48 / 500
第一章 転生アンマリア
第48話 忘れるならばメモしちゃえ
しおりを挟む
というわけで、私は必死にメモを書き留めていく。
まずは私、アンマリア・ファッティよね。
父親はお城で要職に就く伯爵ゼニーク・ファッティ。ゲームでは姿も名前も出てこなかったけれど、『アンマリアの父親』という形での出演はあった。
意外かも知れないけれど、色素の抜けたような金髪している青眼の少女、それが主人公アンマリアよ。髪はヒロインらしく胸まであるストレートだけど、私は庭いじりに行くせいでポニーテールとかサイドテールとか、とにかく髪を結んでいる事が多いわね。
大まかなイベントはここでは省略するけれど、とにかく太りやすく体重が増えやすい体質が難点。これは転生して分かったけれど、恩恵を溜め込みやすいという性質が原因。それがそのままその後も太りやすい体質として定着してしまったのが、ゲームのアンマリアというわけ。男女誰とでも仲良くできるのはヒロインの特権だけど、フィレン王子ルートは本当に要注意。劇薬イベントを踏まないように注意ね。最悪処刑だものねぇ、絶対嫌。
父親の髪色は私と同じで、母親はどっちかいうと赤みの強い色。瞳の色は両親ともに一緒なので、私はどちらかといえば父親の血の方が濃いというわけらしい。ヒロインなのに髪色がピンクじゃないのは珍しいかしらね。まあ、戦隊ものや魔法少女ものじゃないんだから、別にいいんじゃないのかしらね。
そのピンクの髪色を持つのは、養女として迎え入れたモモ・ハーツ。ちなみに、名前の由来はピンと来てるでしょうけど、肉の部位である腿と心臓。どっちもイメージピンク。そのせいで肩ほどまで長さの髪はストレートで毛先が内側にくるりと巻いている形で、瞳の色は赤みが強いものだった。
ゲーム本編では私と一番仲の良かった子で、お助けキャラのようにアンマリアの手助けをしてくれていた。そんな彼女が唯一敵に回るのが、宰相の息子を攻略対象に選んだ時。それでも攻略成功時には、最後はちゃんと身を引いてくれるので、両親とは違って本当にいい子なのだろう。ちなみに、彼女と間違って百合ルートに入ると姉妹の契りを交わすようなイベントがあったような気がする。……まるで今みたいな感じじゃないのよぉっ!
そんな感じなので、女性同士のイラストではアンマリアと一緒に描かれる事が多く、内容はそのなんというか濃いイラストが多かったわね……。
フィレン王子攻略時に最大の敵となるのは、サキ・テトリバー男爵令嬢。名前の由来は手羽先と鶏。
劇中には家族の描写はなかったのだけれど、男爵らしく貧乏な一面は描かれていた。実家の特産の小麦をパンにして焼いては売っていた。献身的なのはそもそものようだった。だからこそ、聖女の恩恵を得たのだろう。
サキはモモとは違い、明るいオレンジの髪の毛先が逆の外に跳ねている。長さは同じく肩くらいまでだ。瞳は対照的に緑色である。
フィレン王子ルートでの最後の断罪の印象が強いので、人によってはトラウマな存在だったわね。
サクラ・バッサーシ辺境伯令嬢。
彼女は全員の中では一番髪が短い。ボブよりも短いショートというのがぴったりである。まあ、子どもである今は普通に髪の毛は長いようだけれども。髪色は茶髪で瞳の色も茶色。言わずもがな、名前の由来は馬、しかも馬肉だ。
脳筋な彼女は、同じ脳筋族であるタンとはしょっちゅうセットになって出てくる。とはいっても別に恋仲ではなく、脳筋族という親近感から一緒に居るだけの存在だった。彼女が本格的にライバルとなるのは、アンマリアによる攻略がかなり進んでからだった。本当に鈍い娘なだけに、イラストは失恋モードかプロテインやトレーニングをしているものばかりだった。他の作品の筋肉女子と描かれる事もしばしば。
彼女絡みのイベントは先日起きたクッケン湖のスタンピードなので、彼女とは筋肉なお付き合いをしていれば大丈夫だろう、うん。
サクラとの百合エンドでは、アンマリアと魔物の群れを倒して微笑んでるものねぇ……。
最後の令嬢はラム・マートン公爵令嬢。名前の由来は羊肉。どのキャラ見ても、本当にこれは酷い由来ばかりである。
髪の毛は最も長く、腰辺りまである軽いウェーブのかかった髪型である。その癖毛が分かりにくいように、大概は結った状態で登場している。一応、公式サイトには素の状態も載せられていた。紫の髪色に黒い瞳と、アンマリア並みのパワフルボディである彼女は初見ラスボスである。
しかし、その実はものすごく公爵令嬢らしく物腰が柔らかく、優しく面倒見のいい女性なのである。
カービルルートのエンディングでは、ラムは無事に別の男性と結婚できたらしいのだけれど、その相手は誰か分からなかったな。
ちなみに女性陣の身長は、高い方からサクラ、アンマリア、モモ、サキ、ラムである。
……アンマリアは高い方から二番目かよっ! もはやその威圧感は説明不要だろう。その巨体が華麗に動くんだから絵面として怖すぎた。しかもアニメーションありでね!
私は思い出して、思いっきりため息を吐いた。
まあさて、女性陣の情報はこれくらいかしらね。百合エンドがあるからといっても、基本的には基本の恋愛シミュレーションのイベントの寄り道みたいなのだから、細かいイベントがあった気はするけれど、覚えている限りはメモしておきましょう。
ここまでライバル令嬢たちの情報をメモしたところで、いよいよ大事な攻略者対象たちの情報のメモに入る私だった。
まずは私、アンマリア・ファッティよね。
父親はお城で要職に就く伯爵ゼニーク・ファッティ。ゲームでは姿も名前も出てこなかったけれど、『アンマリアの父親』という形での出演はあった。
意外かも知れないけれど、色素の抜けたような金髪している青眼の少女、それが主人公アンマリアよ。髪はヒロインらしく胸まであるストレートだけど、私は庭いじりに行くせいでポニーテールとかサイドテールとか、とにかく髪を結んでいる事が多いわね。
大まかなイベントはここでは省略するけれど、とにかく太りやすく体重が増えやすい体質が難点。これは転生して分かったけれど、恩恵を溜め込みやすいという性質が原因。それがそのままその後も太りやすい体質として定着してしまったのが、ゲームのアンマリアというわけ。男女誰とでも仲良くできるのはヒロインの特権だけど、フィレン王子ルートは本当に要注意。劇薬イベントを踏まないように注意ね。最悪処刑だものねぇ、絶対嫌。
父親の髪色は私と同じで、母親はどっちかいうと赤みの強い色。瞳の色は両親ともに一緒なので、私はどちらかといえば父親の血の方が濃いというわけらしい。ヒロインなのに髪色がピンクじゃないのは珍しいかしらね。まあ、戦隊ものや魔法少女ものじゃないんだから、別にいいんじゃないのかしらね。
そのピンクの髪色を持つのは、養女として迎え入れたモモ・ハーツ。ちなみに、名前の由来はピンと来てるでしょうけど、肉の部位である腿と心臓。どっちもイメージピンク。そのせいで肩ほどまで長さの髪はストレートで毛先が内側にくるりと巻いている形で、瞳の色は赤みが強いものだった。
ゲーム本編では私と一番仲の良かった子で、お助けキャラのようにアンマリアの手助けをしてくれていた。そんな彼女が唯一敵に回るのが、宰相の息子を攻略対象に選んだ時。それでも攻略成功時には、最後はちゃんと身を引いてくれるので、両親とは違って本当にいい子なのだろう。ちなみに、彼女と間違って百合ルートに入ると姉妹の契りを交わすようなイベントがあったような気がする。……まるで今みたいな感じじゃないのよぉっ!
そんな感じなので、女性同士のイラストではアンマリアと一緒に描かれる事が多く、内容はそのなんというか濃いイラストが多かったわね……。
フィレン王子攻略時に最大の敵となるのは、サキ・テトリバー男爵令嬢。名前の由来は手羽先と鶏。
劇中には家族の描写はなかったのだけれど、男爵らしく貧乏な一面は描かれていた。実家の特産の小麦をパンにして焼いては売っていた。献身的なのはそもそものようだった。だからこそ、聖女の恩恵を得たのだろう。
サキはモモとは違い、明るいオレンジの髪の毛先が逆の外に跳ねている。長さは同じく肩くらいまでだ。瞳は対照的に緑色である。
フィレン王子ルートでの最後の断罪の印象が強いので、人によってはトラウマな存在だったわね。
サクラ・バッサーシ辺境伯令嬢。
彼女は全員の中では一番髪が短い。ボブよりも短いショートというのがぴったりである。まあ、子どもである今は普通に髪の毛は長いようだけれども。髪色は茶髪で瞳の色も茶色。言わずもがな、名前の由来は馬、しかも馬肉だ。
脳筋な彼女は、同じ脳筋族であるタンとはしょっちゅうセットになって出てくる。とはいっても別に恋仲ではなく、脳筋族という親近感から一緒に居るだけの存在だった。彼女が本格的にライバルとなるのは、アンマリアによる攻略がかなり進んでからだった。本当に鈍い娘なだけに、イラストは失恋モードかプロテインやトレーニングをしているものばかりだった。他の作品の筋肉女子と描かれる事もしばしば。
彼女絡みのイベントは先日起きたクッケン湖のスタンピードなので、彼女とは筋肉なお付き合いをしていれば大丈夫だろう、うん。
サクラとの百合エンドでは、アンマリアと魔物の群れを倒して微笑んでるものねぇ……。
最後の令嬢はラム・マートン公爵令嬢。名前の由来は羊肉。どのキャラ見ても、本当にこれは酷い由来ばかりである。
髪の毛は最も長く、腰辺りまである軽いウェーブのかかった髪型である。その癖毛が分かりにくいように、大概は結った状態で登場している。一応、公式サイトには素の状態も載せられていた。紫の髪色に黒い瞳と、アンマリア並みのパワフルボディである彼女は初見ラスボスである。
しかし、その実はものすごく公爵令嬢らしく物腰が柔らかく、優しく面倒見のいい女性なのである。
カービルルートのエンディングでは、ラムは無事に別の男性と結婚できたらしいのだけれど、その相手は誰か分からなかったな。
ちなみに女性陣の身長は、高い方からサクラ、アンマリア、モモ、サキ、ラムである。
……アンマリアは高い方から二番目かよっ! もはやその威圧感は説明不要だろう。その巨体が華麗に動くんだから絵面として怖すぎた。しかもアニメーションありでね!
私は思い出して、思いっきりため息を吐いた。
まあさて、女性陣の情報はこれくらいかしらね。百合エンドがあるからといっても、基本的には基本の恋愛シミュレーションのイベントの寄り道みたいなのだから、細かいイベントがあった気はするけれど、覚えている限りはメモしておきましょう。
ここまでライバル令嬢たちの情報をメモしたところで、いよいよ大事な攻略者対象たちの情報のメモに入る私だった。
12
お気に入りに追加
259
あなたにおすすめの小説

