36 / 139
第二章『西の都へ』
区切りの時
しおりを挟む
夜が明けて、朝を迎える。
ルナルはギルドの厨房に立って、鼻歌を歌いながら朝食を作っている。さすがにハンター生活が長くなってきたせいか、料理を作れるくらいにはなっているのだ。
そのルナルの傍らには、ミーアがちょこまかと動いながらルナルを手伝っている。ミーアの顔は満面の笑みにあふれていて、ルナルの手伝いができている事をものすごく喜んでいるようだった。
「ルナル様が料理だなんて、意外ですにゃ。しかも嬉しそうにゃ」
「ハンターを始めてからというもの、自分で料理しなければなりませんでしたからね。最初は失敗も多かったですが、今ではこの通りでして楽しいんですよ」
「ほえ~。そうなのですにゃ」
ルナルが手際よく調理をする横で、ミーアも負けじと下ごしらえをしている。さすがにメイドとしては負けられないらしい。
「おっ、いい匂いじゃねえか」
厨房にマスターが入ってきた。
「おはようございます、マスター。今はまだ作ってますので、もうちょっと待っててくれませんか?」
調理で手が離せないルナルだが、挨拶だけはしておく。
「おう、ルナルが朝食作るのは久しぶりだな。そいつは楽しみにしておくとしようか」
「では、マスター。待っている間にセインとルルちゃんを起こしてきてくれませんか」
「おう、任せておけ」
マスターはそう言って、楽しそうに厨房を出ていった。
しばらくすると、マスターがセインとルルを連れて酒場へと顔を出す。そこでセインとルルは、目の前の光景にびっくりして完全に目を覚ました。
なぜなら、そこにはこれでもかというくらいの量の料理が並べられていたからだ。
「なっ、何なんだ、この量は?!」
「ふえぇぇ……、食べ切れませんよぉ……」
まずは量に対しての感想しか出てこない二人。そして、
「なあ、これってもしかしてルナルが作ったのか?」
セインは料理を指差しながら、ルナルに確認する。
「そうですよ。ミーアも手伝ってくれましたが、大体私が作りましたね。料理だってハンターには必要なスキルです。たとえ材料が変なものであっても、おいしく作ってみせますよ」
ルナルはドヤ顔を決めて胸を張っている。
「いや、さすがに無理なやつもあるだろうが」
珍しくマスターが冷静にツッコミを入れている。
「さすがルナル様、すごいです!」
ルルにいたっては胸の前で両手の拳を握って、目を輝かせながらルナルを見ていた。憧れが凄い。
このやり取りの間も厨房スタッフの手によって、酒場一杯に料理の配膳が行われていた。
さて、なぜこんなにたくさんの量の料理が振る舞われているのか。それには理由があった。
「あー、食べながらでいい。みんな聞いてくれ」
マスターが声を張り上げている。よく見ると、酒場の中には朝早くだというのにアルファガドのメンバーが大勢集まっていた。居ないのはちょうど依頼を受けて出払っている連中くらいである。
「朝早くから集まってもらったのには理由がある。つい昨日の事だが、ギルド宛てにこのような通達が届いたんだ」
どうやら重要なお知らせがあり、それに伴ってギルドメンバーを集めたからのようである。
そして、マスターが1枚の紙を取り出して広げて見せている。そこにはこう書かれていた。
『来たる決戦に向けて、近く魔王に対する作戦会議を行う』
なんと、魔王との対決に向けた話し合いが行われるらしい。この通達には酒場の中が一気に騒がしくなった。
「もうそろそろ魔王の宣告より3か月が経とうとしている。魔族たちの活動が活発化している現状を鑑みても、早急に対策を講じる必要性が出てきたという事だ。そのための会議を各国首脳が集まってイプセルタで行うとの事らしい」
どうやら、魔族たちが暴れまくっているせいで、その被害にどの国も頭を痛めているようなのだ。そこで、いつ全面戦争に突入してもいいようにと、人間たちの力を集結させるために話し合いの場を設けるというわけである。光栄な事に、その重要な会議の場にアルファガドも招集が掛かったのだ。所属ハンターたちの活躍がそれだけ認められているというわけである。
「日程だが、会議は今から10日後に行われるそうだ」
「ふーむ。だが、さすがにギルド全員が参加するというわけにはいかないだろう?」
スードが確認を取る。
「もちろん、そうなるな。大体どこも国王と大臣レベルだろうからな」
「じゃあ、誰が参加するというわけだ?」
「俺とルナルの二人で行こうと思う」
