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第6話
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その後はグリュスティ様の衣裳部屋へと連れていかれて、たくさんの服を見せられた。どれもこれもが綺麗な色をしている。私には縁の無いものばかりだ。
そして、私は今、鏡の前にいる。
そこに映るのは私。
今まで、こんなにじっくり自分の姿を見たことなんて無かった。
だって、見る必要が無かったもの。恰好はいつも端切れだらけのメイド服、破けたら自分で直さなければならないから。
髪は、掃除の邪魔だから伸びないよう同じように切っていた。いつも同じ切り方だから、鏡を見なくても出来るようになっていた。
鏡に映る私は生まれて初めて化粧をされて、着たこともないドレスを纏っていた。
「私じゃないみたい」
「これからは、これが自然となるのですわ。お化粧も着付けも、全てわたくし達が教えて差し上げます。……でも貴女はもっと食べる事を覚えるべきね。あまりにも細すぎて、どのような服も魅力を引き出せないもの」
「ご安心くださいお嬢様。私が責任を持ってメニューを考えさせていただきますので。胃に負担が掛からない物から少しずつ、様々なご飯がこの世にあるという事をクーアさんに知ってもらいましょう」
「ええ。……ところでクーアさん、貴女はおいくつなのかしら?」
「妹が二ヶ月前に誕生日を上げたから、多分十八」
「へぇ、妹さんがいらっしゃるのね。……多分?」
「彼女が私に二歳下なのは知っているから、多分十八」
「え、いえ。そうではなくて。ご自身の御年も性格に把握しておりませんの? 誕生日など祝われた事は?」
「無いわ」
私の答えを聞いた二人は、何故か固まってしまった。
一体何なのだろう?
「半ば分かっていた事とはいえ。…………お嬢様、これはかなり深刻な事かと。実の両親から姉妹でこれ程の差を付けらるとは。もう、あまり不用意な事はおっしゃらないようにお気をつけ下さい」
「わ、分かったわ。……クーアさん、ならば今度貴女の為にパーティーを開いて差し上げますわ。そこで貴女の誕生日を盛大に祝わいましょう」
「誕生パーティー? 誕生日にパーティーをするの?」
「……つかぬ事を聞きますけど、妹さんの誕生日に貴女は何を?」
「いつも通り物置で過ごしていたけれど」
そう答えると、ファティー様はまた頭を抱えて俯いてしまう。
何故? でも、一つだけ分かる事がある。
それは、この人達が私を喜ばせようとしてくれているという事。
なら、きっと嬉しい事なのだと思う。
嬉しい時は表情に出すものだと何処かで聞いた。
………………駄目、顔が上手く動かない。
「クーアさん? どうなさったの急に顔を引きつらせて?」
「お嬢様、あの表情はきっと未知の体験に対する一種の防衛本能がそうさせるのではないかと。であれば、我々は暖かく見守り、彼女の心の準備が出来るまで待ってあげるべきかと思われます」
「そ、それもそうですわね。……では、今日の所はお開きとしましょう。クーアさんの心の傷も癒えてはいませんし」
「…………そう」
何と言えばいいのか、上手く言葉が浮かばないわ。
◇◇◇
嵐の暗雲に包まれたその屋敷は、現「クーア」と名乗る少女が過ごしていた家。
もっと正確に言えば、クーアが住んでいた物置がある家であった。
現在屋敷では、役立たずの元「娘」が完全に居なくなった事に対する喜びと老貴族の元へ嫁げなかった元「娘」に対する腹立たしさがない交ぜになった夫人が、収まらぬ感情の起伏に苛立ちを覚えていた。
嬉しくても鞭を打ち、怒りに身を任せて鞭を打ってきた呼称”クズ”が居ない為、そのぶつけ先に頭を悩ませていた。
「あぁ、本当に困ったわ。このイラつきをどうすれば良いと言うのです!?」
「奥様、どうか落ち着いてください。先ほどから何度もそう申されております」
「落ち着けるのなら既にしています! ああ苛立たしい!! これも全てあのクズが居ないせいでしょう!」
自らの手で手放しておきながら余りにも身勝手であるが、それを正す者はこの屋敷に一人と居ない。むしろ全員の共通の認識だったからだ。
あのクズが居なくなってせいせいする。あのクズが居なくなって腹が立つ。
矛盾する感情に疑問を持つ事も無く、身分の垣根を越えて感情を共有する。
だが、そこに親近感を覚えるわけでもない。……逆だ。
同じ感情に苛まれるからこそ、互いの苛立ちが募る。それもまた身分を越えていた。
悪感情の依存症が発奮するのに時間など……。
「もう貴女で結構。……黙って私に打たれなさい」
「お断りします」
「っ!!」
「私は貴方の奴隷ではありません。自分の意思を持ち、自分の考えで行動し、自分の言葉で話す。それが人間というものなのでしょう? だから私は自分の意見をはっきりと言います。奥様こそ見ていて苛立たしい。やはりあのクズの母親であられる事で」
「何ですって……っ! もう我慢なりません! 貴女には罰を与えます。私に逆らう事の愚かさを、骨の髄にまで叩き込んであげますわ」
「出来ますか? 所詮は蝶よ花よと甘やかされただらけの御身分で。おっとゴミという点でもまさに親子でした、ねッ!!」
「あ!? 貴女ッ!!!」
時間など掛からない。
本来、使用人が主人とその家族に手を上げるなどあってはならない、正しく許されざる行為である、それが正常の判断。問題なのは、その判断を出来る人間が誰一人として居ない事である。
主人だけでは無い。これは下剋上などでは無いからだ。
「貴様がムカつく!! 楯を突くな!!!」
「貴方こそ、いつまでも先輩面して気に入らないのよ!!!!」
崩壊は始まり、そして広がっていく。
遅効性の毒を浴びたのは、本当は遥か昔。
そして、私は今、鏡の前にいる。
そこに映るのは私。
今まで、こんなにじっくり自分の姿を見たことなんて無かった。
だって、見る必要が無かったもの。恰好はいつも端切れだらけのメイド服、破けたら自分で直さなければならないから。
髪は、掃除の邪魔だから伸びないよう同じように切っていた。いつも同じ切り方だから、鏡を見なくても出来るようになっていた。
鏡に映る私は生まれて初めて化粧をされて、着たこともないドレスを纏っていた。
「私じゃないみたい」
「これからは、これが自然となるのですわ。お化粧も着付けも、全てわたくし達が教えて差し上げます。……でも貴女はもっと食べる事を覚えるべきね。あまりにも細すぎて、どのような服も魅力を引き出せないもの」
「ご安心くださいお嬢様。私が責任を持ってメニューを考えさせていただきますので。胃に負担が掛からない物から少しずつ、様々なご飯がこの世にあるという事をクーアさんに知ってもらいましょう」
「ええ。……ところでクーアさん、貴女はおいくつなのかしら?」
「妹が二ヶ月前に誕生日を上げたから、多分十八」
「へぇ、妹さんがいらっしゃるのね。……多分?」
「彼女が私に二歳下なのは知っているから、多分十八」
「え、いえ。そうではなくて。ご自身の御年も性格に把握しておりませんの? 誕生日など祝われた事は?」
「無いわ」
私の答えを聞いた二人は、何故か固まってしまった。
一体何なのだろう?
