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魔法剣VS魔導騎士
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グラッスのトッポックス領にてギン達とブロッス帝国の魔導騎士団との戦いが始まろうとしているなか、魔導騎士団を率いるカイスが他の団員に声をかけている。
「私があの剣士の相手をする。みなは他の者を始末しろ」
「はっ!」
カイスは自らがギンと一騎打ちをし、他の団員に残りの面々を相手するよう意思を表明する。それを受けギンも他の仲間に指示を出す。
「奴は俺との一騎打ちをお望みのようだ。ブライアン、魔法に気をつけながらエイムとルルーの前面に立って戦ってくれ。ルルーは魔法障壁でブライアンをフォローしてくれ」
「おお」
「分かったわ」
ブライアンとルルーがギンの指示に意気揚々と答える中、エイムがギンに尋ねる。
「ギンさん、私はどうすれば?」
「エイムはあの女士官に隙が出来たら強力な魔法を放ってくれ。見たところ奴はあの男の次に部隊内の地位が高そうだ」
「分かりました。やってみます」
各々がそれぞれの役割を確認したところでいよいよ開戦だ。カイスとギンは対峙し互いに剣を抜いて臨戦態勢となる。
まずはギンがカイスに対して刃を向け、斬りあいに持ち込む。カイスも剣でギンの剣先を受け、つば競り合いを続け、カイスが距離をとりギンに言葉を放つ。
「ふっ、この私とここまで渡り合えるとは大したものだな。だがこれはどうか」
カイスは剣を右手で持っており、剣を持っていない左手より魔法を放つ。雷の魔法だ。
ギンは魔法で剣を強化して雷の魔法を受け止める。それを見たカイスがギンの技に気付く。
「貴様が魔法剣を使う剣士か。確かにバンスやフィファーナの部隊を退けることはある。だが我らとてそう簡単にはやられはせんぞ!」
そう言って今度はギンに接近し、斬りあいに持ち込む。ギンも剣でさばくが、カイスの動きは速く、ギンは速度強化の魔法でカイスより距離をとる。
ギンはカイスが強敵であると感じていた。一流の剣の腕前、そして魔法を効果的な場面で使用する判断力。これらを持ち合わせるカイスとどう戦うかギンは思案しているが決定的な瞬間はおとずれない。
そんな中、魔導騎士団の一員であるプラナが兵を指揮してブライアン達と交戦をする。プラナが兵達に指示をだしているようだ。
「まずはあの大男を集中攻撃せよ。そうすればあの魔術師と聖職者を守る者はいなくなる」
「はっ!」
兵士たちはブライアンをまず狙い、防衛手段に乏しいエイム達を無力化する作戦に出る。ブライアンに敵が迫るのを見てエイムが声を掛ける。
「ブライアンさん、兵士をできる限り引き付けてください」
「どうするんだ?」
「魔法ではじきます」
そう言うとエイムは呪文の詠唱を始める。
「風を司りし者よ、古の盟約に従ひて我の望みに応えよ。彼の者に仇名す者を吹き飛ばし給へ嵐の壁!」
その瞬間ブライアンに敵が接近するとブライアンの周りに風が吹き荒れ敵兵が吹き飛ぶ。それを見たエイムがブライアンに声をかける。
「持続時間は短いですがそれで敵意がある人は吹き飛ぶので大丈夫です」
エイムの魔法を見たプラナは戦慄する。
「なんという魔術師……」
続く
「私があの剣士の相手をする。みなは他の者を始末しろ」
「はっ!」
カイスは自らがギンと一騎打ちをし、他の団員に残りの面々を相手するよう意思を表明する。それを受けギンも他の仲間に指示を出す。
「奴は俺との一騎打ちをお望みのようだ。ブライアン、魔法に気をつけながらエイムとルルーの前面に立って戦ってくれ。ルルーは魔法障壁でブライアンをフォローしてくれ」
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カイスは剣を右手で持っており、剣を持っていない左手より魔法を放つ。雷の魔法だ。
ギンは魔法で剣を強化して雷の魔法を受け止める。それを見たカイスがギンの技に気付く。
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ギンはカイスが強敵であると感じていた。一流の剣の腕前、そして魔法を効果的な場面で使用する判断力。これらを持ち合わせるカイスとどう戦うかギンは思案しているが決定的な瞬間はおとずれない。
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その瞬間ブライアンに敵が接近するとブライアンの周りに風が吹き荒れ敵兵が吹き飛ぶ。それを見たエイムがブライアンに声をかける。
「持続時間は短いですがそれで敵意がある人は吹き飛ぶので大丈夫です」
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