人は神を溺愛する

家族会議1

あの怒涛の誕生日パーティーの夜が終わり、ひとまずホテル最上階スイートルーム。

集まっているのは悠夜様を除くご家族全員と親戚各位に秘書の私。
悠夜様は体調管理のため毎日夜10時前には就寝さるので不参加ですが、ご家族の顔は、それぞれの思惑があるのか会議と言いながらも静かです。

そこにドアをノックする音が響き、ドア近くにいた私が相手を確認して開けると悠夜様担当リーダーのSP夕霧達磨が足音もせずに入って来た。
「お待たせ致しました。」
「お疲れ様、夕霧。悠夜はもう寝んだか？」
「はい、おやすみになられました。」
「さて、ではお前に聞きたい事がある。悠夜が修学旅行で何があったかをだ！」
「う～ん話しちゃていいのかな～？悠ちゃんのプライベート」
「夕霧～！なんで報告ないんだよ！悠夜の事は全部報告しろって言ってあるだろうが！！」
「報告はしてある。詳しくって感じじゃないけど～悠ちゃんにも家族に知られたくない事だってあるんだよ～俺たちSPは悠ちゃんを護るのが仕事であって～プライベートな部分をチクるのは業務外だと思うんだけどね～因みに現在就業時間終了後ですから！」
「くっ！」

専務である陸様と夕霧さんは同級生。
ある事件がきっかけで夕霧さんは悠夜様のSPになった。

高校卒業後単身アメリカに渡り、セキュリティサービスの大手に就職し若くしてリーダーとなってから日本に戻り悠夜様の担当SPとなった夕霧さん。
現在は神城グループ全体のセキュリティをまとめる会社を設立させ、そのトップとして就任しているのですが、悠夜様の担当は断固として降りず現在に至っている次第です。

ゴットガーディアンは本社地下1階2階のフロアにあり、24時間稼働している警備会社でもある。
要人警護からシステムセキュリティに至るまで担当しており、国内ではトップを走っているセキュリティ会社でもある為、日本国内だけではなく海外に至るまでの業務は拡大している。株式市場で上場しないかと言われているが、現在トップである夕霧さんは、神城グループから抜ける予定は無いと言って断っているらしい。
私が思うに、悠夜様の側を離れたくないから、これ以上会社を大きくしたくないんだよね～きっと。
ただでさえ本社に顔だした途端、専任秘書に拉致られて書類確認とサインを迫られて身動き取れないように監視されてる。
あの夕霧さんを拉致出来るスキルを持つ専任秘書も凄い。夕霧さんは、その専任秘書を社長にしようと画策しては潰されてる。
専任秘書である彼女、朝比奈さんはラスボスと言われセキュリティ会社の猛者達を巧みに操る猛獣使いの二つ名が畏敬を込めて贈られている。
今日も本社到着した途端に消えてましたしね～夕霧さん。

そんなこんなで、家族会議？は夕霧さんに詰め寄るところから始まったわけです。