魔法戦士ギン

burazu

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戦いの前兆

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 魔術師の村より少し離れた町に着いたギン達は町中で今後の話し合いをしていた。その中でルルーが発言をしているようだ。

「ねえみんなこれからのことだけど、私は1度スップに戻って司祭様に相談してみるのが良いと思うの。司祭様ならプレツの王族や貴族にも顔が利くからなにかしらの対策を講じてくださると思うの」
「それは前に話していた俺が軍事的な理由で狙われているとい話か?俺1人の為にそこまでしてもらう必要があるのか?」
「何を言ってんのよ!あの時ははっきり言わなかったけど、ブロッス帝国があなたを狙っている可能性は高いわ。それはもうあなた1人の問題ではないわ。私達……ううん、プレツやコッポにも関わってくるわ」

 ルルーの言葉を聞いて前日のエイムの父トールとの会話を思い出したギンは反論の余地なしと思い、ルルーの言葉を沈黙を守りながら聞く。

「とりあえず、まずは司祭様にあなたの事情を話すわ。魔力感知ができるエイムのこともね」

 突如自分の話になったエイムは驚き、ルルーに聞き返す。

「わ、私もですか?」
「そうよ。私や司祭様では近くの人間の魔力は感じることはできても、物を媒介しての遠隔感知はできないの。とにかく私達からすればあなた達の力は未知の部分が多いから。事は慎重に運ばないと」

 ルルーは、ギンの魔法剣だけでなくエイムの魔力も底が知れないことを感じていた。無論2人が自分たちに敵意がないことは重々承知なのだが、慎重に事を進めなければすぐに事態が急変してしまう。そんな予感をしていたのだ。

「とりあえずこの町で貸馬車を探しましょう」

 そう言ってギン達は貸馬車を見つけ、代金を払って乗り込み、数日掛けて再度プレツとの国境に到着するがそこで兵士に止められる事態が発生する。

「申し訳ないが今入国を制限している状態なのであなた方の身分を確認したい」
わたくしはミッツ教徒のルルーと申します。このブレスレットが証でございます」

 そう言ってルルーは自らの左腕に巻いているブレスレットを兵士に見せる。

「失礼致しました!後ろの方々も教徒の方でございますか?」
「ええ、新たな入信希望者でございます」

 その言葉を聞いたブライアンが思わずルルーに抗議しそうになるがすぐさまギンに口を紡がれる。

「おい、ちょっとま……ムグムグ……」

 話を逸らすようにルルーは兵士に尋ねる。

「ところでなにがあったのでしょうか?わたくしはここ最近国を離れていたものですから」
「ええ、実はブロッス帝国が侵攻してくるという情報があり、国境付近は警戒態勢を強めているのです」

 兵士の言葉を聞いたルルーはさらに兵士に尋ねる。

「それで、現時点でどれほど接近しているのですか?」
「情報が入れば我らもその場に集結するよう命令があるのでおそらくまだかと」
「分かりました。ありがとうございます」

 そしてギン達は再度プレツに入国を果たし、言葉を掛けあう。

「ルルー、さっきの話」
「ええ、まずは教会まで急ぎましょう」

 ギン達とブロッス帝国の戦いの幕があけようとしている。
 続く
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