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女将軍フィファーナ
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暗殺者を撃退したジエイとギン達の前に兵を引き連れた女がジエイに呼びかけ、ジエイがすぐさま返答をする。
「フィファーナ……将軍!」
女の名はフィファーナであり、ブロッス帝国の将軍である。ジエイの返答にさらにフィファーナが言葉を返す。
「まさかまだ生きておるとはのう、わらわは少々そちをみくびっていたようじゃ」
ジエイとフィファーナの会話のさなか、ギンがフィファーナに声を掛ける。
「まさか将軍自ら戦場に赴くとは、打ち取る好機だな」
「はっ!わらわを打ち取る?ハッハッハッ!おもしろいことを言う男じゃのう。じゃが少々わらわをみくびっておるのう」
そう言って扇を取り出し、その扇を振ると強烈な風がギン達の方向に吹いていくる。ギンとジエイは咄嗟に防御態勢をとり持ちこたえたが、馬車が転倒してしまう。それを確認したギンが他の仲間に呼びかける。
「みんな、大丈夫か⁉」
その言葉を聞いてルルーがギンの呼びかけに返答する。
「ええっ、みんな大丈夫よ。咄嗟に防御障壁を張ったから。詠唱が間に合わなくて不完全ではあるけど」
魔法の発動の仕方に違和感を覚えたブライアンが疑問を吐露する。
「何なんだ?今のは、あの扇から風が放たれた。あれも魔法なのか?」
ブライアンの疑問にムルカが答え説明する。
「魔法というのはイメージする力が大事だ。おそらくフィファーナ将軍は扇を振ると自然と風が吹くという現象をそのまま自らの魔法に転用し、精度を高めたのであろう」
ムルカの発言に同意したエイムが更に気付いたことを一同に話す。
「ムルカ様のおっしゃる通りです。しかもあの方は精霊と契約していないのにあれほどの魔法を使えるから、魔法の素養は高いです」
エイムの発言に疑問を感じたルルーがエイムに尋ねる。
「ちょっと待って、エイム!あなた、精霊との契約をしているかどうかが分かるの?」
「あ、はい。なんとなくですが、精霊を感じ取ることができるんです」
尋ねたルルー、そしてムルカは魔術師でも、感知魔法を使用しなければ契約精霊を把握できないという事を知識としては知っていたが、エイムにそのような素振りが見られなかったことから、エイムは感覚で精霊というものの存在を感じることができるのではないかという考えに至った。
そして一同の話を聞いたフィファーナが感心するとともに殺気を露わにした。
「フフフ、なかなか鋭いのう。やはりそちらを生かしておくわけにはいかぬのう」
フィファーナが臨戦態勢をさらに強めた。果たしてギン達はこの将軍に勝てるのか?
続く
「フィファーナ……将軍!」
女の名はフィファーナであり、ブロッス帝国の将軍である。ジエイの返答にさらにフィファーナが言葉を返す。
「まさかまだ生きておるとはのう、わらわは少々そちをみくびっていたようじゃ」
ジエイとフィファーナの会話のさなか、ギンがフィファーナに声を掛ける。
「まさか将軍自ら戦場に赴くとは、打ち取る好機だな」
「はっ!わらわを打ち取る?ハッハッハッ!おもしろいことを言う男じゃのう。じゃが少々わらわをみくびっておるのう」
そう言って扇を取り出し、その扇を振ると強烈な風がギン達の方向に吹いていくる。ギンとジエイは咄嗟に防御態勢をとり持ちこたえたが、馬車が転倒してしまう。それを確認したギンが他の仲間に呼びかける。
「みんな、大丈夫か⁉」
その言葉を聞いてルルーがギンの呼びかけに返答する。
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「何なんだ?今のは、あの扇から風が放たれた。あれも魔法なのか?」
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「魔法というのはイメージする力が大事だ。おそらくフィファーナ将軍は扇を振ると自然と風が吹くという現象をそのまま自らの魔法に転用し、精度を高めたのであろう」
ムルカの発言に同意したエイムが更に気付いたことを一同に話す。
「ムルカ様のおっしゃる通りです。しかもあの方は精霊と契約していないのにあれほどの魔法を使えるから、魔法の素養は高いです」
エイムの発言に疑問を感じたルルーがエイムに尋ねる。
「ちょっと待って、エイム!あなた、精霊との契約をしているかどうかが分かるの?」
「あ、はい。なんとなくですが、精霊を感じ取ることができるんです」
尋ねたルルー、そしてムルカは魔術師でも、感知魔法を使用しなければ契約精霊を把握できないという事を知識としては知っていたが、エイムにそのような素振りが見られなかったことから、エイムは感覚で精霊というものの存在を感じることができるのではないかという考えに至った。
そして一同の話を聞いたフィファーナが感心するとともに殺気を露わにした。
「フフフ、なかなか鋭いのう。やはりそちらを生かしておくわけにはいかぬのう」
フィファーナが臨戦態勢をさらに強めた。果たしてギン達はこの将軍に勝てるのか?
続く
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