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第一章『ハンター・ルナル』
ガンヌ街道にて
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カーン、カーン、カーン……。
朝から響き渡る金属を叩く音。そのうるさく甲高い音に、セインは目を覚ます。
「うん……、何だこの音は?」
セインは眠たい目をこすりながら、体を起こして音のする方向へと視線を向ける。すると、その視線を向けた先には、黙々とハンマーを振り上げて何かを叩くルナルの姿があった。
(ハンマー? ……そういえば、俺の剣を直すとか言ってたっけか)
しばらく金属を叩く音が響いていたかと思うと、突如その音が止んで、今度は水が沸騰する音が聞こえてきた。セインがまだ寝ぼける目でよく見てみると、水の中に剣を浸して冷ましていた。さらにその横には、ルナルが魔法で造ったと思われる真っ赤な光を放つ炉のようなものがあった。
しばらくして、剣を自ら取り出したルナルは、剣を動かしながらその状態を確認している。セインからはよく分からないが、ルナルが眺めるその剣からは錆びつきや刃こぼれがすっかり無くなっていた。
「この剣の修繕に適切な金属が手元にあったのは幸運ですね」
ルナルはそう言いながら、くるりとセインの方を振り返る。
「どうでしょうか。刃こぼれがあったせいもありますが、初心者だと思われるセインでも扱いやすいように、少し剣身を細めてみました。それを除けば、ほぼ元通りといったところです」
ルナルは汗だくの様子だが、しっかりとした笑顔でセインに話し掛けてきた。
「おはようございます。セイン、よく眠れましたか?」
起きてきた事に気付かれていたとは……。セインはその事に驚いて一瞬固まってしまい、返事がすぐに出なかった。
「あ、ああ。おかげさまでね。……ルナルって、もしかして一晩中起きて剣を直していたのか?」
「こほん、呼び捨ては感心できませんね」
セインの質問に、ルナルはまずは苦言を呈した。
「それはおいおい直すとしまして、質問に答えましょう。一晩中起きていたかという問いに関しては、その通りです」
ルナルは剣を膝の上に置いて、セインの質問に答える。その時、ルナルの表情が苦痛に歪んだように見えた。
「もしかして、剣が熱かったのか?」
その表情を見たセインが問い掛ける。
「え、ええ。ちゃんと冷ましたはずなんですが、まだ熱が残っていたようですね」
ルナルは冷や汗をかきながら、剣を鞘へとしまった。
「そして、剣を直していたのかという問いに対しても、そうだとしか言えませんね。ただ、剣の材質や状態をよく確認して、適切な方法を処置しなければなりませんでした。剣と相性の悪い方法で直すと、持ち味を殺してしまいますからね。その見極めに少々時間が掛かったわけです」
ルナルは立ち上がって、剣をセインへと突き出す。
「君は剣には不慣れなようです。その事を考慮して、先ほども言った通り、剣身を少し細めました。あのままでは剣の重さのせいで、剣を振り回すのではなく、剣に振り回されてしまいます。それと、代々伝わってきた剣なのですから、大事に扱って下さいね。剣が泣いてしまいますよ?」
「あ、ああ。気を付けるよ」
セインは剣を受け取りながら、ルナルの忠告を聞き入れた。
「さて、これから朝ご飯を作りますので、セインは試しに剣を振るってみて下さい。素振りだとしても剣に慣れておかなければ、いざという時に戦えませんからね」
「確かに、そうだな。剣を直してくれて、ありがとう……」
セインの口から出た不器用なお礼の言葉に、ルナルはつい微笑ましくなってしまった。そして、少しご機嫌な様子で、炉の火を調節してそのまま朝食のかまどに変えてしまった。
ルナルは朝食を準備しながら、セインの素振りの様子を確認している。しかしまぁ、その様子は予想に違わぬレベルでぎこちないものだった。腰が入っていないし、上半身だけで剣を振るっているようで、慣れていないどころが握った事すらなさそうなレベルだった。
(やれやれ、これはちょっと彼女の力を借りた方がよさそうですね)
ルナルはそんな事を思いながら、朝食の支度を続けたのだった。
朝食を食べている最中も、ルナルによるセインの観察は続けられていた。依頼に同行させる事になった以上、彼の状態を把握しておく必要があるからだ。そうやって見ていたルナルは、彼が剣に関してはずぶの素人だという事を確信してしまった。どんな風に評価しても、剣技のセンスを微塵も感じられなかったのだ。