マスターがはっきりと言うと、誰からも反対意見は出なかった。マスターはギルドのマスターだし、ルナルはギルド内でも活躍はトップクラスの実績なのだから。
「そういう事なら、仕方ないですね」
ルナルもしょうがないと了承する。
ただ『対魔王の作戦会議に魔王自身が参加する』という状況は奇妙としか言いようがない。正直、マスターの事だから何か妙な事を企んでいそうではあった。だけれども、反発するような状況ではないので、ルナルは了承したのである。
「よし、それなら決まりだな。俺が居ない間、ギルドの事はナタリーに任せるぞ」
「あいよ、任せておきな」
マスターの言葉に、厨房でミーアと一緒に片づけをしている女性が返事をする。
「うむ、ナタリーなら安心だな」
スードたちも納得して頷いていた。
「私は、ミーアの方がむしろ問題だと思うけど?」
「ルナル様ーっ! ミーアなら大丈夫ですにゃー、ルナル様のために頑張りますにゃーっ!」
ルナルが心配の声を上げると、厨房からはミーアの元気な返事が響き渡ったのだった。
会議が終わると、朝食を終えたメンバーたちがそれぞれに散っていく。
そんな中、マスターがルナルに声を掛ける。
「ルナル、ちょっといいか?」
「何ですか、マスター」
「実はな、日数的には厳しいと思うんだが、ルナルにはセインを連れてこの場所に行ってもらいたい。向こうからのご指名が入っちまった以上、断るのも無理そうなんでな」
そう言いながら、マスターはさっきとは違う封書を取り出して、ルナルに渡したのだった。
ルナルはギルドの厨房に立って、鼻歌を歌いながら朝食を作っている。さすがにハンター生活が長くなってきたせいか、料理を作れるくらいにはなっているのだ。
そのルナルの傍らには、ミーアがちょこまかと動いながらルナルを手伝っている。ミーアの顔は満面の笑みにあふれていて、ルナルの手伝いができている事をものすごく喜んでいるようだった。
「ルナル様が料理だなんて、意外ですにゃ。しかも嬉しそうにゃ」
「ハンターを始めてからというもの、自分で料理しなければなりませんでしたからね。最初は失敗も多かったですが、今ではこの通りでして楽しいんですよ」
「ほえ~。そうなのですにゃ」
ルナルが手際よく調理をする横で、ミーアも負けじと下ごしらえをしている。さすがにメイドとしては負けられないらしい。
「おっ、いい匂いじゃねえか」
厨房にマスターが入ってきた。
「おはようございます、マスター。今はまだ作ってますので、もうちょっと待っててくれませんか?」
調理で手が離せないルナルだが、挨拶だけはしておく。
「おう、ルナルが朝食作るのは久しぶりだな。そいつは楽しみにしておくとしようか」
「では、マスター。待っている間にセインとルルちゃんを起こしてきてくれませんか」
「おう、任せておけ」
マスターはそう言って、楽しそうに厨房を出ていった。
しばらくすると、マスターがセインとルルを連れて酒場へと顔を出す。そこでセインとルルは、目の前の光景にびっくりして完全に目を覚ました。
なぜなら、そこにはこれでもかというくらいの量の料理が並べられていたからだ。
「なっ、何なんだ、この量は?!」
「ふえぇぇ……、食べ切れませんよぉ……」
まずは量に対しての感想しか出てこない二人。そして、
「なあ、これってもしかしてルナルが作ったのか?」
セインは料理を指差しながら、ルナルに確認する。
「そうですよ。ミーアも手伝ってくれましたが、大体私が作りましたね。料理だってハンターには必要なスキルです。たとえ材料が変なものであっても、おいしく作ってみせますよ」
ルナルはドヤ顔を決めて胸を張っている。
「いや、さすがに無理なやつもあるだろうが」
珍しくマスターが冷静にツッコミを入れている。
「さすがルナル様、すごいです!」
ルルにいたっては胸の前で両手の拳を握って、目を輝かせながらルナルを見ていた。憧れが凄い。
このやり取りの間も厨房スタッフの手によって、酒場一杯に料理の配膳が行われていた。
さて、なぜこんなにたくさんの量の料理が振る舞われているのか。それには理由があった。
「あー、食べながらでいい。みんな聞いてくれ」
マスターが声を張り上げている。よく見ると、酒場の中には朝早くだというのにアルファガドのメンバーが大勢集まっていた。居ないのはちょうど依頼を受けて出払っている連中くらいである。
「朝早くから集まってもらったのには理由がある。つい昨日の事だが、ギルド宛てにこのような通達が届いたんだ」
