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第106話 凍れる床の上で
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パステルピンクとグーレイが対峙する中、パステルシアン、パステルパープル、イエーロの三人は化け物と睨み合っている。グーレイの化け物はグーレイの怒りでパワーアップしているのか、いつもとはかなり雰囲気が違っている。
さて、今回の場所は森の上に展開された氷のフィールドだ。誰しもが未体験の場所ゆえに、攻撃を渋っているように見える。
「相手が動けないというのなら、わたくしたちの方に分がありますわね」
パステルパープルはそう言って、盾を小さくしてサイドから羽を出す。
「パステル・シールド・ブーメラン!」
思い切り投げられたイレーサーシールドは、化け物へと正確に投げられている。これも特訓のかいがあったというものだ。
「モノッ?!」
だが、化け物だって簡単にやられるような連中ではなかった。素早く反応してブーメランを躱す。そこへ狙いすましたかのようにパステルシアンが弓を構える。
「パステル・シュトローム・アロー!」
水の力をまとった蒼銀の矢が化け物目がけて飛んでいく。化け物はブーメランの回避でジャンプしているがゆえ、簡単にはこの矢は躱せないだろう。正確な軌道を描き、矢は化け物を捉える!
そう思ったのだが、
「モノ、トーンッ!!」
化け物は二体ともなめるなと言わんばかりに、パステルシアンの矢を弾いたのである。
「あれを防がれるの?!」
パステルシアンが驚きの声を上げるが、
「いえ、十分効果はあったわ」
イエーロが冷静だった。
そう化け物たちは体勢を崩していたのだ。化け物たちは受け身も取れず、そのまま氷の上に落下する。普通なら砕けそうな氷だが、さすがはパステルパープルの最大出力の氷だ。化け物があの勢いで落っこちてもひびすら入らなかった。
「モノッ!?」
氷の上に叩きつけられた化け物たちは、予想外な事にその場で痛みに転げ回っていた。
「それじゃ、私の番ねぇ」
イエーロはポージングを取っている。
「ぬぅんっ!」
そのまま飛びあげると、倒れ込む化け物一体に向けて渾身の拳を叩き込んだ。
「モ、モノォッ!?」
イエーロの拳は効果が抜群だ。なにせパステルパープルの氷は砕けない。硬い地面と渾身の拳に挟まれて、化け物へのダメージは計り知れず、五発くらい拳を打ち込むだけで化け物はダメージで動けなくなっていた。
「こいつの浄化は任せたわ~ん。あとはもう一体ねぇ」
イエーロは化け物を踏み台にすると、もう一体の方へ跳んでいく。
あまりのイエーロの拳の重さに、パステルパープルは唖然としていた。
「わ、私、あれで殴られた事、あるのよね……」
パステルシアンはイエーロに一歩的に攻撃された事を思い出して震えていた。地味にトラウマになっているようである。変身していたから無事だったようなものである。
「と、とにかく、化け物は浄化しますわよ」
パステルシアンの震え具合に青ざめるパステルパープルだったが、盾をパステルイレーサーの状態に戻して構える。
「冬の静寂に安らかに眠れ、ウィンター・アメジスト・コフィン!」
パステルパープルが浄化技を放ち、痙攣している化け物を包み込む。
「モ、モ、モノトーンッ!」
こうしてあっさりと一体は浄化されてしまった。
「さぁ、あなたもさっさと浄化されちゃいなさ~い!」
イエーロがもう一体に殴りかかる。手前に着地したイエーロだったが、氷に滑る事なく見事に踏ん張っている。
「気合いよぉっ!」
しっかりと踏ん張った状態で、ようやく体勢を立て直そうとした化け物に拳の雨をお見舞いするイエーロ。さすがは投降しても四天王一の筋肉。グーレイの生み出した化け物相手でも、その拳は砕けない。
「モノッ、モノッ、モノォッ?!」
一方的に殴られる化け物は、なんとも情けない声を上げている。しかし、もう一体のようにあっさり浄化されたくないのか、こちらは意地を見せている。
イエーロの拳を躱し、体勢を立て直している。だが、所詮は1対3だ。実力が近いのであれば、数の不利に置かれた時点で化け物にはもう勝ち目はなかった。
「パステル・シュトローム・アロー!」
本日二度目のパステルシアンの弓形態の技である。
「モノォッ!!」
化け物の膝に命中すると、体勢を崩してそのまま膝をつく。
「どっせいっ!」
そこへイエーロが全体重を乗せた拳を叩き込むと、化け物はそのまま頭から氷の地面にめり込んだ。
「もう一度ですわねっ! 冬の静寂に安らかに眠れ、ウィンター・アメジスト・コフィン!」
間髪入れずにパステルパープルの浄化技が炸裂すると、
「モ、モ、モノ、モノトーンッ!」
化け物は悔しさをにじませた様に断末魔の叫びを上げて、その姿をただの樹木へと戻していったのだった。
だが、ひと息吐く間もない。この間もパステルピンクはグーレイと1対1の戦いを繰り広げているのである。これまでの実力を思えば、パステルピンクが圧倒的に不利である事は間違いないはずだ。
化け物との戦いを済ませたパステルシアンたちは、すぐさまパステルピンクの元に駆けつける。そこで彼女たちが見た光景は予想外な展開を見せている二人の戦いだった。
さて、今回の場所は森の上に展開された氷のフィールドだ。誰しもが未体験の場所ゆえに、攻撃を渋っているように見える。
「相手が動けないというのなら、わたくしたちの方に分がありますわね」
パステルパープルはそう言って、盾を小さくしてサイドから羽を出す。
「パステル・シールド・ブーメラン!」
思い切り投げられたイレーサーシールドは、化け物へと正確に投げられている。これも特訓のかいがあったというものだ。
「モノッ?!」
だが、化け物だって簡単にやられるような連中ではなかった。素早く反応してブーメランを躱す。そこへ狙いすましたかのようにパステルシアンが弓を構える。
「パステル・シュトローム・アロー!」
水の力をまとった蒼銀の矢が化け物目がけて飛んでいく。化け物はブーメランの回避でジャンプしているがゆえ、簡単にはこの矢は躱せないだろう。正確な軌道を描き、矢は化け物を捉える!
