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夜のランニング

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 次回の配信をどうするかを話し終えるとダンジョンプリズマー、ホワイトペインターは脱出口に入り、ダンジョンプリズマーは自室に戻ると変身を解除し駿の姿に戻る。

「ふう、レベルアップか?それって俺の肉体にも反映されているのかな?」

 一瞬抱いた疑問を解消すべく駿は私物のジャージに着替えて部屋を出た。その勢いで家からも出そうになると母より声をかけられる。

「ちょっと駿、こんな時間にどこに行くの?」
「母さん、悪い、ちょっとランニングに」
「今から?明日じゃダメなの?」
「うーーーん、いや、やっぱり今のうちにしないと忘れそうでさ」

 駿はダンジョンでのレベルアップがダンジョンプリズマーとしての能力だけだなく、自分本来の肉体にも反映されていないか気になり、ランニングを思い立ったが、今日を逃すと校外学習の事を立て込みできないのではないかと思い、実行を試みようとした意思を簡単な言葉で母に伝えたのだ。

「?まあもうすぐ校外学習だし、できなくなるのが心配なのね、もう遅いからなるべく早く帰ってくるのよ」
「悪い、じゃあ」

 短い言葉を言い残し、駿は家を出てランニングを試みる。

「はあ、はあ、最近特に鍛えていないからか、あんまり変わったような気はするな……」

 とりあえず駿はある程度ランニングをしてみるが肉体的に大きな変化はなさそうではないかと考える。そこで駿は思い切って全力で走ってみてある事を確信する。

「はあ、はあ、はあ、やっぱそんな変わっていないな、それにダンジョンプリズマーになっている時はあまり感じない疲労を感じているし、やっぱりダンジョンでのレベルアップは本来の肉体に反映されないのかもな」

 駿は全力ダッシュを試みるが速度が上がっている実感はないうえに疲労も感じていなかった。

「正確なタイムが計れたらいいけど、それには誰かに俺がダンジョンプリズマーって事を話さないといけないからな……」

 駿は疲労度はともかくとして何か上がっている可能性を考え100mや50mのタイムが計れないかを考えていたが、それには自分がダンジョンプリズマーである事を明かさないといけないと考えていると、どこからともなく声がする。

「ちょっと君、こんなに夜遅く1人で何しているの?」

 女性の声が自分に呼びかけられていると感じて、振り向くと意外な人物だったので思わず声をあげる。

「り、リサ・バーン⁉」
「ちょっと、確かに私は配信者としてそう名乗っているけど、今はただの上田梨沙、会社員よ」
「し、失礼しました」
「君、中学生、高校生?こんな夜遅く遊び歩いているなんてお姉さん感心しないよ」

 突如駿の前に現れたリサ・バーンこと上田梨沙、駿はどうするのか?
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