14 / 23
14.ジョナルダの召使い
しおりを挟む
「リッタちゃん、落ち込まないで。わたしが男だったらよかったな。リッタちゃんを幸せにできるし、守ってあげられるのにな」
姉の言葉に驚いて目を向ければ、涼しげな美貌に影が差しているようだった。
(……ほんとに男だったらよかったって思ってるのかな)
姉は、ある日突然、ほんとうに突然、髪を切った。
エウリッタとおそろいで腰に毛先がくるほど長かったのに、ばっさり短髪になった。
ジョナルダ伯爵の元に引き取られてすぐのことだった。その頃は留学の準備で余裕がなかったのもあって特に気にしなかったけれど、あのときからずっと姉の髪は短いままだ。
(ジョナルダ伯爵への当てつけ? 無理やり愛人にされたから? 今も短いのは、今も彼を拒絶しているから?)
この姉と父との関係を知って、たくさん聞きたいことが生まれた。
けれど二人の関係をエウリッタが知っていることを明かしたら、高潔な姉は傷つくだろう。そう思ったら何も聞けなかった。
きれいで、潔くて、賢い姉。
自分の生まれを恥ずかしく思わず生きることはこの姉に教わった。その教えがなかったら、エウリッタは父の血が流れる自分の体を傷つけたにちがいなかった。
リヴの気高さを穢しつづけるジョナルダ伯爵が、憎い。憎くてたまらない。
何もできない自分が嫌いになりそうになる。
「で、リッタちゃん、なんで旦那様とケンカしたの? 聞いてもいい?」
「うん……」
今日も何も聞けないまま、いつものようにエウリッタの話になる。リヴはいつもエウリッタの様子を聞いた。結婚して間もない妹を心配しているようだ。
「――へえ、じゃあアグネスさんって人と一緒にいるんだ。今日連れて来たらよかったのに」
「図書館が好きって言ってたから」
「わたしに会わせたくないだけじゃないの?」
「……だって、姉ちゃんのことを色んな人に知られて、もし姉ちゃんに何か危害があったら」
「それってアグネスさんを信用してないって聞こえる」
「……そんなことないよ」
口ではそう言ったが、リヴが指摘する矛盾にエウリッタも気づいてしまった。
閉口する彼女を見て、うーん、とリヴが唸る。
「ねえ、さっき話を聞いてて思ったんだけど、リッタちゃんの旦那様って、リッタちゃんと逆みたいな人だよね。リッタちゃんもそのひとも家族の愛を知らずに育った。でも、そのひとは赤の他人を受け入れて、家族みたいな絆をつくってる」
そう。ロドニスは、犬笛や、ジェレニー、アグネスがいる。ジェレニーはロドニスの為を思って媚薬を飲んだし、アグネスはことあるごとに『シャンティ―卿にがつんと言ってもらわなくては』と言う。犬笛はロドニスの前でだけ小さいいたずらっ子みたいな笑顔をする。
本音は、……赤の他人と繋がれるロドニスがうらやましい。
「赤の他人を信頼できるのって強いよね。わたしやリッタちゃんには無い強さだ」
エウリッタは思考を読まれた気持ちになって俯く。ケンカ別れしたロドニスの悪口を言ってやるつもりだったのに、気づいたら頭のなかで彼を褒めてしまっている。
「……今日ね、アグネスさんにシャンティーの城も奥方様の家なんですよ、って言われたの。わたし惨めになった」
「みじめ?」
「アグネスさんが本当に大切なのはロドニス様。わたしの旦那様。わたしのことはおまけで大事にしてくれてる、そう思うから」
「アグネスさん本人がそう言ったの?」
「ううん、言わないでしょう、ふつう」
「リッタちゃんが絶対間違ってるとは言わないよ。でも、自分に自信がない人って他人の好意にケチつける。わたしもずっとそうだった。……でも、どっかで開き直ったの。今は近づく人間がいたら自分の魅力のおかげだって思うことにしてるよ。それが、どんな好意であっても」
リヴが自分の身の上を反芻するように静かに目を伏せて笑うのを見て、ハッとする。
「……どんな、好意でも」
姉は今きっとジョナルダ伯爵のことを考えている。
「ねえ、リッタちゃん、ジョナルダの家じゃ、誰もリッタちゃんを見てなかった。向けられる愛情も憎しみもぜんぶ、ジョナルダ伯爵ありきだった。悔しかったことや、辛かったことや、たくさんあったね。敵国のファルマンデイに留学させられたのだってジョナルダの名前背負ってたからじゃん。あのとき、リッタちゃんが人質にされるのを止められなかったこと、わたし、今でも悔しい。何もできなかった」
「姉ちゃん……」
「でも、家を出ることはいいこと。結婚して、リッタちゃんが自分自身を見てもらえてる、って感じることが増えたらいいな」
リヴはそう言って、これあげる、と黒いほっかむりを外してエウリッタの両手に掴ませた。
エウリッタは慌てた。
召使であるリヴから物を取り上げるようなことは出来ない。
でも、断ったらリヴの姉としてのプライドが傷つくかもしれない。
「姉ちゃん、……ありがとう。来週新しいほっかむり編んでくるね」
「うんお願い。実は新しいの欲しかっただけなの」
そんなはずないだろうに、リヴは笑う。うんと小さかった頃から変わらない、空気が凛と引きしまるようなその微笑みを眺めながら、エウリッタは少し泣いた。
公園の街灯のしたで、笑顔で別れた。
馬車が通る道を注意して横切っていく姉の後ろ姿をエウリッタはずっと見送った。
全身が強張っていた。叫び声を上げそうになるのを押し殺した。
(行かないで)
姉と別れるときはいつもそう叫びたくなる。
けれど笑顔でわかれる。2度と会えないかもしれないとか、ジョナルダ伯爵の元に送り返すのは嫌だとか、言っても姉を困らせるだけだから。
自分たちはもう諦めているのだ。
いつだったかアグネスに『ズケズケ言うのは自分が何を言ったって世界は変わらないから』と言った。それは本音だった。何も変わらないなら我慢しないで言おう。そう思っている。
けれど逆に言えば、自分が何かを変えられると思っていない。
姉もそうだ。エウリッタが人質になって留学に行かされたとき、姉は何もしなかった。エウリッタも何かしてもらえると期待しなかった。
今回の結婚だって、流されただけだ。
流されて、今再びエウリッタとリヴは離れ離れになっている。大好きなのに、一緒にいることを諦めている。
(旦那様ならこういうときどうするだろう? 姉ちゃんは旦那様のことをわたしたちと逆みたいなひと、って言った)
ロドニスなら諦めないのだろうか?
大好きな姉を追いかけて行って、「あんな男のところへは返さない」と言って、さらうだろうか? 行かないで、と声に出して言えるのだろうか。
「……うらやましい」
ぼんやりとそう口にしたとき、背後に影が落ちた。振り返れば、ベレー帽をかぶった背の高い男が立っている。
「シャンティ―のご婦人、次はどこへ向かわれますか? もうすぐ日も落ちるので馬車を用意しました」
「まあ」見知らぬ男だが、夫の護衛だろう。隙のない身振りでそうわかった。エウリッタは礼を言って、男にエスコートされて馬車の通りに出る。黒い箱馬車に乗り込むと、アグネスが待っている図書館を行き先として告げた。
「え、あの……」
男は御者と一緒に前に乗るかと思ったら、同じ箱に入ってきた。狭いので少し窮屈だ。身じろぐエウリッタを見て、男がベレー帽の縁から目を細めて笑う。
「私生児だろうが、ジョナルダ家の令嬢は箱入りですね。警戒心がない」
「え?」
「旦那が苦労しそうだ」その言葉の元、伸びてきた男の手が蜘蛛の脚のようにがっちりとエウリッタの口を押さえ込んだ。
姉の言葉に驚いて目を向ければ、涼しげな美貌に影が差しているようだった。
(……ほんとに男だったらよかったって思ってるのかな)
姉は、ある日突然、ほんとうに突然、髪を切った。
エウリッタとおそろいで腰に毛先がくるほど長かったのに、ばっさり短髪になった。
ジョナルダ伯爵の元に引き取られてすぐのことだった。その頃は留学の準備で余裕がなかったのもあって特に気にしなかったけれど、あのときからずっと姉の髪は短いままだ。
(ジョナルダ伯爵への当てつけ? 無理やり愛人にされたから? 今も短いのは、今も彼を拒絶しているから?)