(素人であったとしても、剣技に適性があればそれなりに動きに反映されるのですが、セインを見ている限り、そのような感じすらありません。これは、さすがの彼女でも相当に骨が折れるかも知れませんね)
正直、今現在のセインの剣の腕前は壊滅的なレベルだった。そのために、さすがのルナルも頭を抱えてしまった。
ルナルがそうやって思い悩んでいると、セインが突然、何かを思い出したかのようにルナルに声を掛けてきた。
「あっ、そうだ。ルナルの受けた依頼ってのは何なんだ?」
それは、ルナルの受けた依頼への質問だった。
「そうですね。同行するのですからお教えしましょう。実はこのガンヌ街道に、行商人などを襲うペンタホーンが出現しましてね。私が受けた依頼というのは、そのペンタホーンの討伐なんです」
「ペンタホーン?!」
依頼の内容を聞いたセインがもの凄く驚いている。
「はい。ペンタホーンは頭に5本の角が生えた馬の魔物です。おとなしい気性で知られている彼らが、どういうわけかガンヌ街道を行き交う馬車を襲い始めたのです。誰もが手を焼く上に、急ぎの依頼という事で、ちょうど手の空いていた私が受けたという次第なんですよ」
ルナルの説明を聞いたセインは、つい黙り込んでしまった。
「はっきり言って、かなり危険な依頼だと思われます。怖いと思ったのでしたら、今のうちに引き返す事をお勧めします」
そう話すルナルの表情は真剣だ。依頼である以上遊びではない。生半可な覚悟では命を落とすだけなのだ。
ところが、どういうわけかセインは怒ったようにルナルに言い返す。
「バカを言え! 地獄だろうがどこだろうかと言ったからには、望むところなんだよ!」
セインの目は本気である。正直、口だけかと思ったのだが、ここまで本気の目を見せられてしまっては、ルナルも止める気にはならなかった。
「……いい心意気ですね。でしたら、その覚悟をはっきりと見せて下さい」
「ああ、いいぜ。俺の覚悟を見せてやるよ」
しばらく面を向かわせて睨み合う二人。そして、どちらからともなく、堰を切ったように笑い出した。
「まったく、どこまでいっても失礼な人ですね」
ルナルはそう言って、ようやく広げっぱなしにしていた荷物を片付け始めた。
「そうそう、先輩としてのアドバイスなんですけれどね。相手の動きはよく見るようにして下さい。たまに追えない相手も居ますけれど、動きを見ていれば対処方法が分かるようになりますからね」
「分かった、覚えておく」
片付けを終えたルナルは、セインを連れてガンヌ街道を北上していく。目的地を目指す間、休息を入れながらセインに稽古をつけたルナルだったが、さすがに数日程度では成長がほぼ見込めなかった。
こうして、セインの剣の腕に不安しかない状態ながらも、ベティスを発って四日目の事、ペンタホーンの目撃証言の絶えない現場へと到着した。
(さて、さすがに付け焼刃の彼では、ペンタホーンの対処は難しい。彼は若いですから、なんとしても守り抜きませんとね)
ルナルがそう思って気合いを入れたその時だった。
ピリッとする奇妙な気配が近付いてくる様を感知するのだった。
朝から響き渡る金属を叩く音。そのうるさく甲高い音に、セインは目を覚ます。
「うん……、何だこの音は?」
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しばらくして、剣を自ら取り出したルナルは、剣を動かしながらその状態を確認している。セインからはよく分からないが、ルナルが眺めるその剣からは錆びつきや刃こぼれがすっかり無くなっていた。
「この剣の修繕に適切な金属が手元にあったのは幸運ですね」
ルナルはそう言いながら、くるりとセインの方を振り返る。
「どうでしょうか。刃こぼれがあったせいもありますが、初心者だと思われるセインでも扱いやすいように、少し剣身を細めてみました。それを除けば、ほぼ元通りといったところです」
ルナルは汗だくの様子だが、しっかりとした笑顔でセインに話し掛けてきた。
「おはようございます。セイン、よく眠れましたか?」
起きてきた事に気付かれていたとは……。セインはその事に驚いて一瞬固まってしまい、返事がすぐに出なかった。
「あ、ああ。おかげさまでね。……ルナルって、もしかして一晩中起きて剣を直していたのか?」
「こほん、呼び捨ては感心できませんね」
セインの質問に、ルナルはまずは苦言を呈した。
「それはおいおい直すとしまして、質問に答えましょう。一晩中起きていたかという問いに関しては、その通りです」
