魔法戦士ギン

burazu

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武人バンス

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ブライアンの援護があり、なんとかプレツ軍が守る砦への入城に成功したルルーは、傷ついた兵士たちを治癒魔法で治療していた。

 その援護したブライアンも帝国兵の追撃をかわしながら砦の門前に到着していた。

「ったく、しつこい奴らだぜ。おうりゃぁぁぁぁ!」

 ブライアンは雄叫びと共に斧を振り帝国兵を怯ませ、なんとか砦に入城する。砦への入城に成功すると門を閉め帝国兵の入城を防ぐことに成功する。

 ブライアンが門を閉めた音が聞こえたプレツ兵、神官戦士、そしてルルーが門の付近に集結する。

 兵士達は敵の入城を許したと思いブライアンに対して剣を向けるがそれに対しブライアンが訴えかける。

「ちょ、ちょっと待ってくれ、俺は敵じゃない」

 声と姿を確認したルルーは思わず声をあげる。

「ブライアン⁉」
「おおルルー、お前からも説明してくれ」

 ブライアンの言葉を受け、ルルーは兵士や神官戦士に事の説明をする。

「皆さんご安心ください、彼は我々の味方です。砦まで私を援護してくださりました」

 ルルーの言葉を聞いた兵士達は剣を引き、ブライアンに謝罪の言葉を述べる。

「いや失礼いたした。お許しいただきたい」
「ま、分かってくれたらいいんだけどな」

 兵士に言葉を返すと、ブライアンはルルーに声をかける。

「治療は終わったのか?」
「ええ、なんとかね」
「しかし俺達が砦に入ってから帝国は攻撃らしい攻撃をしてこねえな」

 ブライアンの言葉を聞いてルルーはある考えに至る。

「ひょっとして持久戦に切り替えてきたのかも知れないわ」
「なんでそんなことするんだ?プレツ軍の本隊が来たらさすがに砦どころじゃねえだろ」
「もしくは何かを待っているのかも」
「何かを待つ?どういうことだ?」

 ブライアンとルルーのやりとりを聞いてプレツ軍の将軍が口を挟む。

「シスター殿の考えが当たっているかも知れぬな」

 将軍の声を聞いてルルーが尋ね返す。

「将軍様⁉それは一体どういう事でしょうか?」
「たった今、斥候から報告を受けたのだが、どうやらバンス将軍自らがこの砦の攻撃指揮を執るようだ」
「バンス将軍が⁉」

 ルルー達がこのやりとりをしている頃、バンスは前線指揮をしているブリードのもとに赴いてブリードに声をかける。

「ブリードよ」
「バ、バンス様⁉」
「敵は思いのほかやるようだ。わし自らが前線指揮を執る必要があると判断した」
「申し訳ありません。バンス様のお手をわずらわせることになりまして」

 ブリードの申し訳なさそうな態度に豪快に笑い飛ばしバンスは言葉をかける。

「ワッハッハ、お前が気にすることではないわ。それにわしもたまには剣を振るわんと体がなまってしまうからな」
「バンス様……」
「それにここに来る途中で報告を受けたがどうやらプラナが負傷し戦線を離脱したようだ」
「プラナがですか⁉」

 ブリードの驚く表情を見て先程までの笑顔は消え、眼光を鋭くしバンスは語りだす。

「例の魔法剣の剣士、そして魔術師の娘を相手にしたようだ」

 バンスも武人としてギン、そしてエイムを強敵であると感じ取り彼らが来る前に砦を落とす決意を固めるのであった。
続く
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