12 / 207
牢屋
しおりを挟む
カール達により拘束されたギン達は兵士の詰所の地下にある牢屋に放り込まれる。階段より1番遠い牢屋にギンが閉じ込められ、その正面にブライアン、ギンの牢屋の左隣にエイムが閉じ込められる。牢屋に入れられた3人に向けて兵士が言葉を放つ。
「いいか、まずはお前達のことを国境の兵士に確認する。ブライアン、お前の処分はその結果次第になるからな」
兵士が言いたかったのは脱走の手引きを他人に依頼したかどうかで罪の重さが変わるというものである。この言葉を聞いて結局自分は断罪されるとブライアンは悟ったのである。
「ちきしょう、奴らは最初から理由をつけて目障りな俺を消したかったんだ。すまねえ、俺のせいであんたらまでこんな目にあわせてしまって」
「そんな、ブライアンさんのせいではありません。あの方達はご自分たちが貴族だからと言って平民のブライアンさんを悪者扱いする方が間違っています」
エイムの言葉に少し引っ掛かりを覚えたギンが自分の見解を述べる。
「いや、それは少し違うかもしれない」
「え?どういうことですか?」
「奴らは貴族や騎士の家の生まれ。ブライアンは平民の生まれ。これだけなら両者に本来関りは生まれにくいのだが、同じ隊に所属することとなった。そうだな?」
ギンの発言に不意を突かれたのか一瞬戸惑うブライアンであったが、すぐさま返答する。
「あ、ああそうだが、それが何だってんだ?」
「お前自身も言っていたが、魔物討伐で功績をあげるお前が目障りだというのが答えだ」
「魔物討伐の功績ですか?」
エイムはギンの言葉に疑問を感じたがギンもすぐさまに返答する。
「ブライアンが功績をあげることで奴らは自分たちの地位が揺らぐのではないかと恐れた。ブライアンの力量が並であれば排除は考えなかったかも知れない。奴らは功績をあげブライアンが出世することで、貴族出身の自分たちが平民での男の下につかなければならないということの実現を恐れたんだ。特に先程のカールという男はかなりプライドが高いと見受けられるな」
「ああ、そうだ。プライドが服を着て歩いているような奴だ」
ギン達の会話を聞いて兵士が声をあげる。
「うるさいぞ、貴様ら!おい旅の男!貴様ごときが貴族社会の何たるかを分かったように語ることが許されると思うな。ブライアンは我らの隊にふさわしくない。ただそれだけのことだ!分かったなら黙っていろ。次くだらんことをほざくと命はないと思え」
そう言って兵士は去っていき、ギン達は黙り込む。
沈黙が続く中、兵士達の話声が聞こえてきてギン達は聞き耳を立てる。
「なあ、おい聞いたかブライアンとあの旅の奴らのこと」
「何でも3人とも死罪だってよ」
この言葉を聞いてギン達は驚愕する。
「ま、ブライアンはどんな形であれいなくなってもらうつもりだったんだけどな」
「そうだな、あの旅の奴らがブライアンと接触しちまった。それでカールさんもまとめて消すことをきめたんだもんな」
兵士達の声が遠くなっていくのを感じたギン達はカール達がいずれにしても自分達を断罪するつもりであったことを悟った。
命の危機を感じたギンはここを脱出する方法を思案するがいい方法が見つからない。
そんな時にギンは鉄格子を見て何かに気付き、左隣のエイムの牢屋側の壁をある法則にのせたリズムで叩く。
「えっ?ギンさん?」
エイムは戸惑うが聞き耳を立てて音を読み取り、ギンの伝えたいことを自ら言葉にする。
「き・こ・え・る・か」
自分で言葉にしてギンが「聞こえるか」と伝えったかったことに気付き、すぐに返答する。
「き・こ・え・ま・す」
ギンもすぐに返答して牢屋越しの無言の会話を実現させる。
「1つ聞きたい、熱だけを発生させる魔法は使えるか?」
「出来ますが、火を起こさず熱を発生させるのは魔力コントロールが難しく、失敗すれば建物ごと私達まで溶けてしまうかも知れません」
「熱の発生の範囲を絞ればどうだ?」
「少しはコントロールがしやすくなります」
「じゃあ、鉄格子だけに熱を発生させてくれ」
「分かりました、やってみます」
エイムはギンの指示で鉄格子のみに魔法で熱を発生させることとした。兵士に聞かれないよう小声で呪文の詠唱を始める。
「火を司りし者よ、古の盟約に従ひて我の望みに応えよ。我が望し空間に理を歪め熱を起こし給へ。熱の向上!」
エイムの牢屋の鉄格子が熱で溶けていく。
牢屋から抜け出したエイムはギンの牢屋の鉄格子を溶かそうとするがギンに制止される。
「俺より先にあいつを出してやってくれ」
「はい、わかりました」
エイムはギンの言うようにブライアンの牢屋の鉄格子を魔法で溶かす。
「助かったぜ、お嬢ちゃん」
「いえ。ギンさん今出します」
突如、牢屋が慌ただしくなったのを察した兵士がエイムとブライアンの前に現れる。
「貴様ら、脱獄か!逃がさんぞ」
次の瞬間、ギンが魔法で強化した剣で鉄格子を破壊して兵士の懐に飛び込み、剣を持っている逆の手で殴り倒す。
「ぐはっ!」
その場に兵士は倒れこみ、ギンがエイムたちに言葉を掛ける。
「いくぞ!脱出だ」
牢から脱出した3人は無実を証明できるのか?
続く
「いいか、まずはお前達のことを国境の兵士に確認する。ブライアン、お前の処分はその結果次第になるからな」
兵士が言いたかったのは脱走の手引きを他人に依頼したかどうかで罪の重さが変わるというものである。この言葉を聞いて結局自分は断罪されるとブライアンは悟ったのである。
「ちきしょう、奴らは最初から理由をつけて目障りな俺を消したかったんだ。すまねえ、俺のせいであんたらまでこんな目にあわせてしまって」
「そんな、ブライアンさんのせいではありません。あの方達はご自分たちが貴族だからと言って平民のブライアンさんを悪者扱いする方が間違っています」
エイムの言葉に少し引っ掛かりを覚えたギンが自分の見解を述べる。
「いや、それは少し違うかもしれない」
「え?どういうことですか?」
「奴らは貴族や騎士の家の生まれ。ブライアンは平民の生まれ。これだけなら両者に本来関りは生まれにくいのだが、同じ隊に所属することとなった。そうだな?」
ギンの発言に不意を突かれたのか一瞬戸惑うブライアンであったが、すぐさま返答する。
「あ、ああそうだが、それが何だってんだ?」
「お前自身も言っていたが、魔物討伐で功績をあげるお前が目障りだというのが答えだ」
「魔物討伐の功績ですか?」
エイムはギンの言葉に疑問を感じたがギンもすぐさまに返答する。
「ブライアンが功績をあげることで奴らは自分たちの地位が揺らぐのではないかと恐れた。ブライアンの力量が並であれば排除は考えなかったかも知れない。奴らは功績をあげブライアンが出世することで、貴族出身の自分たちが平民での男の下につかなければならないということの実現を恐れたんだ。特に先程のカールという男はかなりプライドが高いと見受けられるな」
「ああ、そうだ。プライドが服を着て歩いているような奴だ」
ギン達の会話を聞いて兵士が声をあげる。
「うるさいぞ、貴様ら!おい旅の男!貴様ごときが貴族社会の何たるかを分かったように語ることが許されると思うな。ブライアンは我らの隊にふさわしくない。ただそれだけのことだ!分かったなら黙っていろ。次くだらんことをほざくと命はないと思え」
そう言って兵士は去っていき、ギン達は黙り込む。
沈黙が続く中、兵士達の話声が聞こえてきてギン達は聞き耳を立てる。
「なあ、おい聞いたかブライアンとあの旅の奴らのこと」
「何でも3人とも死罪だってよ」
この言葉を聞いてギン達は驚愕する。
「ま、ブライアンはどんな形であれいなくなってもらうつもりだったんだけどな」
「そうだな、あの旅の奴らがブライアンと接触しちまった。それでカールさんもまとめて消すことをきめたんだもんな」
兵士達の声が遠くなっていくのを感じたギン達はカール達がいずれにしても自分達を断罪するつもりであったことを悟った。
命の危機を感じたギンはここを脱出する方法を思案するがいい方法が見つからない。
そんな時にギンは鉄格子を見て何かに気付き、左隣のエイムの牢屋側の壁をある法則にのせたリズムで叩く。
「えっ?ギンさん?」
エイムは戸惑うが聞き耳を立てて音を読み取り、ギンの伝えたいことを自ら言葉にする。
「き・こ・え・る・か」
自分で言葉にしてギンが「聞こえるか」と伝えったかったことに気付き、すぐに返答する。
「き・こ・え・ま・す」
ギンもすぐに返答して牢屋越しの無言の会話を実現させる。
「1つ聞きたい、熱だけを発生させる魔法は使えるか?」
「出来ますが、火を起こさず熱を発生させるのは魔力コントロールが難しく、失敗すれば建物ごと私達まで溶けてしまうかも知れません」
「熱の発生の範囲を絞ればどうだ?」
「少しはコントロールがしやすくなります」
「じゃあ、鉄格子だけに熱を発生させてくれ」
「分かりました、やってみます」
エイムはギンの指示で鉄格子のみに魔法で熱を発生させることとした。兵士に聞かれないよう小声で呪文の詠唱を始める。
「火を司りし者よ、古の盟約に従ひて我の望みに応えよ。我が望し空間に理を歪め熱を起こし給へ。熱の向上!」
エイムの牢屋の鉄格子が熱で溶けていく。
牢屋から抜け出したエイムはギンの牢屋の鉄格子を溶かそうとするがギンに制止される。
「俺より先にあいつを出してやってくれ」
「はい、わかりました」
エイムはギンの言うようにブライアンの牢屋の鉄格子を魔法で溶かす。
「助かったぜ、お嬢ちゃん」
「いえ。ギンさん今出します」
突如、牢屋が慌ただしくなったのを察した兵士がエイムとブライアンの前に現れる。
「貴様ら、脱獄か!逃がさんぞ」
次の瞬間、ギンが魔法で強化した剣で鉄格子を破壊して兵士の懐に飛び込み、剣を持っている逆の手で殴り倒す。
「ぐはっ!」
その場に兵士は倒れこみ、ギンがエイムたちに言葉を掛ける。
「いくぞ!脱出だ」
牢から脱出した3人は無実を証明できるのか?
