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第二部 王太子妃ゼリア
最終話
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あれから、7年は経っただろうか。
ビボーナ王国とショークア王国との間で活発な交流が行われている。その一方で、魔族領とも良好な関係を築いており、ビボーナの王都にはちらほらと魔族の姿も見えるようになっていた。
そして、ビボーナの城には、今日も元気な声が響き渡っている。
「お父様、お母様。見ていて下さい」
「はいはい、無理しないで下さいね。ゼレス」
「そうだぞ。けがをしたら、ゼリアが取り乱して泣き叫んでしまうぞ」
「もう、アレス様ったら」
ゼリアとアレスの間には、三人の子どもが生まれていた。一番上は今目の前で動いているそろそろ6歳になるゼレス。両親の名前から取ってつけたような単純な名前である。二番目はゼリアにくっ付いている4歳になる娘シルク。そして、末子はルチアに抱きかかえられているクルトという生まれて数か月の男の子だ。
人間とスライムという魔物の間だったので、どういう子どもが生まれるのか、そもそも子どもが産めるのかという心配があったが、結果は普通の子どもが生まれたのであった。しかも、ゼリアの魔法の腕前を引き継いでいるとの事らしい。この事には城の中は大騒ぎになったものである。今のゼレスがご機嫌なのは、魔法が使えた事に喜んでいるからというわけである。
こうなるのも無理はない。父親のアレスといい、その妹のカレンといい、身体強化くらいしか魔法は使えない。しかも無意識。意識して魔法が使えるのは、母親のゼリアの影響がとてつもなく大きいのだ。
アレスが20歳を超え、子どもも三人となった。なので、そろそろ父親である現国王から王位を譲られる事になっている。最近はそのせいで、城も王都も少々賑やかになってきている。
「ぷるぷる、ゼリア様。ココア様からの連絡」
シルクの頭に乗る茶色いスライムが、伝言があると伝えてくる。シルクに懐いているスライムは、ジョーボクのダーティスライム・ココアの分体の1体で、シルクの眷属となったスライム。名前はチョコである。
「アレス様の戴冠に際して、ジョーボクの上質な特産を送らせてもらう、との事です」
「あらあら、ココアったら気を遣ってくれているのね。お礼を伝えておいて」
ゼリアが撫でてあげると、チョコはもちろん、乗っかられているシルクまで喜んでいる。ゼリア自身もココアと念話はできるが、ここはチョコが仲介したのでチョコに任せるのだ。
(ジョーボクといえば、肉に卵、チーズもあったわね。あとは羊毛かしら……)
ゼリアはココアが送ってくる品物に思いを馳せた。ゼリアがトリップしていると、目の前でボンという音が響く。どうやらゼレスが魔法を使ったようである。
「驚いたな、火の魔法か、今のは」
「そうですね。意外と制御もできているようですし、これは将来が楽しみですね」
アレスもゼリアも、ゼレスの才能に驚き、楽しみを感じていた。
「ママ、あたしも……」
不意にシルクがゼリアのスカートを引っ張る。ゼリアが振り向いた次の瞬間、驚くべき光景が広がる。
「まあ……、シルクったら」
べろんちょと、シルクの姿が淡い黄色のスライムへと変わっていった。頭に乗っていたチョコは嬉しそうに体をこすりつけている。
「ママ、あたしもスライム、なれるよ」
「おいおい、これは驚いたな。そういえばゼリアはアサシンスライムだったな」
「アレス様、忘れてらしたんですか? という私も、長らく人間の姿でいましたので、たまに忘れかけますけれどね」
アレスの反応に怒ろうとしたゼリアだったが、自分もうっかりしていたので怒るに怒れなかった。
もごもごと動いていたシルクだったが、どうにも様子がおかしい。
「シルク? もしかして人型に戻れないのでは?」
「うーん、難しい」
やっぱりだった。なれる事を知っているのだから初めてではないのだろう。ただ、戻る方が不安定のようである。今日は人の姿で現れたのだから、その時はどうにか戻れたのだろう。
「アレス様、ゼレスの事を頼みます。私はシルクの面倒を見ますので」
「分かった」
ゼリアはシルクを抱きかかえると近くの部屋の中へと駆け込んだ。その後、ゼリアの指導でどうにか変身を安定させられるようにシルクだったが、ちょびっと怒られていた。
それからそれなりに経ったある日、いよいよアレスの戴冠式の日を迎えた。この日をもって、ゼリアも王太子妃から王妃へと立場が変わる。
この日ばかりは国の貴族だけではなく、ショークア王国や魔族領からも来賓が訪れている。ショークアの国王夫妻だけではなく、リョブクにキャンディとガムも来ている。魔族領からは魔王とカレン、それにグミも来ている。なんとも賑やかなメンバーだ。
この譲位についてはいろいろ意見は出されたのだが、魔族領などの功績があるために象徴としてふさわしいとの意見が大勢を占め、今回の譲位が実現したのである。当分の間は実務としてはアレスの父親である前国王が担当する事になる。まだ50代にもなっていないので、まだまだ現役でいられそうだ。
アレスの戴冠式は、国賓など重要な人物が見守る中、厳かに行われた。アレスに王冠、王笏、それとマントが送られ、正式に国王として任命された。同時に、ゼリアにもベール付きの王冠とアレスのものより尺の短い王笏が送られ、こちらも正式に王妃として認められた。
式典が終わると、惜しみない拍手に守られながら二人は王城のバルコニーへと歩み出る。その視線の先には、特別に入場を認められた庭に王都の民がお祝いのために集まっていた。歓声と拍手を送られ、アレスとゼリアは手を振る。
こうして、魔物のアサシンスライムであるゼリアは、一国の王妃になったのだった。
思えばきっかけは王女の暗殺(未遂)だった。あれこれあって、今ではまさかの王妃である。本当に世の中どうなるのか分からない。ただゼリアはこう思っている。
(この幸せが、ずっと続きますように)
― スライム姉妹の受難・完 ―
ビボーナ王国とショークア王国との間で活発な交流が行われている。その一方で、魔族領とも良好な関係を築いており、ビボーナの王都にはちらほらと魔族の姿も見えるようになっていた。
そして、ビボーナの城には、今日も元気な声が響き渡っている。
「お父様、お母様。見ていて下さい」
「はいはい、無理しないで下さいね。ゼレス」
「そうだぞ。けがをしたら、ゼリアが取り乱して泣き叫んでしまうぞ」
「もう、アレス様ったら」
ゼリアとアレスの間には、三人の子どもが生まれていた。一番上は今目の前で動いているそろそろ6歳になるゼレス。両親の名前から取ってつけたような単純な名前である。二番目はゼリアにくっ付いている4歳になる娘シルク。そして、末子はルチアに抱きかかえられているクルトという生まれて数か月の男の子だ。
人間とスライムという魔物の間だったので、どういう子どもが生まれるのか、そもそも子どもが産めるのかという心配があったが、結果は普通の子どもが生まれたのであった。しかも、ゼリアの魔法の腕前を引き継いでいるとの事らしい。この事には城の中は大騒ぎになったものである。今のゼレスがご機嫌なのは、魔法が使えた事に喜んでいるからというわけである。
こうなるのも無理はない。父親のアレスといい、その妹のカレンといい、身体強化くらいしか魔法は使えない。しかも無意識。意識して魔法が使えるのは、母親のゼリアの影響がとてつもなく大きいのだ。
アレスが20歳を超え、子どもも三人となった。なので、そろそろ父親である現国王から王位を譲られる事になっている。最近はそのせいで、城も王都も少々賑やかになってきている。
「ぷるぷる、ゼリア様。ココア様からの連絡」
シルクの頭に乗る茶色いスライムが、伝言があると伝えてくる。シルクに懐いているスライムは、ジョーボクのダーティスライム・ココアの分体の1体で、シルクの眷属となったスライム。名前はチョコである。
