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クレー射撃指導

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 3人の連携でダークフクロウを退けた【マスクドダンジョン】とリサ・バーンは脱出口を見つけて、その前でまずはそれぞれの視聴者に向けて配信終了の挨拶をしていた。

「それではさらばだ!また会おう諸君!」
『おおーーーバイバーーイ!』
『待たねえーーー!』

「本日も応援ありがとうございました、それではまた明日お会いしましょう」
『さよならーーー!』
『バイバーーーイ!また明日ねえ」

「配信終了、それじゃあまた次回に」
『はい!待ってまーーす!』
『お疲れ様でした』

 全員が視聴者に配信終了の挨拶を終えてそれぞれが配信用のカメラを切ると、最初にリサが口を開く。

「それじゃあ言うわ、何で私がダンプリちゃんにもしかしたらホワイトちゃんが怒っているかもしれないって言った理由を」
「お願いします、だけど今日の戦いであなたは的確な助言をしていましたし、ダンジョンプリズマーの行動に問題があったと感じたからそう言ったのではとも考えるようになりました」
「……ええ、確かにそうよ、ダンプリちゃんがあれは寺田さんにつっかかたっともとられてもおかしくないし、それでホワイトちゃんの立場まで悪くするかもっていう助言だったの」
「そうですか、でも怒っているかもと思ったのにもなにか理由があったんですか?」

 ホワイトペインターに尋ねられたリサは少し沈んだ表情で話し始める。

「あのね、私クレー射撃の現役引退後は母校の大学でクレー射撃の指導をしているの」
「たしか強豪校で有名な徳撃大学なのでは」
「ええ、あ、指導と言っても普段は会社員だし、空いた時間のボランティアみたいなものでね」
「そうなんですか」
「みんなとても熱心で大会でも頑張っていたんだけど、優勝を逃しちゃってね」
「まあ、いくら強豪校とはいえ、そういう事もあるだろう」
「私も勝負の世界に生きていたし、もう1度気を引き締め直そうとした時にちょっとした事件があったのよ」

 リサはちょっとした事件といい、その内容について話し始めた。

「ネットの掲示板やSNSに私の指導者としての不適格だという感じのさまざまな事が書かれたのよ」
「それはひどい……」
「まあ、それ自体は金じゃなくて銅メダルかよみたいな事も書かれているし私は慣れていたんだけど、教え子達はそうじゃなかったの」
「それって……」
「書き込んだアカウントに対して反論をしたんだけど、彼らに更にそれを利用されて『上田はクレーの指導だけじゃなく、学生指導も失格だ』なんて書き込みを更にしたの」

 中傷されたリサの為に立ち上がった学生の行動はかえってリサを苦しめていたのだ。
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