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第四章 刑事の元へ、仲間が集う
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高輪潮音荘の入り口の門は、通りを折れた細い路地にあった。
延々と続いた土塀が途切れると、簡素な造りの門が現れる。
表通りを行き交う車や人の賑やかな雑音もここまでは届かず、敷地内では竹林が風に揺られ、さわさわと微かな葉擦れの音を立てていた。
先程からみはやは少し遅れて、スマホの画面を気にしながら付いて来ている。
那臣も立ち止まり、心配そうにみはやの様子を窺っている。
名波は軽く鼻を鳴らすと、門前に立った。
名波がインターフォン越しに身分証を見せる。すると程なくして、きしりと音を立て木戸が開いた。
現れたのは、スーツ姿の人の良さそうな初老の男性だ。
「警視庁捜査一課の名波と申します。先日、近くのホテルで女性の遺体が発見された事件を捜査しておりまして、少々お話を伺いたいのですが」
「それはそれは、ご苦労様です。で、お話とはどのようなことで?」
如才のない営業スマイルで、まずは中へ、と通された。
気付くと、みはやはいつの間にか姿を消している。名波が那臣に視線で問うと、那臣は耳元に手を遣りながら頷いた。
土間に靴を脱ぎ視線を上げる。玄関には山水の描かれた見事な水墨画の屏風が据えられ、客たちを出迎えていた。
奥へと続く廊下の途中、小さく目立たない襖を開け、男は二人を事務所へと招き入れた。
お茶を用意しようとする男をやんわりと止め、名波はいきなり本題に入った。
「十一月二十五日に、こちらを訪れた客のリストがあれば見せていただけませんか」
直接的すぎる切り込みは、半分、もしかしたら共犯者かもしれない人間への揺さぶりだ。
しかし、古沢と名乗った男の反応は、特に手応えのあるものではなかった。
善良な市民によくあるように、おどおどと顔に疑問符を浮かべて尋ねてくる。
「あの……何か当施設をご利用のお客様に疑いが……」
間髪入れず、那臣が和やかに続ける。
「いえ、特にそういう訳ではありません。先程も申し上げたとおり、二十六日早朝にお近くのホテルの庭で女性の遺体が見つかりまして、こちらの施設を訪れた方で、この近辺で怪しい人物を見かけたとか、そういったことがあればお尋ねしたいと、そういうことなんですよ。
なんとかご協力願えませんでしょうか?」
名波が揺さぶりを引き受けてくれたので、那臣はことさら優しい口調で接した。
古沢の顔に明らかな安堵の表情が浮かぶ。
「そういうことでしたら……あ、ただですね、私の一存ではなんとも……施設管理責任者の方へ確認を取ってもよろしいでしょうか?」
古沢の仕事は、主に屋敷や庭園の清掃や修繕、備品の管理などだという。
「今日はたまたま伝票整理でスーツなんか着てますけどね、普段は作業着で庭仕事ですよ」
と言って笑った。
電話を掛けに奥へと消えた古沢を見送り、二人はひそひそとささやいた。
「日焼け具合からいって外の仕事が主であるのは間違いなさそうですね。まあだからといって悪巧みに関わっていないとは限りませんが」
程なく一枚の書類を手に、古沢が戻ってきた。
「二十五日当日は終日……ええと、正確には前日二十四日からですね、日本文化を紹介するビデオ撮影のため、この施設は貸し切りとなっておりました」
「借り主をお伺いしても?」
「はい、会社名はミズホプロモーション様。政府広報などを中心に請け負われている映像制作会社だそうです」
「政府広報……ですか?」
「はい、外務省からの発注とかで。もともと当施設の経営母体は、半官半民の財団法人でして、外務省はじめ各省庁ご紹介の海外のお客様を多数おもてなししております。
今回は当施設の茶室で、着物姿の女性がお茶を点てる様子を撮影なさったとか。
あちらの日本庭園では野点も行っておりますので、日本文化を海外のお客様にアピールするにはもってこいの撮影場所を提供できますよ」
瞳を輝かせて語る古沢である。ここでの仕事に誇りを感じているのだろう。
「こちらが会社の連絡先です。施設の利用履歴も大事な個人情報ですので、施設管理責任者から先様のご担当者様へ、お教えしてよろしいか確認の連絡を入れさせていただきました。構わないとのお返事をいただいております」
その制作会社がクロなら、捜査の手が及ぶかもと予告を入れてしまったようなものだが、それは想定の範囲内だ。
丁重に礼を述べ、席を立つ。
ついでのように、那臣が口を開いた。
「ああ、その撮影。高校生くらいの女の子が参加してませんでしたか?」
「さあ、当日の担当者に聞いてみないと判りませんが……今回のように庭園も含め施設すべてを貸し切りにした場合、基本的には借主様にお任せして、個々のお客様の出入りまでは把握しておりませんので」
当日のスタッフの名前と連絡先を聞いたあと、木戸まで見送ってくれた古沢を背に、二人は表通りへと歩き出した。
角を曲がったところで、タブレットを手にしたみはやが待っていた。那臣が緊迫した面持ちで駆け寄る。
「みはや、あちらはどうだ?」
「現在もっとも順調に進行中、です」
「もっとも順調か……ならそろそろあちらへ向かうとするか」
歩き出した那臣が、拳に僅かな力を込めたのに気付いたか、小走りで隣を進むみはやは、殊更明るい声で続ける。
「那臣さんはやはり仲間思いですね……でも心配はご無用です。武闘派から知能犯まで、館組構成員は華麗なチームプレイで組長のお志を全力応援します!」
「だから尚更心配なんだ、それから組長言うな」
「はい、ではボス、高輪事件の追加情報です。よさげなニュースといや~んなニュース、どちらを先にご報告しましょうか?」
「ボスも禁止だ、オチ狙いじゃなきゃどちらでも構わん」
「ではでは親分、胸糞悪ぃニュースからいきやしょうか?」
「江戸っ子か、それから女子が糞とか言うんじゃない」
「ミズホプロモーションはケイ・シティ・オフィス……河原崎尚毅さんの会社の別名義のひとつでして、担当者は尚毅さんのお友達。発注したとされる外務省の職員は勇毅さんの大学の後輩で、まもなく退職。勇毅さんの口利きで議員さんの秘書さんに就職予定です」
「奴らが一連の事件の犯人と仮定すれば、状況的には真っ黒、って訳ですか」
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先程からみはやは少し遅れて、スマホの画面を気にしながら付いて来ている。
那臣も立ち止まり、心配そうにみはやの様子を窺っている。
名波は軽く鼻を鳴らすと、門前に立った。
名波がインターフォン越しに身分証を見せる。すると程なくして、きしりと音を立て木戸が開いた。
現れたのは、スーツ姿の人の良さそうな初老の男性だ。
「警視庁捜査一課の名波と申します。先日、近くのホテルで女性の遺体が発見された事件を捜査しておりまして、少々お話を伺いたいのですが」
「それはそれは、ご苦労様です。で、お話とはどのようなことで?」
如才のない営業スマイルで、まずは中へ、と通された。
気付くと、みはやはいつの間にか姿を消している。名波が那臣に視線で問うと、那臣は耳元に手を遣りながら頷いた。
土間に靴を脱ぎ視線を上げる。玄関には山水の描かれた見事な水墨画の屏風が据えられ、客たちを出迎えていた。
奥へと続く廊下の途中、小さく目立たない襖を開け、男は二人を事務所へと招き入れた。
お茶を用意しようとする男をやんわりと止め、名波はいきなり本題に入った。
「十一月二十五日に、こちらを訪れた客のリストがあれば見せていただけませんか」
直接的すぎる切り込みは、半分、もしかしたら共犯者かもしれない人間への揺さぶりだ。
しかし、古沢と名乗った男の反応は、特に手応えのあるものではなかった。
善良な市民によくあるように、おどおどと顔に疑問符を浮かべて尋ねてくる。
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間髪入れず、那臣が和やかに続ける。
「いえ、特にそういう訳ではありません。先程も申し上げたとおり、二十六日早朝にお近くのホテルの庭で女性の遺体が見つかりまして、こちらの施設を訪れた方で、この近辺で怪しい人物を見かけたとか、そういったことがあればお尋ねしたいと、そういうことなんですよ。
なんとかご協力願えませんでしょうか?」
名波が揺さぶりを引き受けてくれたので、那臣はことさら優しい口調で接した。
古沢の顔に明らかな安堵の表情が浮かぶ。
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古沢の仕事は、主に屋敷や庭園の清掃や修繕、備品の管理などだという。
「今日はたまたま伝票整理でスーツなんか着てますけどね、普段は作業着で庭仕事ですよ」
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「はい、会社名はミズホプロモーション様。政府広報などを中心に請け負われている映像制作会社だそうです」
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「はい、外務省からの発注とかで。もともと当施設の経営母体は、半官半民の財団法人でして、外務省はじめ各省庁ご紹介の海外のお客様を多数おもてなししております。
今回は当施設の茶室で、着物姿の女性がお茶を点てる様子を撮影なさったとか。
あちらの日本庭園では野点も行っておりますので、日本文化を海外のお客様にアピールするにはもってこいの撮影場所を提供できますよ」
瞳を輝かせて語る古沢である。ここでの仕事に誇りを感じているのだろう。
「こちらが会社の連絡先です。施設の利用履歴も大事な個人情報ですので、施設管理責任者から先様のご担当者様へ、お教えしてよろしいか確認の連絡を入れさせていただきました。構わないとのお返事をいただいております」
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丁重に礼を述べ、席を立つ。
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「ああ、その撮影。高校生くらいの女の子が参加してませんでしたか?」
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「現在もっとも順調に進行中、です」
「もっとも順調か……ならそろそろあちらへ向かうとするか」
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