どうやら重要なお知らせがあり、それに伴ってギルドメンバーを集めたからのようである。
そして、マスターが1枚の紙を取り出して広げて見せている。そこにはこう書かれていた。
『来たる決戦に向けて、近く魔王に対する作戦会議を行う』
なんと、魔王との対決に向けた話し合いが行われるらしい。この通達には酒場の中が一気に騒がしくなった。
「もうそろそろ魔王の宣告より3か月が経とうとしている。魔族たちの活動が活発化している現状を鑑みても、早急に対策を講じる必要性が出てきたという事だ。そのための会議を各国首脳が集まってイプセルタで行うとの事らしい」
どうやら、魔族たちが暴れまくっているせいで、その被害にどの国も頭を痛めているようなのだ。そこで、いつ全面戦争に突入してもいいようにと、人間たちの力を集結させるために話し合いの場を設けるというわけである。光栄な事に、その重要な会議の場にアルファガドも招集が掛かったのだ。所属ハンターたちの活躍がそれだけ認められているというわけである。
「日程だが、会議は今から10日後に行われるそうだ」
「ふーむ。だが、さすがにギルド全員が参加するというわけにはいかないだろう?」
スードが確認を取る。
「もちろん、そうなるな。大体どこも国王と大臣レベルだろうからな」
「じゃあ、誰が参加するというわけだ?」
「俺とルナルの二人で行こうと思う」
マスターがはっきりと言うと、誰からも反対意見は出なかった。マスターはギルドのマスターだし、ルナルはギルド内でも活躍はトップクラスの実績なのだから。
「そういう事なら、仕方ないですね」
ルナルもしょうがないと了承する。
ただ『対魔王の作戦会議に魔王自身が参加する』という状況は奇妙としか言いようがない。正直、マスターの事だから何か妙な事を企んでいそうではあった。だけれども、反発するような状況ではないので、ルナルは了承したのである。
「よし、それなら決まりだな。俺が居ない間、ギルドの事はナタリーに任せるぞ」
「あいよ、任せておきな」
マスターの言葉に、厨房でミーアと一緒に片づけをしている女性が返事をする。
「うむ、ナタリーなら安心だな」
スードたちも納得して頷いていた。
「私は、ミーアの方がむしろ問題だと思うけど?」
「ルナル様ーっ! ミーアなら大丈夫ですにゃー、ルナル様のために頑張りますにゃーっ!」
ルナルが心配の声を上げると、厨房からはミーアの元気な返事が響き渡ったのだった。
会議が終わると、朝食を終えたメンバーたちがそれぞれに散っていく。
そんな中、マスターがルナルに声を掛ける。
「ルナル、ちょっといいか?」
「何ですか、マスター」
「実はな、日数的には厳しいと思うんだが、ルナルにはセインを連れてこの場所に行ってもらいたい。向こうからのご指名が入っちまった以上、断るのも無理そうなんでな」
そう言いながら、マスターはさっきとは違う封書を取り出して、ルナルに渡したのだった。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

【完結】元婚約者であって家族ではありません。もう赤の他人なんですよ?
つくも茄子
ファンタジー
私、ヘスティア・スタンリー公爵令嬢は今日長年の婚約者であったヴィラン・ヤルコポル伯爵子息と婚約解消をいたしました。理由?相手の不貞行為です。婿入りの分際で愛人を連れ込もうとしたのですから当然です。幼馴染で家族同然だった相手に裏切られてショックだというのに相手は斜め上の思考回路。は!?自分が次期公爵?何の冗談です?家から出て行かない?ここは私の家です!貴男はもう赤の他人なんです!
文句があるなら法廷で決着をつけようではありませんか!
結果は当然、公爵家の圧勝。ヤルコポル伯爵家は御家断絶で一家離散。主犯のヴィランは怪しい研究施設でモルモットとしいて短い生涯を終える……はずでした。なのに何故か薬の副作用で強靭化してしまった。化け物のような『力』を手にしたヴィランは王都を襲い私達一家もそのまま儚く……にはならなかった。
目を覚ましたら幼い自分の姿が……。
何故か十二歳に巻き戻っていたのです。
最悪な未来を回避するためにヴィランとの婚約解消を!と拳を握りしめるものの婚約は継続。仕方なくヴィランの再教育を伯爵家に依頼する事に。
そこから新たな事実が出てくるのですが……本当に婚約は解消できるのでしょうか?