続く
0
あなたにおすすめの小説
魔女とお婿様
深月織
ファンタジー
ある日突然やって来た、私のお婿様は――
秘密を隠した王子と魔女の新婚(?)ラブコメ。
’08年~なろうにて掲載
※とても初期の作品です
※※文章がとても初期です
※※※ファイル迷子予防のために載せておきます
聖女召喚に巻き込まれたけど、僕は聖者で彼女よりも優れた能力を持っていた。
アノマロカリス
恋愛
僕の名前は、凱旋寺聖(がいせんじひじり)という厳つい苗字の高校2人生だ。
名前から分かる通り、僕の家は300年続く御寺の一族だ。
その所為か、子供の頃から躾は厳しく育てられた…が、別に跡を継ぐという話は出た事がない。
それもその筈…上に、二人の兄と姉がいるからだ。
なので、兄や姉が後継を拒まない限り、跡目争いに巻き込まれるわけではないのだ。
そんなわけで、厳しく育てられては来たが…抜け道を探しては良く遊んでいた。
…という、日頃の行いが悪い事をしていた所為か…
まさか、あんな事に巻き込まれるなんてなぁ?
この物語はフィクションです。
実在の人物や団体とは一切関係がありません。
理葬境
忍原富臣
ファンタジー
戦の時代、小国同士が争い陣地を広げていたような頃の物語――
大国を築いた国王は飢饉により多くの民を犠牲にした。納税を厳しくした結果、民たちは苦しみ死んでいった。一方、王城や城下町で暮らす人々にはきちんとした食料が分け与えられていた。
飢饉は収まらず、国王は大臣達に何か案を出すように命じる。そして、一人の大臣の案が採用され、数ヶ月、数年後には何とか持ち直すことが出来た――
この物語の始まりはここから……
ある日、国王は息子に自分の寿命が短いことを告げる。
国王が亡くなってから、町や村では「悪夢」という得体の知れないものが噂されるようになった。
大臣の一人、剛昌は急死する前の国王の異変に気が付き調査を進めていくが……。
これは理弔と呼ばれる村が出来るまでの物語……。
登場人物たちの過去からこの先に待ち受ける未来までを描いた儚き物語……。
そして、この物語の本質は登場人物たち全員が主人公となり「死者の為に紡ぐ物語」であるということ。
レベル1のフリはやめた。貸した力を全回収
ソラ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ち、ソラ。
彼はレベル1の無能として蔑まれ、魔王討伐を目前に「お前のようなゴミはいらない」と追放を言い渡される。
だが、傲慢な勇者たちは知らなかった。
自分たちが人間最高峰の力を維持できていたのは、すべてソラの規格外のステータスを『借りていた』からだということを。
「……わかった。貸していた力、すべて返してもらうよ」
契約解除。返還されたレベルは9999。
一瞬にして力を失い、ただの凡人へと転落しパニックに陥る勇者たち。
対するソラは、星を砕くほどの万能感を取り戻しながらも、淡々と宿を去る。
静かな隠居を望むソラだったが、路地裏で「才能なし」と虐げられていた少女ミィナを助けたことで、運命が変わり始める。
「借金の利息として、君を最強にしてあげよう」
これは、世界そのものにステータスを貸し付けていた最強の『貸与者』が、不条理な世界を再定義していく物語。
(本作品はAIを活用して構成・執筆しています)
規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜
Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。
だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。
赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。
前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、
今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。
記憶を失ったふりをしながら、
静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。
しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。
――これは復讐でも、救済でもない。
自由を求めただけの少年が、
やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。
最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。
重複投稿作品です
小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
金喰い虫ですって!? 婚約破棄&追放された用済み聖女は、実は妖精の愛し子でした ~田舎に帰って妖精さんたちと幸せに暮らします~
アトハ
ファンタジー
「貴様はもう用済みだ。『聖女』などという迷信に踊らされて大損だった。どこへでも行くが良い」
突然の宣告で、国外追放。国のため、必死で毎日祈りを捧げたのに、その仕打ちはあんまりでではありませんか!
魔法技術が進んだ今、妖精への祈りという不確かな力を行使する聖女は国にとっての『金喰い虫』とのことですが。
「これから大災厄が来るのにね~」
「ばかな国だね~。自ら聖女様を手放そうなんて~」
妖精の声が聞こえる私は、知っています。
この国には、間もなく前代未聞の災厄が訪れるということを。
もう国のことなんて知りません。
追放したのはそっちです!
故郷に戻ってゆっくりさせてもらいますからね!
※ 他の小説サイト様にも投稿しています
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる