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悠夜と未那~達磨の過去
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その日達磨の妹、未那は微熱があるのを心配した達磨が付き添って、この街で一番大きい総合病院に来ていた。
施設の子供達は全員ここが掛かりつけ病院なのは神城系列の病院だからでもある。
設備、スタッフも最良の環境に整えられ例え紹介状無しでも診察が受けられる。
特に心臓外科で有名なゴッドハンドと言われる医師が3名もいるため日本だけじゃなく世界中から患者が最後の頼みとして訪れる病院としても有名な病院でもある。
そんな大きな病院に行けば待たされる時間は長い…。
診療は終わった未那は苦手な注射も終わって処方箋と会計の時間をひたすた待っていた。
待っている間に未那は熱も下がったようでキョロキョロ周りを見ていた。
「あ!悠くんがいた!」
「ん?」
「悠く~ん!」
未那の声に振り向いた少年は未那と俺の顔を見つけて満面の笑顔を見せてくれた。
「未那ちゃん~達兄~~」
そう呼んで走り出した悠ちゃんを、その場にいたスタッフ全員がムンクの表情で
「「「「「走っちゃダメ~!!!」」」」」
と叫んでいた…。
「あ…ごめんなさ~い。てへぺろ!」
うわ~スタッフ全員が顔が垂れてる…ってここにいる全員か…。
そういう達磨も顔が垂れてるって分かっていないけどね。
「未那ちゃん!どうしたの?具合悪い?」
「ううん、未那はもう大丈夫だよ。悠ちゃんこそ入院してるの?」
「うん、検査入院してるんだ~心配性が多いから僕の周りはね。」
「そっか~でも、安心なのが一番だよ!」
「うん!そうだね!」
ニコニコしながら二人で話す様子を見てるだけで幸せな気持ちになる。
そんな、まったりした空気にその場にいる全員が笑顔でいるのを達磨は感じていた。
「達兄 、陸兄の下僕になったって本当?」
「はぁ~下僕って!俺は書記!生徒会の書記になったけど下僕じゃないよ!」
「そうなんだ~生徒会長になったらその下にいる生徒は全員下僕だって陸兄言ってたけど…。」
「陸ぅ~後で締める!」
「うん、締めて締めて~あははは~。」
それから未那と悠ちゃんは仲良く中庭に行ってしまった。
ここの病院の中庭は結構大きな温室になっていて患者もスタッフも憩いの場となっていた。中に軽食やお茶をする場所が設けてあり待ち時間の間ここで待っていられる様に工夫されている。
勿論あらゆるアレルギーに対応されていて、いざという時にも対応出来る様に喫茶スタッフも元医療従事者が当たっている。
二人で仲良く温かいココアを飲みながら達磨が戻って来るのを待っていた未那は、悠夜に来週ある施設のイベントの話しをした。
「来週ね、施設のみんなと一緒に自然公園にキャンプに行くんだよ!」
「キャンプ?いいな~僕キャンプ行った事無いんだ。」
「ええ~1回も?」
「うん…小さい時から病院にいたから…学校も病院の中にある学校だから、旅行も行った事無いんだ…。」
「そんな~…。」
「最近は心臓の発作も無くて、家にも戻れる様になって来たし普通の学校にも行ける様になって来てるって先生が言ったから…いつか僕もキャンプに行けるよ。」
「そっか…じゃあ悠ちゃん、来週の私達のキャンプに一緒に行こうよ!」
「ええ~でも、僕体力無いし、みんなの足手まといになるし…」
「大丈夫だよ!大きい車を借りてキャンプ場まで行くから歩く事少ないから!」
「そうなんだ!」
「うん!みんなと一緒だから楽しいよ!」
「でも…きっとダメって言われるよ…。」
「うーん…じゃあ、内緒で行こうよ!」
「怒られる…。」
「だよね…じゃあ、お手紙置いて行ったら?キャンプに行って来ますって!」
「そっか~言ったら怒られるけど、手紙なら怒られないかも!」
「来週の土曜日だよ!一緒に行こうよ!」
「…うん!僕も一緒に行くよ!楽しみだよ!」
「私も!じゃあ、計画を立てよう!」
「うん!まずは手紙を書いてベッドの上に乗せて置くんだね!」
「出発10時だから施設まで来れる?」
「うん!タクシーに言って行けば間に合うよ!おこずかいいっぱい残ってるから!」
「じゃあ、住所メモに書いてあげるね!」
「うん!!」
そうして二人で秘密の打ち合わせをして終わった頃に達磨が来た。
達磨はこの時二人から離れた事を後に死ぬほど後悔した。
もし自分が近くに居れば悠夜をキャンプに誘う事は無かった。
だが、悠夜がキャンプに行かなかったら……。
そして、事件は起こる…。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お気に入り&読んで頂きありがとうございます(^人^)
いよいよ物語はクライマックスへ進んで参りました。
次回も更新ですが、旅行に行く為日曜以降になりますm(_ _)m
すいません!よろしくお願い致します!
施設の子供達は全員ここが掛かりつけ病院なのは神城系列の病院だからでもある。
設備、スタッフも最良の環境に整えられ例え紹介状無しでも診察が受けられる。
特に心臓外科で有名なゴッドハンドと言われる医師が3名もいるため日本だけじゃなく世界中から患者が最後の頼みとして訪れる病院としても有名な病院でもある。
そんな大きな病院に行けば待たされる時間は長い…。
診療は終わった未那は苦手な注射も終わって処方箋と会計の時間をひたすた待っていた。
待っている間に未那は熱も下がったようでキョロキョロ周りを見ていた。
「あ!悠くんがいた!」
「ん?」
「悠く~ん!」
未那の声に振り向いた少年は未那と俺の顔を見つけて満面の笑顔を見せてくれた。
「未那ちゃん~達兄~~」
そう呼んで走り出した悠ちゃんを、その場にいたスタッフ全員がムンクの表情で
「「「「「走っちゃダメ~!!!」」」」」
と叫んでいた…。
「あ…ごめんなさ~い。てへぺろ!」
うわ~スタッフ全員が顔が垂れてる…ってここにいる全員か…。
そういう達磨も顔が垂れてるって分かっていないけどね。
「未那ちゃん!どうしたの?具合悪い?」
「ううん、未那はもう大丈夫だよ。悠ちゃんこそ入院してるの?」
「うん、検査入院してるんだ~心配性が多いから僕の周りはね。」
「そっか~でも、安心なのが一番だよ!」
「うん!そうだね!」
ニコニコしながら二人で話す様子を見てるだけで幸せな気持ちになる。
そんな、まったりした空気にその場にいる全員が笑顔でいるのを達磨は感じていた。
「達兄 、陸兄の下僕になったって本当?」
「はぁ~下僕って!俺は書記!生徒会の書記になったけど下僕じゃないよ!」
「そうなんだ~生徒会長になったらその下にいる生徒は全員下僕だって陸兄言ってたけど…。」
「陸ぅ~後で締める!」
「うん、締めて締めて~あははは~。」
それから未那と悠ちゃんは仲良く中庭に行ってしまった。
ここの病院の中庭は結構大きな温室になっていて患者もスタッフも憩いの場となっていた。中に軽食やお茶をする場所が設けてあり待ち時間の間ここで待っていられる様に工夫されている。
勿論あらゆるアレルギーに対応されていて、いざという時にも対応出来る様に喫茶スタッフも元医療従事者が当たっている。
二人で仲良く温かいココアを飲みながら達磨が戻って来るのを待っていた未那は、悠夜に来週ある施設のイベントの話しをした。
「来週ね、施設のみんなと一緒に自然公園にキャンプに行くんだよ!」
「キャンプ?いいな~僕キャンプ行った事無いんだ。」
「ええ~1回も?」
「うん…小さい時から病院にいたから…学校も病院の中にある学校だから、旅行も行った事無いんだ…。」
「そんな~…。」
「最近は心臓の発作も無くて、家にも戻れる様になって来たし普通の学校にも行ける様になって来てるって先生が言ったから…いつか僕もキャンプに行けるよ。」
「そっか…じゃあ悠ちゃん、来週の私達のキャンプに一緒に行こうよ!」
「ええ~でも、僕体力無いし、みんなの足手まといになるし…」
「大丈夫だよ!大きい車を借りてキャンプ場まで行くから歩く事少ないから!」
「そうなんだ!」
「うん!みんなと一緒だから楽しいよ!」
「でも…きっとダメって言われるよ…。」
「うーん…じゃあ、内緒で行こうよ!」
「怒られる…。」
「だよね…じゃあ、お手紙置いて行ったら?キャンプに行って来ますって!」
「そっか~言ったら怒られるけど、手紙なら怒られないかも!」
「来週の土曜日だよ!一緒に行こうよ!」
「…うん!僕も一緒に行くよ!楽しみだよ!」
「私も!じゃあ、計画を立てよう!」
「うん!まずは手紙を書いてベッドの上に乗せて置くんだね!」
「出発10時だから施設まで来れる?」
「うん!タクシーに言って行けば間に合うよ!おこずかいいっぱい残ってるから!」
「じゃあ、住所メモに書いてあげるね!」
「うん!!」
そうして二人で秘密の打ち合わせをして終わった頃に達磨が来た。
達磨はこの時二人から離れた事を後に死ぬほど後悔した。
もし自分が近くに居れば悠夜をキャンプに誘う事は無かった。
だが、悠夜がキャンプに行かなかったら……。
そして、事件は起こる…。
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お気に入り&読んで頂きありがとうございます(^人^)
いよいよ物語はクライマックスへ進んで参りました。
次回も更新ですが、旅行に行く為日曜以降になりますm(_ _)m
すいません!よろしくお願い致します!
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