この姉と父との関係を知って、たくさん聞きたいことが生まれた。
けれど二人の関係をエウリッタが知っていることを明かしたら、高潔な姉は傷つくだろう。そう思ったら何も聞けなかった。
きれいで、潔くて、賢い姉。
自分の生まれを恥ずかしく思わず生きることはこの姉に教わった。その教えがなかったら、エウリッタは父の血が流れる自分の体を傷つけたにちがいなかった。
リヴの気高さを穢しつづけるジョナルダ伯爵が、憎い。憎くてたまらない。
何もできない自分が嫌いになりそうになる。
「で、リッタちゃん、なんで旦那様とケンカしたの? 聞いてもいい?」
「うん……」
今日も何も聞けないまま、いつものようにエウリッタの話になる。リヴはいつもエウリッタの様子を聞いた。結婚して間もない妹を心配しているようだ。
「――へえ、じゃあアグネスさんって人と一緒にいるんだ。今日連れて来たらよかったのに」
「図書館が好きって言ってたから」
「わたしに会わせたくないだけじゃないの?」
「……だって、姉ちゃんのことを色んな人に知られて、もし姉ちゃんに何か危害があったら」
「それってアグネスさんを信用してないって聞こえる」
「……そんなことないよ」
口ではそう言ったが、リヴが指摘する矛盾にエウリッタも気づいてしまった。
閉口する彼女を見て、うーん、とリヴが唸る。
「ねえ、さっき話を聞いてて思ったんだけど、リッタちゃんの旦那様って、リッタちゃんと逆みたいな人だよね。リッタちゃんもそのひとも家族の愛を知らずに育った。でも、そのひとは赤の他人を受け入れて、家族みたいな絆をつくってる」
そう。ロドニスは、犬笛や、ジェレニー、アグネスがいる。ジェレニーはロドニスの為を思って媚薬を飲んだし、アグネスはことあるごとに『シャンティ―卿にがつんと言ってもらわなくては』と言う。犬笛はロドニスの前でだけ小さいいたずらっ子みたいな笑顔をする。
本音は、……赤の他人と繋がれるロドニスがうらやましい。
「赤の他人を信頼できるのって強いよね。わたしやリッタちゃんには無い強さだ」
エウリッタは思考を読まれた気持ちになって俯く。ケンカ別れしたロドニスの悪口を言ってやるつもりだったのに、気づいたら頭のなかで彼を褒めてしまっている。
「……今日ね、アグネスさんにシャンティーの城も奥方様の家なんですよ、って言われたの。わたし惨めになった」
「みじめ?」
「アグネスさんが本当に大切なのはロドニス様。わたしの旦那様。わたしのことはおまけで大事にしてくれてる、そう思うから」
「アグネスさん本人がそう言ったの?」
「ううん、言わないでしょう、ふつう」
「リッタちゃんが絶対間違ってるとは言わないよ。でも、自分に自信がない人って他人の好意にケチつける。わたしもずっとそうだった。……でも、どっかで開き直ったの。今は近づく人間がいたら自分の魅力のおかげだって思うことにしてるよ。それが、どんな好意であっても」
リヴが自分の身の上を反芻するように静かに目を伏せて笑うのを見て、ハッとする。
「……どんな、好意でも」
姉は今きっとジョナルダ伯爵のことを考えている。
「ねえ、リッタちゃん、ジョナルダの家じゃ、誰もリッタちゃんを見てなかった。向けられる愛情も憎しみもぜんぶ、ジョナルダ伯爵ありきだった。悔しかったことや、辛かったことや、たくさんあったね。敵国のファルマンデイに留学させられたのだってジョナルダの名前背負ってたからじゃん。あのとき、リッタちゃんが人質にされるのを止められなかったこと、わたし、今でも悔しい。何もできなかった」
「姉ちゃん……」
「でも、家を出ることはいいこと。結婚して、リッタちゃんが自分自身を見てもらえてる、って感じることが増えたらいいな」
リヴはそう言って、これあげる、と黒いほっかむりを外してエウリッタの両手に掴ませた。
エウリッタは慌てた。
召使であるリヴから物を取り上げるようなことは出来ない。
でも、断ったらリヴの姉としてのプライドが傷つくかもしれない。
「姉ちゃん、……ありがとう。来週新しいほっかむり編んでくるね」
「うんお願い。実は新しいの欲しかっただけなの」
