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Mission000
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薄暗い空が広がっている。
ここはどこだろうか。辺り一面に崩れ落ちた石材が広がる光景が見える。その景色の中に、うつぶせに倒れた傷だらけの男性と、目を見開いたまま動かなくなっている女性の姿が見える。
やがて、空から雨粒が落ちてくる。ざーっと降る雨の中、男性は虚ろになる意識の中、何かを呟いている。
「どうして……、こうなってしまったのだろうか……。俺は、どこで間違えたというのだろうか」
かすかに動く唇は、そう言っているようにも見える。
まだわずかに動ける男性は、近くに倒れている女性へと手を伸ばして近付いていく。だが、すでに事切れているのだろうか、女性はまったく反応しない。
「すまな……かったな、俺に付き合わせて……。俺についてきてくれて、本当に……ありが……」
男性は力尽きたのか、手も顔もぱたりと地面に落ちてしまった。結局、最後まで言葉を紡ぎきれなかったようだ。
動かなくなった男女には、冷たい雨だけがすべてをかき消すように降り注いでいた。
◇
一転して、場所はどうやら病院のようだ。
ベッドには一人の老婆が横たわり、周りには医者と老婆の家族と思われる人物が立っていた。
「……午後7時43分、ご臨終です」
医師の淡々とした声が響く。
「いやぁっ! おばあちゃん!」
悲痛な女性の叫び声が病室に響く。
「……94歳まで生きたんだ、大往生だろうよ。悲しい気持ちも分かるが、時間も時間だ。少し抑えよう」
隣に立つ男性が一生懸命宥めている。しかし、その男性の目にも涙があふれていた。同じように泣きたいのだろうが、必死に抑えている。
見た目の年齢からして、おそらく孫夫婦だと思われる。それ以外にもだいぶ白髪の混ざった人物に幼い子ども、つまり老婆の子どもからひ孫までずらりと並んでいる。これだけ集まってもらえるのは、相当に慕われていた事が窺える。
その病室には、しばらくの間、老婆の死を悼む親類たちの涙が絶えなかった。
◇
「おんや、ここはどこかねぇ?」
亡くなったはずの老婆が、なにやら白い地面と青い空の続く場所に立っている。いくら周りを見回してみても、まったく同じ光景が続いていてなんとも殺風景である。
「ようこそ、織幡ありすさん」
どこからともなく聞こえた声に、老婆は顔を向けて反応する。すっかり耳も遠くなっていたと思ったが、はっきり鮮明に聞き取れた。
「……どちらさんですかねぇ?」
ありすは声の主に尋ねる。
「そうですね。私はあなた方の世界で言うところの『神』と呼ばれる存在です」
声の主は神と答えた。
「そうかい、神様かい。残念だねぇ、うちは仏教なんだよ」
「ははっ、そう来ましたか」
ありすの返しに、神は楽しそうに笑っている。
「神様っていうなら、二礼二拍手一礼をした方がいいのかい?」
「それは日本という国の神社の参拝方式ですね」
「おや、詳しいねぇ。なんだか親近感がわいたわい」
ありすと神は笑い合っている。
しばらく笑った後、落ち着いた神がありすに問い掛けてくる。
「ありすさん、心残りはありませんか?」
こう言われて、ありすもすんと笑顔が消える。
「……この年まで生きてきて、心残りがないかと言われたらそうでもない。ああしておけばよかったなんて事はたくさんあるさ」
ありすは空を見上げて呟く。そして、再び神の方へと目を向ける。
「じゃが、いろいろやりたい事をさせてもらったからの、これだけ生きられたなら満足じゃわい」
こう言い切るありすの顔は、実に満足に溢れている。
だが、神の顔はそれとは対照的だった。まるで本当は心残りがあるのではないかと尋ねているように見える。だが、ありすは無いと言わんばかりに微笑むばかりである。
ところが、神がとある物を取り出すと、アリスの表情が曇った。
「な、なぜ、それを持っているのかねぇ?」
ありすは目を細める。神が手に持つ物に見覚えがあるからだ。
「ずっとこれの事を悔やんでいたのではないのかね?」
「そ、それは……」
ありすが口ごもる。
「『機械仕掛けの魔法と運命の王子』、これに見覚えがあるだろう?」
神が手にしている物は、ありすがそこそこ若い頃、とはいっても退職後の暇つぶしに書いたものだが、その著書の中では最も売れた作品の本だった。
ありすは若い頃から機械技師として働いており、その時の知識と子どもや孫から聞いたファンタジー要素を取り入れた小説を書いていたのだ。その中でも出版社の目に留まり、書籍化やコミカライズ、果てはアニメ化までしたベストセラー。それが今、神が手にしている『機械仕掛けの魔法と運命の王子』という作品なのだ。
実際、神の言う通り、この作品には未練がある。
それはというと、この作品の中で、主人公たちに討たれて死んでしまう王子が居た。『ギルソン・アーディリオ・ファルーダン』、ファルーダン王国の第五王子である。
実は彼は、本来死ぬ予定ではなかったのだが、出版社の介入によってありすが考えた本来のストーリーから捻じ曲げられたのである。容姿がよかった彼は、その悲劇的な死によって人気キャラとなっていたのだが、正直ありすには受け入れられたものではなかった。そのせいで、いくつか賞を受章した際にも、ありすの顔には笑顔はなかったのである。その後、彼の生存ルートを執筆しようとしものの、何度も出版社から同人出版すら止められてしまい、結局書けずじまいに終わってしまったのだ。
「どうだろうか。この世界に行って、彼を救ってみる気はないかな?」
神からの提案は予想外なものだった。
「それは可能なのかい?」
ありすからの問い掛けに、神は黙って頷いた。
「そうだねぇ……。この年まで生きたとはいえ、そういう事が可能なら試してみたいものだねぇ」
ありすは数分間悩んだ。心残りをやり直せるなら過去に飛ぶという事も考えるが、正直地球での生活に未練はない。ならば、新しい世界で生きてみるのも面白いものである。
……ありすは決断した。
「そうだね。あの作品の事は最後まで心に引っ掛かっていたからね。できるのならば、よろしく頼むよ」
心が決まった途端、ありすに変化が起きていたのだが、本人は気付いていなかった。
「では、早速私の力でその世界に送ってあげよう。目を閉じてくれ」
「こ、こうかい?」
ありすが目を閉じる。すると、どんどんと閉じた視界すら真っ白に染まっていく。
「さぁ、ありす。君の力で捻じ曲げられた運命を正しておくれ!」
神の声が響くとともに、ありすの意識はそこでぷつりと途絶えた。
ここはどこだろうか。辺り一面に崩れ落ちた石材が広がる光景が見える。その景色の中に、うつぶせに倒れた傷だらけの男性と、目を見開いたまま動かなくなっている女性の姿が見える。
やがて、空から雨粒が落ちてくる。ざーっと降る雨の中、男性は虚ろになる意識の中、何かを呟いている。
「どうして……、こうなってしまったのだろうか……。俺は、どこで間違えたというのだろうか」
かすかに動く唇は、そう言っているようにも見える。
まだわずかに動ける男性は、近くに倒れている女性へと手を伸ばして近付いていく。だが、すでに事切れているのだろうか、女性はまったく反応しない。
「すまな……かったな、俺に付き合わせて……。俺についてきてくれて、本当に……ありが……」
男性は力尽きたのか、手も顔もぱたりと地面に落ちてしまった。結局、最後まで言葉を紡ぎきれなかったようだ。
動かなくなった男女には、冷たい雨だけがすべてをかき消すように降り注いでいた。
◇
一転して、場所はどうやら病院のようだ。
ベッドには一人の老婆が横たわり、周りには医者と老婆の家族と思われる人物が立っていた。
「……午後7時43分、ご臨終です」
医師の淡々とした声が響く。
「いやぁっ! おばあちゃん!」
悲痛な女性の叫び声が病室に響く。
「……94歳まで生きたんだ、大往生だろうよ。悲しい気持ちも分かるが、時間も時間だ。少し抑えよう」
隣に立つ男性が一生懸命宥めている。しかし、その男性の目にも涙があふれていた。同じように泣きたいのだろうが、必死に抑えている。
見た目の年齢からして、おそらく孫夫婦だと思われる。それ以外にもだいぶ白髪の混ざった人物に幼い子ども、つまり老婆の子どもからひ孫までずらりと並んでいる。これだけ集まってもらえるのは、相当に慕われていた事が窺える。
その病室には、しばらくの間、老婆の死を悼む親類たちの涙が絶えなかった。
◇
「おんや、ここはどこかねぇ?」
亡くなったはずの老婆が、なにやら白い地面と青い空の続く場所に立っている。いくら周りを見回してみても、まったく同じ光景が続いていてなんとも殺風景である。
「ようこそ、織幡ありすさん」
どこからともなく聞こえた声に、老婆は顔を向けて反応する。すっかり耳も遠くなっていたと思ったが、はっきり鮮明に聞き取れた。
「……どちらさんですかねぇ?」
ありすは声の主に尋ねる。
「そうですね。私はあなた方の世界で言うところの『神』と呼ばれる存在です」
声の主は神と答えた。
「そうかい、神様かい。残念だねぇ、うちは仏教なんだよ」
「ははっ、そう来ましたか」
ありすの返しに、神は楽しそうに笑っている。
「神様っていうなら、二礼二拍手一礼をした方がいいのかい?」
「それは日本という国の神社の参拝方式ですね」
「おや、詳しいねぇ。なんだか親近感がわいたわい」
ありすと神は笑い合っている。
しばらく笑った後、落ち着いた神がありすに問い掛けてくる。
「ありすさん、心残りはありませんか?」
こう言われて、ありすもすんと笑顔が消える。
「……この年まで生きてきて、心残りがないかと言われたらそうでもない。ああしておけばよかったなんて事はたくさんあるさ」
ありすは空を見上げて呟く。そして、再び神の方へと目を向ける。
「じゃが、いろいろやりたい事をさせてもらったからの、これだけ生きられたなら満足じゃわい」
こう言い切るありすの顔は、実に満足に溢れている。
だが、神の顔はそれとは対照的だった。まるで本当は心残りがあるのではないかと尋ねているように見える。だが、ありすは無いと言わんばかりに微笑むばかりである。
ところが、神がとある物を取り出すと、アリスの表情が曇った。
「な、なぜ、それを持っているのかねぇ?」
ありすは目を細める。神が手に持つ物に見覚えがあるからだ。
「ずっとこれの事を悔やんでいたのではないのかね?」
「そ、それは……」
ありすが口ごもる。
「『機械仕掛けの魔法と運命の王子』、これに見覚えがあるだろう?」
神が手にしている物は、ありすがそこそこ若い頃、とはいっても退職後の暇つぶしに書いたものだが、その著書の中では最も売れた作品の本だった。
ありすは若い頃から機械技師として働いており、その時の知識と子どもや孫から聞いたファンタジー要素を取り入れた小説を書いていたのだ。その中でも出版社の目に留まり、書籍化やコミカライズ、果てはアニメ化までしたベストセラー。それが今、神が手にしている『機械仕掛けの魔法と運命の王子』という作品なのだ。
実際、神の言う通り、この作品には未練がある。
それはというと、この作品の中で、主人公たちに討たれて死んでしまう王子が居た。『ギルソン・アーディリオ・ファルーダン』、ファルーダン王国の第五王子である。
実は彼は、本来死ぬ予定ではなかったのだが、出版社の介入によってありすが考えた本来のストーリーから捻じ曲げられたのである。容姿がよかった彼は、その悲劇的な死によって人気キャラとなっていたのだが、正直ありすには受け入れられたものではなかった。そのせいで、いくつか賞を受章した際にも、ありすの顔には笑顔はなかったのである。その後、彼の生存ルートを執筆しようとしものの、何度も出版社から同人出版すら止められてしまい、結局書けずじまいに終わってしまったのだ。
「どうだろうか。この世界に行って、彼を救ってみる気はないかな?」
神からの提案は予想外なものだった。
「それは可能なのかい?」
ありすからの問い掛けに、神は黙って頷いた。
「そうだねぇ……。この年まで生きたとはいえ、そういう事が可能なら試してみたいものだねぇ」
ありすは数分間悩んだ。心残りをやり直せるなら過去に飛ぶという事も考えるが、正直地球での生活に未練はない。ならば、新しい世界で生きてみるのも面白いものである。
……ありすは決断した。
「そうだね。あの作品の事は最後まで心に引っ掛かっていたからね。できるのならば、よろしく頼むよ」
心が決まった途端、ありすに変化が起きていたのだが、本人は気付いていなかった。
「では、早速私の力でその世界に送ってあげよう。目を閉じてくれ」
「こ、こうかい?」
ありすが目を閉じる。すると、どんどんと閉じた視界すら真っ白に染まっていく。
「さぁ、ありす。君の力で捻じ曲げられた運命を正しておくれ!」
神の声が響くとともに、ありすの意識はそこでぷつりと途絶えた。
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