お気に入りに追加
16
あなたにおすすめの小説

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。
『おっさんの元勇者』~Sランクの冒険者はギルドから戦力外通告を言い渡される~
川嶋マサヒロ
ファンタジー
ダンジョン攻略のために作られた冒険者の街、サン・サヴァン。
かつて勇者とも呼ばれたベテラン冒険者のベルナールは、ある日ギルドマスターから戦力外通告を言い渡される。
それはギルド上層部による改革――、方針転換であった。
現役のまま一生を終えようとしていた一人の男は途方にくれる。
引退後の予定は無し。備えて金を貯めていた訳でも無し。
あげく冒険者のヘルプとして、弟子を手伝いスライム退治や、食肉業者の狩りの手伝いなどに精をだしていた。
そして、昔の仲間との再会――。それは新たな戦いへの幕開けだった。
イラストは
ジュエルセイバーFREE 様です。
URL:http://www.jewel-s.jp/

辻ダンジョン掃除が趣味の底辺社畜、迷惑配信者が汚したダンジョンを掃除していたらうっかり美少女アイドルの配信に映り込み神バズりしてしまう
なっくる
ファンタジー
ダンジョン攻略配信が定着した日本、迷惑配信者が世間を騒がせていた。主人公タクミはダンジョン配信視聴とダンジョン掃除が趣味の社畜。
だが美少女アイドルダンジョン配信者の生配信に映り込んだことで、彼の運命は大きく変わる。実はレアだったお掃除スキルと人間性をダンジョン庁に評価され、美少女アイドルと共にダンジョンのイメージキャラクターに抜擢される。自身を慕ってくれる美少女JKとの楽しい毎日。そして超進化したお掃除スキルで迷惑配信者を懲らしめたことで、彼女と共にダンジョン界屈指の人気者になっていく。
バラ色人生を送るタクミだが……迷惑配信者の背後に潜む陰謀がタクミたちに襲い掛かるのだった。
※他サイトでも掲載しています

スキル【レベル転生】でダンジョン無双
世界るい
ファンタジー
六年前、突如、異世界から魔王が来訪した。「暇だから我を愉しませろ」そう言って、地球上のありとあらゆる場所にダンジョンを作り、モンスターを放った。
そんな世界で十八歳となった獅堂辰巳は、ダンジョンに潜る者、ダンジョンモーラーとしての第一歩を踏み出し、ステータスを獲得する。だが、ステータスは最低値だし、パーティーを組むと経験値を獲得できない。スキルは【レベル転生】という特殊スキルが一つあるだけで、それもレベル100にならないと使えないときた。
そんな絶望的な状況下で、最弱のソロモーラーとしてダンジョンに挑み、天才的な戦闘センスを磨き続けるも、攻略は遅々として進まない。それでも諦めずチュートリアルダンジョンを攻略していたある日、一人の女性と出逢う。その運命的な出逢いによって辰巳のモーラー人生は一変していくのだが……それは本編で。
小説家になろう、カクヨムにて同時掲載
カクヨム ジャンル別ランキング【日間2位】【週間2位】
なろう ジャンル別ランキング【日間6位】【週間7位】

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

配信者ルミ、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~
てるゆーぬ(旧名:てるゆ)
ファンタジー
女主人公です(主人公は恋愛しません)。18歳。ダンジョンのある現代社会で、探索者としてデビューしたルミは、ダンジョン配信を始めることにした。近くの町に初級ダンジョンがあると聞いてやってきたが、ルミが発見したのは超難関ダンジョンだった。しかしそうとは知らずに、ルミはダンジョン攻略を開始し、ハイランクの魔物たちを相手に無双する。その様子は全て生配信でネットに流され、SNSでバズりまくり、同接とチャンネル登録数は青天井に伸び続けるのだった。
欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します
ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!!
カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる