人は神を溺愛する

猫屋ネコ吉

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事件拉致4~達磨の過去

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大変遅くなりましたm(_ _)m
ちょっと色々ありまして~約束破ってしまいまして、ごめんなさい!
連載再開します!

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神城本社の社長室は誰1人話す事なく静寂であった。
ただ、室内の空気は限りなく重く、爆発後何秒という感じだ。
そこに神城家長男陸が足早に室内に入って来た。

「父さん!悠夜が力を使ったようだ!」
「「「「!!!!!」」」」
「今連絡が来て、悠夜達が乗っていたバスが炎上していて、側に人が倒れていたと報告が来た。」
「陸!その人達は?子供達なの?」
「大人ばかりだ。全員銃で撃たれていたそうだが全員命は取り留めているそうだ。」
「陸兄!じゃあ悠夜が力を?」
「ああ…使ったのだろう…。」
「マズい…悠夜の心臓が!!」

家族の頭の中で、悠夜が5歳の時に起こった悪夢が蘇った。
5歳の時、悠夜は一時退院をしていた時兄弟で初めて遊園地へ遊びに行った。
その時海と空が乗ったジェットコースターが整備不良で故障し止まってしまった。しかも、安全装置が外れジェットコースターに乗った人全員がコース外に投げ出された時悠夜は力を使ってジェットコースターの乗った全員を静かに下へ下ろした。
その時の出来事は奇跡として口コミで広がる事となったが、地方版のニュースとして取り上げられたくらいで大きな騒ぎにはならなかった。

その時大きな力の一端を見せた時、悠夜は心臓の大きな発作を起こした。
今までに無い大きな発作は悠夜の心臓を一度止めた。
家族が、その時近くにいた全ての人々の祈りが再び心臓を動かしたが、意識が戻るまでに2週間以上かかった。
神城家では忘れられない出来事だったのはいうまでも無い。
意識を取り戻した悠夜に家族全員が抱きしめた。
特にジェットコースターに乗っていた海と空は安堵の涙で号泣した。

「僕2度とジェットコースターに乗らないから!!」
「ええ~そうなの~僕大きくなって元気になったら兄さん達と一緒に乗りたいのに~」
「「悠夜がそう言うなら乗るよ!!」」
「分かった!!じゃあ、父さんが安全で楽しい遊園地作るから!!!」
「お母さんも協力するわ!」
「父さん…母さん…自重して…無理か。」

そして事故を起こした遊園地は神城グループが買い取りされリニューアルされたが自重しない夫婦が自重しなかったため恐ろしく安全で恐ろしく楽しい遊園地が出来て、日本だけではなく世界でも有名になった遊園地が出来上がり、現在でも年間100万人以上のお客様が来る様になったのは後の話しで、その事故から2年後三兄弟と悠夜がそのジェットコースターに乗って満面の笑顔を見せた事で全てが報われる思いをした事も忘れられない家族の思い出だ。

「悠夜はあの時より体も大きくなって体力もついたから、あの時の様にすぐに具合が悪くなるって事はないと思うが、もしあれ以上の事があって力を使う事もあるかもしれない。」
「悠夜は、きっと我慢しないよ陸兄。」
「ああ…たぶん、いやきっと力を使うだろうな…。」
「時間も無いよ!小さくとも力を使ったなら軽い発作を起こしていてもおかしく無い。」
「ああ、一応薬は持って行ってる様だから飲んでいると思うが…。」

三兄弟が現状確認を行なっている間黙っていた父が突然立ち上がった。

「もうこれ以上我慢出来ん!!奈津子!陸!!あれを起動させる!!」
「「父さん!!」」
「以前から準備していたガーディアンを起動させる!!我がグループ全体でのフォローさせる。」
「父さん!ガーディアンはまだ準備段階で、夕霧の叔父貴指導によるって言っても実践はまだまだ不十分なんだよ!」
「陸…こうなったお父さんは止められないわ…腹をくくりましょう!」
「母さん!!」
「今より現在参加企業にも協力して貰い全グループを使って経済封鎖を行なう。市原!」
「はい!了解です!!」
「陸もいいな?」
「はぁ~分かったよ!父さん!!俺も自重しない一族だし…大事な弟を守る為なら自重なんかしない!!」
「よし!では、動こうか…悠ちゃんを取り戻す為に!!」

自重しない一族の自重しない経済封鎖は日本国の全ての企業が参加する事になる。その威力は世界の経済活動を止める事になるのだが、世界が自重しない一族の恐ろしさを知る事になる。

そして、世界の前に日本政府は動き出した神城グループの動きに頭を悩ませていた。
総理府に呼び出されたのは夕霧を前に日本の総理大臣は疲れた顔で問いかけた。

「夕霧君、神城家に近い君から何とか出来ないのか?」
「申し訳ありませんが無理です。事件を解決しない限り止まる事はないでしょう。」
「韓国とは、これまで散々我々も悩まされた来たが…」
「我々も、これまで事件に関わっていたのは中国の大使館員だと思っておりました。ですが、ここに来て韓国だったとは想定外です。」
「以前からの事件の概要は知っている。私も2年前の事件で亡くなった子供達の事は忘れられない出来事だったからな…」
「現在、拉致された子供達は都内の韓国大使館関係者の別邸に入った事が確認出来ています。」
「北と違って国指導の拉致だとは思わないが…」
「今のところそう思いますが…何とも判断が出来ない状態です。しかし、神城家の経済封鎖のお陰で足を止めているのも確かです。」
「確かにな…陸はもとより海も空も、全ての日本より出る機材全てが業務をボイコットしているからな…」
「はい。港という港が空も海も抑えられています。」
「何も出せないし何も入って来ない状態だからな!本当に恐ろしい一族だよ、神城家はね。」
「はい…ですが、そのお陰でこの事件は必ず解決出来ると確信しています!」
「…分かった!日本政府も腹をくくろう!2度と日本の子供達を他国になんぞ売らさせはしないし、死なせもしない!!子供は国の宝だからな!」
「韓国政府はこちらで黙らせる!好きに動いていいぞ!夕霧君!!」
「はっ!ありがとうございます!総理!
必ず、子供達を助け出します!」

こうして日本が国を挙げての救出劇となったのだ。



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動き出した諸々の人達…。
お気に入り&お読み頂きありがとうございますm(_ _)m
次回日曜日更新予定であります。
どうぞ、よろしくお願い致します!
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