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第284話 邪神ちゃんの様子見の旅
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オピスの一件も終わって、ようやく平和な日々が戻ってきた。時々オピスの様子を見にドラコと一緒に出ていくものの、オピスもしっかり真面目にやっているようで、どこか雰囲気が柔らかくなった感じだった。あまりの変わりようにフェリスもドラコも驚いたものだが、おそらくどこか吹っ切れたのだろう。これならとりあえず安心できそうなので、簡単に話をして戻ってくるという風になっていた。
職員を連れてきたレックスの街との間では交流も始まったらしい。あの場所もそのうち街として発展していくのだろう。
「そうか、オピスはあそこに留まる事にしたのか……」
あの後初めてオピスの元へ出かけた帰り、フェリスとドラコはコネッホの居るモスレに立ち寄っていた。
事情を聞いたコネッホはそのように呟いていた。
「そのようじゃな。まあ、あそこはサイコシスの屋敷のあった場所じゃからな。慕っておるのならば、離れたくもないじゃろうて。自分で派手に壊してしもうたしな」
それに対して、ドラコはこのように推察していた。サイコシスの屋敷が壊れた原因にはドラコも絡んでいるが、原因はオピスなのだからここでは話さなかった。
「今回顔を出して驚いたわよ。あれだけあたしに対して敵意剥き出しだったオピスが、ものすごく柔らかい表情で出迎えたんだからね。まったく何があったのかしらね」
「だったら聞けばよかったでしょうに。さすがのあたいでも、オピスの心中までは察せないよ」
フェリスの疑問に、コネッホは正論で返しておいた。
「でもさ、あたしがオピスに聞けると思う?」
「まあ、無理じゃろうの」
「ちょっとドラコ!」
フェリスがさらに返すと、ドラコが即ツッコミを入れていた。的確過ぎる。
目の前でギャーギャーと言い合うフェリスとドラコの姿に、さすがにコネッホも笑いを堪え切れなかった。
「あっはっはっはっ、相変わらずだなぁ、二人とも」
「なに笑っているのよ、コネッホ。あんたも責任取りなさいよね」
「フェリス、何を言っているんだ」
コネッホが笑っていると、フェリスがぎろりと睨むような視線をコネッホに向ける。その姿にコネッホは少し焦りを覚えた。
「まったくそうじゃぞ。オピスが来たからといってわしらに連絡寄こしおってからに。解決したからよかったが、おかげでいろいろと面倒になったわい」
ドラコにまで文句を言われるコネッホ。さすがに予想外なのか戸惑っている。
「それに加えて……、なんじゃこの有り様は! いい加減に片付けを覚えろ、バカもんが!」
これまで触れないようにしてきたのだが、さすがにドラコは耐え切れなくなったようだった。
そう、コネッホの家の中はまたとんでもなく散らかり放題だったのである。片付けられないウサギ、それがコネッホなのである。
「ドラコ、どこが散らかっているというんだ。これでもちゃんと分別できているんだぞ!」
「足の踏み場を見ろと言うんじゃ! 本当に一度ついた癖は直らんのう……」
必死に言い訳をするコネッホだが、ドラコは甘くはなかった。いろいろと溜め込む癖のあったドラコですら片付けられるのだから、それはもうこの散らかり具合は怒らざるを得ない。
「いつまでも甘えるな。弟子を持ったんじゃろうが。少しはきちんと片付けるんじゃ!」
さすがに耐え切れないドラコは、コネッホに雷を落としていた。
するとコネッホは渋々部屋の片付けをし始めたのだった。まったくもって邪神というのは長生きであるがために、惰性に陥りやすいようだった。長生きというのも考え物なのである。
「それじゃ、あたしたちはそろそろフェリスメルに戻るわ。コネッホの事も時々見させてもらうわよ」
「やめてくれ」
フェリスが席を立ってコネッホに声を掛けると、即座に拒否の反応するコネッホである。どれだけ掃除が嫌なのだろうか。だが、ドラコはもう甘くするつもりはないらしい。もう遠慮はなしないとはっきり言い放っていたのだから。フェリスもコネッホに同情する気がまったく起きなかったのである。
フェリスにもドラコにもきっぱりと態度を示されたコネッホは、床に両手をついて落ち込んでいた。
「それじゃ、わしらは帰るからな」
「あ、ああ……。あたい、片付けられるようになるから、また……来てちょうだい」
コネッホは落ち込んだまま、フェリスとドラコを見送ったのだった。
「ちょっとやり過ぎたかしらね」
「いや、あれくらいでも足りんじゃろうて。コネッホの面倒くさがりは筋金入りじゃからのう」
フェリスメルに帰る道中、コネッホとのやり取りを思い出す二人。
「それにじゃ、今回の面倒事はコネッホがオピスに乗っかったのが悪い。結果としてはいい方向に転んだが、これはその罰としてしっかり受けてもらわんとな」
ドラコは最年長者として厳しい意見のようだった。フェリスもこの言い分には同感である。実際さっきも本人に言った通りなのだから。