ルナルは剣を膝の上に置いて、セインの質問に答える。その時、ルナルの表情が苦痛に歪んだように見えた。
「もしかして、剣が熱かったのか?」
その表情を見たセインが問い掛ける。
「え、ええ。ちゃんと冷ましたはずなんですが、まだ熱が残っていたようですね」
ルナルは冷や汗をかきながら、剣を鞘へとしまった。
「そして、剣を直していたのかという問いに対しても、そうだとしか言えませんね。ただ、剣の材質や状態をよく確認して、適切な方法を処置しなければなりませんでした。剣と相性の悪い方法で直すと、持ち味を殺してしまいますからね。その見極めに少々時間が掛かったわけです」
ルナルは立ち上がって、剣をセインへと突き出す。
「君は剣には不慣れなようです。その事を考慮して、先ほども言った通り、剣身を少し細めました。あのままでは剣の重さのせいで、剣を振り回すのではなく、剣に振り回されてしまいます。それと、代々伝わってきた剣なのですから、大事に扱って下さいね。剣が泣いてしまいますよ?」
「あ、ああ。気を付けるよ」
セインは剣を受け取りながら、ルナルの忠告を聞き入れた。
「さて、これから朝ご飯を作りますので、セインは試しに剣を振るってみて下さい。素振りだとしても剣に慣れておかなければ、いざという時に戦えませんからね」
「確かに、そうだな。剣を直してくれて、ありがとう……」
セインの口から出た不器用なお礼の言葉に、ルナルはつい微笑ましくなってしまった。そして、少しご機嫌な様子で、炉の火を調節してそのまま朝食のかまどに変えてしまった。
ルナルは朝食を準備しながら、セインの素振りの様子を確認している。しかしまぁ、その様子は予想に違わぬレベルでぎこちないものだった。腰が入っていないし、上半身だけで剣を振るっているようで、慣れていないどころが握った事すらなさそうなレベルだった。
(やれやれ、これはちょっと彼女の力を借りた方がよさそうですね)
ルナルはそんな事を思いながら、朝食の支度を続けたのだった。
朝食を食べている最中も、ルナルによるセインの観察は続けられていた。依頼に同行させる事になった以上、彼の状態を把握しておく必要があるからだ。そうやって見ていたルナルは、彼が剣に関してはずぶの素人だという事を確信してしまった。どんな風に評価しても、剣技のセンスを微塵も感じられなかったのだ。
(素人であったとしても、剣技に適性があればそれなりに動きに反映されるのですが、セインを見ている限り、そのような感じすらありません。これは、さすがの彼女でも相当に骨が折れるかも知れませんね)
正直、今現在のセインの剣の腕前は壊滅的なレベルだった。そのために、さすがのルナルも頭を抱えてしまった。
ルナルがそうやって思い悩んでいると、セインが突然、何かを思い出したかのようにルナルに声を掛けてきた。
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それは、ルナルの受けた依頼への質問だった。
「そうですね。同行するのですからお教えしましょう。実はこのガンヌ街道に、行商人などを襲うペンタホーンが出現しましてね。私が受けた依頼というのは、そのペンタホーンの討伐なんです」
「ペンタホーン?!」
依頼の内容を聞いたセインがもの凄く驚いている。
「はい。ペンタホーンは頭に5本の角が生えた馬の魔物です。おとなしい気性で知られている彼らが、どういうわけかガンヌ街道を行き交う馬車を襲い始めたのです。誰もが手を焼く上に、急ぎの依頼という事で、ちょうど手の空いていた私が受けたという次第なんですよ」
ルナルの説明を聞いたセインは、つい黙り込んでしまった。
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そう話すルナルの表情は真剣だ。依頼である以上遊びではない。生半可な覚悟では命を落とすだけなのだ。
ところが、どういうわけかセインは怒ったようにルナルに言い返す。
「バカを言え! 地獄だろうがどこだろうかと言ったからには、望むところなんだよ!」
セインの目は本気である。正直、口だけかと思ったのだが、ここまで本気の目を見せられてしまっては、ルナルも止める気にはならなかった。
「……いい心意気ですね。でしたら、その覚悟をはっきりと見せて下さい」
「ああ、いいぜ。俺の覚悟を見せてやるよ」
しばらく面を向かわせて睨み合う二人。そして、どちらからともなく、堰を切ったように笑い出した。
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