「アレス様の戴冠に際して、ジョーボクの上質な特産を送らせてもらう、との事です」
「あらあら、ココアったら気を遣ってくれているのね。お礼を伝えておいて」
ゼリアが撫でてあげると、チョコはもちろん、乗っかられているシルクまで喜んでいる。ゼリア自身もココアと念話はできるが、ここはチョコが仲介したのでチョコに任せるのだ。
(ジョーボクといえば、肉に卵、チーズもあったわね。あとは羊毛かしら……)
ゼリアはココアが送ってくる品物に思いを馳せた。ゼリアがトリップしていると、目の前でボンという音が響く。どうやらゼレスが魔法を使ったようである。
「驚いたな、火の魔法か、今のは」
「そうですね。意外と制御もできているようですし、これは将来が楽しみですね」
アレスもゼリアも、ゼレスの才能に驚き、楽しみを感じていた。
「ママ、あたしも……」
不意にシルクがゼリアのスカートを引っ張る。ゼリアが振り向いた次の瞬間、驚くべき光景が広がる。
「まあ……、シルクったら」
べろんちょと、シルクの姿が淡い黄色のスライムへと変わっていった。頭に乗っていたチョコは嬉しそうに体をこすりつけている。
「ママ、あたしもスライム、なれるよ」
「おいおい、これは驚いたな。そういえばゼリアはアサシンスライムだったな」
「アレス様、忘れてらしたんですか? という私も、長らく人間の姿でいましたので、たまに忘れかけますけれどね」
アレスの反応に怒ろうとしたゼリアだったが、自分もうっかりしていたので怒るに怒れなかった。
もごもごと動いていたシルクだったが、どうにも様子がおかしい。
「シルク? もしかして人型に戻れないのでは?」
「うーん、難しい」
やっぱりだった。なれる事を知っているのだから初めてではないのだろう。ただ、戻る方が不安定のようである。今日は人の姿で現れたのだから、その時はどうにか戻れたのだろう。
「アレス様、ゼレスの事を頼みます。私はシルクの面倒を見ますので」
「分かった」
ゼリアはシルクを抱きかかえると近くの部屋の中へと駆け込んだ。その後、ゼリアの指導でどうにか変身を安定させられるようにシルクだったが、ちょびっと怒られていた。
それからそれなりに経ったある日、いよいよアレスの戴冠式の日を迎えた。この日をもって、ゼリアも王太子妃から王妃へと立場が変わる。
この日ばかりは国の貴族だけではなく、ショークア王国や魔族領からも来賓が訪れている。ショークアの国王夫妻だけではなく、リョブクにキャンディとガムも来ている。魔族領からは魔王とカレン、それにグミも来ている。なんとも賑やかなメンバーだ。
この譲位についてはいろいろ意見は出されたのだが、魔族領などの功績があるために象徴としてふさわしいとの意見が大勢を占め、今回の譲位が実現したのである。当分の間は実務としてはアレスの父親である前国王が担当する事になる。まだ50代にもなっていないので、まだまだ現役でいられそうだ。
アレスの戴冠式は、国賓など重要な人物が見守る中、厳かに行われた。アレスに王冠、王笏、それとマントが送られ、正式に国王として任命された。同時に、ゼリアにもベール付きの王冠とアレスのものより尺の短い王笏が送られ、こちらも正式に王妃として認められた。
式典が終わると、惜しみない拍手に守られながら二人は王城のバルコニーへと歩み出る。その視線の先には、特別に入場を認められた庭に王都の民がお祝いのために集まっていた。歓声と拍手を送られ、アレスとゼリアは手を振る。
こうして、魔物のアサシンスライムであるゼリアは、一国の王妃になったのだった。
思えばきっかけは王女の暗殺(未遂)だった。あれこれあって、今ではまさかの王妃である。本当に世の中どうなるのか分からない。ただゼリアはこう思っている。
(この幸せが、ずっと続きますように)
― スライム姉妹の受難・完 ―
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