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第4話 ボスの部屋へも潜入する事が出来る

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「いやー! 皆さんのおかげでここまで来ることが出来ました! 本当にありがとうございます! いやー、それにしても随分長い道のりでした。それにそれにっ俺の年でダンジョンの最下層に潜れる人間なんてほぼほぼ聞かないですしね! これも一重に俺の到底素人とは思えない戦いっぷりと、類まれなる才能のおかげですかね!! いやんママンサンキュー!! それにここまで付き合ってくれた視聴者の皆さんにアイラブユー!!」

<見事に調子に乗ってるなぁ。でも、そういうところちょっと嫌いじゃないかも>

<まぁ、見ててハラハラしたけど楽しかったから別にいっか。これからの活躍期待してるで>

「でしょう? いややっぱ配信者たるもの、何よりエンターテインメントに気を付けてますんで、これからも是非楽しんで行って欲しいな~。なぁーんて!!」

<でもそれはそれとして、やっぱ貴重な十代に一人でダンジョン攻略は見ていて寂しく見えてくるかな>

<もっと同年代と遊ぶことも覚えた方がいいぜ? あと勉強>

<お前さん、話し方に知性がまるで無いもんな。せめてもう少し語彙力を付けた方がええんとちゃうか? 猿でももうちょいまともなこと喋るで? なぁ皆?>

<<<なぁ?>>>

 ひ、人がウキウキで鼻を伸ばしてる所にそんな現実を付きつけ無くてもいいじゃん。俺もう昔からこういうキャラだもん。今更変えられないもん。

「ははっ。ま、まぁそんなキッツイ冗談ばっかり言わないでくださいよぉ。やだなぁ、ははは……。あ、そういえば。この奥に何かあるみたいなんですが、一体なんなのかわかりません? ほら、なんかボス部屋的な感じで扉がありますよ?」

 俺は話を逸らすために、目の前にある巨大な門を指さしながら言った。
 その先には、恐らく禍々しいオーラを放つボスとやらがいるはずだ。

 俺は固唾を飲み込みながらも、意を決して扉をこんこんとノックする事にした。

「ご、ごめんくださぁい……。誰かいますぅ? …………あ、あれぇ?」

 しかし、返事はない。
 俺は恐るおそるドアノブに手をかけ、ゆっくりと引いてみた。
 すると――。

「あ、開いちゃったよ……。マジか、えぇ……? 誰かいませんかぁ? 誰もいない感じぃなんですかね? 思わず小声になっちゃった。視聴者の皆さんもね、ここから音声は最小音量でしか読み上げませんのでオッケーですか?」

<オッケー>

 ドローンのローボリュームモードを起動して問いかけると、本当に小さい音量でコメントを読み上げてくれた。音声認識って便利だなぁ。

 しかし本当に誰もいないんだろうか? これじゃあ空き巣気分だ。いやいっそここは本当に空き巣になってお宝でも……。不用心に扉に鍵をかけなかったボスが悪いわけでね、これもモンスター対人間の自然の摂理ということで一つ。

「というわけで。ええ皆様、ここからは予定を変更といたしましてボス退治からボスの部屋のお宝を発見していくという形で、はい……」

 そうドローンに向かって語りかけていた時だ。

 微かにだが、キンという金属音が聞こえたようなそんな気がした気がするような。
 耳凝らして注意深く探ってみる。この部屋は広すぎる上に、奥へと通じる道も発見した。多分そこから聞こえてくるんじゃないんかな?

 そろりそろりと忍び足でそちらの方へと近づいていく。無論、道中でお宝の類がない顔ちらりと見ながらだ。

 ……思ったけどこのドローン結構静かだな。もっとローター音とか響きそうなのに。さすがは最新型だ。
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