魔法戦士ギン

burazu

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上陸成功

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 妹のミニル、そしてギンの言葉に奮起したウィルは船を迂回させ、全速力で補給拠点のある島の裏手に回ろうとしていた。

 そんなウィルの奮起の応えるべく、ギンとジエイは迫る帝国軍の船の進行を遅らせるべく船に対し攻撃をしかけようとしていた。

「いくぞ!ジエイ!」
「船に魔法や忍術を放ち敵をけん制するわけですな。まさかギン殿は以前習得した魔法を使うのですかな?」
「いや、あの魔法は1発撃てば、俺の魔力がすぐに尽きてしまう。だから火球を何度も放つ」
「そうですか、ならば絶え間なく放ちましょう」

 そう言って、まずギンが火球を放つ。

 船に火球を当てることに成功はするが、燃えるような気配はない。

「何⁉何故船が燃えない?」
「ギン殿、おそらくは船に魔力障壁が張られている、あるいはあらかじめそういう仕様の素材を使っているやもしれません」
「確かに帝国ならそのような素材を集めることができてもおかしくない」
「プレツには魔法の才がある者が多くいるはず。それでも敗れたとなると、そう考えるのが自然でしょう」

 ギン達の推測通り、帝国の水軍の船には魔力障壁がかけられた素材が使われており、少々の魔法では傷すらつかないようになっている。しかしジエイは船に対しての攻撃に自信があった。

「ですが、我が忍術ならば貫通し、船自体にもダメージは与えられます。お任せを」

 ジエイはそう言うと、印を結び火遁の術を放つ。

 術は船に当たり、船の一部が燃え始め、帝国水軍は混乱に陥る。

「隊長!船が燃えています!」
「何⁉この船は魔法にも耐えうるはずだ、それなのに……とにかく消火を急げ!」

 水軍の隊長は部下たちに消火を命じ、船の進行が止まってしまう。

「急げ、ウィル!今が敵の船を引き離す好機だ!」
「分かったよ!」

 ウィルが船を飛ばすと、段々と島の裏手に近づき、浅瀬ギリギリで船を止める。

「よし、ここからなら足が着くから降りるぞ!」
「待って下さい、風の楯に乗って皆さんを運びます」

 ミニルがそう言うと風の楯を全員が乗れる大きさに形成し、更に楯を寝かせて全員に乗るよう言う。

「さっ、乗って下さい。大丈夫です、私の意思で吹き飛びはしません」

 その言葉を聞き、一同は風の楯に乗り、一気に島に上陸する。

「よっしゃー!上陸成功!」
「喜ぶのはまだ早いようです、敵の船も追いついてきました」

 帝国軍の船の接近を目の当たりにし、ギンが他の者に指示を出す。

「みんな、建物に向かえ、船から降りた敵は俺が食い止める」
「ギン殿、頼みましたぞ!ウィル殿、ミニル殿、参りますぞ!」
「ああ……」
「ご無事でいてください」

 そう言って、ジエイ達は建物に突入していく、このまま作戦は成功するのか?
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