「とりあえず、これで安心してフェリスメルでのんびりできるわ。つき合わせちゃって悪かったわね、ドラコ」
「別に構わんぞ。わしらの仲じゃろうが」
ドラコを気遣うフェリスだが、ドラコは特に気にしていないようだった。
こうして、初めての様子を終えたフェリスとドラコは、のんびりとフェリスメルに戻ったのだった。
職員を連れてきたレックスの街との間では交流も始まったらしい。あの場所もそのうち街として発展していくのだろう。
「そうか、オピスはあそこに留まる事にしたのか……」
あの後初めてオピスの元へ出かけた帰り、フェリスとドラコはコネッホの居るモスレに立ち寄っていた。
事情を聞いたコネッホはそのように呟いていた。
「そのようじゃな。まあ、あそこはサイコシスの屋敷のあった場所じゃからな。慕っておるのならば、離れたくもないじゃろうて。自分で派手に壊してしもうたしな」
それに対して、ドラコはこのように推察していた。サイコシスの屋敷が壊れた原因にはドラコも絡んでいるが、原因はオピスなのだからここでは話さなかった。
「今回顔を出して驚いたわよ。あれだけあたしに対して敵意剥き出しだったオピスが、ものすごく柔らかい表情で出迎えたんだからね。まったく何があったのかしらね」
「だったら聞けばよかったでしょうに。さすがのあたいでも、オピスの心中までは察せないよ」
フェリスの疑問に、コネッホは正論で返しておいた。
「でもさ、あたしがオピスに聞けると思う?」
「まあ、無理じゃろうの」
「ちょっとドラコ!」
フェリスがさらに返すと、ドラコが即ツッコミを入れていた。的確過ぎる。
目の前でギャーギャーと言い合うフェリスとドラコの姿に、さすがにコネッホも笑いを堪え切れなかった。
「あっはっはっはっ、相変わらずだなぁ、二人とも」
「なに笑っているのよ、コネッホ。あんたも責任取りなさいよね」
「フェリス、何を言っているんだ」
コネッホが笑っていると、フェリスがぎろりと睨むような視線をコネッホに向ける。その姿にコネッホは少し焦りを覚えた。
「まったくそうじゃぞ。オピスが来たからといってわしらに連絡寄こしおってからに。解決したからよかったが、おかげでいろいろと面倒になったわい」
ドラコにまで文句を言われるコネッホ。さすがに予想外なのか戸惑っている。
「それに加えて……、なんじゃこの有り様は! いい加減に片付けを覚えろ、バカもんが!」
これまで触れないようにしてきたのだが、さすがにドラコは耐え切れなくなったようだった。
そう、コネッホの家の中はまたとんでもなく散らかり放題だったのである。片付けられないウサギ、それがコネッホなのである。
「ドラコ、どこが散らかっているというんだ。これでもちゃんと分別できているんだぞ!」
「足の踏み場を見ろと言うんじゃ! 本当に一度ついた癖は直らんのう……」
必死に言い訳をするコネッホだが、ドラコは甘くはなかった。いろいろと溜め込む癖のあったドラコですら片付けられるのだから、それはもうこの散らかり具合は怒らざるを得ない。
「いつまでも甘えるな。弟子を持ったんじゃろうが。少しはきちんと片付けるんじゃ!」
さすがに耐え切れないドラコは、コネッホに雷を落としていた。
するとコネッホは渋々部屋の片付けをし始めたのだった。まったくもって邪神というのは長生きであるがために、惰性に陥りやすいようだった。長生きというのも考え物なのである。
「それじゃ、あたしたちはそろそろフェリスメルに戻るわ。コネッホの事も時々見させてもらうわよ」
「やめてくれ」
フェリスが席を立ってコネッホに声を掛けると、即座に拒否の反応するコネッホである。どれだけ掃除が嫌なのだろうか。だが、ドラコはもう甘くするつもりはないらしい。もう遠慮はなしないとはっきり言い放っていたのだから。フェリスもコネッホに同情する気がまったく起きなかったのである。
フェリスにもドラコにもきっぱりと態度を示されたコネッホは、床に両手をついて落ち込んでいた。
「それじゃ、わしらは帰るからな」
「あ、ああ……。あたい、片付けられるようになるから、また……来てちょうだい」
コネッホは落ち込んだまま、フェリスとドラコを見送ったのだった。
「ちょっとやり過ぎたかしらね」
「いや、あれくらいでも足りんじゃろうて。コネッホの面倒くさがりは筋金入りじゃからのう」
フェリスメルに帰る道中、コネッホとのやり取りを思い出す二人。
「それにじゃ、今回の面倒事はコネッホがオピスに乗っかったのが悪い。結果としてはいい方向に転んだが、これはその罰としてしっかり受けてもらわんとな」
ドラコは最年長者として厳しい意見のようだった。フェリスもこの言い分には同感である。実際さっきも本人に言った通りなのだから。
「とりあえず、これで安心してフェリスメルでのんびりできるわ。つき合わせちゃって悪かったわね、ドラコ」
「別に構わんぞ。わしらの仲じゃろうが」
ドラコを気遣うフェリスだが、ドラコは特に気にしていないようだった。
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