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第274話 邪神ちゃんたちの今後の対応策
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とりあえず急ごしらえした魔物用の集落の中で腰を落ち着けるフェリスたち。
急激に力を解放した反動なのか、まだオピスは目を覚まさない。すーすーという音が聞こえているので、生きているようではあった。
「とりあえず、オピスは起きたら説教するとして……」
こう言いながら、フェリスは周りに集まるかなりの数の魔物たちを眺めている。
「どう致しましょうかね、フェリス様。この子は私とラータで責任を持って預かりますが、さすがにこの数の魔物を連れて帰るわけにはいきませんでしょう?」
マイオリーが同じように魔物を見渡しながら、魔物たちの処遇を尋ねている。
「それじゃのう……。フェリスの魔力の影響を受けたとなると、将来的にはルディのような者が出てこんとも限らんが、そればかりは無理じゃな」
「確かにそうよね」
「あら、ルディ様も邪神ではなかったのですか?」
ドラコとフェリスのやり取りに、マイオリーは首を傾げている。
「あやつは元々魔物じゃ。魔物から魔族を経て邪神となったラータたちとは違い、魔物のまま邪神となった稀有な奴なんじゃよ」
「はあ~……、そうなのですね」
ドラコの説明を聞いて、マイオリーはいまいちピンと来ていないようだった。
それも仕方のない事だろう。人間からしてみれば、経緯はどうあれ邪神には変わりはないのだから。
だが、それを思うとフェリスもなかなかに特殊な邪神と言える。
フェリスは元々はただの白猫だった。それがサイコシスの実験に巻き込まれて眷属にされて魔族化した。それが力を得て邪神となったのだ。元々の力の源が魔族由来ゆえに邪神なのである。性格は関係ないのである。まあ、悪戯好きだったので、余計に邪神認定されたようだったが……。
そんなフェリスも今や、古龍から親友と呼ばれる上に、聖女マイオリーに認められている存在となっている。フェリスメルにいたっては『天使様』と言って崇めるくらいだ。世の中、何が起こるのかよく分からないのである。
「そうやって言われますと、フェリスメルってすごい場所なのですね」
「まあそういう事になるのう。特殊な邪神が二人住んでいる上に、他にも邪神が住んでおるからな。それでいてこの上なく平和じゃからのう。まあ、わしらがフェリスのこの性格に影響されたのも大きいじゃろうな」
マイオリーの感想に、ドラコも改めて痛感しているようである。
「ご主人様たちの住まわれる場所ですか? 興味がありますね!」
その話を聞いていた魔物たちが、ものすごく興味を示して目を輝かせている。
「興味あるのはいいけど、あなたたちは連れていけないからね」
「分かっています。ただ興味があるだけですし、ご主人様を困らせるわけにはいきません!」
魔物たちは揃いも揃って、代表して喋った魔物の言葉に頷いている。聞き分けが良すぎる。
それにしても、どうしてこの魔物たちは言葉を喋れるようになったのだろうか。
実は、それもフェリスの魔力の影響なのである。サイコシスの下でフェリスが喋れるようになったのと同じ原理だった。眷属化すると主人の影響を少なからず受ける。それが、この魔物たちが言葉を喋るようになった原因なのである。ちなみに詳しい原理は今も不明である。
「まあ、こやつらがおとなしくしているのなら、そんなに問題は起きんじゃろうな。ただ、ここらへやって来る連中と何かしら問題が起きかねんから、ここの事は冒険者組合とかに報告はしておいた方がいいじゃろうのう」
「ええ、そうですね。何も知らない人からすれば、喋れるとはいってもただの魔物ですのものね」
なかなかオピスが目を覚まさないために、フェリスたちは今後の対応をいろいろと話し合っていた。その結果、この魔物たちの事は冒険者組合に報告しておく事になった。
それに際して、この魔物の群れから代表者を選んで街に出向いてもらう事になった。人間たちとの取り次ぎ役というわけだ。
すると、魔物たちは一斉にとある人物に視線を向ける事となった。
「お前たち、本当にこやつでいいのか?」
ドラコは確認をする。すると、魔物たちはこくりと頷いていた。
なんと、魔物たちが示した人物は、他ならぬオピスだった。話によれば、先程の融合の際に、魔物たちはオピスの心を知ったのだ。酷い目に確かに遭わされはしたものの、その心を知った魔物たちはオピスの事を放っておけないと思ったようなのである。ここまで魔物たちの気持ちが一致してしまうと、フェリスたちにはもう何も言う事はできなかった。当事者である魔物たち自身が納得しているのだから。
魔物たちとの間で話が終わり、先程の戦いで命を散らした魔物を弔ったフェリスたち。
ようやく事態が落ち着いたその時だった。
「う……ん……」
ようやくオピスの意識が戻ったようである。
「ようやく起きたのね。このお騒がせ蛇女!」
フェリスが一目散に駆け寄って、オピスの両頬をペシペシと往復ビンタである。
「痛い痛い……。な、何するのよ、フェリス!」
がばっと起き抜けるオピスだったが、急に立ち上がったので立ち眩みを起こしていた。
元気な様子にひと安心したフェリスたちだったが、話自体はここからが本番なのである。
急激に力を解放した反動なのか、まだオピスは目を覚まさない。すーすーという音が聞こえているので、生きているようではあった。
「とりあえず、オピスは起きたら説教するとして……」
こう言いながら、フェリスは周りに集まるかなりの数の魔物たちを眺めている。
「どう致しましょうかね、フェリス様。この子は私とラータで責任を持って預かりますが、さすがにこの数の魔物を連れて帰るわけにはいきませんでしょう?」
マイオリーが同じように魔物を見渡しながら、魔物たちの処遇を尋ねている。
「それじゃのう……。フェリスの魔力の影響を受けたとなると、将来的にはルディのような者が出てこんとも限らんが、そればかりは無理じゃな」
「確かにそうよね」
「あら、ルディ様も邪神ではなかったのですか?」
ドラコとフェリスのやり取りに、マイオリーは首を傾げている。
「あやつは元々魔物じゃ。魔物から魔族を経て邪神となったラータたちとは違い、魔物のまま邪神となった稀有な奴なんじゃよ」
「はあ~……、そうなのですね」
ドラコの説明を聞いて、マイオリーはいまいちピンと来ていないようだった。
それも仕方のない事だろう。人間からしてみれば、経緯はどうあれ邪神には変わりはないのだから。
だが、それを思うとフェリスもなかなかに特殊な邪神と言える。
フェリスは元々はただの白猫だった。それがサイコシスの実験に巻き込まれて眷属にされて魔族化した。それが力を得て邪神となったのだ。元々の力の源が魔族由来ゆえに邪神なのである。性格は関係ないのである。まあ、悪戯好きだったので、余計に邪神認定されたようだったが……。
そんなフェリスも今や、古龍から親友と呼ばれる上に、聖女マイオリーに認められている存在となっている。フェリスメルにいたっては『天使様』と言って崇めるくらいだ。世の中、何が起こるのかよく分からないのである。
「そうやって言われますと、フェリスメルってすごい場所なのですね」
「まあそういう事になるのう。特殊な邪神が二人住んでいる上に、他にも邪神が住んでおるからな。それでいてこの上なく平和じゃからのう。まあ、わしらがフェリスのこの性格に影響されたのも大きいじゃろうな」
マイオリーの感想に、ドラコも改めて痛感しているようである。
「ご主人様たちの住まわれる場所ですか? 興味がありますね!」
その話を聞いていた魔物たちが、ものすごく興味を示して目を輝かせている。
「興味あるのはいいけど、あなたたちは連れていけないからね」
「分かっています。ただ興味があるだけですし、ご主人様を困らせるわけにはいきません!」
魔物たちは揃いも揃って、代表して喋った魔物の言葉に頷いている。聞き分けが良すぎる。
それにしても、どうしてこの魔物たちは言葉を喋れるようになったのだろうか。
実は、それもフェリスの魔力の影響なのである。サイコシスの下でフェリスが喋れるようになったのと同じ原理だった。眷属化すると主人の影響を少なからず受ける。それが、この魔物たちが言葉を喋るようになった原因なのである。ちなみに詳しい原理は今も不明である。
「まあ、こやつらがおとなしくしているのなら、そんなに問題は起きんじゃろうな。ただ、ここらへやって来る連中と何かしら問題が起きかねんから、ここの事は冒険者組合とかに報告はしておいた方がいいじゃろうのう」
「ええ、そうですね。何も知らない人からすれば、喋れるとはいってもただの魔物ですのものね」
なかなかオピスが目を覚まさないために、フェリスたちは今後の対応をいろいろと話し合っていた。その結果、この魔物たちの事は冒険者組合に報告しておく事になった。
それに際して、この魔物の群れから代表者を選んで街に出向いてもらう事になった。人間たちとの取り次ぎ役というわけだ。
すると、魔物たちは一斉にとある人物に視線を向ける事となった。
「お前たち、本当にこやつでいいのか?」
ドラコは確認をする。すると、魔物たちはこくりと頷いていた。
なんと、魔物たちが示した人物は、他ならぬオピスだった。話によれば、先程の融合の際に、魔物たちはオピスの心を知ったのだ。酷い目に確かに遭わされはしたものの、その心を知った魔物たちはオピスの事を放っておけないと思ったようなのである。ここまで魔物たちの気持ちが一致してしまうと、フェリスたちにはもう何も言う事はできなかった。当事者である魔物たち自身が納得しているのだから。
魔物たちとの間で話が終わり、先程の戦いで命を散らした魔物を弔ったフェリスたち。
ようやく事態が落ち着いたその時だった。
「う……ん……」
ようやくオピスの意識が戻ったようである。
「ようやく起きたのね。このお騒がせ蛇女!」
フェリスが一目散に駆け寄って、オピスの両頬をペシペシと往復ビンタである。
「痛い痛い……。な、何するのよ、フェリス!」
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