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事件拉致~達磨の過去
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今でも思う時がある。
あの時の俺に今と同じ力があったらって…。
そしたら今も施設も子供達も、そして妹の未那も自分の側にいてくれていただろう。
毎日どうでもいい事で笑って泣いて喧嘩しては笑って…当たり前にある日常を過ごして来たんだと…。
でも俺が持つ今の力は、この事件があったから手にした力でもある。
大事な人を喪う事の大きさは計り知れないほどの虚無と絶望をもたらす事をあの時に俺は知った。
力無き者の嘆きなんて、誰も聞いてはくれない事も…。
事件は始まった。
急停車に思いっきり前の座席に頭をぶつけた達磨は痛む頭を押さえながらバスの入り口に突然乱入して来た黒服、黒マスクをした男達が銃を持って入って来た。
騒然となる車内で、1番前にいた男が銃を天井に向けて打った。
ガーン!!!
平和な国日本で、聞くことがない音に悲鳴を上げる子供達に向かって男が怒鳴った。
「大人しくしろ!!静かにしろ!!!」
パニック状態の中悲鳴を上げ続けていた子供達は今度は恐ろしさで一生懸命口を押さえていた。
そして、男達はバスの前にいた人を全員後ろに行く様に指示した。
黒ずくめの男達は全員で4人。その全員が銃を所持していた。
声を出さない様に 言われ泣きながら必死に声を押さえていた子供達の側に行った達磨も震えながらも子供達を自分の背中に隠す様に1番前に座った。
それは他の職員も一緒で、子供達を落ち着かせる様に動いた。
そして、バスは黒ずくめの男達の指示で動き出した。
*************************
対策本部に戻った夕霧は、各方面から来る報告をまとめ、それぞれの部署の部下達に
指示を出していた。
そこに先ほど施設に来た頭首と呼ばれた男を追跡していた部下の一人が報告に戻った。
「課長!頭首と言われた男が戻った先が分かりました!」
「中国大使館か?」
「それが男が戻った先は、韓国大使館です!」
「韓国!?」
「はい…。」
「どういう事だ…前回の2年前途切れた先は中国だった。」
「はい、我々が最終的に追った先は中国大使館でしたが、結局子供達が大使館を出たという事はなく、その2週間後に横浜港で遺体が発見されました。」
「ああ…私はその時病院のベットの上だったけどな…。」
「あの時、課長が亡くなっていたら糸は完全に切れていたでしょう…。」
「そうだな…あの時、悠夜が夢に出て来て死ぬなって凄い力で引っ張り上げられた。」
「ああ!それは夢じゃないですよ!課長が入院された病院に悠夜ちゃんがいて課長の手を握って言ってましたから、死んだらダメって何度も何度も言ってましたよ。」
「そうだったのか…悠ちゃんが…。」
「はい!」
「ならば生かされたのなら今回こそ解決する。亡くなった子供達の無念を必ず晴らす!」
「はい!私はこれから外務省に行って、韓国大使館の職員の顔写真を確認して来ます。」
「分かった、私からも外務省のツテに連絡しておく。直ぐに向かってくれ。」
「了解です!」
組織の連中は全員韓国語ではなく中国語で話していた。
だから中国大使館の人間が絡んでいると予想していただけに韓国大使館とは予想外だった。
これまでの根回しが全て無駄になるかもしれない。
夕霧は受話器を取ると外務省にまず電話をかけ、検察庁、警視庁と電話し上のアポイントを取り付け、上着を来て立ち上がり部下達に指示を出して出掛ける事を伝えた。
「今から上に会って来る、しばらく任せる。」
「了解しました。」
悪い予感がする。
そんな予感ほど当たってしまう。
儘ならない足が悲鳴を上げているが気にしていられない。
夕霧は動き出した運命を感じていた。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
遅くなってごめんなさい!短くてごめんなさいm(__)m
どうも風邪っぴきになった様で…季節の変わり目は体調を崩しやすいので皆様も
気を付けて下さいね~( ̄^ ̄)ゞ
次回もたぶん…土日のどちらかに更新する予定です…。
お気に入り&お読み頂きありがとうございます!
あの時の俺に今と同じ力があったらって…。
そしたら今も施設も子供達も、そして妹の未那も自分の側にいてくれていただろう。
毎日どうでもいい事で笑って泣いて喧嘩しては笑って…当たり前にある日常を過ごして来たんだと…。
でも俺が持つ今の力は、この事件があったから手にした力でもある。
大事な人を喪う事の大きさは計り知れないほどの虚無と絶望をもたらす事をあの時に俺は知った。
力無き者の嘆きなんて、誰も聞いてはくれない事も…。
事件は始まった。
急停車に思いっきり前の座席に頭をぶつけた達磨は痛む頭を押さえながらバスの入り口に突然乱入して来た黒服、黒マスクをした男達が銃を持って入って来た。
騒然となる車内で、1番前にいた男が銃を天井に向けて打った。
ガーン!!!
平和な国日本で、聞くことがない音に悲鳴を上げる子供達に向かって男が怒鳴った。
「大人しくしろ!!静かにしろ!!!」
パニック状態の中悲鳴を上げ続けていた子供達は今度は恐ろしさで一生懸命口を押さえていた。
そして、男達はバスの前にいた人を全員後ろに行く様に指示した。
黒ずくめの男達は全員で4人。その全員が銃を所持していた。
声を出さない様に 言われ泣きながら必死に声を押さえていた子供達の側に行った達磨も震えながらも子供達を自分の背中に隠す様に1番前に座った。
それは他の職員も一緒で、子供達を落ち着かせる様に動いた。
そして、バスは黒ずくめの男達の指示で動き出した。
*************************
対策本部に戻った夕霧は、各方面から来る報告をまとめ、それぞれの部署の部下達に
指示を出していた。
そこに先ほど施設に来た頭首と呼ばれた男を追跡していた部下の一人が報告に戻った。
「課長!頭首と言われた男が戻った先が分かりました!」
「中国大使館か?」
「それが男が戻った先は、韓国大使館です!」
「韓国!?」
「はい…。」
「どういう事だ…前回の2年前途切れた先は中国だった。」
「はい、我々が最終的に追った先は中国大使館でしたが、結局子供達が大使館を出たという事はなく、その2週間後に横浜港で遺体が発見されました。」
「ああ…私はその時病院のベットの上だったけどな…。」
「あの時、課長が亡くなっていたら糸は完全に切れていたでしょう…。」
「そうだな…あの時、悠夜が夢に出て来て死ぬなって凄い力で引っ張り上げられた。」
「ああ!それは夢じゃないですよ!課長が入院された病院に悠夜ちゃんがいて課長の手を握って言ってましたから、死んだらダメって何度も何度も言ってましたよ。」
「そうだったのか…悠ちゃんが…。」
「はい!」
「ならば生かされたのなら今回こそ解決する。亡くなった子供達の無念を必ず晴らす!」
「はい!私はこれから外務省に行って、韓国大使館の職員の顔写真を確認して来ます。」
「分かった、私からも外務省のツテに連絡しておく。直ぐに向かってくれ。」
「了解です!」
組織の連中は全員韓国語ではなく中国語で話していた。
だから中国大使館の人間が絡んでいると予想していただけに韓国大使館とは予想外だった。
これまでの根回しが全て無駄になるかもしれない。
夕霧は受話器を取ると外務省にまず電話をかけ、検察庁、警視庁と電話し上のアポイントを取り付け、上着を来て立ち上がり部下達に指示を出して出掛ける事を伝えた。
「今から上に会って来る、しばらく任せる。」
「了解しました。」
悪い予感がする。
そんな予感ほど当たってしまう。
儘ならない足が悲鳴を上げているが気にしていられない。
夕霧は動き出した運命を感じていた。
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遅くなってごめんなさい!短くてごめんなさいm(__)m
どうも風邪っぴきになった様で…季節の変わり目は体調を崩しやすいので皆様も
気を付けて下さいね~( ̄^ ̄)ゞ
次回もたぶん…土日のどちらかに更新する予定です…。
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