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おまけ
番外編3 ビュフェ視点の振り返り
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私は南の街で商会を営むビュフェという者です。
近頃、なにやら街の食事に満足しないお客が出てくるようになってきて、首を傾げる毎日ですよ。
一部の冒険者から話を聞く事ができましたが、どうやら原因は北の魔界に最も近い街にあるようです。
とある日のこと、商業組合や他の商会の方々と話をする機会があり、その際に実地を見に行こうという話になりました。
当然ながら、私は気になるので参加を希望します。
この世界の食に満足できない私にとって、おいしさをの追及で後れを取るわけには参りません。その私の考えたレシピを超えるものを考えた人物は誰なのか、気になるのは当然でしょう。
私以外に組織のトップが参加した例はありませんでした。みなさん忙しいので分かりますが、危機感が足りなく思いました。
そんなメンバーとともに、私は魔界に最も近い北の街へと向かいます。
向かった北の街は、噂で聞いた通り、どんよりとした空が広がる薄暗く肌寒い街でした。暖かい南の街から来た私たちは、思わず身震いをしてしまいます。
距離があるとはいえ、ここまではっきりと空気が違うとは思いませんでしたね。
街に到着した私たちは、早速冒険者たちが口をそろえて名前を出す『ミルフィ』なる人物へと会いに行きます。
その人物に出会って早速驚かされます。
その原因はその見た目。どう見てもまだ子どもです。だというのに、彼女がまとうオーラときたら大人顔負けで、私たちに対しても堂々と振る舞っていました。
彼女が経営するというカフェというものに連れていかれた時も、凄まじい衝撃が待っていました。
壁の中を上下に移動して料理を運ぶエレベーターという設備。階段を昇り降りすることなく、料理などを安全に運ぶその設備には度肝を抜かれました。
私も宿屋という多層階の設備を経営しています。それゆえに、そのエレベーターなる設備にとても魅力を感じました。
ミルフィの持つレシピだけに飽き足らず、私はそのエレベーターなる設備を思わず欲してしまいます。
そして、熱意が通じたのかミルフィを南の街へと連れていくことに成功します。
成功した理由としては、私の熱意はもとより、ミルフィのおいしいへのこだわりが大きかったと思います。彼女は本当に世界中をおいしいで満たしたいという純粋な気持ちで動いているのです。
はっきりいって、そのミルフィの抱く気持には軽く嫉妬してしまいますね。私も同じような動機ではありますが、しょせんは商人なのです。儲けが出ないことにはやってられません。おいしいを純粋に追い求める彼女の姿は、とても眩しく映りましたね。
羨ましさと同時に、希望も感じました。きっと彼女は、世の中を大きく変える大きな存在になると。
私はそう思って、ミルフィを南の街まで連れていきました。
ところが、彼女はそれ以上に恐ろしい人物だったのです。
料理の腕もさることながら、ロックイーターリザードを倒した上に解体までしてきたと聞いた時は驚きましたね。しかも、冒険者登録をした翌日に4ランクアップなんて前代未聞ですよ。
どうやら、自分が連れてきた少女は規格外のとんでもない人物だったようだ。
まだ11歳と幼く、それでいて私をも凌駕する料理の腕前と商会の経営手腕。さらには強い魔物も一掃できる強さと解体できる器用な腕前。まったく、とんでもない人物と知り合ってしまったと思います。
ミルフィはしばらく南の街に滞在して、自分の商会を展開するようですし、これからも目が離せそうにないですね。
小さな少女がもたらす新しい風についつい期待を寄せながら、私は今日も自分の商会の仕事をこなしています。
近頃、なにやら街の食事に満足しないお客が出てくるようになってきて、首を傾げる毎日ですよ。
一部の冒険者から話を聞く事ができましたが、どうやら原因は北の魔界に最も近い街にあるようです。
とある日のこと、商業組合や他の商会の方々と話をする機会があり、その際に実地を見に行こうという話になりました。
当然ながら、私は気になるので参加を希望します。
この世界の食に満足できない私にとって、おいしさをの追及で後れを取るわけには参りません。その私の考えたレシピを超えるものを考えた人物は誰なのか、気になるのは当然でしょう。
私以外に組織のトップが参加した例はありませんでした。みなさん忙しいので分かりますが、危機感が足りなく思いました。
そんなメンバーとともに、私は魔界に最も近い北の街へと向かいます。
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距離があるとはいえ、ここまではっきりと空気が違うとは思いませんでしたね。
街に到着した私たちは、早速冒険者たちが口をそろえて名前を出す『ミルフィ』なる人物へと会いに行きます。
その人物に出会って早速驚かされます。
その原因はその見た目。どう見てもまだ子どもです。だというのに、彼女がまとうオーラときたら大人顔負けで、私たちに対しても堂々と振る舞っていました。
彼女が経営するというカフェというものに連れていかれた時も、凄まじい衝撃が待っていました。
壁の中を上下に移動して料理を運ぶエレベーターという設備。階段を昇り降りすることなく、料理などを安全に運ぶその設備には度肝を抜かれました。
私も宿屋という多層階の設備を経営しています。それゆえに、そのエレベーターなる設備にとても魅力を感じました。
ミルフィの持つレシピだけに飽き足らず、私はそのエレベーターなる設備を思わず欲してしまいます。
そして、熱意が通じたのかミルフィを南の街へと連れていくことに成功します。
成功した理由としては、私の熱意はもとより、ミルフィのおいしいへのこだわりが大きかったと思います。彼女は本当に世界中をおいしいで満たしたいという純粋な気持ちで動いているのです。
はっきりいって、そのミルフィの抱く気持には軽く嫉妬してしまいますね。私も同じような動機ではありますが、しょせんは商人なのです。儲けが出ないことにはやってられません。おいしいを純粋に追い求める彼女の姿は、とても眩しく映りましたね。
羨ましさと同時に、希望も感じました。きっと彼女は、世の中を大きく変える大きな存在になると。
私はそう思って、ミルフィを南の街まで連れていきました。
ところが、彼女はそれ以上に恐ろしい人物だったのです。
料理の腕もさることながら、ロックイーターリザードを倒した上に解体までしてきたと聞いた時は驚きましたね。しかも、冒険者登録をした翌日に4ランクアップなんて前代未聞ですよ。
どうやら、自分が連れてきた少女は規格外のとんでもない人物だったようだ。
まだ11歳と幼く、それでいて私をも凌駕する料理の腕前と商会の経営手腕。さらには強い魔物も一掃できる強さと解体できる器用な腕前。まったく、とんでもない人物と知り合ってしまったと思います。
ミルフィはしばらく南の街に滞在して、自分の商会を展開するようですし、これからも目が離せそうにないですね。
小さな少女がもたらす新しい風についつい期待を寄せながら、私は今日も自分の商会の仕事をこなしています。
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