「半ば分かっていた事とはいえ。…………お嬢様、これはかなり深刻な事かと。実の両親から姉妹でこれ程の差を付けらるとは。もう、あまり不用意な事はおっしゃらないようにお気をつけ下さい」
「わ、分かったわ。……クーアさん、ならば今度貴女の為にパーティーを開いて差し上げますわ。そこで貴女の誕生日を盛大に祝わいましょう」
「誕生パーティー? 誕生日にパーティーをするの?」
「……つかぬ事を聞きますけど、妹さんの誕生日に貴女は何を?」
「いつも通り物置で過ごしていたけれど」
そう答えると、ファティー様はまた頭を抱えて俯いてしまう。
何故? でも、一つだけ分かる事がある。
それは、この人達が私を喜ばせようとしてくれているという事。
なら、きっと嬉しい事なのだと思う。
嬉しい時は表情に出すものだと何処かで聞いた。
………………駄目、顔が上手く動かない。
「クーアさん? どうなさったの急に顔を引きつらせて?」
「お嬢様、あの表情はきっと未知の体験に対する一種の防衛本能がそうさせるのではないかと。であれば、我々は暖かく見守り、彼女の心の準備が出来るまで待ってあげるべきかと思われます」
「そ、それもそうですわね。……では、今日の所はお開きとしましょう。クーアさんの心の傷も癒えてはいませんし」
「…………そう」
何と言えばいいのか、上手く言葉が浮かばないわ。
◇◇◇
嵐の暗雲に包まれたその屋敷は、現「クーア」と名乗る少女が過ごしていた家。
もっと正確に言えば、クーアが住んでいた物置がある家であった。
現在屋敷では、役立たずの元「娘」が完全に居なくなった事に対する喜びと老貴族の元へ嫁げなかった元「娘」に対する腹立たしさがない交ぜになった夫人が、収まらぬ感情の起伏に苛立ちを覚えていた。
嬉しくても鞭を打ち、怒りに身を任せて鞭を打ってきた呼称”クズ”が居ない為、そのぶつけ先に頭を悩ませていた。
「あぁ、本当に困ったわ。このイラつきをどうすれば良いと言うのです!?」
「奥様、どうか落ち着いてください。先ほどから何度もそう申されております」
「落ち着けるのなら既にしています! ああ苛立たしい!! これも全てあのクズが居ないせいでしょう!」
自らの手で手放しておきながら余りにも身勝手であるが、それを正す者はこの屋敷に一人と居ない。むしろ全員の共通の認識だったからだ。
あのクズが居なくなってせいせいする。あのクズが居なくなって腹が立つ。
矛盾する感情に疑問を持つ事も無く、身分の垣根を越えて感情を共有する。
だが、そこに親近感を覚えるわけでもない。……逆だ。
同じ感情に苛まれるからこそ、互いの苛立ちが募る。それもまた身分を越えていた。
悪感情の依存症が発奮するのに時間など……。
「もう貴女で結構。……黙って私に打たれなさい」
「お断りします」
「っ!!」
「私は貴方の奴隷ではありません。自分の意思を持ち、自分の考えで行動し、自分の言葉で話す。それが人間というものなのでしょう? だから私は自分の意見をはっきりと言います。奥様こそ見ていて苛立たしい。やはりあのクズの母親であられる事で」
「何ですって……っ! もう我慢なりません! 貴女には罰を与えます。私に逆らう事の愚かさを、骨の髄にまで叩き込んであげますわ」
「出来ますか? 所詮は蝶よ花よと甘やかされただらけの御身分で。おっとゴミという点でもまさに親子でした、ねッ!!」
「あ!? 貴女ッ!!!」
時間など掛からない。
本来、使用人が主人とその家族に手を上げるなどあってはならない、正しく許されざる行為である、それが正常の判断。問題なのは、その判断を出来る人間が誰一人として居ない事である。
主人だけでは無い。これは下剋上などでは無いからだ。
「貴様がムカつく!! 楯を突くな!!!」
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