そんなはずないだろうに、リヴは笑う。うんと小さかった頃から変わらない、空気が凛と引きしまるようなその微笑みを眺めながら、エウリッタは少し泣いた。
公園の街灯のしたで、笑顔で別れた。
馬車が通る道を注意して横切っていく姉の後ろ姿をエウリッタはずっと見送った。
全身が強張っていた。叫び声を上げそうになるのを押し殺した。
(行かないで)
姉と別れるときはいつもそう叫びたくなる。
けれど笑顔でわかれる。2度と会えないかもしれないとか、ジョナルダ伯爵の元に送り返すのは嫌だとか、言っても姉を困らせるだけだから。
自分たちはもう諦めているのだ。
いつだったかアグネスに『ズケズケ言うのは自分が何を言ったって世界は変わらないから』と言った。それは本音だった。何も変わらないなら我慢しないで言おう。そう思っている。
けれど逆に言えば、自分が何かを変えられると思っていない。
姉もそうだ。エウリッタが人質になって留学に行かされたとき、姉は何もしなかった。エウリッタも何かしてもらえると期待しなかった。
今回の結婚だって、流されただけだ。
流されて、今再びエウリッタとリヴは離れ離れになっている。大好きなのに、一緒にいることを諦めている。
(旦那様ならこういうときどうするだろう? 姉ちゃんは旦那様のことをわたしたちと逆みたいなひと、って言った)
ロドニスなら諦めないのだろうか?
大好きな姉を追いかけて行って、「あんな男のところへは返さない」と言って、さらうだろうか? 行かないで、と声に出して言えるのだろうか。
「……うらやましい」
ぼんやりとそう口にしたとき、背後に影が落ちた。振り返れば、ベレー帽をかぶった背の高い男が立っている。
「シャンティ―のご婦人、次はどこへ向かわれますか? もうすぐ日も落ちるので馬車を用意しました」
「まあ」見知らぬ男だが、夫の護衛だろう。隙のない身振りでそうわかった。エウリッタは礼を言って、男にエスコートされて馬車の通りに出る。黒い箱馬車に乗り込むと、アグネスが待っている図書館を行き先として告げた。
「え、あの……」
男は御者と一緒に前に乗るかと思ったら、同じ箱に入ってきた。狭いので少し窮屈だ。身じろぐエウリッタを見て、男がベレー帽の縁から目を細めて笑う。
「私生児だろうが、ジョナルダ家の令嬢は箱入りですね。警戒心がない」
「え?」
「旦那が苦労しそうだ」その言葉の元、伸びてきた男の手が蜘蛛の脚のようにがっちりとエウリッタの口を押さえ込んだ。
0
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?


【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。

【完結】新皇帝の後宮に献上された姫は、皇帝の寵愛を望まない
ユユ
恋愛
周辺諸国19国を統べるエテルネル帝国の皇帝が崩御し、若い皇子が即位した2年前から従属国が次々と姫や公女、もしくは美女を献上している。
既に帝国の令嬢数人と従属国から18人が後宮で住んでいる。
未だ献上していなかったプロプル王国では、王女である私が仕方なく献上されることになった。
後宮の余った人気のない部屋に押し込まれ、選択を迫られた。
欲の無い王女と、女達の醜い争いに辟易した新皇帝の噛み合わない新生活が始まった。
* 作り話です
* そんなに長くしない予定です

地獄の業火に焚べるのは……
緑谷めい
恋愛
伯爵家令嬢アネットは、17歳の時に2つ年上のボルテール侯爵家の長男ジェルマンに嫁いだ。親の決めた政略結婚ではあったが、小さい頃から婚約者だった二人は仲の良い幼馴染だった。表面上は何の問題もなく穏やかな結婚生活が始まる――けれど、ジェルマンには秘密の愛人がいた。学生時代からの平民の恋人サラとの関係が続いていたのである。
やがてアネットは男女の双子を出産した。「ディオン」と名付けられた男児はジェルマンそっくりで、「マドレーヌ」と名付けられた女児はアネットによく似ていた。
※ 全5話完結予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる