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第八章 3年生後半
第395話 モモの婚約者
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さてさて、モモの方はどうなったのかしらね。
家に戻った私は、ひとまずは服を着替える。
本来モモと私は友人設定だったんだけど、姉妹になっちゃったらなんかモモは結構私にべったりなのよねぇ。
そもそも最初からゲームとかけ離れちゃったし、もう今さらって感じだけどね。
ゲームでは友人、今は妹。立場が変わっても、モモは私にとっては大事な子だから、ちゃんと幸せになってもらわないとね。
夕食を前に父親が帰宅したので、私はどうなったのか確認をしてみることにした。
「お父様、どうでしたでしょうか」
「ああ、マリー。そうだな、私の部屋で話をしようか」
父親に尋ねるとそう返ってきたので、私は父親の書斎で話をする事にした。
「結果から言えば、モモとタカーの婚約の件は了承されたよ。宰相殿も、いい加減に相手を決めたがっていたようだからね」
「そうなんですね。よかった……」
父親からの報告を聞いて、私はひと安心だった。
「しかし、問題は本人たちだな。まぁ貴族の間では本人たちを無視して政略的に婚姻を結ぶという事は多いけれど、私としてはモモの事は気になるからな」
婚約を決めておきながら、父親はこんな事を言ってくる。私から言われてやったとはいえ、娘の事が気がかりになるいい父親だわね。
「それは、夕食の際にでも本人の反応を見てみましょうよ、お父様」
「ふむ、それもそうだな」
私が提案すると、父親もそれをすんなりと受け入れていた。はてさて、本人の反応はどうなのかしら。
父親の部屋を出た私は、ちょっと意地悪な顔で笑っていた。
夕食の時間になると、モモと母親も合流しての食事となる。
その食事がそこそこ進んだところで、父親が今日城であった事を話し始めた。
「モモ」
「なんでしょうか、お父様」
父親が話し掛けると、食べる手を止めてモモが反応する。きちんと父親に顔を向けているあたり、モモもしっかりとして令嬢だわ。
「実はだな、モモの婚約者が決定したんだ」
「まあ、そうなのですね」
父親が神妙な面持ちで話したものの、モモの方は意外と軽い反応をしていた。これには私も驚いたわよ。
「……驚かないんだな」
「ええ、お姉様からも言われておりましたし、そろそろお話があるかもと覚悟しておりましたから」
ああ、私のせいか。
父親の質問に返したモモの言葉で、私は自覚させられた。
「それで、その相手なのだが、宰相殿の息子であるタカー・ブロック侯爵令息だ」
「タカー様でございますか。それでしたら、謹んでお受け致します」
父親から告げられた名前に驚きながらも、モモはすんなりと婚約を受け入れていた。
「そうか。今度正式に顔合わせをしたいので、そのつもりでいてくれ」
「承知致しました」
意外とあっさりと婚約者の話は終わってしまった。モモもすっかり覚悟が決まっていたようだったわ。
私が安心したため息をついていると、モモが不意に視線を向けてくる。それに対して私は笑顔を返しておくと、モモも笑顔を返していた。うん、これは後でお話しなきゃいけないみたいだわ。
食事を終えた私は、モモと話を統べくモモの部屋を訪れる。
テーブルを囲んで座ると、モモはなぜかいきなり大きなため息をついていた。
「お姉様」
開口一番、私に呼び掛けてくる。
「何かしら、モモ」
とぼけたように返す私。
「婚約者の件、お姉様の仕業ですよね?」
(あら、ばれてるわ。さすがはモモ、私に関してはよく分かってるじゃないの)
口に出して言いたいところだけど、ひとまず思うだけにしておく私。さすがに大事な妹相手に煽るような真似はしないわよ。
「ええ、その通りよ。モモには幸せになってもらいからね」
「お姉様……」
私の気持ちを理解したのか、モモはしおらしくしていた。
「タカー様でしたら、モモも知らない方ではないですしね。宰相様のご子息ですし、しっかりされてるからモモも幸せになれると思いました。……モモは怒ってますか?」
私はモモに近付いて両手を取る。すると、泣きそうな顔をしながらモモは私の顔を見上げてきた・
「……ずるいですわ、お姉様。反論できないようにしてからそんな事を仰るなんて……」
「ごめんなさいね。でも、私がモモの幸せを思っているのは事実ですからね」
「お姉様」
涙目になりながら、モモが私に抱きついてきた。
私もモモを抱きしめて、そのまま頭を優しく撫でたのだった。
ひとまず、私とサキの将来が見えない中ではあるものの、周りの状況はしっかり固まりつつあった。
みんなが幸せになってくれないと、私は安心できないものね。
それにしても、私とサキは、フィレン王子とリブロ王子のどちらの婚約者になるのかしらね。よくもまあ、王家もここまで放置してくれたものだわ。
残り半年となった乙女ゲームの育成期間……じゃなかった学園生活。
もう終わりも近いというのに、いろいろと横道に逸れたせいでいまだに不透明なものが多すぎるわ。