そう思ったのだが、
「モノ、トーンッ!!」
化け物は二体ともなめるなと言わんばかりに、パステルシアンの矢を弾いたのである。
「あれを防がれるの?!」
パステルシアンが驚きの声を上げるが、
「いえ、十分効果はあったわ」
イエーロが冷静だった。
そう化け物たちは体勢を崩していたのだ。化け物たちは受け身も取れず、そのまま氷の上に落下する。普通なら砕けそうな氷だが、さすがはパステルパープルの最大出力の氷だ。化け物があの勢いで落っこちてもひびすら入らなかった。
「モノッ!?」
氷の上に叩きつけられた化け物たちは、予想外な事にその場で痛みに転げ回っていた。
「それじゃ、私の番ねぇ」
イエーロはポージングを取っている。
「ぬぅんっ!」
そのまま飛びあげると、倒れ込む化け物一体に向けて渾身の拳を叩き込んだ。
「モ、モノォッ!?」
イエーロの拳は効果が抜群だ。なにせパステルパープルの氷は砕けない。硬い地面と渾身の拳に挟まれて、化け物へのダメージは計り知れず、五発くらい拳を打ち込むだけで化け物はダメージで動けなくなっていた。
「こいつの浄化は任せたわ~ん。あとはもう一体ねぇ」
イエーロは化け物を踏み台にすると、もう一体の方へ跳んでいく。
あまりのイエーロの拳の重さに、パステルパープルは唖然としていた。
「わ、私、あれで殴られた事、あるのよね……」
パステルシアンはイエーロに一歩的に攻撃された事を思い出して震えていた。地味にトラウマになっているようである。変身していたから無事だったようなものである。
「と、とにかく、化け物は浄化しますわよ」
パステルシアンの震え具合に青ざめるパステルパープルだったが、盾をパステルイレーサーの状態に戻して構える。
「冬の静寂に安らかに眠れ、ウィンター・アメジスト・コフィン!」
パステルパープルが浄化技を放ち、痙攣している化け物を包み込む。
「モ、モ、モノトーンッ!」
こうしてあっさりと一体は浄化されてしまった。
「さぁ、あなたもさっさと浄化されちゃいなさ~い!」
イエーロがもう一体に殴りかかる。手前に着地したイエーロだったが、氷に滑る事なく見事に踏ん張っている。
「気合いよぉっ!」
しっかりと踏ん張った状態で、ようやく体勢を立て直そうとした化け物に拳の雨をお見舞いするイエーロ。さすがは投降しても四天王一の筋肉。グーレイの生み出した化け物相手でも、その拳は砕けない。
「モノッ、モノッ、モノォッ?!」
一方的に殴られる化け物は、なんとも情けない声を上げている。しかし、もう一体のようにあっさり浄化されたくないのか、こちらは意地を見せている。
イエーロの拳を躱し、体勢を立て直している。だが、所詮は1対3だ。実力が近いのであれば、数の不利に置かれた時点で化け物にはもう勝ち目はなかった。
「パステル・シュトローム・アロー!」
本日二度目のパステルシアンの弓形態の技である。
「モノォッ!!」
化け物の膝に命中すると、体勢を崩してそのまま膝をつく。
「どっせいっ!」
そこへイエーロが全体重を乗せた拳を叩き込むと、化け物はそのまま頭から氷の地面にめり込んだ。
「もう一度ですわねっ! 冬の静寂に安らかに眠れ、ウィンター・アメジスト・コフィン!」
間髪入れずにパステルパープルの浄化技が炸裂すると、
「モ、モ、モノ、モノトーンッ!」
化け物は悔しさをにじませた様に断末魔の叫びを上げて、その姿をただの樹木へと戻していったのだった。
だが、ひと息吐く間もない。この間もパステルピンクはグーレイと1対1の戦いを繰り広げているのである。これまでの実力を思えば、パステルピンクが圧倒的に不利である事は間違いないはずだ。
化け物との戦いを済ませたパステルシアンたちは、すぐさまパステルピンクの元に駆けつける。そこで彼女たちが見た光景は予想外な展開を見せている二人の戦いだった。
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