他サイトにも公開中。

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

そして、アドレーヌは眠る。
緋島礼桜
ファンタジー
長く続いた大戦、それにより腐りきった大地と生命を『奇跡の力』で蘇らせ終戦へと導いた女王――アドレーヌ・エナ・リンクス。
彼女はその偉業と引き換えに長い眠りについてしまいました。彼女を称え、崇め、祀った人々は彼女の名が付けられた新たな王国を創りました。
眠り続けるアドレーヌ。そこに生きる者たちによって受け継がれていく物語―――そして、辿りつく真実と結末。
これは、およそ千年続いたアドレーヌ王国の、始まりと終わりの物語です。
*あらすじ*
~第一篇~
かつての大戦により鉄くずと化し投棄された負の遺産『兵器』を回収する者たち―――狩人(ハンター)。
それを生業とし、娘と共に旅をするアーサガ・トルトはその活躍ぶりから『漆黒の弾丸』と呼ばれていた。
そんな彼はとある噂を切っ掛けに、想い人と娘の絆が揺れ動くことになる―――。
~第二篇~
アドレーヌ女王の血を継ぐ王族エミレス・ノト・リンクス王女は王国東方の街ノーテルの屋敷で暮らしていた。
中肉中背、そばかすに見た目も地味…そんな引け目から人前を避けてきた彼女はある日、とある男性と出会う。
それが、彼女の過去と未来に関わる大切な恋愛となっていく―――。
~第三篇~
かつての反乱により一斉排除の対象とされ、長い年月虐げられ続けているイニム…ネフ族。
『ネフ狩り』と呼ばれる駆逐行為は隠れ里にて暮らしていた青年キ・シエの全てを奪っていった。
愛する者、腕、両目を失った彼は名も一族の誇りすらも捨て、復讐に呑まれていく―――。
~第四篇~
最南端の村で暮らすソラはいつものように兄のお使いに王都へ行った帰り、謎の男二人組に襲われる。
辛くも通りすがりの旅人に助けられるが、その男もまた全身黒尽くめに口紅を塗った奇抜な出で立ちで…。
この出会いをきっかけに彼女の日常は一変し歴史を覆すような大事件へと巻き込まれていく―――。
*
*2020年まで某サイトで投稿していたものですがサイト閉鎖に伴い、加筆修正して完結を目標に再投稿したいと思います。
*他小説家になろう、アルファポリスでも投稿しています。
*毎週、火曜日に更新を予定しています。

ボッチの少女は、精霊の加護をもらいました
星名 七緒
ファンタジー
身寄りのない少女が、異世界に飛ばされてしまいます。異世界でいろいろな人と出会い、料理を通して交流していくお話です。異世界で幸せを探して、がんばって生きていきます。
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

きっと幸せな異世界生活
スノウ
ファンタジー
神の手違いで日本人として15年間生きてきた倉本カノン。彼女は暴走トラックに轢かれて生死の境を彷徨い、魂の状態で女神のもとに喚ばれてしまう。女神の説明によれば、カノンは本来異世界レメイアで生まれるはずの魂であり、転生神の手違いで魂が入れ替わってしまっていたのだという。
そして、本来カノンとして日本で生まれるはずだった魂は異世界レメイアで生きており、カノンの事故とほぼ同時刻に真冬の川に転落して流され、仮死状態になっているという。
時を同じくして肉体から魂が離れようとしている2人の少女。2つの魂をあるべき器に戻せるたった一度のチャンスを神は見逃さず、実行に移すべく動き出すのだった。
異世界レメイアの女神メティスアメルの導きで新生活を送ることになったカノンの未来は…?
毎日12時頃に投稿します。
─────────────────
いいね、お気に入りをくださった方、どうもありがとうございます。
とても励みになります。

龍王の番〜双子の運命の分かれ道・人生が狂った者たちの結末〜
クラゲ散歩
ファンタジー
ある小さな村に、双子の女の子が生まれた。
生まれて間もない時に、いきなり家に誰かが入ってきた。高貴なオーラを身にまとった、龍国の王ザナが側近二人を連れ現れた。
母親の横で、お湯に入りスヤスヤと眠っている子に「この娘は、私の○○の番だ。名をアリサと名付けよ。
そして18歳になったら、私の妻として迎えよう。それまでは、不自由のないようにこちらで準備をする。」と言い残し去って行った。
それから〜18年後
約束通り。贈られてきた豪華な花嫁衣装に身を包み。
アリサと両親は、龍の背中に乗りこみ。
いざ〜龍国へ出発した。
あれれ?アリサと両親だけだと数が合わないよね??
確か双子だったよね?
もう一人の女の子は〜どうしたのよ〜!
物語に登場する人物達の視点です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる