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第四章 刑事の元へ、仲間が集う
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あのときは那臣がほぼ単独で動いたのが結果として幸いし、部下に犠牲がでることはなかった。
しかし今なら名波と市野瀬、那臣を慕う二人の部下が存在する。
いや、もしかして部下を付けられたところからすでに、生贄として利用する心づもりだったのかもしれない。
「守護獣とやらのご威光で、今、表立って参事官に反抗できなくなっている連中も、部下の監督不行き届きという名目なら叩けるでしょう。
それに市野瀬あたりが、ずたぼろになって転がってたら、参事官は見事に奴らの思い通り、雑魚の二人や三人殴り殺して拘置所入り、ってシナリオじゃないですか」
「え? 自分、オトリやっていいんですか?」
何故だかやたらとテンションを上げた市野瀬である。
おそらく自分たちの読みは正しいだろう。
己と息子の悪行を暴くべく、しつこくまとわりつく那臣とその同志をなんとか排除しようと、河原崎勇毅はOBとしての権威を最大限活用し、持てる駒をつぎ込んでくるに違いない。
二人の身を危険に晒すことを、那臣は最後まで躊躇した。が、
「この誘いに乗らなくたって、帰り道に刺されるだけでしょう。結果は一緒ですよ」
という名波の達観した発言で、リストの罠通り、まずは市野瀬に各警察署を回らせ、敵の出方を探ることにしたのだ。
タオルで何度も汗を拭い、刑事課長は確認する。
「市野瀬巡査部長の背後からいきなり一人、そしてもう一人殴りかかってきた。さらに別の二人にも拳銃を向けられた、と……」
困惑で苦り切った表情に、痛みが加わる。
「……銃を持ち出した二人は刑事課所属、私の部下ですな……いったいなんだってこんなことを……」
タオルを握りしめた手が震える。
沈黙が訪れた地下に、複数の足音が近づいてきた。
「この騒ぎは何事だね?
……館君、君か。成程ね……」
「副署長」
取り巻きを従えて階段を下りてきたのは、渋谷南署副署長の平だった。
刑事課長と周りにいた署員たちが、緊張した面持ちで敬礼して迎える。
一番近くにいた恭士、それから名波、市野瀬とゆっくり視線を移し、最後に那臣を睨み据えた。
「福田、何をぼうっとしている? こいつらの口先に騙されるな。状況をよく見ろ、警察署襲撃のテロリスト集団だぞ? さっさと身柄を拘束しないか」
一瞬、何を言われたのか判らずにいる刑事課長の向かい側では、名波が面白くもなさそうに鼻を鳴らした。
「……見事なまでにシナリオ通りですね、ここは笑っておくべきでしょう」
「……ウケる」
本当に吹き出した怖いもの知らずの市野瀬を、平が一喝した。
「何を笑っているかぁっ! 福田ぁっ! 確保ぉっ!」
条件反射であろう、署員たちが打たれたように全身に力を入れ動く。
が、次の瞬間、別の圧力に押され立ちすくんだ。
かつ、と音を立て、那臣が前に進み出る。
「平副署長は、市野瀬が……自分たちが渋谷南署に悪意をもって乗り込み、制圧しようとした署員を痛めつけた……そうおっしゃるのですか」
ゆっくりと静かな声だった。
そして那臣は何の構えもなくただそこに立っているだけだ。
なのに平は、その圧力に、思わず声を上げそうになった。
恐怖で凍り付きそうになる舌を、必死に動かす。
「……そ、そうだろう。山下に地下へ誘い込まれたなどとほざいているのは、そこの奴らだけだ。
山下は脅されて資料室へと案内させられたんじゃないか……うちの資料室に、何かお前に不都合な資料がある……それを部下に持ち出させようとした、そうじゃないのか……?
……おい、山下、返事をしろ! 山下!」
短く悲鳴を上げ、山下はさらに小さく体を丸めて縮こまった。
那臣は顔をしかめ、深い溜息をついた。
押さえていた怒りが徐々に和らいでいく。
ずっと震えたままの裏切り者と、そして目の前の道化者が哀れにすら思えてきた。
そんな感情の変化が顔に出ていたのだろう。平の斜め後ろあたりで控えていた恭士が、場にそぐわぬふざけた口調で割り込んできた。
「そう疑われてはいけないと、我らが聡明な参事官は、はじめてのおつかいに出発する子どもに、いろいろな防犯グッズを持たせたのですよ、副署長」
「ひどいです主任! 自分、子どもじゃないってあれほど……!」
「いいからさっさとアレを出せ」
市野瀬は反抗期の中学生のようなふてくされた顔で、それでもてきぱきとデイパックからいくつもの機材を取り出した。
すでに半ば気力を失って呆然と立ちすくむ平の目の前で、市野瀬が、褒めて褒めてと言わんばかりの満面の笑顔で、那臣にそれを差し出した。
「渋谷南署内に立ち入る前から今現在までの、自分目線の画像と音声です!
このスーパークリスタルスライムくん二号、全方位カメラ仕様になってるんですよ、可愛いでしょ?」
デイパックにつけていたマスコットをどや、と掲げてみせる。
小学生か、と後ろの名波からツッコミが入った。
暗所で襲撃を受け切り替えた赤外線カメラ内蔵の二号とは別に、市野瀬の肩先では今もスーパークリスタルスライムくん一号カメラが作動している。
操作しているのは品川に残してきたみはやだ。
地下に降りるころから相手はスマホの電波を妨害してきたが、それも想定のうちで、
「市野瀬さんの安全第一、そして犯罪の証拠もがっちり、です。こっそり別の周波数をお借りしちゃいましょう。おおっとこれはもしや電波法いは……もごもご」
と、わざとらしく口ごもったみはやには、後で大目玉と謝意を喰らわせなければならない。
刑事課長と周りの署員たちは、ただ事の推移を見守るしかできないでいる。その不快に静まりかえった空間に、市野瀬が再生した音声が流れた。
『生活安全課に来てくれ、って言われてたんだけど、こっちでいいの?』
『ああ、調書が置いてあるのは地下の資料室なんだ。何せ部屋が狭いからな、すぐにそちらに移しちまうんだよ』
『……おい、遅れるなよ、迷子になるぞ』
『……ええと自分、資料を取りに来ただけなんですけど……』
『悪いな、巻き込まれて気の毒だが、これも命令だ。恨むならあの疫病神を恨めよ』
「あああぁぁぁっ!」
山下が悲痛な叫びを上げる。
アナログの録音機を操作する市野瀬の指が微かに揺れた。
那臣は、市野瀬の背にそっと手を添えた。
「もう十分だろう……済まない。辛い役目を振った」
しかし市野瀬は、むしろ清々しい笑顔を那臣に向けて寄越した。
「いえ、自分、警察官ですから。たとえ友達にでも、悪いことは悪いって言わないと」
那臣は改めて平を見据えた。
「山下の身柄はこちらで預からせてもらいます……いいですね?」
唇をわなわなと震わせる平副署長の後ろで、福田刑事課長が姿勢を正し、那臣に敬礼した。
玉置結奈の遺体遺棄現場であるホテル内のカフェで、市野瀬のカメラ越しに渋谷南署の様子を見届けたみはやは、タブレットの表示を切り替えた。
複数並んだウインドウのひとつが大きく映し出される。
メイド風の可愛らしい衣装の少女たちが、次々とタイムラインに流れていく。
岩城も常時アクセスしている、秋葉原の地下アイドル『めい・ど・あんじゅ』のファンスレッドだ。
地下アイドルとしては人気・実力ともに抜きんでている彼女たちは、非常にディープなファンが多いことでも知られている。
『ご主人さま』と呼ばれる彼らは、平日の昼下がりの今も、自慢のチェキ画像やライブでのやりとりのまとめなどをせっせと流し、めいどたちを愛でていた。
しばらく普通にそのやりとりを楽しんでいたみはやは、キャラメルマキアートを一口啜り、すいと画面に指を滑らせる。
「さあご主人さまたち、めい・ど・あんじゅゲリライベント開催、ですよ」
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タオルで何度も汗を拭い、刑事課長は確認する。
「市野瀬巡査部長の背後からいきなり一人、そしてもう一人殴りかかってきた。さらに別の二人にも拳銃を向けられた、と……」
困惑で苦り切った表情に、痛みが加わる。
「……銃を持ち出した二人は刑事課所属、私の部下ですな……いったいなんだってこんなことを……」
タオルを握りしめた手が震える。
沈黙が訪れた地下に、複数の足音が近づいてきた。
「この騒ぎは何事だね?
……館君、君か。成程ね……」
「副署長」
取り巻きを従えて階段を下りてきたのは、渋谷南署副署長の平だった。
刑事課長と周りにいた署員たちが、緊張した面持ちで敬礼して迎える。
一番近くにいた恭士、それから名波、市野瀬とゆっくり視線を移し、最後に那臣を睨み据えた。
「福田、何をぼうっとしている? こいつらの口先に騙されるな。状況をよく見ろ、警察署襲撃のテロリスト集団だぞ? さっさと身柄を拘束しないか」
一瞬、何を言われたのか判らずにいる刑事課長の向かい側では、名波が面白くもなさそうに鼻を鳴らした。
「……見事なまでにシナリオ通りですね、ここは笑っておくべきでしょう」
「……ウケる」
本当に吹き出した怖いもの知らずの市野瀬を、平が一喝した。
「何を笑っているかぁっ! 福田ぁっ! 確保ぉっ!」
条件反射であろう、署員たちが打たれたように全身に力を入れ動く。
が、次の瞬間、別の圧力に押され立ちすくんだ。
かつ、と音を立て、那臣が前に進み出る。
「平副署長は、市野瀬が……自分たちが渋谷南署に悪意をもって乗り込み、制圧しようとした署員を痛めつけた……そうおっしゃるのですか」
ゆっくりと静かな声だった。
そして那臣は何の構えもなくただそこに立っているだけだ。
なのに平は、その圧力に、思わず声を上げそうになった。
恐怖で凍り付きそうになる舌を、必死に動かす。
「……そ、そうだろう。山下に地下へ誘い込まれたなどとほざいているのは、そこの奴らだけだ。
山下は脅されて資料室へと案内させられたんじゃないか……うちの資料室に、何かお前に不都合な資料がある……それを部下に持ち出させようとした、そうじゃないのか……?
……おい、山下、返事をしろ! 山下!」
短く悲鳴を上げ、山下はさらに小さく体を丸めて縮こまった。
那臣は顔をしかめ、深い溜息をついた。
押さえていた怒りが徐々に和らいでいく。
ずっと震えたままの裏切り者と、そして目の前の道化者が哀れにすら思えてきた。
そんな感情の変化が顔に出ていたのだろう。平の斜め後ろあたりで控えていた恭士が、場にそぐわぬふざけた口調で割り込んできた。
「そう疑われてはいけないと、我らが聡明な参事官は、はじめてのおつかいに出発する子どもに、いろいろな防犯グッズを持たせたのですよ、副署長」
「ひどいです主任! 自分、子どもじゃないってあれほど……!」
「いいからさっさとアレを出せ」
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「渋谷南署内に立ち入る前から今現在までの、自分目線の画像と音声です!
このスーパークリスタルスライムくん二号、全方位カメラ仕様になってるんですよ、可愛いでしょ?」
デイパックにつけていたマスコットをどや、と掲げてみせる。
小学生か、と後ろの名波からツッコミが入った。
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地下に降りるころから相手はスマホの電波を妨害してきたが、それも想定のうちで、
「市野瀬さんの安全第一、そして犯罪の証拠もがっちり、です。こっそり別の周波数をお借りしちゃいましょう。おおっとこれはもしや電波法いは……もごもご」
と、わざとらしく口ごもったみはやには、後で大目玉と謝意を喰らわせなければならない。
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『ああ、調書が置いてあるのは地下の資料室なんだ。何せ部屋が狭いからな、すぐにそちらに移しちまうんだよ』
『……おい、遅れるなよ、迷子になるぞ』
『……ええと自分、資料を取りに来ただけなんですけど……』
『悪いな、巻き込まれて気の毒だが、これも命令だ。恨むならあの疫病神を恨めよ』
「あああぁぁぁっ!」
山下が悲痛な叫びを上げる。
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「いえ、自分、警察官ですから。たとえ友達にでも、悪いことは悪いって言わないと」
那臣は改めて平を見据えた。
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唇をわなわなと震わせる平副署長の後ろで、福田刑事課長が姿勢を正し、那臣に敬礼した。
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地下アイドルとしては人気・実力ともに抜きんでている彼女たちは、非常にディープなファンが多いことでも知られている。
『ご主人さま』と呼ばれる彼らは、平日の昼下がりの今も、自慢のチェキ画像やライブでのやりとりのまとめなどをせっせと流し、めいどたちを愛でていた。
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