はたして私たちは、満足のいく結末を迎えられるというのだろうか。まだまだ注意深く過ごさなければならないようだった。
家に戻った私は、ひとまずは服を着替える。
本来モモと私は友人設定だったんだけど、姉妹になっちゃったらなんかモモは結構私にべったりなのよねぇ。
そもそも最初からゲームとかけ離れちゃったし、もう今さらって感じだけどね。
ゲームでは友人、今は妹。立場が変わっても、モモは私にとっては大事な子だから、ちゃんと幸せになってもらわないとね。
夕食を前に父親が帰宅したので、私はどうなったのか確認をしてみることにした。
「お父様、どうでしたでしょうか」
「ああ、マリー。そうだな、私の部屋で話をしようか」
父親に尋ねるとそう返ってきたので、私は父親の書斎で話をする事にした。
「結果から言えば、モモとタカーの婚約の件は了承されたよ。宰相殿も、いい加減に相手を決めたがっていたようだからね」
「そうなんですね。よかった……」
父親からの報告を聞いて、私はひと安心だった。
「しかし、問題は本人たちだな。まぁ貴族の間では本人たちを無視して政略的に婚姻を結ぶという事は多いけれど、私としてはモモの事は気になるからな」
婚約を決めておきながら、父親はこんな事を言ってくる。私から言われてやったとはいえ、娘の事が気がかりになるいい父親だわね。
「それは、夕食の際にでも本人の反応を見てみましょうよ、お父様」
「ふむ、それもそうだな」
私が提案すると、父親もそれをすんなりと受け入れていた。はてさて、本人の反応はどうなのかしら。
父親の部屋を出た私は、ちょっと意地悪な顔で笑っていた。
夕食の時間になると、モモと母親も合流しての食事となる。
その食事がそこそこ進んだところで、父親が今日城であった事を話し始めた。
「モモ」
「なんでしょうか、お父様」
父親が話し掛けると、食べる手を止めてモモが反応する。きちんと父親に顔を向けているあたり、モモもしっかりとして令嬢だわ。
「実はだな、モモの婚約者が決定したんだ」
「まあ、そうなのですね」
父親が神妙な面持ちで話したものの、モモの方は意外と軽い反応をしていた。これには私も驚いたわよ。
「……驚かないんだな」
「ええ、お姉様からも言われておりましたし、そろそろお話があるかもと覚悟しておりましたから」
ああ、私のせいか。
父親の質問に返したモモの言葉で、私は自覚させられた。
「それで、その相手なのだが、宰相殿の息子であるタカー・ブロック侯爵令息だ」
「タカー様でございますか。それでしたら、謹んでお受け致します」
父親から告げられた名前に驚きながらも、モモはすんなりと婚約を受け入れていた。
「そうか。今度正式に顔合わせをしたいので、そのつもりでいてくれ」
「承知致しました」
意外とあっさりと婚約者の話は終わってしまった。モモもすっかり覚悟が決まっていたようだったわ。
私が安心したため息をついていると、モモが不意に視線を向けてくる。それに対して私は笑顔を返しておくと、モモも笑顔を返していた。うん、これは後でお話しなきゃいけないみたいだわ。
食事を終えた私は、モモと話を統べくモモの部屋を訪れる。
テーブルを囲んで座ると、モモはなぜかいきなり大きなため息をついていた。
「お姉様」
開口一番、私に呼び掛けてくる。
「何かしら、モモ」
とぼけたように返す私。
「婚約者の件、お姉様の仕業ですよね?」
(あら、ばれてるわ。さすがはモモ、私に関してはよく分かってるじゃないの)
口に出して言いたいところだけど、ひとまず思うだけにしておく私。さすがに大事な妹相手に煽るような真似はしないわよ。
「ええ、その通りよ。モモには幸せになってもらいからね」
「お姉様……」
私の気持ちを理解したのか、モモはしおらしくしていた。
「タカー様でしたら、モモも知らない方ではないですしね。宰相様のご子息ですし、しっかりされてるからモモも幸せになれると思いました。……モモは怒ってますか?」
私はモモに近付いて両手を取る。すると、泣きそうな顔をしながらモモは私の顔を見上げてきた・
「……ずるいですわ、お姉様。反論できないようにしてからそんな事を仰るなんて……」
「ごめんなさいね。でも、私がモモの幸せを思っているのは事実ですからね」
「お姉様」
涙目になりながら、モモが私に抱きついてきた。
私もモモを抱きしめて、そのまま頭を優しく撫でたのだった。
ひとまず、私とサキの将来が見えない中ではあるものの、周りの状況はしっかり固まりつつあった。
みんなが幸せになってくれないと、私は安心できないものね。
それにしても、私とサキは、フィレン王子とリブロ王子のどちらの婚約者になるのかしらね。よくもまあ、王家もここまで放置してくれたものだわ。
残り半年となった乙女ゲームの育成期間……じゃなかった学園生活。
もう終わりも近いというのに、いろいろと横道に逸れたせいでいまだに不透明なものが多すぎるわ。
はたして私たちは、満足のいく結末を迎えられるというのだろうか。まだまだ注意深く過ごさなければならないようだった。
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