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。

疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜
青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ
孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。
そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。
これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。
小説家になろう様からの転載です!

溺愛最強 ~気づいたらゲームの世界に生息していましたが、悪役令嬢でもなければ断罪もされないので、とにかく楽しむことにしました~
夏笆(なつは)
恋愛
「おねえしゃま。こえ、すっごくおいしいでし!」
弟のその言葉は、晴天の霹靂。
アギルレ公爵家の長女であるレオカディアは、その瞬間、今自分が生きる世界が前世で楽しんだゲーム「エトワールの称号」であることを知った。
しかし、自分は王子エルミニオの婚約者ではあるものの、このゲームには悪役令嬢という役柄は存在せず、断罪も無いので、攻略対象とはなるべく接触せず、穏便に生きて行けば大丈夫と、生きることを楽しむことに決める。
醤油が欲しい、うにが食べたい。
レオカディアが何か「おねだり」するたびに、アギルレ領は、周りの領をも巻き込んで豊かになっていく。
既にゲームとは違う展開になっている人間関係、その学院で、ゲームのヒロインは前世の記憶通りに攻略を開始するのだが・・・・・?
小説家になろうにも掲載しています。
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

規格外で転生した私の誤魔化しライフ 〜旅行マニアの異世界無双旅〜
ケイソウ
ファンタジー
チビで陰キャラでモブ子の桜井紅子は、楽しみにしていたバス旅行へ向かう途中、突然の事故で命を絶たれた。
死後の世界で女神に異世界へ転生されたが、女神の趣向で変装する羽目になり、渡されたアイテムと備わったスキルをもとに、異世界を満喫しようと冒険者の資格を取る。生活にも慣れて各地を巡る旅を計画するも、国の要請で冒険者が遠征に駆り出される事態に……。

ポンコツ錬金術師、魔剣のレプリカを拾って魔改造したら最強に
椎名 富比路
ファンタジー
錬金術師を目指す主人公キャルは、卒業試験の魔剣探しに成功した。
キャルは、戦闘力皆無。おまけに錬金術師は非戦闘職なため、素材採取は人頼み。
ポンコツな上に極度のコミュ障で人と話せないキャルは、途方に暮れていた。
意思疎通できる魔剣【レーヴァテイン】も、「実験用・訓練用」のサンプル品だった。
しかしレーヴァテインには、どれだけの実験や創意工夫にも対応できる頑丈さがあった。
キャルは魔剣から身体強化をしてもらい、戦闘技術も学ぶ。
魔剣の方も自身のタフさを活かして、最強の魔剣へと進化していく。
キャルは剣にレベッカ(レーヴァテイン・レプリカ)と名付け、大切に育成することにした。
クラスの代表生徒で姫君であるクレアも、主人公に一目置く。
彼女は伝説の聖剣を
「人の作ったもので喜んでいては、一人前になれない」
と、へし折った。
自分だけの聖剣を自力で作ることこそ、クレアの目的だったのである。
その過程で、着実に自身の持つ夢に無自覚で一歩ずつ近づいているキャルに興味を持つ。

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる