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事件拉致ー解決1~達磨の過去
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達磨の意識は朦朧としていた。
大人の男達、しかも力加減も無しの暴力に抗う事も出来ずにいた。
肋骨が折れた音がした。
右足の折れる男がした。
顔も頭も、身体全体が悲鳴を上げていた。
妹の泣き叫ぶ声がだんだん聞こえなくなって達磨は死ぬんだと頭の中で思った。
妹に、そしてここにいる全ての子供達の心に一生消えない傷を残すのか?
自分の死が子供達に最大に重い鎖を掛けてしまうのかと思うと心が慟哭を叫んだ。
〝神様!神様!神様!神様!神様!お願いです!俺の命と引き換えに妹を悠ちゃんを子供達を助けて下さい!!!お願いです!お願いです!最後の…俺の最後のお願いです!!!子供達を助けて!!〟
もう痛いのか熱いのか分からない…
意識が途切れる間際に悠ちゃんの声が聞こえてきた。
〝達兄…願いは聞き届けたよ…〟
暴力の嵐が止まった。
そして、突然の炎の柱が達磨を守る様に立ち上がった。
「うあああああああぁぁぁぁぁ!!」
「あああああああぁぁぁぁぁ!!!」
腫れ上がった目に見えたのは男達が炎に吹き飛ばされ天井に空いた穴から悲鳴を上げながら飛んで行くところだった。
たくさんの炎が周りを囲んでいるのに全然熱くないのと不思議に安心していられた。
遠くからサイレンの音がしている。
警察か消防なのかは分からないけど、これで助かるんだ。
痛みが戻った身体が飛びそうになる意識を繋いでいた、その時未那の大きな声がした。
「悠ちゃん!!!」
「悠…ちゃ…!!!」
達磨の目の前に横たわる悠夜を泣きながら揺さぶる未那がいた。
痛む身体を引きずりながら泣きながら悠ちゃんの名前を叫ぶ未那のところへ行くと未那が達磨に言った。
「お兄ちゃん!悠ちゃんが悠ちゃんが!!」
倒れている悠ちゃんの側にいくと、そこには息をしていない悠ちゃんがいた。
青白い顔は微かに微笑んでいた。
「悠ちゃん……悠ちゃん!ダメだ!ダメだ!死んじゃダメだ!!」
どこにそんな力が残っていたのか達磨は起き上がり悠ちゃんの心臓の上に手を置いて心臓マッサージをし始めた。
左腕が骨折していたが構わずマッサージをする。
子供達の中から中学生くらいの男の子が出て来て、達磨と同じ様に心臓マッサージを代わってくれた、そこにいる全員で泣きながら声を出していた。
「「「「「死なないで!!お願い死なないで!」」」」」」
達磨は、大きく息を吸い込み悠夜にマウスツーマウスで息を吹き込む。
誰もが諦める事もしないで、歳の大きい子供達から順番に代わる代わりで心臓マッサージと酸素を悠夜に送り続けた。
「「「「「お願い神様!!!悠ちゃんを助けて!!!」」」」」
・
・・
・・・
・・・・・
ここにいる全ての子供達、そして達磨の強い強い願いがスーと小さく息をし始めた。
トクン…トクンと動き出した小さな心臓の音と空気を吸い込む小さな音。
みんなで号泣した…。
嬉しくて、嬉しくて、そして神様に感謝した。
子供達の恐怖ではなく喜びに泣き声を聞いた大勢の警察官達が聞き付けて来てくれた。
「発見しました!!!子供達がいました!!!生きてます!!生きています!!」
現場にいた大勢の大人達の喜びの声が周りにこだましていた。
**************************************************
お気に入り&お読み頂きありがとうございますm(__)m
短いですがキリがいいので、ここまでです。
続きは明日更新致します!
それと~今回達磨の過去が終わりましたら神溺は一旦お休み致します。
そして、長々と放置している人魚姫の恋を書き直しと続きを書いていこうと思っております。と言っても来年からですね~(^ ^)
年内で達磨の過去編を頑張って完結させたいと思っております。
どうぞ、よろしくお願い致しますm(__)m
大人の男達、しかも力加減も無しの暴力に抗う事も出来ずにいた。
肋骨が折れた音がした。
右足の折れる男がした。
顔も頭も、身体全体が悲鳴を上げていた。
妹の泣き叫ぶ声がだんだん聞こえなくなって達磨は死ぬんだと頭の中で思った。
妹に、そしてここにいる全ての子供達の心に一生消えない傷を残すのか?
自分の死が子供達に最大に重い鎖を掛けてしまうのかと思うと心が慟哭を叫んだ。
〝神様!神様!神様!神様!神様!お願いです!俺の命と引き換えに妹を悠ちゃんを子供達を助けて下さい!!!お願いです!お願いです!最後の…俺の最後のお願いです!!!子供達を助けて!!〟
もう痛いのか熱いのか分からない…
意識が途切れる間際に悠ちゃんの声が聞こえてきた。
〝達兄…願いは聞き届けたよ…〟
暴力の嵐が止まった。
そして、突然の炎の柱が達磨を守る様に立ち上がった。
「うあああああああぁぁぁぁぁ!!」
「あああああああぁぁぁぁぁ!!!」
腫れ上がった目に見えたのは男達が炎に吹き飛ばされ天井に空いた穴から悲鳴を上げながら飛んで行くところだった。
たくさんの炎が周りを囲んでいるのに全然熱くないのと不思議に安心していられた。
遠くからサイレンの音がしている。
警察か消防なのかは分からないけど、これで助かるんだ。
痛みが戻った身体が飛びそうになる意識を繋いでいた、その時未那の大きな声がした。
「悠ちゃん!!!」
「悠…ちゃ…!!!」
達磨の目の前に横たわる悠夜を泣きながら揺さぶる未那がいた。
痛む身体を引きずりながら泣きながら悠ちゃんの名前を叫ぶ未那のところへ行くと未那が達磨に言った。
「お兄ちゃん!悠ちゃんが悠ちゃんが!!」
倒れている悠ちゃんの側にいくと、そこには息をしていない悠ちゃんがいた。
青白い顔は微かに微笑んでいた。
「悠ちゃん……悠ちゃん!ダメだ!ダメだ!死んじゃダメだ!!」
どこにそんな力が残っていたのか達磨は起き上がり悠ちゃんの心臓の上に手を置いて心臓マッサージをし始めた。
左腕が骨折していたが構わずマッサージをする。
子供達の中から中学生くらいの男の子が出て来て、達磨と同じ様に心臓マッサージを代わってくれた、そこにいる全員で泣きながら声を出していた。
「「「「「死なないで!!お願い死なないで!」」」」」」
達磨は、大きく息を吸い込み悠夜にマウスツーマウスで息を吹き込む。
誰もが諦める事もしないで、歳の大きい子供達から順番に代わる代わりで心臓マッサージと酸素を悠夜に送り続けた。
「「「「「お願い神様!!!悠ちゃんを助けて!!!」」」」」
・
・・
・・・
・・・・・
ここにいる全ての子供達、そして達磨の強い強い願いがスーと小さく息をし始めた。
トクン…トクンと動き出した小さな心臓の音と空気を吸い込む小さな音。
みんなで号泣した…。
嬉しくて、嬉しくて、そして神様に感謝した。
子供達の恐怖ではなく喜びに泣き声を聞いた大勢の警察官達が聞き付けて来てくれた。
「発見しました!!!子供達がいました!!!生きてます!!生きています!!」
現場にいた大勢の大人達の喜びの声が周りにこだましていた。
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お気に入り&お読み頂きありがとうございますm(__)m
短いですがキリがいいので、ここまでです。
続きは明日更新致します!
それと~今回達磨の過去が終わりましたら神溺は一旦お休み致します。
そして、長々と放置している人魚姫の恋を書き直しと続きを書いていこうと思っております。と言っても来年からですね~(^ ^)
年内で達磨の過去編を頑張って完結させたいと思っております。
どうぞ、よろしくお願い致しますm(__)m
応援ありがとうございます!
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